アパートを建築するなら鉄骨造と木造どちらがいい?メリット・デメリットを解説

アパートを建築するなら鉄骨造と木造どちらがいい?メリット・デメリットを解説

賃貸アパートを建築するにあたって、「木造」と「鉄骨造」のどちらを選ぶべきか、迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

木造・鉄骨造のどちらにもメリットとデメリットがあります。ご自身のアパート経営の目的や建てたいアパートの規模、立地等を鑑みて選ばれることをおすすめします

この記事では、木造・鉄骨造アパートのメリットとデメリットや、構造を選ぶ基準について解説していきます。アパート建築の計画を立てる際に是非お役立てください。

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木造アパートのメリット・デメリット

「木造(W造)」は、多くの賃貸アパートに用いられている構造です。特に、低コストでアパートを建築する際には、木造が採用されることがほとんどです。

この章では、建築するアパートの構造に木造を選ぶメリットとデメリットを解説します。

木造アパートのメリット

木造(W造)でアパートを建築するメリットは以下の通りです。


  • 建築費が安い
  • 通気性が高い
  • 設計の自由度が高い

建築費が安い

木造は、最も安く建物を建てられる構造です。

建築材料費が鉄骨造や鉄筋コンクリート造よりも安く、短い工期で建築できるため、建築費が割安になっています。

実際に、国土交通省の「建築着工統計調査(2023年)」によると、2023年に着工した貸家の共同住宅(アパート・マンション)の工事費予定額の全国平均額の坪単価は、木造が66万円、鉄骨造が92.4万円、鉄筋コンクリート造が95.7万円でした。

建築費の相場は建物を建てる地域によっても異なりますが、2階建てまでのアパートであれば、どの地域でも最も安価に建てることができるでしょう。

アパートの建築費について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【2024年12月最新】アパートの建築費はいくら?坪数・構造別で相場を解説

通気性が高い

木造の建物は通気性が高く、じめじめした夏場でも比較的過ごしやすいお部屋をつくれます。また、木材自体に調湿効果があり、室内に結露やカビが発生しにくいというメリットがあります。

ただし、通気性が高いということは、気密性が低いということでもあるため、冷暖房の利きは鉄骨造のアパートに比べて悪くなります。

設計の自由度が高い

木材は鋼材に比べて加工がしやすい素材であるため、アパートの間取りの設計にこだわりを持たせたい場合に適しています

また、低コストでアパートを建築できる規格化プランの多くは2×4工法(ツーバイフォー工法)が用いられますが、壁面で建物を支える造りであるため、室内に出っ張りが生じません。そのため、空間を広く感じられるお部屋をつくれます

アパート建築の工法については以下の記事をご参照ください。

アパートの工法や構造の選び方は?目的別おすすめを紹介します

木造アパートのデメリット

木造(W造)でアパートを建築するデメリットは以下の通りです。


  • 建物の劣化が早い
  • 遮音性が低い
  • 法定耐用年数が短い

建物の劣化が早い

木材は、腐食やシロアリ被害の影響を受けやすい素材です。

外壁塗装や適切な建物管理によってある程度対策できますが、修繕が必要になるスピードは鉄骨造に比べて早いです。

長期的にアパート経営を続けていく場合には、修繕費が高くつく可能性があります。

遮音性が低い

木造アパートは、防音性能は低く、対策を講じなければ生活音が他の部屋に響きやすいです。また、他の部屋からだけでなく、外からの音も入ってきやすいです。

遮音性は、在宅時間の長い入居者にとっては特に不満を抱かれやすいポイントです。入居者の入居期間を伸ばしたい場合は、床材や壁材に遮音材を使用するなどの工夫が必要となるでしょう。

法定耐用年数が短い

木造アパートは鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて建物の劣化が早いため、「法定耐用年数」が22年と短めに設定されています。

法定耐用年数とは、法律で定められた固定資産の使用期間のことで、家屋の場合は構造によって期間が定められています。資産の所有者は法定耐用年数の期間中、資産の取得にかかった費用を分割して、毎年決められた金額ずつ「減価償却費」として経費に計上できます。

たとえば、法定耐用年数が22年の木造アパートの場合、建築にかかった費用を22年間にわたって減価償却費として経費に計上することができます。つまり、22年間にわたって所得税の節税効果を受けられます

