戸建賃貸需要の高まりにより、人気が高まっている戸建賃貸経営ですが、これから戸建賃貸経営を始めようという方の中には、「ちゃんと儲かるのかな」と不安に感じてる方もいるのではないでしょうか。
戸建賃貸経営は、アパートやマンション経営とは異なる点が多いため、アパート経営やマンション経営との違いや、収益性や利回り相場についてきちんと理解しておくことが重要です。
この記事では、借り手のつかない戸建物件の特徴、戸建賃貸経営がどういった経営なのか、成功するためにはどうすれば良いのかについて解説していきます。
借り手がつかない戸建物件の特徴
戸建賃貸経営とは、一戸建ての住宅を賃貸物件として貸し出して家賃収入を得るという土地活用方法です。戸建賃貸経営には、所有する戸建て物件を賃貸に出す方法や、所有する土地に戸建て物件を新築して賃貸に出す方法などがあります。
アパートなどの供給が過剰気味である現状を考えると戸建物件には需要が高くあります。ただし、戸建なら何でも需要があるというわけではなく、借り手がつかない物件も存在します。本章では、その借り手のつかない戸建物件の特徴について紹介します。
家賃が高すぎる
戸建賃貸経営では物件の構造上、アパートやマンションなどと比較すると家賃が高く設定されることが多いです。
ここで、家賃設定を高くしすぎてしまうと借り手が見つからなくなってしまいます。入居希望者からすれば、相場と比べて高すぎる家賃を払ってまで一戸建ての賃貸をするくらいなら、購入したり自分で建てたりした方が良いからです。
家賃相場はエリアによって異なり、違うエリアにある人気物件の条件を自分の物件に適用させても、必ずしもうまくいくとは限りません。家賃の設定は、エリアの特性や競合物件の条件をよく理解したうえで適切に行うことが大切です。
対策
家賃を決定する際、ポータルサイトや同じエリアの競合物件を調査することはもちろん大切ですが、周辺物件の売買価格を調べることも効果的です。
なぜなら、物件の購入による月々のローン返済額よりも高い家賃で募集をしたところで、入居希望者は現れるわけがないためです。また、単身向けが良いのかファミリー層向けが良いのかの地域特性を理解し、それにより家賃設定をすることも重要です。
外装や内装の古さが目立つ
外装や内装の古さが目立つことも、戸建賃貸に借り手がつかない理由の一つです。外装や内装の古さが目立つことは、物件の紹介・案内時に内覧までいかずに敬遠されたり、現地看板から問い合わせが来なかったりする原因になります。
アパートやマンションなどの場合は外壁などのメンテンナンスが定期的に行われますが、戸建ての場合は内装に力を入れても外壁のメンテナンスを怠ってしまいがちで、外装の古さが目立つ状態で募集をかけているケースがあります。
また、内装に関しても古さが目立つ部分は綺麗にする必要があり、戸建の場合は特に水回りが古く見えやすいため注意しましょう。
対策
築浅の物件であれば問題ありませんが、ある程度築年数の経過した物件の場合は外観に手を加える必要が出てきます。
内装がいかに綺麗で魅力的だったとしても、外装を見てマイナスイメージを抱かれてしまっては意味がないと言えます。外装が古い場合は外壁塗装や張替えなどを考えたほうが良いでしょう。
物件情報がポータルサイトで表示されていない
借り手を見つけるとき、ポータルサイトなどを活用して戸建物件の情報を出しますが、入稿操作のミスで物件の情報が正しく表示されていないことも要因の一つです。
区分の登録を間違えていたり、物件の表記が適切でないため検索に引っかからなくなっていたり、上位表示に必要な写真数に達していなかったりなどのミスが考えられます。
特に、ローマ字表記を使用する場合は、半角と全角の違いでも検索結果に関わってくるため、掲載前に慎重な判断と決定が必要になります。
対策
ポータルサイトの掲載状況を確認することが重要です。例えば、物件を調べるときはマンションやアパート、戸建てといったそれぞれの区分で絞り込んで検索します。しかし掲載時にその登録を間違えていたら、戸建物件を閲覧したいユーザーの検索結果に表示されなくなってしまいます。
