土地活用を始めようとすると、マーケティングや建物について、税制度、法律などさまざまな専門的な知識を求められる機会が訪れます。
こういった状況でも、上手く立ち回れるように土地活用の知識を蓄えておくことが大切になります。そこで土地活用の知識を身につけるためにも、資格の取得が効率の良い方法だといえます。
実際、資格がないと土地活用を始められないということではありませんが、今回紹介する資格を取得することで、土地活用に活かすことができる知識をよりスムーズに得ることができます。また、土地活用の資格の勉強をすることで得られるものもありますので、土地活用をお考えの方は一度、資格の取得に取り組んでみましょう。
- 土地活用プランナー
- 不動産実務検定
- ホームインスペクター
- マンション管理士
- ファイナンシャルプランナー
- 管理業務主任者
- 宅地建物取引士
- 宅建アソシエイト
- 福祉住環境コーディネーター
- 日商簿記検定
- 電気工事士
土地活用の相談先についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
土地活用に活かせる資格
ここでは、土地活用で活かせる11個の資格について解説していきます。
- 土地活用プランナー
- 不動産実務検定
- ホームインスペクター
- マンション管理士
- ファイナンシャルプランナー
- 管理業務主任者
- 宅地建物取引士
- 宅建アソシエイト
- 福祉住環境コーディネーター
- 日商簿記検定
- 電気工事士
土地活用プランナー
ここでは、土地活用プランナーの概要と活かせる場面について解説します。
概要
土地活用プランナーとは、公益社団法人東京共同住宅協会が認定する土地活用の専門の資格となっています。
この資格を取得するためには、土地活用におけるマーケティングやプランニング、事業収支計画、税務、権利調整というような幅広い知識を身につけなければなりません。また、試験の詳細は、マークシート四肢択一形式の40問で、試験時間は60分となっています。
活かせる場面
多くの業者から提案を受けることがある土地活用では、その提案内容が本当に利益を上げることができるかを見極めることが大切です。
そこで、この資格を取得することで、土地活用全般の正しい知識を身につけることができるため、業者から提案されたものが本当に確かなものなのかを自分自身で判断できるようになります。
また、提案されたプランの収益性も見極めることができるため、少なくとも失敗する見込みの高い提案を避けることも可能です。
不動産実務検定
ここでは、不動産実務検定の概要と活かせる場面について解説します。
概要
不動産実務検定とは、一般財団法人日本不動産コミュニティーが認定している不動産運用にまつわる実践知識を網羅した不動産投資専門資格となっています。
この資格を取得するためには、ライフプランニングや不動産投資、満室経営、税金対策、建築、ファイナンス、土地活用のコンサルティングというような不動産経営の基本を身につける必要があります。また、試験の詳細は、1級も2級も問題数が50問で、試験時間が60分となっています。
活かせる場面
賃貸経営の知識や経験のない状態から、すべての管理業務を自分ひとりで行うことには、かなりのリスクがあります。
そこで、この資格を取得することで、賃貸経営の流れや法律を学ぶことができるため、ある程度、管理業務に理解のある状態で賃貸経営を始めることができます。
また、賃貸経営のトレンドも学ぶことができるため、効果的な入居者募集を行うことができ、満室経営に近づくことも可能になります。
ホームインスペクター
ここでは、ホームインスペクター(住宅診断士)の概要と活かせる場面について解説します。
概要
ホームインスペクターとは、NPO法人日本ホームインスペクター協会が認定している住宅の「かかりつけのお医者さん」とも呼ばれる資格となります。
この資格を取得するためには、家の屋根、外壁、屋根裏、床下などの状態や欠陥を見極め、メンテナンスが必要な時期や費用をアドバイスできる知識を身につけなければなりません。また、試験の詳細は、CBT方式50問の4肢択一試験となっており、試験時間が90分となっています。
活かせる場面
賃貸経営で大きなリスクとなる建物の劣化を賃貸経営の初心者が見ただけで見極めることは不可能です。
そこで、この資格を取得することで、チェックすべき場所や状態の種類、それに対する効果的な対処法やかかる費用がわかるため、効果的な修繕を施すことが可能になります。
また、修繕にかかる費用を自分だけで概算することができると、修繕計画も立てやすくなります。
マンション管理士
ここでは、マンション管理士の概要と活かせる場面について解説します。
概要
マンション管理士は、公益財団法人マンション管理センターが認定する国家資格として位置づけられた、専門的知識で管理組合の運営やその他マンション管理に関する管理者や所有者の相談に応じて、助言、指導、その他援助ができる資格となります。
この資格を取得するためには、管理組合の運営、建築物の維持や修繕等に関する専門的知識を求められます。また、試験の詳細は、マークシート四肢択一形式の50問で、試験時間は120分となっています。
活かせる場面
