「土地活用としてレンタルボックスを考えてるけど、初めていいのか不安..」、「レンタルボックスとして土地活用することもできると聞くけど、収益化できるのか心配」。
これらは、土地活用のなかでもレンタルボックスについてお考えの方であれば一度は抱く悩みかと思います。
本記事では、土地活用におけるレンタルボックスについて、最適な土地や経営するメリットに加え費用や収益性などについて詳しく解説します。
その他、土地活用方法について詳しくは以下の記事もご覧ください。
土地活用のレンタルボックスに最適な土地は?
ここでは、土地活用におけるレンタルボックスに最適な土地や規制により建てられない土地について解説します。
レンタルボックスに最適な土地
レンタルボックスに最適な土地の特徴は以下の通りです。
- 近くに住宅街やオフィス街がある土地
- ロードサイドにある土地
- 土地の間口を広く取れる土地
- 他の事業と併用している土地
レンタルボックスは、主に家やオフィスに置ききれない大きな荷物などを保管する場所として利用されます。そのため、特に付近に住居やオフィスがあるかは必ず確認しておきたいところです。
保管される荷物に関しては趣味用品や書類など、かさばるものが多いため車で来る人も多いです。車でのアクセスのしやすさや、駐停車のしやすさなども考えておくことが必要でしょう。
車でのアクセスという意味では、駅前や繁華街でなくとも郊外にある土地でも活用しやすいといえます。この点、レンタルボックスはアパート経営などの賃貸住宅経営と比べると適する土地が広く始めやすい土地活用の一つです。
次項では、ここでご紹介した4つの最適な土地について詳しく解説します。
近くに住宅街やオフィス街がある土地
レンタルボックスの主な用途は物品の保管です。そのため、家やオフィスからレンタルボックスまでの距離が近いということは経営上大きなアドバンテージとなります。
利便性が高い立地はそれだけで差別化することが可能であり、その分賃料も相場より上げられるといったメリットもあります。レンタルボックスは初期費用の安さなどもあり新規参入しやすく、あっという間にライバルがひしめくような状況になることも少なくありません。
しかし、このような特徴がある土地では利用者の確保に苦戦することは多くないでしょう。
ロードサイドにある土地
レンタルボックスの利用者は車で荷物を運び込むことも多いことから、車でのアクセスが容易なロードサイドはレンタルボックスに最適な土地といえます。
利用者の利便性もそうですが、レンタルボックスを搬入するときはトラックを使うため設置がスムーズにいくといった点もポイントです。
レンタルボックスとして土地活用を始めるには、まずコンテナが必要になります。このコンテナはトラックで運び込まれるため、土地と接する道路ではトラックの搬入経路が確保できるほど広くなければいけません。搬入経路が確保できない場合はレンタルボックスを始められない可能性もありますので注意が必要です。
また、ロードサイドは多くの人の目に触れることから宣伝・集客効果にも期待できます。
レンタルボックスの集客はアパート経営や駐車場経営に比べて難しく、いかにしてその稼働率を保つのかが収益化のために大切なことです。この点、ロードサイドであれば広告費などをかけずとも利用者の確保がしやすいというメリットがあります。
土地の間口を広く取れる土地
レンタルボックスに向いている土地とは、間口の広い土地です。最低でも道路から土地への間口が6メートル必要です。できれば土地の幅員も6メートル以上あることが望ましいでしょう。
坪数としても、50坪以上を目安にするとよいです。
広い間口が必要な理由は、レンタルボックスとして利用するコンテナを搬入するためには6メートル以上必要なためです。レンタルボックスとして利用されるコンテナの大きさは、およそ長さ6m×幅2.3m×高さ2.2mほどのものであり、これ以下の間口であると最悪の場合コンテナを上手く設置できない可能性があります。
6m以下の場合でもレンタルボックスを搬入することは可能ですが、保管スペースが限られるなどによって収益性が低下する恐れがあることに注意が必要です。
また、レンタルボックスは車での利用者も多いことから、車両の進入が容易であることも大切であり間口が広い方が利便性が高まるといえるでしょう。
他の事業と併用している土地
レンタルボックスは、同じ土地で行われている他の事業と相性が良いケースが多いです。
例えば、同じ土地で駐車場経営とレンタルボックスを行うと、お互いの事業リスクを分散させることができます。また、駐車場の稼働率が思わしくない場合でも、レンタルボックスを導入することで新規客の獲得にもつながり収益が改善されるケースもあります。
全国には、駐車場経営だけでなく店舗の傍らでレンタルボックスを導入する事例もあり、その相乗効果は注目すべき特徴です。
すでに他の土地活用を行っており、「空いたスペースを活用できないか」とお考えの方にとってレンタルボックスは最適な土地活用の一つといえます。
レンタルボックスが建てられない土地
レンタルボックスは、どこの土地でも建てられる訳ではありません。一部の地域では、レンタルボックスを建てることが禁止されているところもあります。
以下は、レンタルボックスを建てることができない地域の一覧です。
- 第1種低層住居専用地域
- 第2種低層住居専用地域
- 第1種中高層住居専用地域
- 市街化調整区域