借り手の募集を管理会社に任せている場合でも、自分自身で一度確認してみることをおすすめします。
戸建賃貸経営のメリット
戸建賃貸経営は、アパート経営などに比べて戸数は少ないですが、上手く行えば十分に収益を挙げられる賃貸経営といえます。戸建賃貸経営は入居期間が長く、戸数としてはアパートに比べ少ないですが、空室が出にくいため収益が安定しやすくなります。
他にも戸建賃貸経営が注目されている理由はいくつもあります。戸建賃貸経営の主なメリットとしては、次の9つがあげられます。
経営が立地によって左右されにくい 初期費用がアパマン経営に比べて小さい アパートなどに比べて、管理の手間がかからない 更地に比べて相続税対策ができる 新築であれば所得税・固定資産税の節税にもなる アパートなどとは借り手が異なり競合しない 将来的に借り手へ売却ができる可能性がある 入居期間が長いので、収益が安定している 土地さえあれば始められる
それぞれのメリットを把握して、戸建賃貸が儲かると言われる理由を確認していきましょう。
経営が立地によって左右されにくい
アパート経営では、ある程度の土地の広さや日当たりなどが必要になります。しかし戸建賃貸経営では、あまり敷地面積を必要としません。さらに、狭小地や変形地でもレイアウトを土地の状態に柔軟に合わせながら、建築することができます。
また、アパート経営を行うにあたっては、駅からの距離や付近の施設なども重要になります。しかし、戸建賃貸経営の場合は駐車場などがあれば、駅からの距離が遠くともファミリー層などの需要を取り込むことができます。
戸建賃貸経営では、アパート経営に比べて立地によって経営の成否が左右されにくいため、アパート経営が難しい土地でも賃貸経営を考えることができます。
初期費用がアパマン経営に比べて小さい
戸建賃貸経営では、アパマン経営に比べても、建物の規模が小さいため初期費用を抑えることができます。
戸建賃貸経営では、アパート等に比べ借入金が少ない分、月々のローン返済負担を小さくでき、金利上昇による返済額増加のリスクも抑えることができます。戸建賃貸経営は元手が少なく、リスクを抑えた土地活用であるため、安定した賃貸経営をしたい方にはおすすめの土地活用方法です。
アパートなどに比べて、管理の手間がかからない
戸建賃貸は、それほど物件管理の手間がかからない点がメリットとして挙げられます。アパートやマンションの場合だと、部屋の中の管理は入居者に任せられますが、共用部の管理は自分で行うか、管理会社に頼む必要があります。しかし、戸建賃貸の場合は入居者が自主的に管理を行ってくれる部分もあるため、日常的に管理作業が発生しない点は大きなメリットでしょう。また、同じ屋根の下に一世帯しか住まないため、騒音などのクレームが発生することも少ないようです。
アパートやマンションでは、管理費用を支払って管理会社に管理を委託するのが一般的です。しかし、戸建賃貸経営では1~3戸程度が一般的なので、自主管理でも十分に対応することができます。管理の手間が少ない分、管理費用を節約することができる点は戸建賃貸経営ならではの強みと言えます。
更地に比べて相続税対策ができる
戸建賃貸にすることで、賃貸建物の建っている敷地が貸家建付地としての評価を受け、相続税評価額を約20%~30%(諸条件により異なります)ほど削減することができます。さらに、200平米以下の部分には、小規模宅地等の特例を利用することで、相続税評価額を50%減額することができます。
戸建賃貸物件を新築する場合には、ローンを組むことで債務控除を受けることができ、相続税評価額をさらに引き下げることができます。戸建賃貸経営であれば、アパマン経営を行うよりも低コストで、相続税対策効果を得ることができます。
所得税・固定資産税の節税にもなる