この資格を取得することで、マンション経営全般の知識を身につけることができるため、入居者や区分マンションの所有者から相談を受けたときに適切な対応をすることができます。
また、実践的な知識まで学んでいることから、マンションの管理業務においても、トラブルに恐れることなく、安心して経営を始めることが可能になります。
ファイナンシャルプランナー(FP)
ここでは、ファイナンシャルプランナー(FP)の概要と活かせる場面について解説します。
概要
ファイナンシャルプランナーとは、個人や家族のライフプランに基づいて、将来の収支の見通しを立てて、最適な資産設計や資金計画を提案することができる資格となります。
この資格を取得するためには、年金や保険からはじまり、資産運用、税制、住宅ローン、相続などお金に関する幅広い知識が必要です。
FPにもFP技能士(1~3級)やCFP資格、AEP資格によって試験の詳細が異なるため、日本FP協会のホームページをご覧ください。
活かせる場面
土地活用を始めるときには、しっかりと収支計画を立てることが大切になります。
そこでこの資格を取得することで、人生設計や経済環境を踏まえて収入や支出のバランスを見極め、必要な自己資金の計算、ローンの必要性などお金に関するあらゆる情報を分析できるようになります。
これらの分析結果をもとに、自分に見合った支出で、収益を最大化させられるような計画を立てることができるようになるでしょう。
管理業務主任者
ここでは、管理業務主任者の概要と活かせる場面について解説します。
概要
管理業務主任者とは、マンション管理業者が管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行うときに必要な国家資格となります。
この資格を取得するためには、マンション管理適正化法やその他の関係法令を学び、建物や設備についての知識、管理組合の財務知識を身につけなければなりません。また、試験の詳細は、マークシート四肢択一形式の50問で、試験時間は120分となっています。
活かせる場面
この資格を取得することで、建物や設備といった賃貸経営の基礎知識を持った状態で経営を始めることができます。また、宅建業者のような管理業務も行うことが可能になります。
宅地建物取引士
ここでは、宅地建物取引士の概要と活かせる場面について解説します。
概要
宅地建物取引士とは、いわゆる「宅建士」とも呼ばれ、不動産の売買や賃貸物件の仲介業を行うことができる国家資格となっています。
この資格を取得するためには、不動産取引に関する法律や税金の幅広い知識を身につけなければなりません。また、試験の詳細は、マークシート四肢択一形式の50問で、試験時間は120分となっています。
活かせる場面
この資格を取得することで、物件を取得して土地活用を始めるときに、不動産取引を安全に進めることができます。
また、不動産会社の提案する契約内容や条件が安全なものかを判断することができるため、信頼できる業者を選ぶことも可能です。
宅建アソシエイト
ここでは、宅建アソシエイトの概要と活かせる場面について解説します。
概要
宅建アソシエイトとは、売買仲介の現地案内において、適切に対応できる知識を十分に有することを証明した資格となっています。
「一般社団法人 全国住宅産業協会」「公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会」「一般社団法人 不動産協会」「一般社団法人 不動産流通経営協会」に所属している勤務先に在籍している人が、体系的な教育研修プロセスを終了した人が宅建アソシエイトとなります。
活かせる場面
この資格を取得することで、不動産売買の仲介業務を行うことができるようになるため、さらなる事業拡大を進めることができます。
また、この資格は、1つ目の事業に成功し、2つ目の事業を始めようとするときに、取得すると良い資格となっています。
福祉住環境コーディネーター
ここでは、福祉住環境コーディネーターの概要と活かせる場面について解説します。
概要
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案する能力を評価される資格となっています。
この資格を取得するためには、医療・福祉・建築の3つの視点から体系的で幅広い知識を身につけなければなりません。また、試験の詳細はマークシート式で、試験時間は90分となっています。
活かせる場面
この資格を取得することで、高齢者や障がい者をターゲットにした賃貸経営やサービス付き高齢者向け住宅を始めるときに効果を発揮することができます。
医療・福祉・建築の知識を持っているため、高齢者や障がい者に寄り添ったリフォームを行うことも可能になります。
日商簿記検定
ここでは、日商簿記検定の概要と活かせる場面について解説します。
概要
日商簿記検定とは、経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能を評価した資格となっています。
この資格を取得するためには、基本的な商業簿記のつけ方や企業の経理関連書類を適切に処理できるようになる必要があります。日商簿記検定にも1~3級があり、試験の詳細が異なるため、詳しくは日商簿記検定のホームページをご覧ください。
