土地活用の費用は、活用方法によって費用がゼロであるものから1億円以上かかるものまであります。そのため、どんな活用方法が良いのか決めるためには、まず活用方法ごとの費用について知っておく必要があります。
また、資金が限られている場合は少しでも費用を抑えたいところです。
本記事では、資金なしでも始められる土地活用方法から、費用別に活用方法をご紹介しています。土地活用にかかる費用を抑える方法についてもご紹介していますので、参考となれば幸いです。
費用のかからない土地活用
まずは、費用のかからない土地活用方法についてご紹介します。
土地を貸す
事業者へ土地を貸す、いわゆる借地による土地活用は土地さえあれば費用をかけずに始めることができます。
借地には、一般定期借地権や事業用定期借地権など4つの方法がありますが、土地活用における借地では主にこの2つの借地権が用いられます。
一般定期借地権は、土地の利用目的を問わず50年以上の契約期間があるものです。一方の事業用定期借地権は、土地の利用目的が事業用に限られ50年を上限として契約期間を定めるものです。
また、一般定期借地権でも事業用定期借地権でも期間満了後は更地で土地が返還されますので新しい活用を始めたり売却するなど土地の転用が簡単であるというメリットがあります。
借地による収益は事業者から支払われる固定賃料となります。そのため収益は安定していますが、毎月の収入は自分で土地活用させる場合に比べて劣ります。
加えて、土地を貸すためには確実に収益が出る見込みのある土地である必要があります。そのため、立地によってはそもそも契約ができない可能性もあります。
土地信託
土地信託は、信託会社に土地を預けることで活用を委託し発生した収益を配当金として受けとる土地活用です。借地と同じく土地さえあれば初期費用ゼロで始めることができます。
契約期間も30年ほどが目安となり、更新もあります。
土地信託では多くの場合、アパートなど多くの収益を上げられる賃貸物件が好まれる傾向にあります。そのため、土地信託を行う場合は駅前など立地が良い場所でないと契約がまとまりづらいです。
また、発生した収益に応じて配当金が得らえるため借地よりも収益性が高い傾向にありますが、土地信託の場合は信託報酬(最大20%ほど)が発生することに注意しましょう
等価交換
等価交換は、出資した土地に建った建物の所有権の一部を手にすることができという土地活用方法です。
つまりどういうことかというと、まず所有している土地をデベロッパーに譲渡・売却しそこにデベロッパーが建物を建てます。そして、建物の価値に対して提供した土地の価値分の建物の所有権を得ます。
このように、等価交換は土地を建物の所有権に変えることができるただ一つの土地活用方法です。いわば錬金術ともいえるでしょう。
しかし、等価交換で建つ建物にはマンションやビルといった大規模なものであるため立地もいわゆる一等地かそれに近い立地が求められます。また、土地に対する所有権は無くなるので土地を手放したくない方にはおすすめできません。
建設協力金方式
建設協力金方式は、事業者から支払われる建設協力金をもとに建物を建て、それを事業者に貸すことで賃料を得る土地活用方法です。またの名をリースバック方式といいます。
建設協力金方式による契約先は、主にコンビニ等の店舗を経営する事業者です。つまり多くの場合は建設協力金を使って店舗を建てることになります。
例えば、コンビニ経営であれば、通常3000万円程の費用が必要になりますが、これを資金ゼロで始められるという点がメリットです。
収益となるのは、建てた店舗で生み出した収益から決められた割合を基に計算した分となります。決められた割合というのは、あらかじめ示されます。
例えば、「この店舗ひと月あたりの収益の30%分があなたの収益となりますよ」といった具体です。
ただし、建設協力金は支給ではなく貸し付けです。毎月の収益分から一定額引き落とされることに注意が必要です。
土地の活用方法に迷ったときは土地活用プランの一括請求サービスを使うことをお勧めします。日本最大級の比較サイトイエウール土地活用なら、お持ちの土地に適した土地活用方法を探すことができます。
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活用事例:目黒の活用事例

エリア | 東京都 |
土地面積(㎡) | 140 |
延べ床面積(㎡) | 269 |
工法 | RC造+木造2×4工法 |
建築費用(円) | 10,000万 |
少ない費用でできる土地活用
