アパート経営の初期費用を捻出する方法としておすすめなのは、アパートローンの利用です。アパートローンには審査があり、審査に通ると融資を受けて、アパート経営を始められます。
審査の基準は金融機関によって異なります。審査基準の違いや審査を通すためのポイントを知り、スムーズにアパートローンを利用しましょう。
アパートローンを受けられる金融機関ごとの特徴
アパートローンを利用できる金融機関は以下の5つです。
- 都市銀行
- 日本政策金融公庫
- 地方銀行
- 信用銀行と信用金庫
- ノンバンク
金融機関ごとの特徴と違いを知っていきましょう。
審査基準の厳しい都市銀行
大手金融機関で都市部に本店を構え、全国展開しているものが都市銀行です。都市銀行として代表的なのは、次の5つです。
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
- りそな銀行
- 埼玉りそな銀行
上記うち、三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行の三行はメガバンクと呼ばれています。都市銀行は金利が低く、返済負担を減らせることが特徴ですが、ローンの審査基準は厳しいです。金利は1%からという銀行が多く、審査が厳しくても低金利でアパートローンを利用したい人におすすめです。
審査に通りやすい日本政策金融公庫
国が100%の株を保有している金融機関が、日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は比較的審査に通りやすく、アパート経営の実績がなくても融資を受けられる場合もあります。
ただし、必ずしも審査に通るわけではなく、条件次第では審査で落ちる可能性があることは理解しておきましょう。固定金利で金利が低いことも特徴であり、年1.2%から2%程度で融資を受けられます。
金利は若干高いが審査が緩い地方銀行
メガバンクや都市銀行と比較すると金利は高いですが、審査が緩い点が地方銀行の特徴です。金利は年3%から7%程度です。ただし、融資を受けるには自己資金が必要な場合が多く、フルローンでの利用が難しいことは覚えておきましょう。
エリアが限定される信用銀行と信用金庫
信用銀行と信用金庫は、地域密着型で融資を行っていることが特徴です。金利は年2%程度と比較的低いですが、融資を受けられるエリアが限定されます。そのため、対象エリアでアパート経営をする場合でないと、融資は受けられません。
信用銀行や信用金庫は、地域への貢献性が高い事業に融資をするため、該当地域でアパート経営を考えている場合は、利用を検討するとよいでしょう。
金利が高く審査が緩いノンバンク
預貯金の業務がなく、融資を専門に行う金融機関がノンバンクと呼ばれています。ノンバンクは他の金融機関と比較すると審査の基準は緩いですが、金利は高いです。
金利は3%から4%程度です。また、ノンバンクには銀行系列と独立系の2種類があり、審査の基準が緩いのは独立系です。
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審査が緩いアパートローンを使うメリット
審査の緩いアパートローンを利用することには、2つのメリットがあります。
- レバレッジをかけることができる
- 自己資金がなくても土地活用を始められる
メリットを把握して、アパートローンの利用に役立てましょう。
レバレッジをかけることができる
審査の緩いアパートローンを利用することで、少ない自己資金で多額の融資を受けることができ、賃貸経営によって大きな利益を出せる場合があります。少ない資金で大きな収益を得るレバレッジ効果が高く、元手が少ない人でも高収入を目指すことは可能です。
自己資金がなくても土地活用を始められる
金融機関の審査が緩いと、自己資金がなくても土地活用を始められます。金融機関によっては自己資金なしでフルローンが利用できる場合もあり、元手なしでも土地活用ができます。
審査の緩い金融機関を選ぶことでフルローンでも利用しやすく、自己資金を使わずに土地活用をして、収益化を目指せるのはメリットです。
審査が緩いアパートローンを使うデメリット
審査の緩い金融機関でアパートローンの融資を受けることには、デメリットもあります。
- 金利が高くなる
- 経営がうまくいかないと担保を失う
