マンションの購入を検討している方の中には、以下のような疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
- 固定資産税以外にも都市計画税がかかるって聞いたけど都市計画税って何のこと?
- 建物だけじゃなくて土地にもかかるの?
- 都市計画税っていくらかかるの?
この記事では、マンションの土地にかかる都市計画税について解説します。
また、都市計画税の計算方法や軽減措置、都市計画税シミュレーション、タワマンにかかる都市計画税についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
不動産にかかる固定資産税について基礎的な知識を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
マンションを購入したら土地の都市計画税も払う必要がある?
分譲マンションを購入した場合、建物にかかる都市計画税だけでなく、土地の都市計画税も支払う必要があります。なぜなら、都市計画税は不動産の所有者が負担する税金であり、分譲マンションの場合はマンションを買った本人が所有者となるからです。
一方、分譲マンションを購入するのではなく、賃貸マンションの1室を賃貸する場合、そのマンションを賃貸に出しているオーナーが所有者となるため、オーナーがひとりでマンション全体の都市計画税を支払います。
では、分譲マンション1戸分で支払わなけらばならない1年間の都市計画税はどれくらいかというと、建物は所有者の持分の課税床面積の対応部分が課税され、土地は土地全体における住戸の専有面積が支払うべき都市計画税の額となります。
詳しい計算方法は次の章で解説します。
マンションの土地にかかる都市計画税はいくら
ここでは、マンションの土地にかかる都市計画税がいくらになるのかを解説します。
都市計画税の計算方法
都市計画税は固定資産税評価額×制限税率(0.3%)で計算することができます。
また、都市計画税は土地と建物のそれぞれに評価額が決められているため、別々に土地と建物の都市計画税を計算する必要があります。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、土地や家屋などの評価方法を定めた「固定資産評価基準」に基づいて自治体が定めている土地や建物の評価額です。
土地の固定資産税評価額は、公示価格(土地を売買する際の時価の目安)の70%程度、建物の固定資産税評価額は請負工事金額の約50%~60%が目安とされています。
税率
都市計画税の税率は制限税率が用いられています。
制限税率とは地方公共団体が課税することのできる税率の上限ことで、都市計画税では0.3%が上限となっています。また、税収が安定している自治体では、0.18%や0.2%に税率を設定していることもあります。
都市計画税の軽減措置
土地にかかる都市計画税は、住宅やアパートなど、人が居住するための家屋の敷地として利用されている土地(住宅用地)において軽減措置が適用されます。
住宅用地の特例では、土地の広さによって減額の割合が異なり、200㎡以下の部分については都市計画税が1/3に、それを超える部分については2/3に軽減されます。
土地の広さ | 都市計画税 |
---|---|
200㎡以下の部分 | 価格 × 1/3 |
200㎡超の部分 | 価格 × 2/3 |
参考:住宅用地に対する課税標準の特例(固定資産税・都市計画税) つくば市
都市計画税シミュレーション
ここでは、新築のマンションを購入した場合と中古のマンションを購入した場合の都市計画税をシミュレーションしていきます。
新築のマンションを購入した場合
ここでは新築のマンションを購入した場合の、1住戸あたりの都市計画税を以下の条件で計算します。
- 土地全体の固定資産税評価額:1億5,000万円
- 建物の課税床面積に対応した固定資産税評価額:2,500万円
- 税率:0.3%
- 土地の面積:180㎡
- 土地の専有面積の割合:1/50
土地の面積が180㎡<200㎡なので、住宅用地の特例を最大限に適用することができます。
- 土地全体の都市計画税額:1億5,000万円 × 1/3 × 0.3% =15万円
- 建物(課税床面積に対応した部分)の都市計画税額:2,500万円 × 0.3% = 7万5,000円
土地と建物を合わせると1住戸あたりの都市計画税は、3,000円+7万5,000円=7万8,000円になります。
中古のマンションを購入した場合
ここでは中古のマンションを購入した場合の、1住戸あたりの都市計画税を以下の条件で計算します。
- 土地全体の固定資産税評価額:6,000万円
- 建物の課税床面積に対応した固定資産税評価額:1,500万円
- 税率:0.3%
- 土地の面積:150㎡
- 土地の専有面積の割合:1/50
- 売却の決算日:7月20日
まずは、毎年払い続ける都市計画税の負担額を計算します。土地の面積が150㎡<200㎡なので、住宅用地の特例を最大限に適用することができます。
- 土地全体の都市計画税額:6,000万円 × 1/3 × 0.3% = 6万円
- 建物(課税床面積に対応した部分)の都市計画税額:1,500万円 × 0.3% = 4万5,000円