比較的費用が少なめの土地活用には、以下のような活用方法があります。
費用 | |
---|---|
駐車場経営 | 1万円~500万円 |
トランクルーム経営 | 300万円~1000万円 |
資材置き場 | 0円~10万円 |
駐車場経営
駐車場経営は、100万円~500万円の費用で始められます。費用に幅がある理由は、月極駐車場とコインパーキング経営どちらで始めるかによって必要になる費用が大きく変わるためです。
月極駐車場であれば、整地や車止め、看板の設置にかかる費用で始めることができるので数十万円の費用ですむケースもあります。
一方のコインパーキング経営は、精算機械や車止めの電動化など整備費がかるため500万円近くかかることも多いようです。
トランクルーム経営
トランクルーム経営は、土地にコンテナを設置し保管スペースを貸し出すことで賃料を得る土地活用です。
トランクルーム経営に必要な費用としては、300万円~1000万円となります。また、トランクルーム1基あたりの費用は100万円が相場といわれてます。
経営方法には、大手トランクルーム業者に経営を委託したり、業者に土地を貸すといった方法もあります。後者の場合は借地となるので、初期費用をかけずに始めることができます。
資材置き場
資材置き場は土地さえあればその整地費用のみで始めることできるため、1万円とかからず始めることもできるでしょう。
つまるところ、工事現場などで扱う資材や重機の置き場を確保できるだけのスペースを提供できれば大丈夫なので、更地のままでも活用できます。
建築会社との契約になれば長期に渡って安定した収益を生み出せます。
ただし、1坪当たり数百円程度と数ある土地活用のなかでは収益性が低い部類となります。
例えば、1坪当たり300円として100坪の土地を貸し出す場合、ひと月当たりの収入は3000円です。土地にかかる固定資産税なども考慮すると埋め合わせにならないケースもあるでしょう。
最適な土地活用方法は土地の立地や広さ、周辺の需要によって変わります。土地活用を検討しているなら日本最大級の比較サイトイエウール土地活用で複数企業から土地活用プランを取り寄せましょう。将来の収益性の高い土地活用方法を見つけることができます。
1000万円以上の費用がかかる土地活用
ここでは、費用がかかる土地活用方法を費用別に3つに分けてご紹介します。
1000万円以上の費用がかかる土地活用
1000万円以上の費用がかかる土地活用には、以下のような活用方法があります。
費用 | |
---|---|
戸建て賃貸経営 | 約2000万円 |
ガレージハウス経営 | 約2000万円 |
コインランドリー経営 | 2000万円~3000万円 |
土地活用には色々な方法がありますが、1000万円以上の費用がかかることも多いです。このあたりから、検討できる活用方法が一気に広がります。
戸建て賃貸経営や、コインランドリー経営はこの費用帯から検討することができます。土地の規模やどのような設備を導入するのかなどによって、その初期費用は数百万円単位で変わりますので注意してください。
続いて、それぞれの活用方法について詳しくご紹介します。
戸建て賃貸経営
戸建て賃貸経営にかかる費用は、最低でも2000万円以上必要になります。土地の広さや設備によってはそれ以上かかります。
1000万円程で始めることもできますが、条件がかなり狭まってしまうため2000万円程の費用は必要になると考えておいた方が安心です。
主にファミリー層がターゲットになるため、アパート・マンション経営よりも長期契約になりやすいという特徴があります。また1戸あたり30坪以上の広さがあれば十分です。
ただ、集合住宅であるアパート経営とは違って退去すると収益がゼロになってしまう点に注意が必要です。
ガレージハウス経営
ガレージハウス経営は2000万円以上からと戸建て賃貸経営と同等がそれ以上の費用がかりますが、逆に費用を抑えることも可能です。それは、ガレージハウスがセカンドハウスとしての利用も多く必要最低限の設備で貸し出すことも可能であるからです。
簡易的な設備であれば、1000万円程度の費用で始めることもできるでしょう。
賃貸物件の棟数としてガレージハウスは少ないので、需要が強く戸建て賃貸経営を考えるなら合わせて検討してみることをおすすめします。
コインランドリー経営
コインランドリー経営は、小型店舗であれば2000万円程、大型店舗であれば3000万円以上の費用が必要になります。
導入する設備やサービスによっては、それ以上かかることも多いです。