メリットだけではなくデメリットも把握して、アパートローンを利用する際に役立てましょう。
金利が高くなる
審査の緩い金融機関は金利を高く設定していることが多く、同じ金額を借り入れたとしても高金利のほうが総返済額は高くなります。たとえば3,000万円の融資を受けて、元利均等返済で35年返済の場合は、金利が1%なら毎月の返済額は13万7,968円です。
同じ条件で金利が2%だと、毎月の返済額は15万1,765円となり、約1万5,000円ほどの違いがあります。長期間で見るとさらに違いは大きく、金利が1%違うだけで総返済額が数百万円から、場合によっては1,000万円程度変わることもあります。
経営がうまくいかないと担保を失う
融資を受けてアパート経営を開始しても、必ずしもうまくいくとは限りません。アパートローンは家賃収入で返済することが前提であるため、空室状態が続くと収入がなくなり、ローンを返済できなくなる可能性があります。
アパートローンでは土地や建物を担保にしているため、返済ができないと担保を競売にかけられ、失ってしまうリスクがあることは覚えておきましょう。
特に審査の緩い金融機関は金利が高く、高額融資をしてくれるケースも多いため、家賃収入が順調に得られないと、滞納するリスクが高いです。
アパートを建築する可能性が出てきたら、複数の企業の建築費用の見積もりを比較しましょう。
アパートの建築費用は設計や工法によって大きく異なり、建築のプランによって将来の利回りも変わります。
建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
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アパートローンの審査では物件の収益性が重要ポイント
アパートローンの審査では、物件の収益性が重要なポイントとなります。住宅ローンの審査では年収や勤務先、勤続年数などが見られますが、アパートローンでは個人の属性に加えて、物件の収益性が判断材料となります。
担保となるアパートの資産価値と収益性が高いと判断されると、審査には通りやすいです。また、個人の属性が優れていても、物件の収益性が低い場合は審査に通らなかったり、融資を受けられても借入可能額が下がったりする可能性があります。
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アパートローンの審査に通りやすいアパートの特徴
アパートローンの審査に通りやすいのは、次の特徴を持つ物件です。
- 比較的新しい物件
- 立地条件がよく利便性が高い
- 今風のデザインで設備が整っている
上記の特徴を持つアパートを担保にすることで、アパートローンの審査には通りやすくなります。
比較的新しい物件
審査では物件の資産価値が見られるため、価値の高い比較的新しい物件のほうが審査に通りやすいです。古い物件は資産価値の低さから家賃の設定額が下がりやすく、収益性が低いため、審査には通りづらくなります。
また、旧耐震基準のアパートや法定耐用年数を過ぎた物件の場合は、審査が厳しくなりやすいことは理解しておきましょう。
立地条件がよく利便性が高い
駅から近くて交通アクセスがよかったり、近辺に生活利便施設が豊富にあったりすると、立地条件がよいと判断され、審査に通りやすいです。立地がよく、利便性が高いと入居者を確保しやすいため、収益性が高くなります。
対して駅から遠くて交通アクセスが悪く、周辺にスーパーやコンビニなどの生活利便施設がまったくない立地だと審査は厳しくなります。
今風のデザインで設備が整っている
物件のデザインも重要であり、今風のおしゃれな外観だと、入居者からの人気も出やすいため、審査に通りやすいです。また、設備が整っていることもポイントであり、暮らしやすいように最新の設備が導入されていたり、セキュリティ対策が充実していたりすると、審査では評価の対象になりやすいでしょう。
デザインがよく、設備が充実していることに加えて、丁寧に管理されていることも重要です。こまめな管理で外観がきれいであり、設備の故障や不具合もない状態なら、審査に通りやすくなります。
アパートローンを通りやすくするためのポイント
アパートローンを通りやすくするには、覚えておきたいポイントがあります。
- 審査基準と金融機関の特徴を知っておく