所有している土地に戸建賃貸物件を建築することで、貸家建付地や小規模住宅用地としての評価を受けることができ、土地の評価額を下げることができます。土地の評価額を下げることで、固定資産税や土地計画税の節税が可能です。
具体的には、更地の場合に比べて、戸建賃貸経営を行なっている土地では固定資産税は1/6、都市計画税は1/3まで軽減することができます。
また、建築費を減価償却費として計上することができるため、数年間は利益を圧縮し所得税を節税できます。また、青色申告控除や賃貸経営にかかる費用を経費計上することができます。「アパートやマンションほどの初期費用は出せないけども、固定資産税など税負担を減らしたい」という方にとって、戸建賃貸経営はおすすめの土地活用方法といえます。
アパートなどとは借り手が異なり競合しない
賃貸物件は立地が重要視されやすいですが、戸建賃貸の場合は立地が多少悪くても、借り手がつくことが少なくありません。戸建に住みたい人は、間取りやデザイン、広々とした生活空間といった、戸建ならではの魅力に引かれているため、そもそもアパートに住む層とは競合しません。
駅から少し離れていても、無料の駐車場を用意すれば、問題ありません。戸建賃貸経営は、物件数が少なくアパートなどとも競合しないため、相場に賃料が左右されることも少ないです。過剰供給感のあるアパートやマンションと異なる方法で勝負できる点も、戸建賃貸経営ならでは強みといえます。
将来的に借り手へ売却ができる可能性がある
戸建賃貸の場合は、将来的に借り主に物件を売却できる場合があり、家賃収入だけではなく、売却による利益も見込めます。アパートやマンションの場合は、賃貸契約者からの物件購入の問い合わせを行われることは少なく、部屋を個別で売却することも難しいでしょう。
戸建は築年数が経過し、古くなるほど売却が難しくなりますが、借り手がそのまま購入してくれるなら、売れ残る心配もなくなるでしょう。特に、ファミリー層であれば入居期間も長いため、子供の独立後に、思い出の物件としてそのまま買い取るパターンも考えられます。
入居期間が長いので、収益が安定している
戸建の場合は家族での入居が多いため、基本的には入居期間が長くなりやすいです。ファミリー層はエリア内に子供の教育施設がある場合が多く、引っ越しなどで突然退去してしまうリスクが少ないです。マンションやアパートの場合、特に単身世帯用の物件だと、入居者の入れ替わりが激しいことも少なくありません。
退去の際には、部屋の確認や原状回復を求めたり、新しい入居者を探したりする必要があります。退去者が発生すると、家賃収入が減るだけではなく、次の入居者のための準備にかかる支出も必要になります。戸建賃貸経営では、入居期間が長いことで長期間安定した収入を得やすく、退去時の支出も抑えることができます。
土地さえあれば始められる
戸建賃貸経営には、築古の戸建物件をリフォームして、他人に貸し出す活用方法だという誤解もあるようです。しかし実際には、更地から新築で戸建賃貸経営を始めている方も少なくありません。リフォームよりも新築を選ぶ理由は、リフォームやリノベーションではローンの条件が悪く、初期費用の負担も大きいからです。そのため、既に戸建建物を所有している方でも新築の戸建物件に建て替えるケースもあります。
近年では、ハウスメーカーでも比較的低価格な戸建賃貸経営プランが用意されています。そのため、更地から新築の戸建賃貸物件を建てても、十分な利回りを出すことが可能です。新築の場合、清潔感や設備の新しさから、人気の物件になることが多いです。入居希望者が多いと、家賃を下げる必要がないため、強気な家賃設定でも入居を決めることができます。
新築で費用をかけても、その分収益を上げることができるため、人気の高い新築の戸建賃貸経営は、更地からでも十分な収益を得られる土地活用方法といえます。
戸建賃貸経営を始める可能性が出てきたら、複数の企業にプランを提案してもらうことをおすすめします。