コインランドリー経営も駐車場経営やコインランドリー経営と同じように事業者が存在し、土地募集を行っているため初期費用をかけずに始めることもできます。また、大手の経営ノウハウの力を借りて経営するフランチャイズ契約による活用も盛んです。
5000万円以上の費用がかかる土地活用
5000万円以上の費用がかかる土地活用には、以下のような活用方法があります。
費用 | |
---|---|
アパート経営 | 約5000万円 |
マンション経営 | 5000万円~数億円 |
賃貸併用住宅経営 | 4000万円~6000万円 |
医療施設経営 | 3000万円~5000万円 |
ロードサイド店舗 | 約3000万円 |
5000万円以上の費用帯だと、人気なアパート。マンション経営を始めとした活用方法が候補となります。これらの活用方法は収益性が高く、年収で1000万円を超えることも珍しくありません。
しかし、初期費用がかかる分リスクも大きく、始めるにはハウスメーカーなどと相談しながら採算が合うのかを十分に検討しましょう。
続いて、それぞれの活用方法について詳しくご紹介します。
アパート経営
アパート経営にかかる費用は、多くの場合5000万円以上の費用が掛かると見込んでおいた方が安心です。土地や建物規模によっては1億円以上かかることもあるので注意が必要です。
2000万円で建てられるケースもありますが、戸数を確保できなかったり十分な設備が整わない可能性があるためおすすめしません。
競争力を確保し人気物件となるためにも、必要であると判断した設備などには投資しておける余裕を持っておいた方がよいでしょう。
また、アパートをはじめとした賃貸経営は駅前や商業施設が近くにあるといった立地がベストです。田舎の土地など人口が少ない地域であったりすると人が入らない可能性も考えられます。
マンション経営
マンション経営にかかる費用は、5000万円~数億円が必要となります。アパート経営よりも費用がかかると見ておいた方がよいでしょう。
その理由は、マンションの方が規模が大きい傾向にあることに加えて建築に使われる構造がコストのかかる鉄骨造やRC造であるためです。
建物規模が大きい分アパート経営よりも多くの収益を生み出すことができ、土地活用や不動産投資のなかでも収益性がトップクラスに高いです。
賃貸併用住宅経営
賃貸併用住宅経営は、およそ4000万円~5000万円の費用がかかる土地活用です。
賃貸併用住宅経営が費用面で他の土地活用と違う点は、自己居住地を建物床面積の50%以上にすると住宅ローンを使えるため他の土地活用ローンに比べて金利が安いです。
土地活用では数千万円ほど借り入れることも多いので、金利だけでも費用を抑えることができます。
医療施設経営
医療施設経営の費用は、小規模なクリニックなどであれば4000万円~5000万円から始めることができます。病床数の多い病院では、1億円以上の費用が必要になります。
医療施設経営といっても、自ら病院を経営するわけではありません。仕組みとしては、土地や建物を事業者に貸し、事業者は医師や医療法人に土地と建物を貸すという方式をとります。
ロードサイド店舗
ロードサイド店舗は、建設する店舗や広さによって異なりますが、代表的なロードサイド店舗であるコンビニであれば3000万円が目安です。
ただし、1章でご紹介したリースバック方式や借地で始めれば費用ゼロで始めることができます。
しかし、相続税対策といった節税効果には期待できないので注意しましょう。
1億円以上の費用がかかる土地活用
1億円以上の費用がかかる土地活用には、以下のような活用方法があります。
費用 | |
---|---|
サ高住経営 | 1億円~数十億円 |
老人ホーム経営 | 1億円~数十億円 |
ホテル経営 | 1億円~数十億円 |
ビル経営 | 1億円~数百億円 |
土地活用では、数億円もの費用がかかる活用方法もあります。また、建物規模の大きい土地活用方法もあるので、100坪や200坪といった広い土地が必要になります。
1億円というとかなりの費用ですが、サ高住経営では国からの補助金があるので、数千万円程費用を抑えることができます。また、ビル経営では収入がテナント料となるため安定して高収益を得やすいといった特徴があります。
続いて、それぞれの活用方法について詳しくご紹介します。
サ高住経営
サ高住経営の費用は、ほとんどの場合で1億円以上の費用がかかります。
ただし、サ高住経営の場合は建築費の1/10が上限となる補助金や、固定資産税や所得・法人税についての税制優遇があります。これらを活用すれば数千万円程の費用を抑えることができるでしょう。