第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域は良好な住宅環境を保持するための用途地域なので、レンタルボックスの設置ができません。
また、建物の建設が許可されていない市街化調整区域には注意が必要です。
以前はコンテナを地面に設置するだけでレンタルボックスの経営が可能でした。しかし、現在は建築基準法によりレンタルボックスは建築物とみなされ、耐震性を高めるための基礎の設置や構造上の強度が求められるようになっています。つまり、レンタルボックスは建築物に該当するため市街化調整区域に設置することはできません。
なお、建築基準法の基準を満たさないレンタルボックスは違反建築となり、行政からの是正指導の対象となります。
レンタルボックスとトランクルームは同じ意味であり、以下の記事ではトランクルーム経営ができない土地について詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
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活用事例:杉並の活用事例





エリア | 東京都 |
土地面積(㎡) | 140 |
延べ床面積(㎡) | 230 |
工法 | 木造2×4工法 |
建築費用(円) | 8,000万 |
土地活用としてレンタルボックスを始めるメリット
土地の所有者にとって、土地の活用法としてレンタルボックスにはどのような魅力があるのでしょうか。土地活用を考えている土地の所有者にとっての、レンタルボックスの3つの魅力について解説します。
立地条件多少が悪くてもはじめられる
1つ目の土地活用法としてのレンタルボックスの魅力は、土地の条件が悪くても始めることができるという点です。土地活用法として最も注目を集めているのは、土地にアパートやマンションを建てて家賃収入を得るアパート経営やマンション経営ですが、アパートやマンションといった居住用の物件には立地条件がとても重要になります。
アパートやマンションの入居者を集めるためには、日当たりや土地の向き、周辺環境や駅までの距離などの立地条件がとても重要な要素になります。
しかし、レンタルボックスは毎日その場で過ごすわけではありません。利用者は荷物の入れ替えが必要になったときだけ来て、必要な荷物の入れ替えが終わればすぐに帰ってしまいます。日当たりが悪い土地でも、騒音問題を抱えている土地でも問題がありません。
また、他の用途には向いていないような形の悪い土地でも、コンテナを置くスペースと数台分の駐車スペースさえ確保できれば、レンタルボックスを始めることができます。アパートやマンションに必要な広さが無くても始められる点もレンタルボックスがおすすめの理由です。
初期費用が比較的安い
土地活用法としてレンタルボックスを選択するメリットには、他の土地活用法と比較すると初期費用が安くてすむというメリットもあります。土地活用法として人気が高いアパート経営やマンション経営では、アパートやマンションを建てるために数千万円の初期投資が必要となります。もちろんアパートローンの借り入れでまかないますが、借入額も高額になります。
しかし、レンタルボックスであれば、敷地の大きさや設置するコンテナの数によって変わりますが、初期費用は200万円から700万円程度ですみます。50坪の土地に5基のコンテナを設置した場合には、整地費用、水道と電気工事、監視カメラ設置費用などを込みで600万円から700万円程度です。
土地の広さによって設置するコンテナの数を増やせば増やすほど初期費用は高額になりますが、さまざまなタイプのコンテナを設置できるので、利用者のニーズを幅広く捉えられるようになります。
同じ50坪程度の土地にアパートを建築する場合、すべての設備費用を込みで木造なら3,000万円程度、鉄骨造やRC造なら4,000万円以上の建設費用がかかります。レンタルボックスなら、アパート経営の4分の1程度の初期費用で始められるのでおすすめです。
メンテナンスや修繕費用があまりかからない
アパート経営の場合には、入居者が退去するたびに内装のリフォームが必要になります。また、エアコンや給湯器、水回りが古くなったら10年から15年に一度の設備の入れ替えが必要です。さらに、近年は敷金礼金半額や無料の物件が増えてきており、以前のように入居時に数カ月分支払ってもらうことが難しくなっています。
入居者の入れ替えのたびのリフォームや、数年おきの設備の入れ替えなどは家賃収入から計画的に積み立てておく必要があり、メンテナンス費用が負担になります。
一方、レンタルボックスであれば、退去後の簡単な掃除だけで次の利用者を入れることができます。設備も簡単な照明と監視カメラ程度で良いので、定期的な大規模な設備の入れ替えや修理も必要ありません。
風雨にさらされ続けるので、数年おきの外壁塗装は行ったほうが良いのですが、それ以外のメンテナンスコストはレンタルボックスにはほぼ必要ありません。維持管理するための費用は、アパート経営に比べると格段に安くてすむ点は大きなメリットと言えるでしょう。
事業会社に経営を任せることもできる
レンタルボックスには以下のようないくつかの運営形態があります。
- 一括借り上げ
- 管理委託
- 自主管理
一括借り上げはいわゆるサブリースであり、土地をレンタルボックス事業者に貸しその地代で収益化を行う方式です。
一括借り上げは土地さえあれば費用をかけずにレンタルボックスとして土地活用を始められることができます。そのため、資金面で不安な方でも始めやすいです。