なぜなら、戸建賃貸経営は建築費の見積もりや賃料設定など経営のプランによって将来の利回りも変わってきます。建築費がいくらなら収益性の高い戸建賃経営ができるのか、利回りはどのくらいが適切なのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
イエウール土地活用なら複数の大手ハウスメーカーから戸建賃貸経営プランを一括請求することができます。
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戸建賃貸経営のデメリット
戸建物件で賃貸経営することにはさまざまなメリットがありますが、同時に注意しておきたいデメリットもあります。
- アパマン経営以上に空室リスクが高い
- 需要の把握が難しい
- 金利上昇時の負担が大きくなる
- 建物の修繕/リフォーム費用が多い
これらのデメリットを把握して、戸建物件での賃貸経営が、自分に合っているかどうかを判断しましょう。
アパマン経営以上に空室リスクが高い
顧客を獲得しやすい点は戸建賃貸のメリットですが、もし1戸だけの場合その物件が空室になってしまった場合は、収入がゼロになってしまいます。
アパートやマンションなら1部屋でも入居者がいると多少の収入はあるため、利益が完全にゼロになってしまうリスクは少ないです。また、入居者が退去してしまった場合も、次の入居者を確保するまでの間も収入がゼロになってしまい、損失が多くなることは理解しておきましょう。
加えて、そもそも戸数が少ない分アパート経営やマンション経営と比べて、戸建賃貸経営の収益性は低くなります。これは投資金額が比較的に少なく済むことの裏返しと言えるでしょう。
需要の把握が難しい
戸建賃貸経営はアパート経営やマンション経営と比べて市場が小さいため、地域に競合となる戸建賃貸がどれくらい存在するのか、需要はどれほどあるのかといったことを把握しにくいです。
市区町村レベルの広域であれば総計データはありますが、それ以上細かいデータを得るのは困難でしょう。自分で確認するにしても、アパートのように一見して賃貸物件だとわかるわけではないため情報の収集に限界があります。
金利上昇時の負担が大きくなる
戸建賃貸経営では、安定した収益が発生しますが、家賃収入の額自体はそこまで大きくありません。そのため、ローンの金利が上昇した際には、手元に残る金額が少なくなってしまいます。
現在日本は金利が低い状態ですが、金利は常に変動しているため楽観視はできません。戸建賃貸経営はアパート経営などに比べて、金利上昇のリスクが大きいため、固定金利のローンを借りておくなど対策をしておきましょう。
建物の修繕/リフォーム費用が多い
戸建賃貸では、アパートやマンションの場合に比べて、修繕の対象となる部屋が多くなっています。また、居住期間も長いため部屋の汚れや傷、破損などが積み上がってきます。
そのため、メンテナンスやリフォームには、より高額の費用がかかります。 さらに時代によって、求められる間取りやデザインは変化します。
昔は必要だった和室や応接間が省かれ、近年では広めのリビングがトレンドになっています。集客に影響が出る場合には、支出を伴ってでもリフォームやリノベーションを検討する場合もあります。修繕のリスクは常に考えておき、ある程度の出費はいつでも出せるような経営を行いましょう。
戸建賃貸経営を始めるなら最初の情報収集が重要です。一括プラン比較サービスイエウール土地活用なら、土地所在地の入力だけで戸建賃貸経営のプランを取り寄せることができます。
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戸建賃貸経営の収入
実際に戸建賃貸経営を始めるにあたってはどんな収入や費用があるのでしょうか。ここからは、戸建賃貸経営の収入と費用をもとに、簡単な利回りをシミュレーションしてご紹介します。
戸建賃貸経営の収入には主に3つの種類があります。
支払いタイミング | 収入項目 | 目安 |
