相続などをきっかけに遊休地として抱えている土地の地目が雑種地だった場合、どのような土地活用が有効でしょうか。
雑種地を有効的に活用するためには、まずは雑種地がどのようなものなのかを理解する必要があります。
本記事では雑種地の活用方法について、固定資産税をはじめとする税金に関する部分と具体的な活用方法を踏まえて解説します。
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雑種地とは
雑種地とは、地目の分類のうちのひとつです。地目とは第68条及び第69条に準じて判定され、雑種地を除き以下の22種類に区分されています。
- 学校用地
- 鉄道用地
- 塩田
- 鉱泉地
- 運河用地
- 水道用地
- 用悪水路
- ため池
- 池沼
- 牧場
- 墓
- 境内地
- 堤
- 井溝
- 保安林
- 公衆用道路
- 公園
- 雑種地
そして雑種地とは、この22種類のうちに、いずれも該当しない土地のことを指します。具体的には駐車場や野球場、資材置き場などが該当します。
雑種地の土地活用を考える前に注意しておくこと
雑種地を活用する前に、把握しておかなければならない情報があります。また区域や地目によって、所有している雑種地の活用方法も変わってきます。ご自身の雑種地がどのようなものかを確認した上で、活用方法を考えましょう。
地目を確認する
登記上は田や畑となっていても、現況地目(※)が雑種地となっている場合など、登記上の地目と現況地目が異なるケースがあります。
現況地目が変わると、固定資産税の金額も変わってきます。そのため現在所有している土地の地目も事前に確認してくことが重要です。
なお、各地目情報については固定資産税納税通知書に記載されています。もし手元になければ近所の法務局、または法務省の登記・供託オンライン申請システムから調べることができます。
※実際に使用されている土地の状況を区分したもの。役所の職員が現地調査を行い、現況地目を決定します。この現況地目で分けられた区分によって、その土地の評価額、つまり固定資産税の金額が決まります。
市街化区域か市街化調整区域か
雑種地の活用を考える前に、所有している雑種地の所在が、市街化区域・市街化調整区域のどちらにあるかは確認しておく必要があります。
市街化調整区域内とは建物の乱開発を防ぐために建物などの建設を制限している地域のことです。これらの地域に家やマンションを建てる場合は事前に行政から開発許可を貰わなければいけません。
なお、市街化区域か市街化調整区域かは各行政のホームページに掲載されています。サイト内検索で「都市計画」「市街化区域」等を検索することで該当ページに行き着くことができるので、確認しておきましょう。
用途変更の場合は地目の変更登記を忘れずに
雑種地を活用した結果、地目が変わる場合、用途変更に伴う地目の変更登記が必要になります。例えば雑種地を宅地として利用する場合、抵当権設定のために地目変更は必須となります。
なお、先述の通り、現況地目によって固定資産税額は変わります。そのため、中には税金対策の1つとして、雑種地から農地へと地目を変更される方もいます。農地からの転用を行う場合は農業委員会による許可が必要になりますが、その逆、つまり雑種地から農地への転用は特に制限などは設けられていません。
ただし農地として使用されていることが現況地目で区分けされること、地目の変更登記を行った上で固定資産税課税台帳現況地目も変更されたかをしっかり確認しておく必要があります。
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エリア | 東京都 |
雑種地にかかる税金の種類
雑種地は所有していると固定資産税が、相続の際には相続税、または贈与税がかかります。
固定資産税
まず、固定資産税とは、所有している不動産(土地および土地に定着しているもの)にかかる税金のことです。固定資産税の納税額は、固定資産税評価額の1.4%と定められています。固定資産税は、その不動産が所在する地方公共団体に納める、地方税となっています。そのため、実際の税率は地方公共団体毎に異なるため注意が必要です。
固定資産税の納税額を決める上で重要になる、固定資産税評価額は地目によって決められています。地目は登記上における地目と、現況地目の2つに分けられます。
現況地目は登記上における地目とは違い、実際に使用されている土地の状況を区分したものです。役所の職員が現地調査を行い、現況地目を決めます。この現況地目での区分によって、その土地の評価額、つまり固定資産税の金額が決まります。
相続税
相続税とは、亡くなった人からもらい受けた財産にかかる税金のことです。雑種地含め、土地をもらい受けた場合、基本的に固定資産税評価額をもとに算出されます。他財産などの総額に、基礎控除分と相続人の控除額分を差し引いた残額に応じて、累進課税となります。