一方の管理委託は、土地オーナーがレンタルボックスの初期費用を負担しますが、経営はレンタルボックス事業者が行うという方式です。月の売り上げに応じた収入を得ることで収益を得ます。
管理委託は初期費用が数百万円程かかりますが、一括借り上げよりも高い収益を上げることができます。そのため、ある程度の資金があるという方は収益性の高い管理委託を検討することもおすすめです。
一括借り上げと管理委託の他に自主管理があります。自主管理はコンテナの設置から宣伝や利用者とのやりとりなど全てを自分で行う方式です。
自主管理は3つある経営方式のなかで収益性が最も高いですが、経営知識や日々の管理が必要など労力がかかることから自信のない方にはおすすめできません。
このように、自分の状況に合わせて経営方式を選べる点はメリットといえます。
一括借り上げと管理委託では、レンタルボックスの専門事業者が経営を行うため土地活用を始めて行う方でも安心して任せられることができるでしょう。
レンタルボックスのリスクと対策
ここでは、レンタルボックスに潜むリスクと対策について詳しく解説します。
稼働率が低くなりやすい
レンタルボックスはアパート経営などに比べ需要が強くなく、そもそもその利用者が限られていることから集客がしにくいです。そのため、安定して収益を得られるようになるまでには多少の期間がかかることが予想されます。
これは、レンタルボックスという存在自体が認知されにくいことも原因としてあります。
以上のような特徴があるため、一度稼働率が低くなるとその状態が長く続きやすいです。これには、積極的な宣伝や広告をうつことが対策としてあります。事業者に経営を任せている場合は集客も行ってくれますので、経営状況については常に把握できるよう担当者と共有しておく必要があります。
盗難・災害リスクが高い
レンタルボックスは、預かった物品の保管場所を提供する土地活用です。そのため、盗難や災害によって物品に被害が出る可能性もあります。
何らかの要因で物品に被害が出た場合は、契約内容にもよりますが経営側が賠償金を支払わなければならない可能性もあるため注意が必要です。
自己管理の場合はもちろん、事業者に管理を委託している場合でも土地オーナーが責任を一部負わなければならないケースもあります。経営を始める際には契約内容をよく確認し、緊急時の責任の所在を確認しておくことが大切です。
同時に、施錠方法や監視カメラ、セキュリティ会社と提携するなど防犯対策はしっかりと講じておくと安心です。
最適な土地活用方法は土地の立地や広さ、周辺の需要によって変わります。土地活用を検討しているなら日本最大級の比較サイトイエウール土地活用で複数企業から土地活用プランを取り寄せましょう。将来の収益性の高い土地活用方法を見つけることができます。
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レンタルボックスの費用と収益性
ここでは、レンタルボックスにかかる費用と収益性をご紹介します。
初期費用と利回り
レンタルボックスにかかる初期費用は、高くても数百万円程度に収まることが多いです。
コンテナは一基あたり100万円が相場です。
例えば、60坪の土地にレンタルボックスを設置するとなると、諸費用も込みで多く見積もっても700万円から800万円ほどあれば十分だといえます。
ただし、上記の例はあくまで参考値であるため、実際の費用は各事業者に相談し確認してください。事業者によって提案される初期費用は大きく異なります。
利回りでいえば、30%という土地活用のなかでは高利回りを期待できますが、1スペースあたりの賃料が数千円ほどが相場であることから高利回りを実現させるには100%に近い稼働率が必須となるでしょう。
収益シミュレーション
ここでは、レンタルボックスを設置した場合の費用と収益シミュレーションをしてみたいと思います。
条件は以下の通りです。
- 土地の広さ : 60坪
- コンテナサイズ : 9坪
- コンテナ一基あたりの部屋数 : 4
- コンテナ設置数 : 5
- コンテナ価格 : 100万円/一基
- 工事費 : 150万円
- 看板等設置費用 : 10万円
- 借入額 : 460万円
- レンタル料 : 7000円/1部屋
- 空室率 : 10%
- 金利2%
以上の条件をもとにシミュレーションした結果は以下の通りです。
収益性 | |
---|---|
年間収入 | 168万円 |
年間支出 | 約68万円 |
年間手取り | 約100万円 |
表面利回り | 25.5% |
実質利回り | 23.0% |
このように、トランクルーム経営は空室率や金利を含めても利回りが25%以上と高くなります。
状況によっては、1年間を通して空室率が想定を下回る可能性もありますので、収支計画に関しては余裕をもった条件で計算することをおすすめします。
土地活用として始めるレンタルボックスは低予算!
土地を所有しているだけでは、固定資産税の支払いだけが発生してしまいます。しかし、収益を得られる方法で活用できれば、固定資産税分だけでなく、副収入を得ることができます。レンタルボックスは、現在利用する人が増えているので、需要のある土地であればおすすめの土地活用法です。
初期費用もアパート経営などよりも抑えることができるので、ぜひ効果的な土地活用法を探している方は、レンタルボックス経営も選択肢の一つとして検討してみることをおすすめします。