定期 | 家賃 | 物件による |
共益費 | 家賃の5~10%程度 | |
随時 | 礼金 | 家賃の1~2ヵ月分 |
更新料 | 家賃の1~2ヵ月分 | |
売却時 | 売却益 | 物件による |
戸建賃貸経営の収入のほとんどは家賃収入です。戸建賃貸経営では、1ヶ月の家賃滞納でも影響が大きいため注意が必要です。家賃保証会社をつけるなどして事前に対策を練っておきましょう。
また、アパート経営などと異なる戸建賃貸物件の収入の特徴は、物件の売買益です。戸建賃貸経営では、物件の売却益も期待することができます。中古アパートでは売却に困る場合が多いですが、入居期間が長く思い入れも発生しやすい戸建賃貸物件であれば、借り主がそのまま購入する場合もあるため、アパートよりも売却しやすく収益も期待できます。
加えて戸建賃貸経営では、入居期間が長いため更新料もアパート経営に比べて多く発生する確率が高いです。更新料とは、2年間などの一定期間ごとに発生する費用のことです。関東では、更新料を入居者に請求できる場合が多いですが、大阪などのエリアでは更新料がない地域もあるため、事前にエリアごとの特徴を抑えておくことも重要です。
戸建賃貸経営の全国6都市の利回り相場とは
様々な収入を見込める戸建賃貸経営ですが、どのぐらいの利回りを見込むことができるのでしょうか。家賃相場と、建築費の相場をもとに簡単な利回り相場をシミュレーションしました。(下記数字はあくまでも一例です。参考程度にとどめてください。また利回りに土地価格は含まれていないため、高利回りになっていますが、実際の利回りは、自身の所有する土地価格を想定して計算してください。)
東京都新宿区 | 千葉市若葉区 | 埼玉市浦和区 | 横浜市港北区 | 名古屋市天白区 | 大阪市北区 | |
家賃相場(※1) | ¥206,000 | ¥96,600 | ¥152,300 | ¥130,800 | ¥147,500 | ¥117,500 |
年間家賃収入 | ¥2,472,000 | ¥1,159,200 | ¥1,827,600 | ¥1,569,600 | ¥1,770,000 | ¥1,410,000 |
ハウスメーカー建築費 | ¥13,200,000 | ¥13,200,000 | ¥13,200,000 | ¥13,200,000 | ¥13,200,000 | ¥13,200,000 |
利回り | 18.73% | 8.78% | 13.85% | 11.89% | 13.41% | 10.68% |
※1)参考:不動産に関する全国統計データ|全国宅地建物取引業協会連合会
一般的なハウスメーカーで戸建賃貸物件を建築した場合の表面利回り相場は、およそ10%~15%前後になります。
ハウスメーカーは、工場で作った部品を現場で組み立てる方式で、戸建物件を建設します。そのため、現場での施工や作業が多い注文住宅に比べて安くなります。ハウスメーカーの場合は、建築費は40万円/坪、一方で注文住宅の場合には、約80万円~90万円前半/坪になります。
また、建築費について計算する際には、坪単価の中にはどんな費用が含まれるのか確認しましょう。例えば、坪単価以外の部分で、建築費以外にも、
- 設計料
- 別途工事費
などが追加で必要になる場合があります。利回りを試算する際には、内訳を確認し正確な数字をもとに考えるようにしましょう。
戸建賃貸経営に必要な費用
戸建賃貸経営は、アパート経営やマンション経営に比べて費用が小さいことが特徴です。ここからは戸建賃貸経営に必要な、初期費用とランニングコストについて、簡単に解説します。
正確な収支計画を作るためにも、建築費以外にどのような費用がかかるのかを、確認していきましょう。
初期費用
戸建賃貸経営でかかる初期費用としては、次のものがあげられます。費用項目 | 概要 |
建築費 | 戸建賃貸住宅を建てる費用。委託先や、間取り、デザインなどによって費用は大きく異なる |
