駐車場経営の利回りはどのくらい?都市別に相場を紹介します

駐車場経営の利回りはどのくらい?都市別に相場を紹介します

駐車場経営は初期投資を抑えながら、安定した収益を出せる土地活用方法と言われています。投資を始める際には収益だけではなく利回りも注意して見ておきたいポイントではないでしょうか。

駐車場の経営の利回りは月極駐車場を選ぶか、コインパーキング駐車場を選ぶかによっても変わります。

この記事では、駐車場経営の基本的な相場から、より高い利回りを出すためのポイントについてまとめて紹介していきます。

先読み!この記事の結論
  • 駐車場経営の利回り相場シミュレーション
  • 駐車場経営は表面・実質の2つの利回り確認が重要
  • 駐車場経営で高い利回すためのポイント

\建築費は?初期費用は?/

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駐車場経営の仕組みや特徴についてまず知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

駐車場経営の気になる疑問に答えます!基礎知識から高収入のコツまで紹介

駐車場経営の利回りは2種類ある

譲渡所得とは
駐車場経営をはじめとする不動産投資には以下の2種類の利回りが存在します。
  • 表面利回り
  • 実質利回り

どちらも駐車場経営を成功させるためには欠かすことができない数字なので、それぞれの役割と計算方法についてしっかりと把握しておきましょう。

表面利回りでイメージをつかもう

表面利回り(別名:グロス利回り)とは、土地価格に対してどの程度の年間駐車料金収入が発生するかを見込んだ数字です。どのぐらいの収益性があるかを大まかに判断する上で役立つ数字です。

駐車場経営の表面利回りは以下のような計算方法で求めることができます。

表面利回り(%)=年間賃料(満車時)÷土地価格✕100

まずは最初に表面利回りをみて、選択肢にいれるべき土地かどうかを選びましょう。

実質利回りも把握しておこう

表面利回りを調べた次に知っておきたいのが実質利回り(別名:ネット利回り)です。

実質利回りとは、土地価格のほかに、固定資産税や管理委託料などの「初期費用」「ランニングコスト」も計算に入れて算出する利回りです。この実質利回りを確認することで、初期費用や管理費用などの支出を差し引いた、より現実的な利回りを知ることができます。計算方法は以下のような方法で求めることができます。

実質利回り(%)=(年間賃料-ランニングコスト)÷(土地価格+初期費用)✕100

実質利回りを計算する際にポイントとなるのが、初期費用やランニングコストです。これらがどの程度含まれるかは、管理会社や経営方法によって変わります。それぞれについて簡単に解説していきます。

 初期費用

初期費用に含まれるものは主に以下の3つです。
  • 設備・工事費用(コンクリート整備費用・建物撤去費用など)
  • 機械設置工事費 ※コインパーキングなどで機械導入が必要な場合)
  • 不動産取得税・手付け金など ※土地を購入する場合

初期費用の金額は月極駐車場にするかコインパーキングにするかによって変わります。月極駐車場であればコンクリート舗装や砂利を敷く程度の初期費用ですが、コインパーキングを行う際には機械を導入する分、多くの費用がかかります。

駐車場経営の実質利回りを計算する際には、自身がコインパーキングを行うのか月極駐車場を行うのかを決めて、2つのパターンを比較しつつ考えましょう。

また、古家付きの土地を購入して駐車場経営を始める際には、解体費用や残置物処理費用も初期費用に含めます。そのため、それらの費用についてもあらかじめ確認する必要があります。

 ランニングコスト

ランニングコストに含まれるものは主に以下の3つです。
  • 管理委託料
  • 固定資産税などの税金
  • 定期的な設備メンテナンス費用

ランニングコストを算出する際には管理委託料と税金にが注目しましょう。管理委託料は委託先の業者や、委託する業務量によって異なります。

例えば、クレーム対応や清掃などの管理作業のみを行う管理委託では、満車時の収益のおよそ5%~10%の管理費用がかかります。一方で、業者に一括で借り上げてもらうサブリースでの管理委託では15%~20%ほどの管理費用がかかります。

また、固定資産税などの税金も定期的に収める必要があるため、実質利回りを計算する際には業者ごとに正確な数字を把握しておきましょう。

月極駐車場とコインパーキングの違い

駐車場経営の方法は、主に月極駐車場とコインパーキングに分かれます。ここでは2つの経営方法の違いについて簡単に解説します。

月極駐車場とは、個人や法人と契約を行い、月ごとに賃料を徴収する方法です。コインパーキングでは設備投資が必要になる一方で、月極駐車場では初期投資は必要ないため初期費用を抑えて始めることができます。