法定耐用年数が長い他の構造のアパートの場合は、節税効果を受けられる期間がより長くなります。

また、アパートローンは借入可能な最長期間を法定耐用年数に基づいて決められているケースが多いため、木造アパートはアパートローンの返済期間が短くなりやすいです。


アパート建築を考え始めたら、建築会社の見積もりを取り寄せて比較してみましょう。どんなデザイン・間取りのアパートならいくらぐらい建築費がかかるのか、イメージしやすくなります。

また、建築会社ごとに提案されるプランや建築費の見積額はさまざまです。複数の企業の建築プランを比較して、あなたに合ったアパート経営を始めましょう。

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※工事請負契約を締結するまでは、完全無料でご利用いただけます。

鉄骨造アパートのメリット・デメリット

鉄骨造は、用いる鋼材の厚みによって、さらに軽量鉄骨造と重量鉄骨造に分類されます。アパートを建築するときは、鋼材の厚みが6mm未満の軽量鉄骨造が採用されることが多いです。

この章では、建築するアパートの構造に軽量鉄骨造を選ぶメリットとデメリットを解説します。

鉄骨造アパートのメリット

軽量鉄骨造(S造)でアパートを建築するメリットは以下の通りです。


  • 比較的安価に丈夫に建てられる
  • 家賃を高く設定できる
  • 法定耐用年数が比較的長い

比較的安価に丈夫に建てられる

鉄骨造は、鉄筋コンクリート造(RC造)よりも安く、木造より耐久性の高い建物を建てられます。木造よりも建築費は高くなりますが、コスパのよさが特徴です。

構造上の耐久力が高いため、木造よりも大きな建物も建てやすいです。

鋼材が厚くなるほど耐久性は増しますが、建材の重量も増すため、土地によっては地盤改良工事が必要となることには留意が必要です。

家賃を高く設定できる

一般的に、鉄骨造のアパートは、木造アパートよりも家賃を高く設定できます

また、建物の劣化スピードが木造に比べて遅いため、家賃設定を維持しやすい傾向があります。

ただし、適正な家賃は周辺物件の影響を強く受けるため、必ずしも高い賃料を維持できる訳ではないことには留意しておきましょう。

法定耐用年数が比較的長い

鉄骨造のアパートは、木造アパートに比べて法定耐用年数が長いです。そのため、アパートローンを木造よりも長い返済期間で組みやすいというメリットがあります。

ただし、使用する建材の厚みによって法定耐用年数は異なります。

骨格材の厚さごとの法定耐用年数は以下の通りです。

骨格材の厚さ耐用年数
3mm以下19年
3mm超~4mm以下27年
4mm超34年

※木造の法定耐用年数は22年

軽量鉄骨造は鋼材の厚みが6mm未満のものを指しますが、4mmを境に耐用年数が7年も異なるため、建築プランを立てるときに予め確認しておきましょう。

鉄骨造アパートのデメリット

軽量鉄骨造(S造)でアパートを建築するデメリットは以下の通りです。


  • 断熱性能が低い
  • 結露が起きやすい
  • 遮音性はあまり改善しない

断熱性能が低い

鉄骨造のアパートは木造に比べて、室内の温度が外気の影響を受けやすいです。

これは、金属の方が木材に比べて熱伝導率が高いためです。夏は暑くなりやすく、冬は熱が逃げて室温が下がりやすいため、快適さを確保するためには断熱対策が必要です。

結露が起きやすい

鉄骨造は木造に比べて気密性が高いため、冷暖房の利きが良い一方で、外気との寒暖差が生じやすいです。

木造のような調湿効果がないため、特に冬場は、暖房で暖められた室内の湿度の高い空気が窓ガラスに触れることで結露が生じやすいです。

カビの発生やサビによる劣化の原因になるため、建物を長く維持・管理するためには防カビ素材を使用したり、結露に強い窓ガラスを使用するなどの対策を取るのがおすすめです。

遮音性はあまり改善しない

遮音性の観点のみで言えば、木造から軽量鉄骨造に構造を変更するだけでは大きくは改善しません

鋼材に厚みのある重量鉄骨造の場合は壁に厚みが出るため遮音性も高くなりますが、金属自体が音を反響させやすい素材である上に、軽量鉄骨造では壁の厚みがあまり出ないからです。

鉄骨造で遮音性を高めたい場合には、ALC板(へーベル板)を使用するなど、壁材・床材に工夫をしましょう。

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アパートを建築するなら木造・鉄骨造どちらがいい?