保険料 | 火災保険や総合住宅保険、地震保険など。長期間の場合一括で払うほうが安くなる場合が多い |
修繕費 | リフォームやメンテナンスを行う際に必要 |
ローン手数料 | ローンを借りるにあたり発生する事務手数料や保証料など |
土地を所有している場合には、初期費用を抑えて戸建賃貸経営を始めることができます。建築費は、工務店に頼むかハウスメーカーに頼むかによって大きく変わってきます。ハウスメーカーは、工場で部品を作り、現場では組み立てるだけなので、品質が安定しており当たり外れが少ないようです。そのため、特にこだわりがないのであれば、ハウスメーカーが良いでしょう。
また、戸建物件を賃貸物件として経営するなら保険の加入が必要であり、火災保険の保険料の支払いも必要です。自然災害のリスクに備えるなら、地震保険などに加入することもおすすめですが、補償内容が増えるほど費用は高額になります。因みに、初期費用の1割~3割は自己資金として用意することをおすすめします。
すでに物件を持っている場合や中古物件を購入して賃貸を始める場合は、物件の修繕費がかかることもあります。新築の場合はこの費用は不要ですが、物件購入費が高くなるため、一定程度はリフォームコストがかかることは理解しておきましょう。
ランニングコスト
戸建賃貸経営に必要なランニングコストには、次の項目が挙げられます。
費用項目 | 概要 |
修繕・メンテナンス費 | 定期的なメンテナンス費用や、退去後のリフォーム費用など |
保険料 | 火災保険や総合住宅保険、地震保険など。月額支払いの場合はランニングコストに含まれる |
管理手数料 | 管理会社に支払う費用。家賃の5%ほどが相場 |
ローンの返済金 | 銀行からローンを借りた際に支払う。金利や借入額によって異なる。 |
固定資産税 | 全国一律で土地に課税される税金です。固定資産税評価額の1.4%に相当する額が課税されます。 |
都市計画税 | 地方自治街によって、開発該当区域に指定された地域に土地を所有する場合、課税される税金です。固定資産税評価額の0.3%に相当する額です。 |
事業税 | 法人の行う事業及び個人の行う一定の事業に対して、その事業の事務所又は事業所の所在する道府県が課す税金 |
(上記、税率は変更される可能性があります。)
駐車場の整備や敷地の清掃など、より魅力的な物件状態を維持するにはメンテナンスが欠かせません。 自身で清掃する手間や時間を取れない場合には、管理会社に委託する必要があります。管理会社にすべて委託する場合は、家賃の5%ほどの管理手数料が必要です。
火災保険や地震保険などの各種保険料を一括で全て支払わない場合には、月々の支払いに含まれます。また、ローンの返済額や各種税金も、定期的に必要で決して少ない金額ではありません。
より正確な収支計画を作成する際には、初期費用だけではなくランニングコストも含めて、現実的に経営が可能か調べましょう。
戸建賃貸経営を始めようか考えたとき、どのように戸建て賃貸を設計すればいいのか見当がつかないのではないでしょうか。
例えば2階建てにするか3階建てにするか、間取りの設計をどうするかについては土地の条件や戸建賃貸経営の目的によって変わります。
イエウール土地活用なら複数の大手ハウスメーカーから戸建賃貸経営プランの提案を受けることができます。
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戸建賃貸経営で成功するためのポイント
魅力が多い戸建賃貸経営ですが、成功するためには以下のポイントを抑える必要があります。
初期費用をかけすぎない
成功するためのポイントについて、一点ずつ確認しておきましょう。
初期費用をかけすぎない
戸建賃貸経営では、収益額がアパートやマンション投資に比べて少ないのが一般的です。そのため、初期費用をかけすぎると、投資回収が遅くなってしまいます。
