田舎の土地を相続する可能性がある方の中には以下のような悩みや疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
- 田舎の土地にかかる固定資産税はいくら?
- 田舎の土地にかかる固定資産税が高いって本当?
この記事では、田舎の土地にかかる固定資産税がいくらになるのかを解説します。
また、田舎の土地にかかる固定資産税が高い理由や田舎の土地を放置するリスクについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
不動産にかかる固定資産税について基礎的な知識を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
田舎の土地にかかる固定資産税はいくら?
田舎の土地にかかる固定資産税は、固定資産税評価額×標準税率(1.4%)で計算することができます。
たとえば、固定資産税評価額が2,000万円の土地にかかる固定資産税は28万円になります。
ただ、田舎の土地でも住宅が建っていれば特例措置が適用され、固定資産税が大幅に軽減されます。
固定資産税の計算方法
田舎の土地にかかると固定資産税は、固定資産税評価額×標準税率(1.4%)で計算することができます。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、土地や家屋などの評価方法を定めた「固定資産評価基準」に基づいて自治体が定めている土地や建物の評価額です。
全国の土地や家屋の一つひとつに固定資産税評価額が定められています。
また、土地の固定資産税評価額は、公示価格(土地を売買する際の時価の目安)の70%程度、建物の固定資産税評価額は請負工事金額の約50%~60%が目安とされています。
課税標準額
課税標準額とは、基本的に当該年度の固定資産税評価額を指します。
しかし、住宅用地のように特例措置が適用される場合や土地の税負担の調整措置が適用される場合には、課税標準額は当該年度の固定資産税評価額よりも低く算定されます。
固定資産税の免税点
固定資産税には免税点があり、標準課税額が免税点未満だと非課税になります。
課税対象 | 免税点 |
---|---|
土地 | 30万円未満 |
建物 | 20万円未満 |
田舎に不動産を所有していても土地の課税標準額が30万円未満、建物の課税標準額が20万円未満であれば非課税になります。
ただし、同一市区町村に複数の不動産を所有している場合は、それらの課税標準額を合算して、免税点未満かどうかを判断します。
固定資産税の軽減措置
固定資産税の軽減措置には「住宅用地の特例」と「新築住宅に係る税額の減額措置」に2つがあります。
住宅用地の特例
住宅用地の特例とは、土地の賦課期日において、住宅やアパートなど、人が居住するための家屋の敷地として利用されている土地(住宅用地)に適用される特例措置です。
住宅用地の特例では、土地の広さによって減額の割合は異なり、200㎡以下の部分については固定資産税が1/6に、それを超える部分については1/3になります。
土地の広さ | 固定資産税 |
---|---|
200㎡以下の部分 | 価格 × 1/6 |
200㎡超の部分 | 価格 × 1/3 |
参考:固定資産税の住宅用地の特例とはどのようなものですか。金沢市
新築住宅に係る税額の減額措置
一戸建てやマンションを新築した場合、建物にかかる固定資産税を軽減することができます。
新築住宅に係る税額の減額措置では、一戸建ては新築から3年にわたって、マンションは5年にわたって固定資産税が1/2になります。
建物の種類 | 固定資産税の減額 |
---|---|
一戸建て | 3年にわたり1/2に減額 |
マンション | 5年にわたり1/2に減額 |
しかし、新築住宅に係る税額の減額措置は、令和6年3月31日までに新築した物件に限られることに注意が必要です。
その後の制度継続については未定であるため、この制度を適用させる場合には期限内に新築住宅を建築しましょう。
田舎の土地にかかる固定資産税シミュレーション
ここでは、田舎の土地にかかる固定資産税がいくらになるのかをシミュレーションします。
今回の条件は以下の通りです。
- 土地の固定資産税評価額:3,000万円
- 建物の固定資産税評価額:1,200万円
- 土地の面積:500㎡
- 建物の種類:一戸建て
- 建物の築年数:20年
土地のみの場合
土地のみ場合には、固定資産税の軽減措置が適用されないため、計算式に当てはめるだけで固定資産税がいくらか計算できます。
- 土地の固定資産税額:3,000万円 × 1.4% = 42万円
土地と建物の場合
土地に住宅が建っている場合、住宅用地の特例が適用されます。
今回の条件では、一戸建ての敷地面積は500㎡>200㎡なので、200㎡までの固定資産税を1/6、残りの300㎡は固定資産税が1/3になります。
- 土地の課税標準額:3,000万円 ×(200㎡ ÷ 500㎡)× 1/6 + 3,000万円 ×(300㎡ ÷ 500㎡)× 1/3 = 800万円
- 土地の固定資産税額:800万円 × 1.4% = 11万2,000円
- 建物の固定資産税額:1,200万円 × 1.4% = 16万8,000円
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田舎の土地にかかる固定資産税が高い理由
ここでは、田舎の土地にかかる固定資産税が高い理由について解説します。
不動産取引の数が少ないから
住宅の少ない田舎では、不動産取引の数が少ないことから固定資産税が高くなってしまいます。
固定資産税評価額は、道路に対する1㎡あたりの土地の価格である固定資産税路線価をもとに計算されます。
このとき、取引の数が少ないと評価額の基準となる土地の範囲を広げることになり、固定資産税評価額が高く設定されてしまうのです。
場合によっては、固定資産税の評価が、実勢の取引価格をベースにせず、実際の税負担も消費者の実感より5倍10倍になるという極端な事例もあります。
自治体の主な財源になっているから
自治体は、自主財源の多くを住民税や固定資産税、都市計画税に依存しています。
これが財政規模の小さい自治体になってしまうと、さらに依存度が高くなるでしょう。
たとえ住民がいなくなったとしても、土地や建物は残りますので、それが使用されていなくても課税される固定資産税は貴重な財源になるのです。
田舎の土地を放置するリスク
ここでは、田舎の土地を放置するリスクを解説します。
維持管理費が高額になる
田舎の土地を所有していると、固定資産税や都市計画税の他に土地の手入れのための維持管理費用がかかります。
また、近くに住んでいない場合、管理を委託することもできますが委託費用がかかります。
特に田舎では、業者間の競争がないことから委託費用が高額になってしまうこともあります。
そのため、田舎の土地は早めに売却するか、住宅を建てたり、借地などの方法で活用することをおすすめします。
特定空き家に指定されることも
田舎の土地に建物が建っているからといってとりあえず放置するのはおすすめしません。
2015年に成立した空家等対策特別措置法では、土地の上に空き家が建っており、適切に管理されていない場合は「特定空き家」に指定されるようになりました。
特定空き家に指定されると、住宅用地の特例の適用から外れることのほか、罰金が科されたり、行政代執行のための費用を請求されることもあります。
また、災害時に周辺の人や建物に損害を与えた場合には、損害賠償を請求されることもあるので、田舎の空き家は適切に管理しましょう。
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田舎の土地は早めに取り扱いを決める!
これまで解説してきたように、田舎の土地にかかる固定資産税は高額になることが多いです。
そのため、田舎の土地は売却したり、土地活用を始めて賃料収入を得たり、土地自体をお金に換えてしまうことをおすすめします。
土地の特徴によって適切な活用方法があるため、一度イエウール土地活用を利用してお持ちの土地に適した土地活用方法を探してみましょう。