所有している土地の活用方法はさまざまあり、墓地として利用するのも1つのやり方です。墓地で土地活用をするメリットは複数ありますが、同時にデメリットもあります。
メリットとデメリットの両方を知り、自分に合っているかを考えることが大切です。墓地として活用する方法や、活用時のポイントを知り、土地を上手に利用して収益化を図りましょう。
その他、土地活用方法について詳しくは以下の記事もご覧ください。
墓地としての土地活用は需要があるのか
余っている土地を活用する方法には、アパート経営や駐車場経営などさまざまな方法があります。
しかし、土地活用を始めるということはひとつの事業を始めるということであり、その地域でのニーズがない土地活用方法を選んでしまっては採算が合わず借金地獄に陥ってしまうなんてこともあり得ます。
都市部の墓地供給不足
65歳以上の高齢者の割合が人口の7%を超える高齢化社会において、墓地の需要は伸び続けるのではないかと考える方は多いのではないでしょうか。
実際、都市部の墓地は不足している現状があります。
東京都内の工営墓地の募集に対しては定員を上回る募集が殺到しており、ニーズがあるものの供給が追いついていない状況が続いています。
墓地の需要は年間約20,000基前後と見られており、墓地を確保できずに遺骨を自宅に所持している、あるいはお寺に預けているというケースもかなり存在することがわかっています。
墓地供給が増えない要因とは
需要があるとわかっていても、なぜ墓地供給は増えないのでしょうか。
大きな課題としては、墓地の新規設置の難しさと近隣住民との調整の難しさがあります。
墓地の経営ができるのは、すべての自治体において原則として「自治体、宗教法人、墓地等の経営を行うことを目的とする公益社団法人または公益財団法人」とされています。つまり、民間企業やその他の非営利団体等が参入することはできません。
それだけでなく、該当する市区町村で事務所を設置することが求められる場合や一定期間その市区町村での活動実績を求められることもあります。
そのため、墓地を始めようというアイデアが浮かんだとしても数年単位の事業計画になり、墓地供給が増えないという実情です。
墓地で土地活用をするメリット
墓地としての土地を活用することは土地活用の業界では「霊園開発」とも呼ばれており、メジャーではありませんが有益な土地活用として知名度が上がってきています。
所有する土地を墓地にして土地活用をするメリットとしては、次の3つがあげられます。
- 安定した収入が得られる
- 立地条件の悪い地域でも始められる
- 住民トラブルの対処が不要
メリットを把握し、墓地として土地活用をする魅力を知っていきましょう。
安定した収入が得られる
墓地にして土地を活用することで、安定した収入が得られるのは大きなメリットです。お墓は購入後、半永久的に維持されるものであり、利用者が獲得できるなら長期にわたって安定して収入を得られます。
賃貸経営でも入居者がいる間は安定した収入が得られますが、退去後は新しい入居者を探さなければなりません。空室によって年ごとに収益が増減する賃貸経営とは違い、墓地は収入が減ることはほとんどないため、安定性の高い土地活用といえます。
立地条件の悪い地域でも始められる
立地条件が悪く、集客が難しい地域でも土地活用として始められるのは墓地のメリットです。賃貸住宅や商業施設の経営などの場合は、人の多い市街地や駅から近い好立地でなければ集客が難しいです。しかし、墓地の場合はそもそもの集客が不要で、多少アクセスが悪くても活用できます。むしろ、一通りの少ない落ち着いた立地のエリアにこそ墓地は最適です。
建物の建築が難しい市街化調整区域でも、墓地は対象外であり、土地活用方法として選べます。場所を選ばず、立地条件が悪くても土地活用ができるのは、墓地ならではの魅力でしょう。
住民トラブルの対処が不要
賃貸経営とは違い、住民トラブルの対処が不要であることも、墓地として活用するメリットです。墓地の場合は、利用者はお墓参りをする人だけであり、基本的にトラブルが起きることはありません。
一方で、賃貸経営では住民同士のトラブルが起きた場合やクレームが入った場合は、オーナー自身が対処しなければならないことも多いです。水道や電気、ガスなどの定期的にメンテナンスが必要な生活インフラがほとんど必要なありません。
墓地の運営でトラブル自体がまったく起きないわけではありませんが、賃貸経営と比較すると頻度は非常に少なく、管理が煩わしくない点は大きな魅力です。
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活用事例:杉並の活用事例





エリア | 東京都 |
土地面積(㎡) | 140 |
延べ床面積(㎡) | 230 |
工法 | 木造2×4工法 |
建築費用(円) | 8,000万 |
墓地で土地活用をするデメリット
さまざまなメリットがある墓地ですが、デメリットもあることは覚えておかなければなりません。
- 一度始めたら基本土地は戻らない
- 近所の住民に承認を得る必要がある
- 資産価値が下がる
デメリットを正しく把握して、土地活用の方法として本当に自分に適しているのかを考えてみましょう。
一度始めたら基本的に墓地以外の活用は難しい
お墓は半永久的に利用するものであり、お墓を建てる人がいる以上、利用者がいなくなることはほとんどありません。そのため、一度利用者を獲得すると、基本的には土地を元に戻すことができないと考えましょう。
墓地以外の活用方法に転用したい場合でも、利用者がいると簡単に変更はできません。墓地として活用するなら、基本的には長期間墓地のまま活用することになる点はデメリットです。
近所の住民に承認を得る必要がある