収益の安定性というメリットを活かすには、小さい収益額でも、十分に投資回収できる範囲に初期費用を抑えるのがポイントです。
建築費を抑えるならハウスメーカーがおすすめ
初期費用を抑えるためには、工務店ではなく、坪単価が低いハウスメーカーに建築を委託するという方法が挙げられます。
工務店では、1から現場で職人が作業をして、組み立てて物件を建築します。一方で、ハウスメーカーでは工場から送られた部品を、現場で組み立てるだけなので、初期費用を抑えて物件を建てられます。
ただ、建築費を抑えすぎると、物件の魅力が減ってしまうため、ハウスメーカーなどの土地活用業者の方と相談してプランは選択しましょう。
シンプルな間取りにする
戸建物件の場合、アパートやマンションに比べて、空間の自由度が高いため、内装や間取りにコストをかけてしまう方も少なくありません。
しかし、戸建賃貸物件は、間取りの広さや隣人トラブルの少なさなどの点で、アパートやマンションとは差別化出来ています。そのため、あまり内装にこだわらなくても、集客することができます。
さらに、複雑な間取りや設計だと入居者が生活しにくく、早期退去につながる可能性もあります。戸建賃貸経営は、長く住んでもらうことが成功のポイントになります。物件の間取りはシンプルな間取りにし、できるだけ退去リスクは抑えるようにしましょう。
需要を見極める
先述しましたが、戸建賃貸の需要を把握することは難しいことです。そのため、賃貸需要や供給状態に詳しい不動産会社に相談することで情報収集を行なうのが良いでしょう。
不動産のポータルサイトで空き物件を探すなどは自分でもできますが、やはり不動産会社のほうが需要と供給の現状について詳しいため、積極的に頼ることをおすすめします。
予め収支シミュレーションをしておく
戸建賃貸経営は投資額が比較的に少なく済む代わり、収益性も低くなる傾向にあります。そのため、予め収支シミュレーションを綿密に行ない、建築費と建物の広さのバランスをうまく保つ必要があります。
仮に建築費が安くても賃料単価が安ければ利回りは低くなりますし、賃料単価が高くとも建築費にコストがかかりすぎていたら同じように利回りは低くなってしまいます。建築費を安く抑えつつ賃料単価もなるべく高くできるように、収支シミュレーションは欠かせないのです。
収支シミュレーションは建築費と建物の広さが影響しますが、建物の広さに関して、床面積が大きくなればなるほど賃料単価は低くなってしまう点には注意しましょう。
設備にこだわる
戸建賃貸を検討する層は経済的に余裕のあるファミリー世帯だったり、長期的に住むことが考えられたりするため、設備面を重視する人も少なくはありません。
そのため、駐車場付きにしたり床暖房などの設備を整えたりなど、その物件ならではの付加価値の提供にこだわることも大事になります。
ただし、設備面にこだわりすぎて費用を必要以上にかけてしまい、収支のバランスがとれず赤字になってしまう、ということには十分気を付けましょう。
定期的なメンテンナンスを心がける
戸建賃貸は同一の入居者が長期で住むことが多いため、メンテナンスが行き届かないことがあります。
簡単な清掃や草刈りなどは入居者自身が行ないますが、設備や外装などの大掛かりなメンテナンスはオーナーが把握・管理しておく必要があります。
メンテナンス不足で建物が劣化して物件の価値が下がり、空室が続いてしまうといったことになりかねないため、定期的なメンテナンスを心がけることが大切です。こういった部分を自分で管理していく自信がない場合は、管理会社に一括で任せることもできます。
信用できる管理会社を選ぶ
戸建物件はアパートに比べて、退去時の修繕箇所が多く、修繕コストが高いという特徴があります。
修繕コストを減らすには、入居者の入れ替えを減らすことと、定期的なメンテナンスや清掃をマメに行うことが重要です。集客やメンテナンスなどは主に、管理会社が行うことがほとんどです。