月極駐車場は月額固定で料金を集めることができるため、利用者を見つけることができれば安定した収益を得ることができます。一方で、事業開始直後のように利用者が集まらない場合には全く収益が見込めないときがあります。

月額固定で収入を得る月極駐車場に対して、コインパーキングは時間制で駐車料金を徴収する経営方法です。

ロック板や精算機などの設備投資が必要なコインパーキングですが、稼働率がある程度維持できれば月極駐車場以上の収益を発生させることができます。近くにどんな施設があるのかを調べ、どの程度の駐車場需要が発生しているかを把握しておくことが成功のポイントです。

自身の資金の余力や、どのぐらいのリスクを取れるのかを考えて自分にあっている経営方法を選びましょう。

コインパーキング経営は失敗しない土地活用方法?初期費用やメリット・デメリットを解説

駐車場経営の利回りを考える際には、自分の土地に応じた正確な数字で考えることが重要です。特に、駐車場需要や初期費用はエリアによって異なるため、エリアに応じた正しい数字で計算し、相場と比べること重要になります。

しかし、実際に利回りがどのくらいか調べるには、個人では探しきれない情報が多すぎますし、手間もかかります。そこで、複数企業から経営プランなどの資料を一括で請求できる土地活用比較サイトがおすすめです。

イエウール土地活用では、1分程度で複数の企業から資料を請求し、経営プランを比較することができます。複数企業の経営プランを比べることで利回りの相場感がわかります。また、企業によっては、自分の所有している土地や希望しているエリアの情報をもとに、オリジナルの経営プランや収支シミュレーションを作成してくれることもあります。

まずは、チャットでかんたんな質問に答えて、複数企業から資料請求をしてみましょう。

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活用事例:円阿弥4丁目第2大栄駐車場

管理が面倒になった駐車場を肩代わりした事例(大栄不動産株式会社の土地活用事例)

駐車場経営の表面利回り相場はこのくらい!


月極駐車場とコインパーキングでは、それぞれ売上が異なるため利回り相場も変動します。月極駐車場の表面利回り相場はおよそ5%~15%、一方でコインパーキングの利回り相場はおよそ15%~30%といわれています。

駐車場経営の表面利回りを算出する際には、地域の相場ではなく平均的な利回りや料金設定で計算することが多いです。しかし、稼働率や駐車料金の相場は地域によって細かく変化します。実際の利回り計算では付近の駐車場の情報を元に具体的な数字で算出を行いましょう。

月極駐車場の表面利回り相場を6地域で算出してみた

ここからは実際の都市の平均地価を参考に、実際の利回り相場を算出します。この記事では各自治体から毎年更新される地価公示を参考に作成していますが、実際に土地を選ぶ際にはそれぞれの地域に応じた価格で計算してください。

以下の駐車場を例にして、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)と関東の主要3都市(千葉市・さいたま市・川崎市)の相場をまとめて紹介します。

駐車場例
  • 1平米あたりの地価は各自治体の地価公示を参考にする
  • 車1台に必要な広さは約15平米
  • 土地の広さ:50平米
  • 駐車スペース3台
  • 賃料収入は以下の相場を参考にする
  • 稼働率:50%
駐車場経営の収入相場(都内・関東3都市別)
都心部関東3都市
月極駐車場相場4万円/1台2万円/1台
コインパーキング相場600円/1時間400円/1時間

参考:小売物価統計調査(動向編)| e-stat

都市名年間想定収益土地価格表面利回り
東京都新宿区大久保1,440,000円27,600,000円5.22%
名古屋市1,440,000円9,435,000円15.26%
大阪市1,440,000円12,300,000円11.71%
千葉市720,000円5,815,000円12.38%
さいたま市720,000円10,285,000円7.00%
川崎市720,000円13,625,000円5.28%

土地価格算出にあたる参考資料

参考:新宿区の地価公示価格|国土交通省 土地・建設産業局 地価調査課 地価公示室
参考:愛知県地価情報(地価調査・地価公示)|愛知県
参考:令和元年地価調査総括表|大阪市
参考:地価公示|千葉市
参考:令和2年地価公示の概要|さいたま市
参考:川崎市の地価情報|川崎市財政局資産管理部資産運用課

土地価格が高い地域の表面利回りは他の地域に劣りますが、この計算結果からは駐車場経営でも表面利回りを十分確保できることがわかります。あくまで平均の地価をベースに算出した表面利回りですので、実際に土地を選ぶ際には仲介手数料なども加味した土地の価格を算出しましょう。

