50坪の土地にマンションを建てる場合、「建築費の坪単価×延べ床面積」の計算式で、大まかな金額を計算できます。
ただし、マンション建築費の坪単価は、構造や地域によって左右されるため、事前に見積もりを確認して収支シミュレーションや収支計画を作成する必要があります。
本記事では、50坪のマンションの建築費の目安と費用内訳、相場よりも安く抑える方法と高収益化のコツについてご紹介します。
50坪の土地にかかるマンション建築費の目安
50坪の土地にマンションを建てる場合、建築費の目安は7,600万円〜3億円程度となります。
階数別・構造別の建築費の相場は、下記の通りです。
S造(鉄骨造) | RC造(鉄筋コンクリート造) | SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造) | |
2階建て | 7,600万円 | 9,400万円 | 1億2,000万円 |
3階建て | 1億1,400万円 | 1億4,100万円 | 1億8,000万円 |
4階建て | 1億5,200万円 | 1億8,800万円 | 2億4,000万円 |
5階建て | 1億9,000万円 | 2億3,500万円 | 3億円 |
マンションの建築費は坪単価と延べ床面積で計算されるため、耐久性が高く坪単価の高いSRC造のマンションや、5階建ての延べ床面積が広いマンションでは、比較的高額な建築費が必要となります。
ただし、ここで紹介しているのは目安金額に過ぎないため、最終的な金額はマンションの建築会社からの見積もりを確認してください。
坪単価は構造・地域によって異なる
マンションの建築費を決める坪単価は、建物の構造や物件を建てる地域によって変動します。
それぞれの構造ごとの坪単価の目安は、以下の通りです。
- 鉄骨造(S造):83万円~110万円
- 鉄筋コンクリート造(RC造):83万円~110万円
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):96万円~125万円
引用元:国土交通省:建築着工統計調査 住宅着工統計 第34表(2021年度)
また、SRC造が最も高額になる傾向にありますが、コストをかけるほど建物の性能は向上します。
法定耐用年数が延びることにより減価償却費を計上できる期間が増加し、家賃相場が高まることも影響して高収益のマンション経営を実現しやすくなるでしょう。
また、主要都市における坪単価をまとめると、次のようになります。
東京 | 神奈川 | 大阪 | 愛知 | 福岡 | 北海道 | |
S造 | 123万円 | 91万円 | 79万円 | 67万円 | 69万円 | 72万円 |
RC造 | 117万円 | 100万円 | 85万円 | 83万円 | 77万円 | 89万円 |
SRC造 | 154万円 | 142万円 | 76万円 | 97万円 | 90万円 | 106万円 |
都市部ほどマンション建築費は高額になり、地方都市では安価となる傾向にあります。
また、地域の賃貸ニーズに応じて、ワンルームなどの単身者向けの間取りにするか、2DK以上のファミリー向けの間取りにするかによっても建築費は変動します。
駐車場が必要となる地域では建築面積を再検討する必要も出てくるため、地域の賃貸ニーズに詳しいハウスメーカーに相談すると安心です。
なお、建築費用ごとに建てられるマンションの物件規模についての解説はこちらをご覧ください。
建ぺい率・容積率に注意
50坪の土地でマンションを建てる場合、建築面積50坪のマンションを建てられるわけではなく、その土地の「建ぺい率」や「容積率」を確認しておく必要があります。
建ぺい率とはマンションの建築面積の上限を指し、容積率は延べ床面積の上限を指します。たとえば建ぺい率50%・容積率200%の場合、50坪の土地で建てられるのは建築面積25坪・延べ床面積100坪のマンションです。
建ぺい率・容積率はマンションの規模を決める際に欠かせない数値のため、お住まいの自治体の都市計画課に問い合わせて確認しておくと安心です。
50坪のマンション建築費の内訳と費用相場
50坪の土地で建てるマンションの建築費には、マンション本体の建築費に加えて、付帯工事や外構工事、税金やローン手数料などの費用も含まれます。
マンション建築費の主な内訳として挙げられるのは、以下の3種類です。
- 本体工事費
- 付帯工事費
- 諸費用
それぞれの費用について詳しく解説します。
本体工事費
本体工事費は、マンションの基礎や柱などの躯体工事、内装・外装工事、設備工事などを含む費用です。
本体工事費は前述した坪単価で計算することが可能なため、建物の規模と坪単価を調べることで大まかに算出することができます。
なお、本体工事費はマンション建築費のうち約7割程度を占めます。
付帯工事費
付帯工事費とは、電気・ガス・給排水設備を設置するための工事や、駐車場・アプローチなどの外構工事などにかかる費用を指します。
土地によっては地盤改良工事の費用が発生することもあります。
付帯工事費は、マンション建築費のうち約2割を占めることが一般的です。
建築会社によっては「別途工事費」として計上されるケースがあるほか、本体工事費に組み込んで見積もりを作成するケースもあります。
諸費用
マンションを建築する際の諸費用には、不動産取得税・登録免許税・印紙税などの税金や、火災・地震保険料、ローンを組む場合の保証料・手数料などが含まれます。