老人ホーム経営
老人ホーム経営もサ高住経営と同じく初期費用に1億円以上かかります。
有料老人ホームなどの介護施設では、必要な設備やサービスなどが定められており、この基準に沿うように建築する必要があるため費用を抑えにくいです。
ホテル経営
ホテル経営にかかる費用も、数億円以上必要です。ホテルと一口にいってもいくつかの種類がありますが、土地活用ではビジネスホテルとしての活用が一般的です。
また、宿泊施設という点では、既存のアパート等の建物を有効活用させる民泊経営の方が費用を抑えることができます。
ビル経営
土地活用でいうビル経営にかかる費用は、数億~数十億円もの費用がかかってきます。ビルには4~5階建てから十数階建てのビルと幅広いですが、そのいずれでも1億円以上はかかるでしょう。
また、ビルといってもオフィスビルや商業ビルなど種類によっても費用が大きく変わる点にも注意が必要です。
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\最適な土地活用プランって?/
費用が足りないときはローンを組める
土地活用を始めるには、多くの費用がかかるケースもあります。そこで、足りない分はローンを組むといったことができます。
ここでは、土地活用における資金調達方法の一つであるローンについてご紹介します。
土地活用で組めるローンとは
土地活用では、銀行など民間の金融機関から借り入れる民間ローンと、住宅金融支援機構など公的機関から借り入れる公的ローンがあります。
公的ローンは、賃貸経営を対象としたローンですのでアパート経営などが対象となります。
一方、民間ローンには様々な種類があります。賃貸経営を対象としたアパートローンや、その他色々な活用で使える一般金融ローンがあります。土地活用で賃貸経営を行うとき以外は、一般金融ローンを利用することになると理解しておけばよいでしょう。
賃貸住宅経営では、条件を満たせばアパートローンよりも金利の低い住宅ローンを利用することができます。一般的に条件とは、総床面積の50%以上を自宅部分とすることと定められていることが多いです。
土地活用でローンを組むときの注意点
土地活用を始めるときにローンを組むことによって、初期費用を抑えることができます。しかし、ローンは毎月返済していかなくてはいけません。
ローンを返済できるだけの収入が十分にあればよいのですが、そうでない場合は返済に苦しむことになってしまいます。最悪の場合、建物などの維持管理費とも相まって支出が収入を上回り赤字となってしまう可能性もあるでしょう。
土地活用でローンを組むときには、予想される収支や経済状況をもとに、余裕をもった返済プランを立てることが大切です。
また、最低でも初期費用の10%程度を自己資金として用意しておかないと審査に通らない可能性が高いので注意してください。
土地活用の費用を抑える方法
ローン以外でも土地活用にかかる費用を抑える方法があります。ここでは、その3つの方法についてご紹介します。
補助金を活用する
土地活用では、国や自治体から補助金の出るものがあります。以下の土地活用です。
- ①サ高住経営
- ②保育園経営
- ③アパート経営
- ④太陽光発電
- ⑤空き家活用
サ高住経営や保育園経営では最大数千万円、アパート経営では110万円が補助されます。また、①~③では国が補助金制度を用意しており、④~⑤は各自治体が個別に用意している場合があるものです。
自治体による補助金制度の例として茨城県笠間市を例にとると、空き家の解体や活用に補助金がでます。金額は最大50万円です。
土地活用によっては、このように補助金を活用することで費用を抑えることができます。
複数の事業者に相談する
土地活用を始める際には、ハウスメーカーや駐車場運営会社など専門事業者などに相談しプランを作成してもらうことになります。しかし、各企業ごとに提案する費用や収支は大きく異なります。
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\最適な土地活用プランって?/
土地活用はその方法によって費用が違う!
土地活用方法には、マンション・アパート経営や戸建の賃貸、駐車場、サービス付き高齢者住宅などさまざまですが、活用の種類によってかかる費用は大きく異なります。
土地活用の費用を事前に把握しておけば、自分に合った土地活用法を見つけやすい上、開始までの初期費用や借入れ金などの収支計画を立てやすいのがメリットです。また、資金が足りない場合に備えてローンなどを検討しておくとよいでしょう。
記事のおさらい