土地を所有していて既に固定資産税を支払ったことがある人の中には、「この固定資産税評価額は高いのでは。」という疑問を持つ人もいると思います。
また、これから土地を所有する予定の人や固定資産税の納税の予定がある人も、固定資産税を正しい額で支払いたいことでしょう。そのため本記事では、以下の疑問について解説しています。
- 土地の固定資産税評価額とは
- 土地の固定資産税評価額の計算方法は?
- 土地の固定資産税評価額の調べ方は?
不動産にかかる固定資産税について基礎的な知識を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
土地の固定資産税評価額とは
土地の固定資産税評価額とは、固定資産課税台帳に記載された土地の評価額のことです。これは毎年度の始めに市町村から送付される、固定資産税の納税通知書添付の課税資産明細に記載されています。
土地の固定資産税評価額の目安としては、毎年1月1日に定められる公示価格の70%となっています。ただし、土地がある場所や形によって評価額は変わるため注意しましょう。
土地には固定資産税評価額以外にも指標となる価格があります。
- 公示価格
- 基準地価
- 路線価
- 時価(実勢価格)
公示価格
公示価格とは、地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示しているものです。
住宅地・商業地・宅地見込地・準工業地・調整区域内宅地が対象となっており、土地取引における「都市計画区域内の土地」1㎡あたりの価格を決めています。
また公示価格は、公共事業の用地買収や土地取引、金融機関の担保評価などに使われています。
基準地価
基準地価とは、各都道府県が全国2万か所に及ぶ基準地を調査し、毎年7月1日時点における標準価格をが公示されます。調査される基準地は、公示価格と同じ場所が選ばれていることもあります。
また基準地価は、都道府県や政令指定都市が土地取引規制で価格審査の基準として用いるほか、一般の土地取引価格の目安にもなります。
路線価
路線価とは、道路に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価額のことです。路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用いられます。
また路線価には、相続税と贈与税に係る財産の評価をするために国税庁が定める「相続税路線価」と固定資産税の評価のために市町村が定める「固定資産税路線価」の2種類が存在します。
時価(実勢価格)
時価(実勢価格)とは、実際に取引が成立する価格のことです。
固定資産税評価額は、実勢価格の70%になることが一般的であるため、固定資産税評価額がわかればおおよその実勢価格を算出できます。
また、実際に取引が行われた際には、その価格を実勢価格として、取引が行われていなければ、過去の周辺地域での取引事例や固定資産税評価額、路線価を参考にします。
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土地の固定資産税評価額の計算方法
土地の固定資産税評価額は「路線価方式」「倍率方式」「標準宅地比準方式」のどれかを用いて金額が決まります。
- 路線価方式
- 倍率方式
- 標準宅地比準方式
それではひとつずつ確認していきましょう。
路線価方式
「路線価方式」は道路に価格を設定して、その道路に接する土地の価格を計算する方法です。
道路には「固定資産税路線価」という1㎡当たりの土地単価が設定されており、「評点」という土地の形などに応じた補正と掛け合わせることで適切な評価を計算できます。
簡単な計算式は「固定資産税評価額=固定資産税路線価×土地面積×評点」となりますが、具体的な計算手順は以下のようになります。
- 正面路線価に奥行価格補正率をかける(A)
- 側方路線価に奥行価格補正率と側方路線影響加算率をかける(B)
- 裏面路線価に奥行価格補正率と二方路線影響加算率をかける(C)
- (A)~(C)で算出した数字を足し、対象地の1㎡当たりの価額を求める
- 対象地の1㎡当たりの価額に対象地の面積をかける
倍率方式
路線価が定められていない地域の土地等を評価する場合には「倍率方式」で土地の評価額を求めます。
倍率方式の計算式は以下の通りです。
一定の倍率は国税庁のホームページにある「評価倍率表」で確認することができます。
標準宅地比準方式
「標準宅地比準方式」は、近くの基準となる土地と比較して、固定資産税評価額を計算する方法です。特に田舎の土地などの固定資産税評価額を決める際に用いられます。
計算したい土地の近くにある標準宅地を探して単価を決定し、土地の形や条件によって補正して評価額を決定します。
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土地の固定資産税評価額の調べ方は?