土地全体の都市計画税額に専有面積の割合をかけます。
土地と建物の都市計画税額を合わせると1,200円+4万5,000円=4万6,200円になります。
次に、購入年度に支払う都市計画税の負担額を計算します。
年度の途中で不動産を購入した場合には、売主と買主で話し合うことになりますが、一般的には売却日を区切りとした日割り計算にすることが多くなっています。
今回のように売却の決算日が7月20日だった場合、1月1日~7月20日は200日あるので、残りの365日-200日=165日分の都市計画税を支払うことになります。
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タワーマンションの都市計画税
2017年の税制改正により、タワーマンションの固定資産税と都市計画税の見直しが行われました。
これまでは、建物全体に課税される税額を各部屋の現況床面積割合で按分して課税されていました。
しかし、この計算方法では、坪単価が「1階」と「最上階」で1.5倍~2倍程度の差があり、資産価格に応じた税負担が不公平な状態です。
これを改善するために、居住用超高層建築物(高さ60m超のマンション)における固定資産税と都市計画税を、1階を100とし、1階上がるごとに 10/39を加えた数値に補正されるようになりました。
つまり、階数が1階上がるごとに固定資産税と都市計画税が約0.256%上昇するという計算になっています。
ただ、マンション全体の固定資産税と都市計画税の税額は変わらないため、真ん中の階は増減なし、低層階は減税、高層階は増税されることになります。
マンションの土地にかかる都市計画税とは
ここでは、マンションの土地にかかる都市計画税について解説します。
都市計画税とは
都市計画税とは、市町村や都が都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てるために、目的税として課税されるものです。
徴収された都市計画税は、市町村の発展のために道路や公園、水道、電気、ガスなどの整備に使われています。
また、道路、公園、河川等の公共施設を整備・改善し、土地の区画を整え宅地の利用の増進を図るためにも利用されます。
都市計画税が課税される地域
都市計画税がかかる地域は、原則として「市街化区域」のみです。
市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域のことです。
ほとんどのマンションは市街化区域の中に建築されることから、多くの人が都市計画税を負担することになります。
また、市街化区域や市街化調整区域に決められていない「非線引き区域」でも、都市計画税の課税が自治体の自由となっているため、都市計画税がかかる地域もあります。
都市計画税の納税者
都市計画税は、毎年1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋の所有者として固定資産課税台帳に登録されている人が支払います。
そのため、土地や家屋を所有している間は、都市計画税を払い続けることになります。
また、都市計画税は1月1日を基準に課税されるため、1月2日以降に土地や建物を取得し、マンションを新築した場合には、その年の都市計画税がかかりません。
都市計画税の支払い期限
マンションやその土地にかかる都市計画税は、原則4期に分けて払いますが、一括で払うこともできます。
また、都市計画税の納期限は、一括で払うか4期に分けて払うかによって異なります。
4期に分けて支払う場合には、各期の納付書の右端に赤で「〇期分納期限 〇月〇日」と印刷されている日付が納期限となっています。
そして、一括で支払う場合には、第1期の納付書に書いてある日にちが納期限となります。
ここでは、令和4年度の東京都の都市計画税の納期限をご紹介します。
- 第1期:令和4年6月1日から6月30日まで(納期限 6月30日)
- 第2期:令和4年9月1日から9月30日まで(納期限 9月30日)
- 第3期:令和4年12月1日から12月27日まで(納期限 12月27日)
- 第4期:令和5年2月1日から2月28日まで(納期限 2月28日)
都市計画税の支払い方法
都市計画税は、以下のような方法で支払うことが可能です。
- 市税を取扱いできる金融機関
- コンビニエンスストア
- 口座振替
- スマホ決済
- クレジットカード
- ペイジー
最近では、「PayPay」や「LINE Pay」「d払い」「au Pay」のようなアプリで支払うことができる自治体もあるため、自分に合った支払い方法で納税しましょう。
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マンションにかかる都市計画税を確認しておこう!
マンション購入のために資金計画を立てているのであれば、都市計画税や固定資産税もランニングコストとして考えておくことが重要です。
都市計画税や固定資産税をランニングコストに含めずに資金計画を立ててしまうと、計画通りに住宅ローンを返済できなくなってしまうこともあります。
こうならないためにも、大まかに都市計画税や固定資産税を計算して、毎年いくら負担ことになるのかを確認しておきましょう。