- 自己資金を用意しておく
- しっかりとした事業計画書を提出する
ポイントを踏まえて審査に臨み、スムーズに審査に通ってアパートローンを利用しましょう。
審査基準と金融機関の特徴を知っておく
スムーズに審査を通すためには、審査基準や金融機関の特徴を知っておくことが大切です。審査基準は金融機関によって異なりますが、基本的には次の点が見られます。
- 収入
- 資産状況
- 健康状態
- 物件の資産価値
- 物件の収益性
- 事業計画
- 賃貸経営の実績
個人の属性に加えて、物件の収益性や事業計画、賃貸経営の実績が見られることは覚えておきましょう。また、金融機関によって審査が緩いか厳しいかは異なり、なにを重視するかも変わります。審査の際に特に重要視されるポイントを知っておくことで、スムーズに融資を受けやすくなるでしょう。
自己資金を用意しておく
アパートローンの審査に通りやすくするには、ある程度自己資金を用意しておくことが大切です。金融機関によってはフルローンを組めることもありますが、全額融資を受けるのはハードルが高く、審査も厳しくなりやすいです。
自己資金があると評価されやすく、審査にも通りやすいです。
ローン返済額シミュレーター
試算条件(お借入金額、ボーナス返金元金、金利、返済期間)を入力していただくことで毎月のご返済額を概算します。
試算条件を入力し、「この条件でシュミレーションする」をクリックしてください。月額返済額が、画面下部に表示されます。
借入金額
万円
内ボーナス返済額
万円
借入れ金利
%
返済期間
年
ヶ月
※1年以上35年以内
想定年数経過後の借入残高
年後
※入力される年数経過後の借入残高を計算いたします。返済期間内でご希望の年数を入力ください。
[参考]アパートローン金利例
金融機関 | 固定金利 | 変動金利 |
---|---|---|
みずほ銀行 | 2.8~4.7% | 1~2.5% |
三井住友銀行 | 3.3~4.5% | 2.5~3% |
日本政策金融公庫 | 1.2~3% | なし |
毎月返済額
万円○○年後借入残高
万円※ローン返済額のシミュレーションは元利均等法に基づいて行われています。
※計算結果は簡易計算による概算金額です。
- 本当にシミュレーション通りの借入金額で大丈夫かな?
実際の建築費用の見積もりは坪数やアパートの材質だけでなく、建築会社の工法や設備のグレードによって大きく変動します。
建築費用が変動すると最初に必要となる借入金額も異なります。
建築費用の見積もりをとる際は、複数の建築会社で相見積もりをおこなって比較・検討をしましょう。
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しっかりとした事業計画書を提出する
アパートローンの融資を受けるには、金融機関に事業計画書を提出する必要があります。事業計画書は詳細に記載することが大切であり、金融機関を説得するための書類であると考えましょう。事業計画書に記載する内容は、次の通りです。
- 事業計画地の概要
- 建物の概要
- 物件のコンセプト
- 想定される家賃
- 総事業費
- 資金計画
- 収支計画
上記の7つを詳細に記載し、問題なく返済できると判断してもらえると、アパートローンの審査は通りやすくなります。
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活用事例:SCENA Palazzo(シエーナ・パラッツォ)

間取り・内装はオーナー様のご希望から収納を沢山設け、ウォークインクローゼットもつけました。またキッチンにはワークトップが人工大理石で奥行90cmのフルフラット対面キッチンを設置しました。
(大和財託株式会社の土地活用事例)
審査の緩いアパートローンは注意が必要
審査の緩い金融機関を選ぶことで、アパートローンの融資は受けやすいです。しかし、審査が緩いと自身の返済能力以上に借入ができてしまい、アパート経営を開始してから返済が苦しくなってしまうケースもあります。
負担を減らしてアパートローンを返済するには、適正な基準で審査を行う金融機関を利用し、無理のない範囲で融資を受けることが大切です。審査の緩いアパートローンは注意が必要であるため、基本的には厳正な審査をする金融機関を利用して、無理のない融資を受けてアパート経営を始めましょう。