ここまで木造アパートと鉄骨造アパートのメリット・デメリットをそれぞれ解説してきましたが、実際に建築するならどちらを選べばよいでしょうか。

この章ではアパートの構造を迷う方向けに、3つのポイントを解説します。


  • 耐震性・耐火性に大きな違いはない
  • アパートの経営目的で考える
  • アパートを建築する地域で考える

耐震性・耐火性に大きな違いはない

「地震や火災のリスクに備えて、耐久性の高い構造で建てた方がよいのではないか」とお考えの方は少なくないでしょう。

しかしながら、木造と軽量鉄骨造のアパートでは、耐震性と耐火性に大きな性能差は無いと言えます。

アパートを新築する場合は構造がなんであれ、現行の耐震基準を満たすように設計しなければなりません。そのため、木造でアパートを建てたとしても、耐震性能で大きく劣ることはありません

また、鉄骨造はそもそも耐火性能はあまり高くありません。火災による高温で、建材の金属が溶けて変形してしまうためです。

そのため、木造の場合も軽量鉄骨造の場合も、防火性能を確保するためには耐火被覆工事が必要となります。

したがって、地震や火事という不慮の災害リスクに対しては備えが必要ですが、アパートの構造を木造または軽量鉄骨造の2択で検討する上では、考慮しなくてもよいといえます。

アパートの経営目的で考える

「木造」または「軽量鉄骨造」のどちらがよいか決める時には、ご自身のアパート経営の目的を考慮するのがおすすめです。

アパート経営を始めたい方の動機は、以下のようなものが挙げられるでしょう。


  • 相続した土地にかかる税金を軽減したい
  • 資産として不動産を所有しておきたい
  • 本業とは別の収入が欲しい
  • アパート経営でできる限り高収益を上げたい
  • アパート大家として事業経営したい

たとえば、事業的な規模でのアパート経営を目指している方は、初期費用が安く高利回りを狙える「木造」を選ぶのがよいでしょう。大規模な修繕が必要になる前に、アパートを売却するという出口戦略も選択肢に入ります。

一方、土地を所有し続けることが第一の目的で、副業としてアパート経営をしたい方は、修繕頻度が抑えられて、木造よりも長く節税効果を受けられる「鉄骨造」での建築がおすすめです。アパート経営にかかる手間を抑えられれば、本業との両立がしやすくなります。

ただし、毎年の固定資産税は鉄骨造アパートの方が高くなりやすいため、実際にどちらの方が「有利」になるか知りたい方は、土地活用のプロに相談するのがおすすめです。

アパートを建築する地域で考える

どのようなアパートを建てるべきかは、アパートを建てる場所も考慮に入れるとよいでしょう。

入居者のニーズに合わせた仕様でアパートを建築することで、空室率を抑えられればアパート経営を軌道に乗せられます。

また、地域によって、建てられる建物の規制が異なります

たとえば第一種・二種低層住居専用地域ではアパートを建てられる高さに制限があるため、木造2階建てアパートの建築が現実的な選択肢になるケースがあります。

  1. 2階建て以下の賃貸住宅を鉄骨造で建築するのは、費用に対して見込める収入額が少なく、あまりおすすめできません。

防火地域に指定されている地域であれば、建物の耐火構造化が必須です。木造で安価に建てたいと思っても、耐火構造化によって思いがけず建築費が高くつく可能性があります。建築プランに影響を及ぼすため、アパートの建築予定地の建築規制は事前に確認しておきましょう


ご自身にとって最適な建築プランを見つけるなら、複数の企業に相談しましょう。

イエウール土地活用」なら土地の所在地など簡単な情報を入力するだけで、複数の大手ハウスメーカーにまとめて資料請求できます。建築プランと見積もりを比較して、あなたの土地の条件や経営目的に合ったプランを探しましょう。

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アパート建築の構造はプランを比較して考えよう

木造アパートにも、鉄骨造アパートにも、それぞれメリット・デメリットがあります

建築するアパートの構造を決める際には、ご自身のアパート経営の目的や、アパートを建てる地域の需要・建築規制を考慮に入れるとよいでしょう。

アパートの構造は、建築後に変更することはできません。そのため、後悔をしないためにも、実際の建築プランを複数比較した上で決めるのがおすすめです。

イエウール土地活用」の一括見積を利用すると、大手ハウスメーカーのアパート建築プランや、建築後の経営プランを一度にまとめて複数取り寄せることができます。

「イエウール土地活用」の一括見積には、優良企業のみが参加しています。安心してご利用いただけますので、アパートを建築を計画している方は、是非ご活用ください。

アパート建築の基礎知識を知りたい方は、以下の記事もご参考にしてみてください。

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