駐車場経営は、コストを抑えて始められる土地活用として人気を集めています。
最近では初期費用0円からスタートできる経営方法もあり、駐車場経営を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、土地の所持や活用にかかる税金は、気になってしまいますよね。そこで本記事では、駐車場経営に関わる相続税について説明します。
駐車場の相続税は土地の状況によって変わる
相続税とは、亡くなった人からもらい受けた財産にかかる税金のことです。ここでは、駐車場を相続する場合の相続税評価額の算出方法についてご紹介します。
相続税評価額とは、相続する財産の価値を表した金額のことです。相続税の金額は「相続する財産の価値」を元に計算されますが、計算をするには相続する土地の価値を定める必要があります。
駐車場を相続した場合、どのように駐車場を運営していたのかがポイントです。駐車場は登記簿上「雑種地」として評価されますが、運営の方法によって自用地・賃貸借の2つに分かれます。自らが土地を所有して運営している場合と、土地そのものを運営会社に貸して運営している場合で、計算方法が異なるので注意しましょう。以下からはそれぞれの計算方法について、詳しく解説していきます。
駐車所経営について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
自らが土地を所有して経営していた場合
一括借り上げなどを利用せず、土地の所有者が自ら駐車場として運用していた場合、その土地は自用地として評価されます。自用地とは他人が使用する権利を持たず、その土地の所有者が自分用に使っている土地のことです。
利用者との契約期間が完了すれば、すぐに自分で使用できる土地であることから、駐車場経営は概ね自用地として評価されます。
自用地評価の場合は、「相続税評価額=敷地面積 × 路線価」で算出します。路線価とは国税庁で定める、1平方メートルあたりの土地評価額のことです。路線価は国税庁のホームページから確認可能です。
土地を貸して経営している場合
コインパーキング会社などに一括借り上げで土地を貸しており、料金所やゲートなどを建てて経営してる場合は、雑種地の賃貸借扱いとなります。
賃貸借の総増税評価額は、下記の計算方法で算出できます。
自用地としての価格に乗じる割合賃借権の残存期間によって変わります。
5年以下 | 5年以上10年以下 | 10年以上15年以下 | 15年以上 |
---|---|---|---|
5% | 10% | 15% | 20% |
出典元:No.4627 貸駐車場として利用している土地の評価|国税庁)
こちらは賃借権の登記がされ、権利に対する対価金や一時金などの評価が相当だと認められる場合です。
上記に掲げる賃借権以外の賃借権の場合は、以下の計算式で算出します。
1という数字は、雑種地の自用地評価額を表します。
残存期間に応じた割合は以下のようになります。
5年以下 | 5年以上10年以下 | 10年以上15年以下 | 15年以上 |
---|---|---|---|
2.5% | 5% | 7.5% | 10% |
出典元:No.4627 貸駐車場として利用している土地の評価|国税庁)
それでは、例をあげて実際に計算してみましょう。
雑種地の自用地としての相続税評価額が3,000万円、賃貸借契約の残存期間が3年を想定してみましょう。コインパーキング会社による一括借り上げで運用している場合の相続税評価額を計算します。
それ以外の賃借権
相続税評価額に差額はありません。また、自用地としての評価額と賃貸借扱いの相続税評価額もさほど変わりがないことがわかります。
実際、相続税の計算をしてくれる金融機関や税理士は細かく計算をせず、自用地評価として計算していることがあります。
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相続税の計算方法
相続税を計算する場合は、課税遺産総額を計算する必要があります。課税遺産総額を求める際は、以下の式に金額を当てはめてみましょう。
課税遺産総額 =(全ての相続する財産額 — 基礎控除額)× 相続税率
上記の式を使って相続納税額を計算するには、以下のような手順が必要です。
- 財産額を計算する
- 非課税財産を差し引く
- 基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を算出する
- 課税遺産総額を算出し、納税額が決まる
ここからは、実際にどのような手順で相続税を計算するのか、詳しく解説します。
財産の合計額を確認する
現金や預金・不動産のほか、生命保険金や死亡退職金なども財産になります。
後ほど説明しますが、相続税精算課税制度を利用していた場合は、贈与財産の価額を財産とみなされるので追加しましょう。
非課税財産を差し引く
財産をマイナスできる非課税財産などを差し引きましょう。
財産から墓地や仏壇などの非課税財産の価額や、債務・葬儀費用などが差し引かれます。
基礎控除額を計算し課税遺産総額を算出する
財産額が判明したら、基礎控除額を差し引きましょう。相続税には基礎控除が設定されており、下記の計算式で算出できます。
3,000万円+600万円×法定相続人の数(相続人の数)=基礎控除額(※)
財産から基礎控除額を差し引いた額が、課税遺産総額となります。
※参照:[国税庁]:[相続税の計算]
課税遺産総額を按分し、納税額が決まる
課税遺産総額が分かったら、相続人分で財産を按分しましょう。相続税は相続人ひとりひとりに納税義務があり、相続人によって納税額が変わるので注意しましょう。
相続人個人の財産が確定していれば、あとは財務省が定める税率と控除額を差し引くことで、相続税の納税額が決まります。
相続税率と控除額は、以下の表をご覧ください。