駐車場経営の実質利回りをシミュレーションしてみた


上記の相場をもとに,実質利回りを計算してみましょう。まずは、よくあるタイプの月極駐車場を参考にして、名古屋の月極駐車場の収入を算出してみます。
駐車場例
  • 場所:名古屋市内の月極駐車場(計算の際は名古屋の地価平均を使用する)
  • 車1台に必要な広さは約15m2
  • 土地の広さ:60m2
  • 駐車スペース4台
  • 月額賃料:4万円/1台
  • 空室率:20%(年間すべて埋まっていた場合の80%の売上)
参考:駐車場設計・施工指針について(2.4.4. 駐車ます)|国土交通省
この場合、年間で得られる収益は「4万円 × 4台 × 12ヶ月 × 80% = 約153万円」になります。続いて費用を算出しましょう。

月極駐車場は全くの更地の状態でも始めることができますが、以下の初期費用がかかると仮定します。

項目費用
アスファルト舗装掘削費300円/m2
残土処分費800円/m2
採石実費300円/m2
アスファルト3000円/m2
ライン引き費5000円/台
車止めブロック費6000円/台
駐車場番号表記費1000円/台

続いて維持・管理にかかるランニングコストを算出します。名古屋市の1平米あたりの平均地価は188,700円なので今回試算する60平米の土地価格は9,435,000円とします。さらに固定資産税評価額は土地価格のおよそ70%~80%なので、今回は70%にあたる6,604,500円とします。

他にも費用がかかる場合がありますが、以下が駐車場経営にかかる主なランニングコストです。

費用項目概要
管理費用満車時の月額収入の5~10%
(今回は10%として仮定)
固定資産税全国一律で土地に課税される税金
固定資産税評価額の1.4%に相当する額が課税される。
都市計画税開発該当区域に指定された地域に土地を所有する場合、課税される税金
固定資産税評価額の0.3%に相当する額
所得税20万円を超える収入がある場合に課税される。

以下が駐車場経営に必要な費用の試算です。

駐車場例
  • 収益:1,530,000円
  • 土地価格(仲介手数料等はなしとする):9,435,000円
  • 固定資産税評価額:6,604,500円
  • その他の初期費用:314,000円
  • 管理費:15,000円
  • 固定資産税:92,463円
  • 土地計画税:19,813円
  • ランニングコスト合計:292,276円
  • 初期費用合計:9,749,000円
上記の実質利回りは「1,237,724円(収益ーランニングコスト合計)/9,749,000円(初期費用合計)=12.6%」と算出することができます。

実際には仲介手数料が発生したり、工事費用は業者によって異なるため正確な数字ではありませんが、どのような費用が必要になるかのイメージはできるようになったかと思います。

実質利回りを出す際には、業者の試算した費用以外にも含まれる費用がないかを考えて、より正確な利回りを計算しましょう。

駐車場経営の利回りを考える際には、自分の土地に応じて正確な数字でシミュレーションをすることが重要です。しかし、実際に利回りがどのくらいか調べるには、個人では探しきれない情報が多すぎますし、手間もかかります。

そこで、複数企業から経営プランなどの資料を一括で請求できる土地活用比較サイトがおすすめです。

イエウール土地活用では、1分程度で複数の企業から資料を請求し、経営プランを比較できます。複数企業の経営プランを比べることでエリアに応じた利回りの相場感がわかります。また、企業によっては、自分の所有している土地や希望しているエリアの情報をもとに、オリジナルの経営プランや収支シミュレーションを作成してくれることもあります。

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駐車場経営で高い利回りを出すためのポイント


駐車場経営は他の不動産投資に比べて初期投資額が低く収益が安定して発生するものの単価が低いため実際の利回りはそこまで大きくないといわれています。しかし、駐車場経営であっても工夫次第で高い利回りをだすこともできるのです。

ここからは、駐車場経営でより高い利回りを出すためのポイントを紹介します。

  • 土地選びが最大のカギを握る
  • できるだけ費用をかけずに駐車場経営を始める
  • 周辺の駐車場を調べ尽くす
  • 駐車場経営の専門業者に相談する

1点ずつポイントを確認していきましょう。

土地選びが最大のカギを握る

月極・コインパーキングのどちらであっても、駐車場経営は立地が命と言われています。土地選び次第で空車率を下げることができ、その分収益につなげることができるのです。

重要な立地選びですが、コインパーキングと月極駐車場では土地選びのポイントが変わるので注意が必要です。

コインパーキングであれば、稼働率が重要なので「多くの人が短時間で一時的に利用してくれそうな土地」を選ぶことがおすすめです。例えば、観光スポットや駐車場がない人気店の近くの土地が挙げられます。