立地条件が悪くても始められるのは墓地のメリットですが、どこでも自由に作れるわけではありません。墓地を始めるには、近所の住民に承認を得る必要があります。
墓地周辺に住むことを嫌がる人は多いため、承認を得ずに勝手に作ってしまうと反感を買ってしまう可能性が高いです。円満に墓地を運営するには近所の住民の承認は必須であるため、事前に住民を説得しておきましょう。
資産価値が下がる
墓地にすると資産価値は下がります。そもそも墓地は近くにあるだけでも周辺の土地の資産価値が下がるため、墓地そのものだとさらに価値が下がると考えましょう。
また、一度墓地にし、別の用途で転用した場合でも、かつて墓地だったという点で資産価値が下がったり、売却しづらくなったりする点はデメリットです。
最適な土地活用方法は土地の立地や広さ、周辺の需要によって変わります。土地活用を検討しているなら日本最大級の比較サイトイエウール土地活用で複数企業から土地活用プランを取り寄せましょう。将来の収益性の高い土地活用方法を見つけることができます。
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墓地で土地活用する方法は2つ
墓地で土地活用をする方法は、大きく次の2つにわけられます。
- 自ら霊園を経営する
- 霊園を運営している事業者に土地を貸し出す
それぞれどのような違いがあるのか、詳細まで知っておきましょう。
自ら霊園を経営する
自身が墓地のオーナーになり、霊園を経営することは可能です。自身がオーナーになれば、収益は大きくなります。ただし、霊園を自ら経営する場合は、莫大な初期費用を用意するだけではなく、開始までの手続きから運営、霊園の管理まで行わなければなりません。
例えば、以下のような手続きが必要です。
- 数千万円以上の自己資金を用意する
- 宗教法人、公益法人を創設する
- 周辺住民の説得をする
特に、自身で墓地を経営する場合は、多額の自己資金が必要です。土地の広さによっても異なりますが、墓地を始めるには数千万円以上かかることもあります。自己資金だけでは賄えない場合は、必要に応じてローンを組まなければなりません。しかし、一般的な賃貸物件と異なり、事業としての判断がしにくいため、借りられたとしても金利は比較的高くなる可能性があります。
膨大な費用がかかるため、土地活用を始めるまでのハードルは高いです。
また、墓地は始めようと思ってもすぐに経営を開始できるわけではありません。周辺住民の説得や霊園を開園する手続きなど、さまざまな手間と時間がかかります。
すぐには墓地が始められないため、利益を得られるまでに時間がかかります。全て自身で始める場合には、墓地を始めるには初期費用が多くかかるため、費用をすべて回収するまでの期間も長くなり、手元にお金は残りづらいです。
霊園を運営している事業者に土地を貸し出す
自分で霊園を経営するだけではなく、土地を必要としている霊園に土地を貸して収益化を目指すことも可能です。
霊園に土地を貸すことで、墓地を始めるまでの手続きが不要となります。霊園に土地を貸す場合は、霊園を開園する手続きや周辺住民への説得は、霊園が行うことになります。
自身は土地を貸すだけで利益が得られるため、手間をかけずに土地活用をして、収益を得たい人におすすめの方法です。
初期費用や経費をかけずに土地活用ができる点も、霊園に土地を貸すメリットの1つです。霊園を始めるための土地の整備や手続き、維持管理の費用はすべて霊園が負担します。
そのため、自身は費用の負担がないため、コストをかけずに土地活用をしたいなら、霊園に土地を貸し出すとよいでしょう。
一方で、墓地や霊園の場合、一度貸したら半永久的に墓地として貸し出すことになります。そのため、他の活用方法も必ず並行して比較しておきましょう。
霊園に土地を貸し出す流れ
霊園に土地を貸し出す場合の流れは、次の通りです。
- 墓地として利用できる土地か確認
- 土地を必要としている霊園を探す
墓地として利用できる土地か確認
墓地として利用できる土地かどうかは、事前に確認しておかなければなりません。立地条件の悪い土地でも始められる墓地ですが、周辺住民の許可があっても始められるエリアは決まっています。
自治体ごとに墓地の規制があるため、自治体ごとの規制を確認しておく必要があります。霊園を始められる土地なら、霊園に土地を貸すことが可能です。
土地を必要としている霊園を探す
自治体の規制を確認して墓地を始められるなら、土地を必要としている霊園を探します。霊園を探す方法は、次の2つです。
- インターネットで専門業者を見つけて依頼する
- 石材屋に問い合わせる
ネットで探す場合は、土地活用サイトを利用して、専門業者に相談してもよいでしょう。霊園を見つけて契約がまとまったなら、墓地の経営を開始できます。
お持ちの土地に最適な土地活用方法を見つけるためには選択肢を広げて複数のプランを検討してみることをおすすめします。日本最大級の比較サイトイエウール土地活用なら、土地所在地を入力するだけで土地活用プランを取り寄せることができます。
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墓地での土地活用は慎重に検討しよう
所有している土地を墓地として活用するなら、慎重に検討する必要があります。墓地は自身がオーナーになるケースと、霊園に土地を貸し出すケースの2つがあるため、どちらにするかを決めることが大切です。
おすすめなのは霊園に土地を貸す方法であり、初期費用や管理の手間などを解消できます。土地活用で失敗しないためにも、墓地を選びかどうかを慎重に考えましょう。
記事のおさらい
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