諸費用はマンション建築費のうち約1割を占めますが、諸費用の金額はアパートローンや事業用ローンに組み込むことができず、現金での支払いが必要になる点に注意が必要です。
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エリア | 神奈川県 |
土地面積(㎡) | 1733.38 |
工法 | プレハブ工法 重量鉄骨ラーメン構造 |
50坪のマンション建築費を相場より安く抑える方法
設備の充実した50坪のマンションでは、建築費が1億円〜2億円に達することも少なくありません。
しかし収益性を高めるためには、建築費を可能な限り抑えることが重要になります。
ここからは50坪のマンションを建てる際に、建築費を相場より安く抑える方法について、以下の3つをご紹介します。
- 複数の建築会社のプランを比較する
- シンプルな内装・設備を採用する
- 設計施工一貫方式でマンションを建てる
それぞれ解説しましょう。
複数の建築会社のプランを比較する
マンションの建築費を抑えるためには、複数の建築会社に問い合わせて建築プラン・見積もりを取り寄せることが大切です。
複数のプランを取得しておくことによって、その地域での建築費の相場を把握でき、価格交渉の判断材料としても役立てることができます。1社のみに相談した場合、その建築プランが妥当なのか、相場よりも高いのか安いのかが判断しにくくなります。
大手ハウスメーカーの中には、独自の工法によりコストを抑えた高品質なマンションを建てられるケースもあるため、事前にいくつかの建築会社に問い合わせてみましょう。
シンプルな内装・設備を採用する
マンションの内容や設備にシンプルなものを採用し、一般的な長方形の形状で建築することにより、建築費を抑えることも可能です。
特殊なデザインや間取り、建物形状で建築プランを建てる場合、費用が高額になるほか、適正価格を判断しづらくなるデメリットも発生します。
入居者を集めるための差別化ポイントを考慮する必要はありますが、建築費を安く抑えるにはシンプルな設計でマンションを建築すると良いでしょう。
設計施工一貫方式でマンションを建てる
設計施工一貫方式とは、マンションの設計と施工を1つの会社にまとめて依頼する方法を指し、建築費を抑えられるメリットがあります。
一方で設計・施工を別々の会社に依頼した場合、デザインの自由度が高まりますが追加の設計費が必要です。
大手ハウスメーカーは設計施工一貫方式を採用しているケースが多く、アフターメンテナンスが充実している会社も多くなります。
まずは大手ハウスメーカーからの建築プランを取り寄せ、比較・検討してみると良いでしょう。
50坪のマンションの収益性を高めるコツ
最後に、50坪のマンションで収益性を高めるポイントとして、以下の3つを解説します。
- 実質利回りをもとに収支シミュレーションを立てる
- 競合との差別化を図る
- 建築費の30%以上の自己資金を用意する
一つずつご紹介します。
実質利回りをもとに収支シミュレーションを立てる
マンション経営を始める際には、表面利回りではなく実質利回りを計算して、収支シミュレーションを立てることが大切です。
表面利回りと実質利回りの計算方法は、下記の通りです。
- 表面利回り = 年間の家賃収入 ÷ 建築費
- 実質利回り = (年間の家賃収入 – 諸経費) ÷ 建築費
表面利回りは、家賃収入と建築費だけで計算できるため、簡易的に収益性を調べる際に役立ちます。
ただし実態に即しているのは、家賃収入から税金やリフォーム代などを差し引いて計算する実質利回りの数値です。
建築プランを検討する際にも、記載されている利回りが表面利回りなのか実質利回りなのかを確認した上で、収支シミュレーションを行いましょう。
競合との差別化を図る
マンションを新築する際には、周辺地域にあるマンション・アパートを調査しながら、差別化を図る建築プランを採用することが大切です。
競合物件と比較して有利な条件かつ収益性にも影響が出ない設備を選び、積極的に投資すると良いでしょう。
たとえば、浴室乾燥機やオートロック、対面キッチンなどの設備を、ニーズに合わせて取り入れることで競合との差別化を図ることが可能です。
建築費の30%以上の自己資金を用意する
マンションを新築する場合、フルローンで建築費を調達するのではなく、建築費の10%〜30%の自己資金を用意しておくと収益性が高まります。
自己資金の割合を高めることで金利支払いが減少し、月々のローン返済額も少なくなります。
その結果、手元に残る利益が増え、高い収益性を実現することが可能です。
また、前述の通り、マンション建築費のうち諸費用にあたる金額は自己資金で支払う必要がある点にも注意しましょう。
マンション経営を始めるなら最初の情報収集が重要です。
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\建築費は?初期費用は?/
50坪のマンション建築費は7,600万円以上が目安
50坪のマンションを新築する場合、少なくとも7,600万円以上の資金が必要となります。
差別化するための設備を導入したり、SRC造などの耐久性の高い構造を採用したりする場合、さらに建築費が高額になることもあります。
建築費を安く抑えて収益性を高めるためには、複数の建築会社のプランを比較し、実質利回りを考慮した収支シミュレーションを作成するなどの工夫が必要です。
自己資金の割合を増やし、月々の返済負担を抑えることも高収益化に役立ちます。
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