一方で月極駐車場では、契約率が重要なので「定期的な利用が見込める土地」を選ぶことがおすすめです。例えば、オフィス街や住宅街に通勤する人や2台以上車を持っている人からの利用があると考えられます。

どの経営方法を選ぶかによっても選ぶべき土地の特徴は違うので、注意しておきましょう。

できるだけ費用をかけずに駐車場経営を始めよう

駐車場経営を始める際にはできるだけ費用をかけずにスタートすることが重要です。実際に駐車場経営を始める際にはコストも含めた実質利回りで計算しましょう。

実質利回りで計算することで、実際に駐車場経営を始めた際にどのぐらいの収益が発生するのかを現実的に見ることができます。

費用をかけずに駐車場経営を行う方法としては、主に2つ挙げられます。

  • コンクリート舗装を行わずに更地で管理する
  • 管理委託して初期費用は管理会社負担にする

すでにある程度整っている土地や、そこまで大きくない土地であれば、わざわざコンクリート舗装を行わずに砂利敷きすることで、コストを減らすことができます。

しかし、風の強い地域や雨が多い地域では、砂利が車の汚れの原因となってしまい、選ばれにくい駐車場となってしまうので注意が必要です。

ロック板や精算機などの導入にかかる初期費用を減らす方法としては、管理委託している管理会社に初期費用を負担してもらう方法があります。

管理会社の中には、駐車場を作るために初期費用の一部もしくはすべてを負担してくれるところもあります。管理会社を選ぶ際にはどんなオプションがついているかも確認しておきましょう。

周辺の駐車場を調べ尽くす

駐車場経営を行う土地が決まった際には、周辺の駐車場を調べる事が重要です。

絶対に調べておくべき重要な項目としては以下の2点が挙げられます。

  • 周辺の駐車場と近くにある施設
  • 駐車場の利用価格と稼働率

まずは駐車場と近くの施設について調べましょう。

駐車場を調べることでどちらの経営方式の方がニーズがあるのかわかります。さらに、周辺施設について調べることで、地域の特性なども調べることができます。どんな駐車場が求められているのかを知ることで競合より選ばれやすい駐車場を作ることができます。

また、駐車場の利用価格や稼働率を調べることで、適正な料金設定で駐車場経営を始めることができます。さらに、どんな条件で料金を設定すれば収益を最大化できるかを考える際のヒントにもなります。

より高い利回りを出すためにも事前に周辺の駐車場を調べつくしましょう。

駐車場経営の専門業者に相談する

駐車場経営でより高い利回りを出そうと考えたら、複数の駐車場経営の専門業者に相談してみましょう。

駐車場経営の専門業者であれば、土地選びのノウハウや過去の実績データを多く持っているためより利回りの高い土地を選ぶことができます。

さらに、駐車場経営の専門業者に土地探しの段階からサポートしてもらうことで、工事・運営までを一気通貫で行うことが可能です。一気通貫で行うことで工事費や工事期間を減らすことができ、コストの低い駐車場経営を行えます。

駐車場経営専門業者は駐車場経営が始まった後でも相談にのってくれる頼もしいパートナーになります。

まとめ

駐車場経営は利回り自体は大きいとは言えませんが、ポイントを押さえれば安定して収益を発生させることができ、頼もしい収益の柱になります。

特に、他の不動産投資方法よりもローリスクで始めることができるため、初めての不動産投資を考えている人にとっては安心の投資方法だと言えるでしょう。
この記事では駐車場経営の利回り相場やポイントについて紹介しましたが、もう少し自分で調べたいという方には、イエウール土地活用がおすすめです。一括で業者を複数比較できるため、自分の希望にあったプランを簡単に見つけることができます。

駐車場経営をお考えの方は、ぜひイエウール土地活用にご相談ください。

初心者でもわかる!
記事のおさらい
駐車場経営の利回りはどのぐらい?
月極駐車場の表面利回り相場はおよそ5%~15%、一方でコインパーキングの利回り相場はおよそ15%~30%と言われています。詳しくはこちらをご覧下さい。
駐車場経営の利回りをよくするには?
収益額は小さくなりやすいため、できるだけ初期投資を抑えて始めるのがポイントです。詳しくはこちらをご覧下さい。
月極駐車場とコインパーキングはどっちが儲かる?
収入の安定性からは月極駐車場、都市部であればコインパーキングがおすすめです。詳しいシミュレーションはこちらからご覧になれます。
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