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000万円以下 | 10% | – |
3000万円以下 | 15% | 50万円 |
5000万円以下 | 320% | 200万円(10人分) |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1700万円 |
3億円以下 | 45% | 2700万円 |
6億円以下 | 55% | 4200万円 |
6億円超 | 55% | 7200万円 |
※参照:[国税庁]:[相続税の税率]
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駐車場経営での相続税対策
ここまで相続税の計算方法についてご紹介してきました。実際に計算してみると、予想より高額だったという方もいるのではないでしょうか。そこでここからは、相続税の対策についてご紹介していきます。
小規模宅地等の特例を利用して対策する
小規模住宅地等の特例とは、建物や構築物によって、使われている土地の相続税評価額を減額できる法令です。この特例を使用すれば、200平米分の相続税評価額は50%減額可能です。
アパートや自宅などが建っている宅地内の駐車場に構築物があれば、基本的に小規模宅地等の特例が適用できます。特例を受けるには配偶者が相続したり、親族が居住を継続したりといった条件がありますが、基本的に厳しい条件ではありません。
構築物の代表的なものといえば以下のようなものがあります。
- アスファルト舗装
- コンクリート舗装
- 塀
- 門扉
砂利敷きは構築物の対象になるものの、敷いてから数年経って砂利が流れてしまうと認められないケースもあるため注意しましょう。
また、敷地面積が200平米を超える部分に関しては、減額処置はありません。路線価をかけた金額が相続税評価額になります。一例を出して計算してみましょう。
駐車場の敷地の面積は300平米で、路線価10万円とします。
小規模宅地等の特例が使用できない駐車場の場合、相続税評価額は以下のようになります。
一方、小規模宅地等の特例が使用できる駐車場の場合、200平米までは小規模宅地等の特例を使用できるため、以下のような金額になります。
200平米を超えた部分
2つを合計した金額の2,000万円が、相続税評価額になるということです。もちろん構築物あっての特例ですので、青空駐車場は該当しません。
賃貸住宅を建築して対策
賃貸住宅などを建築することで自用地から貸地という扱いに変わり、相続税評価額を減額できます。駐車場だった敷地に賃貸住宅を建築する場合は、以下のような計算になります。
借地権割合は土地の評価額に対し、借地権の権利評価額が占める割合のことを指します。国税庁が路線価とともに各地域で定めており、その割合は30%から90%までとさまざまです。
例えば、駐車場の敷地面積が200平米で路線価10万円の場合で計算してみましょう。自用地の相続税評価額は、敷地面積×路線価で2,000万円になります。
仮定で借地権割合を50%として計算した場合の金額は、以下のとおりです。
借地権割合によって評価額が変わりますので、計算する際はご注意ください。
生前贈与で相続財産を減らす
生前贈与とは、生前に財産を贈与することです。生前に贈与して財産を減らすことができるため、相続税の節税効果に繋がることがあります。
生前贈与には主に2つあり、一定額までの非課税額があるため、これを上手に活用することが大切です。
- 贈与税に伴う暦年課税
- ・相続時精算課税制度
暦年課税とは、毎年1月1日から12月31日までに贈与された財産に課税される税金です。年間110万円の基礎控除があるため、年110万円以下の贈与であれば、贈与税の申告が不要となります。
相続税精算課税制度は、財産の生前贈与が2,500万円まで非課税になるという制度です。ただし、こちらは60歳以上の父母・祖父母から20歳以上の子・孫への贈与に限定されています。また、暦年課税の控除(110万円)とは併用できないので、注意しましょう。
養子縁組をして相続人を増やす
相続税は法定相続人を増やすことで、基礎控除額が増え、相続税を減額することができます。法定相続人を増やす方法としては、養子縁組制度の利用が一般的です。
実際に相続人を増やした場合の相続税シミュレーションをしてみます。
相続財産が1億円で、法定相続人が3人(配偶者・子供A・子供B)の場合と、4人(配偶者・子供A・子供B・養子縁組A)の場合で比べてみましょう。使用するのは、以下の式です。
課税遺産総額 =(全ての相続する財産額 — 基礎控除額)× 相続税率
法定相続人が3人の場合
1億円 ー 4,800万円 = 5,200万円
子供A・B:5,200万円 ÷ 4(※) = 1,300万円 × 15% =195万円 ー 50万円 = 145万円
上記のように、法定相続人が3人の場合、相続税額は290万円となります。
法定相続人が4人の場合
1億円 ー 5,400万円 = 4,600万円
子供AB・養子縁組A:
4,600万円 ÷ 6(※) = 766万円 × 10% =76万円
法定相続人が4人になると、1人あたりの相続税額は76万円程度になり、総額は228万円になることがわかりました。
このように、法定相続人を増やすことで相続税額を安くでき、また1人あたりの納税額を下げることが可能となります。
駐車場経営でも相続税対策に
相続税の評価額は土地の広さや場所によって異なりますが、適切な控除などを受けなければ、大きな負担となってしまうでしょう。相続や贈与を考えている場合は、事前に専門家に相談してみるのがおすすめです。
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さらに駐車場経営について知りたい方は以下の記事をご覧ください。