相続時の現況地目が評価基準となるため、登記上の地目と異なる評価を受ける場合もあります。
贈与税
贈与税は、受贈者が所在する市町村の税務署が管轄する国税です。こちらも相続税と同じく、固定資産税評価額をもとに算出されます。
評価額より110万円の基礎控除を差し引いた残額に、贈与者と受贈者との関係性で異なる税率を乗じる累進課税となっています。
雑種地の具体的な土地活用方法
上述した通り、雑種地は贈与、相続時の他、所有しているだけで税金がかかります。
そのため、野晒しなどの状態になっている雑種地はそのままにしておくのではなく、資産を産むような活用方法がおすすめです。以下では雑種地の具体的な活用方法についてご紹介します。
雑種地を売却する
雑種地を活用するよりも、固定資産税自体を払いたくない方におすすめなのが、所有している雑種地を売る方法です。不動産業者に査定を依頼し、満足できる査定結果であればそのまま売りに出し、結果を待つだけです。
ただし、雑種地は場所によって、敬遠される可能性があります。例えば上述した市街化調整区域内にある場合は用途が限られ、農地や宅地と比べて固定資産税評価額が高くなる傾向にあるからです。
査定自体は基本的に無料で行ってもらえるケースがほとんどなので、まずは近隣の土地の売買を扱う不動産業者に相談してみるのがおすすめです。
雑種地を駐車場経営に利用する
駐車場経営は初期投資や管理コストが安価で済む、土地の活用方法の1つです。宅地などとは違い、駐車場は雑種地となるため、地目もそのまま雑種地として活用できます。
また、駐車場経営は手間がかからないのも特徴です。コインパーキング運営会社や管理会社の中には駐車区画の整備や精算機・防犯カメラなど必要な設備・工事は全て運営会社が負担してくれる場合もあります。そのため労力や時間的にも大幅な削減が可能です。
デメリットとしては収益が少額であること、建物が建っていない土地は固定資産税評価額が高くなり、結果的に納税額が高くなってしまうことが考えられます。なお、コインパーキングやアスファルトの舗装に対しても固定資産税がかかる可能性もあります。収支を計算し、結果的に損益が出ないのかを把握しておきましょう。
また、最低でも1台分の駐車スぺ―スがあれば始められることから狭い土地の活用方法としてもおすすめです。
雑種地を倉庫貸し出し・トランクルームとして経営する
倉庫貸し出しやトランクルームとして土地を活用するのもおすすめです。上述した駐車場経営では街の状況や近隣の駐車場の空き状況などの調査が必要になります。
一方で倉庫貸し出しやトランクルームの経営では生活環境による需要の変化が少なく、リピーターを中心に安定した収益を上げることができます。
しかし、収益性が低いことと、倉庫などの購入による初期費用などがかかることに注意が必要です。
雑種地にソーラー・太陽光発電を設置する
広大な雑種地を所有している場合はソーラー・太陽光発電の設置がおすすめです。
ソーラーパネルを設置し、太陽光発電によって発生した電気を電力会社が買い取ってくれるシステムです。
もともと雑種地が農地であった場合、その土地の日当たりは良いことが多く、安定した収益を得られるでしょう。
デメリットとしては太陽光パネルの設置には行政の許認可が必要なこと、規模に応じて、数百万〜数千万の初期費用がかかるため、投資予算としてどれくらいの金額が割けるのかを事前に把握しておきましょう。
雑種地を住宅用宅地として土地活用する
雑種地から住宅用宅地への転用は税制上、とても有効な土地活用方法です。相続時に被相続人が住んでいたり(330㎡まで)、事業を行っていたり(400㎡まで)、貸していたり(200㎡まで)した場合は、限度面積はあるものの「小規模宅地等の特例」などを活用することで、評価額が50%~80%減額されるなど、税金対策としても効果的です。
ただし上述した通り、市街化区域か市街化調整区域かなど、住宅用宅地が建設できる区域にあるかどうかを調べておく必要があります。また変更の際には地目変更の手続きをしっかり踏むことにも注意が必要です。
アパート経営などは、土地活用のなかでも高収益に期待することができる活用方法といえます。
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雑種地に合った、最適な土地活用方法を見つけよう
相続した雑種地をどのように活用すれば良いのか悩まれる方は多いでしょう。本記事でご紹介したとおり、雑種地は様々な活用方法があります。
事前に登記上の地目や現況地目、市街化区域か市街化調整区域かなど、様々な事項を確認し、初期投資や自身の時間を踏まえた上で、適切な方法で雑種地を活用してはいかがでしょうか。
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