しかし、管理会社の中には、メンテナンスや清掃が雑だったり、売上のために入居者の条件を緩めてしまったりする会社もあります。信用できる管理会社を選びきちんと業務を遂行してもらうことで、修繕コストを抑えることができます。
戸建賃貸経営を始める前の注意点
戸建賃貸経営を始めることを検討する際、所有する物件を賃貸に出すつもりの人と物件を建築・購入して賃貸に出す人はそれぞれ注意すべきことと、共通して注意すべきことがあります。本章ではその注意点について紹介します。
所有する家を賃貸に出す場合
所有する戸建物件を賃貸に出そうと考えている場合、住宅ローンが残っているかどうかに気を付けましょう。住宅ローンが残っている家を賃貸に出すためには、金融機関から承諾を得る必要があります。
ただし、住宅ローンは自分が住むことが前提であるため、家を貸す場合はアパートローンなどの事業用ローンに切り替えるのが一般的です。転勤などのやむを得ない事情がある場合、その期間だけの条件付きでローンを組み直さなくてもよいとする金融機関もあるため、まずはローンを借りている金融機関に相談してみることをおすすめします。
また、家を貸し出す前には部屋のクリーニング、状態によっては設備の交換や壁紙の張替えなどのリフォームが必要です。そのため、新築ほどかかるわけではありませんが業者へリフォームを頼んだ場合の費用も頭に入れておきましょう。
物件を建築・購入して賃貸に出す場合
戸建物件を建築して賃貸に出す場合、もしくは購入して賃貸に出す場合はローンの審査が下りにくいという懸念点があります。金融機関は担保価値がないものには融資をしません。
戸建を借りる側は、高い家賃を払って住むくらいなら自分で購入したいと考える人が多く、そうなると必然的に物件価格の高いものよりも低いもので、家賃もそこそこの物件のほうが需要があるのです。ただし、そのように物件の価値が安い物件では金融機関が積極的に融資を考える可能性は低いでしょう。
また、建物を建築する際は建築基準法や、法令・条例などに則した建物でなければなりません。例えば、建築予定の敷地が都市計画施設区域などに該当する場合、都市計画法第53条に則り都道府県知事などの許可を受ける必要があります。
共通の注意点
二つのパターンで共通して注意しておくべき点は、賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があるというところです。普通借家契約では、契約期間が満了しても正当事由がない限りは更新を拒否することができません。一方で、定期借家契約は期間の満了とともに契約が終了となるため、ある程度自分の望んだタイミングで家に戻ることができます。
もし将来的に賃貸に出していた家に住みたいという考えがあるなら、定期借家契約を結んで期間満了とともに返ってくるようにしましょう。このように、賃貸借契約の種類を理解しておくことはとても重要です。
また、戸建賃貸経営を始める場所についても注意しておくべきです。戸建賃貸経営に向いている土地の条件とは、「土地が狭いこと」「形状が悪いこと」「集合住宅の多い地域であること」の3つが挙げられます。狭い土地や形の悪い土地など、アパート経営やその他の方法では活用が難しいような土地でも、30坪ほどの広さがあれば一戸建てを建築することが可能です。学校近くのファミリー世帯の多い場所や集合住宅の多い地域は、戸建賃貸の存在が目立ち需要が高まります。
戸建賃貸経営で悩んだら、比較サイトで調べよう
戸建賃貸経営は、収益の安定性が高いことが最大の特徴です。
できるだけ手間を土地活用をしたいと考えている方や、とりあえず今使っていない土地を活用してみたいと考えている方は、戸建賃貸経営も一つの選択肢に入れてみましょう。
相談できる業者が見つけられないという場合には、土地活用比較サイトである「イエウール土地活用」がおすすめです。複数の業者から、一括資料請求で様々な業者に問い合わせることができます。効率的に相談先を探したい場合や土地活用に関する情報を得たい場合には、ぜひ試してみてください。