活かせる場面
この資格を取得することで、自身が行っている経営の財政状況がどうなっているのかが、わかるようになります。
財政状況がわかるようになれば、改善するべきところも見えてくるため、経営を良い方向へ修正することもできます。
また、土地活用をしていると1年に一度、確定申告が必要です。簿記検定の資格を持っていると、帳簿のつけ方もわかるため、確定申告のための書類作成が簡単になります。
電気工事士
ここでは、電気工事士の概要と活かせる場面について解説します。
概要
電気工事士(第二種)とは、一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できるようになる国家資格となります。
この資格を取得するために、電気・配線の理論や電気工事の施工方法などの知識を身につけなければなりません。また、この試験は、学科試験と技能試験に分かれており、学科試験では四肢択一で、技能試験では持参工具と支給材料で時間内に完成させるという内容になっています。
活かせる場面
この資格を所有していることで、賃貸住宅の電気設備が故障したときに、自身で修理や工事を行うことができます。電気工事を業者に依頼するのではなく、自分の手で行うことで、大幅なコストカットにつながります。
また、自分で電気工事を行うと、迅速な対応をすることができるため、入居者の不満をためることなく修理に取り掛かることができます。
土地活用をするために知っておくべき知識
土地活用を始めるうえで知っておくべき知識は、大きく分けて以下の4つとなります。
- 土地活用法ごとの知識
- 会計に関する知識
- 税金に関する知識
- 法律に関する知識
土地活用法ごとの知識
土地活用を始めるのであれば、どんな活用法を選ぶのかが重要です。
アパート経営や駐車場経営、太陽光発電など土地活用の種類は多く、どの活用法であってもメリットとデメリットは存在します。そのため、土地活用の勉強がしたいのであれば、活用法ごとの特徴を確認することが大切になります。
そして、活用法ごとの特徴が確認できたら「自分の土地に適した活用法はどれか」「自分の目的を達成できる地活用はどの活用法か」などのさまざまな視点から、これから始める土地活用を決めていきます。
また、実際に始める土地活用法が決まれば、その活用法ごとに必要な知識を身につけていきましょう。たとえば、アパート経営では、修繕や空室対策の知識などが必要となります。
これらの知識を学ぶことで、失敗する可能性を少しでも減らして土地活用を始めることができます。
税金に関する知識
土地活用を始めると、固定資産税や相続税、所得税などのさまざまな税金がかかります。
これらの税金は、国や地方自治体から通知書が送られてくるものもあれば、自分で金額を申告して納税しなければならない税金もあります。
また、これらの税金をさまざまな制度を用いて節税することもできるため、税金に関する知識は身につけておいて損はないといえます。
節税できるかどうかを知っているだけで、数百万円も損したり得したりすることもあるので、税金の知識は確実に学んでおきましょう。
法律に関する知識
土地活用を始めるのときには、「借地借家法」や「民法」などの法律の知識をつけておいて損はありません。
借地借家法では、土地を貸して土地活用を始めるときや賃貸経営をするときに入居者との契約など土地のオーナーが不利になる規定が多く定められています。そこで、借地借家法について知っておくだけで、何かが起きたときに一方的に不利にならなくなります。
また、土地活用は初期費用が高額になりがちであるため、ローンを組んで始める人が多いです。ローンを組むときには、借主が返済不可能になったとき、代わりに返済をする保証人が必要になることがあります。この保証人について、さまざま権利を定めている法律が民法であるため、該当部分はしっかりと確認しておきましょう。
会計に関する知識
土地活用を始めると、しっかり損益を把握し、経営をより良い方向へ進めなければなりません。
そのためには、減価償却費などの経費やキャッシュフロー(手元に残った現金)といった会計の知識が必要になります。
これらの知識がないと、会計上は黒字なのに手元に現金が残らず、黒字倒産のような事態に陥ることもあるため、しっかりとキャッシュフローは確認しておきましょう。
また、土地活用では1年に一度、確定申告が必要なため、経費や簿記についての知識を身につけることも大切です。
土地活用を検討している方は、イエウール土地活用で複数企業から土地活用プランを取り寄せ、比較することが可能です。
\最適な土地活用プランって?/
活用事例:SUN KYOTO




エリア | 滋賀県 |
土地面積(㎡) | 3351.01 |
延べ床面積(㎡) | 848.67 |
工法 | HS構法(制震鉄骨軸組構造) |
土地活用は資格を取得して始めることがおすすめ
今回紹介した資格の勉強をすることで、土地活用の基礎知識を身につけることができます。
資格取得のために得た知識は、これから始める事業において税制面や法律面で必ず有効活用できる知識になると思います。
土地活用もひとつのビジネスであるため、しっかりと知識をつけてから事業を始めることをおすすめします。