土地の固定資産税評価額の調べ方は以下の3つです。
- 固定資産税課税明細書を確認する
- 固定資産課税台帳を閲覧する
- 固定資産評価証明書を取得する
固定資産税課税明細書を確認する
土地の固定資産税評価額の調べ方の1つとして、固定資産税課税明細書を確認するという方法があります。
課税明細書とは、各市町村から届く固定資産税の納税通知書に添付されている書類のことです。
不動産を所有していれば毎年送られてくるため、納税通知書が届いたらしっかりと保管しておきましょう。
固定資産税課税明細書の見方
固定資産税課税明細書の見方は、市町村によって多少フォーマットが異なりますが、「価格」もしくは「評価額」の欄に固定資産税評価額が記載されています。
固定資産課税台帳を閲覧する
土地の固定資産税評価額の調べ方の1つとして、固定資産課税台帳を閲覧するという方法があります。
固定資産課税台帳とは、市町村長が作成する土地や家屋などの所在、所有者、評価額などを登録した帳簿のことです。これを確認することで、所有する不動産の固定資産税評価額を調べることができます。
固定資産課税台帳の閲覧方法
固定資産課税台帳は、対象の不動産の所在地が東京23区の場合は都税事務所で、対象の不動産の所在地が東京23区以外の場合は所在地の市区町村の役所で閲覧できます。
固定資産課税台帳を確認するには、役所の担当する課に申請書と本人確認書類、手数料の300円を持っていく必要があります。
また、所有者と記載されている人以外が固定資産課税台帳を閲覧する場合は、所有者からの委任状が必要となっています。
固定資産評価証明書を取得する
土地の固定資産税評価額の調べ方の1つとして、固定資産評価証明書を取得するという方法があります。
固定資産評価証明書とは、土地や家屋の固定資産評価額が記載された証明書のことです。
固定資産課税台帳に登録されている固定資産の所有者・所在・地目・地積・種類・構造・床面積・価格・課税標準額などを確認することができます。
固定資産評価証明書の取得方法
固定資産評価証明書は、対象の不動産が所在する市町村役場の窓口で取得することができます。固定資産評価証明書は誰でも取得することができるわけではなく、納税義務者や納税義務者の相続人、本人の代理人などが取得することができます。
固定資産評価証明書を代理で取得する場合、申請書・委任又は同意を受けていることが確認できる書類・代理人自身であることが確認できる書類・委任者の権限を証する書類の4点が必要です。
ただ、記載されているものは、固定資産課税台帳に記されているものとほとんど同じなので、固定資産課税台帳を閲覧することをおすすめします。
固定資産評価証明書の見方
自治体によってはフォーマットが異なりますが、どの自治体が発行する固定資産評価証明書でも「価格」の欄に固定資産税評価額が記載されています。
土地の固定資産税評価額からわかること
土地の固定資産税評価額からわかる税金は以下の4つです。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 不動産取得税
- 登録免許税
固定資産税
固定資産税とは、毎年1月1日に土地や家屋、償却資産の所有者に対して課せられる地方税です。
固定資産税は、固定資産税評価額をもとに算出されます。
標準税率とは、地方税を課税するときに用いられる税率です。固定資産税では、標準税率が採用されており、土地と家屋ともに1.4%の税率となっています。
都市計画税
都市計画税とは、市町村や都が都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てるために、毎年1月1日に土地や家屋を市街化区域に所有している人に対して課せられる税金です。
都市計画税も固定資産税と同様に、固定資産税評価額に税率を乗じるだけで算出することができます。
都市計画税では軽減税率が採用されており、都市計画税の税率は0.3%が上限となっています。
そ
のため、税収が安定している自治体などでは税率を0.2%や0.18%に設定していることもあります。
不動産取得税
不動産取得税とは、土地や建物を取得したときに1度だけかかる地方税のことです。
不動産取得税も、固定資産税や都市計画税と同様に、固定資産税評価額に税率を乗じるだけで算出することができます。
住宅ではない家屋の場合の不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 税率4%
不動産取得税では、所有する不動産によって税率が異なることに注意が必要です。
登録免許税
不動産を取得した際には登記が必要になります。不動産の登記には以下の3パターンがあります。
- 所有権保存登記:建物を新築したときに所有権を登記するもの
- 所有権移転登記:不動産売買において所有権を売主から買主へ移す登記
- 抵当権設定登記:住宅ローンを組む場合に抵当権を設定するための登記
また、所有権に関する登記と抵当権に関する登記で計算方法や税率が異なります。
所有権に関する登記(所有権保存登記・所有権移転登記)の場合
抵当権設定登記の場合
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土地の固定資産税を抑える住宅用地の特例
土地の固定資産税を抑える住宅用地の特例とは、土地の賦課期日において、住宅やアパートなど、人が居住するための家屋の敷地として利用されている土地(住宅用地)に適用される特例措置です。
住宅用地の特例では、土地の広さによって減額の割合は異なり、200㎡以下の部分については固定資産税が1/6に、それを超える部分については1/3になります。
土地の広さ | 固定資産税 |
---|---|
200㎡以下の部分 | 固定資産税評価額 × 1/6 |
200㎡超の部分 | 固定資産税評価額 × 1/3 |
参考:固定資産税の住宅用地の特例とはどのようなものですか。金沢市
そして、アパートやマンションでは、「戸数×200平米まで」の土地が「小規模住宅用地」となり、課税標準額が1/6になります。
そのため、広い土地の固定資産税を減らしたい場合、アパートやマンションといった賃貸住宅を建てることをおすすめします。
土地の固定資産税評価額を調べ方を知って固定資産税を理解しよう
固定資産税の決定に重要な固定資産税評価額と土地の評価額を調べ方について詳しく紹介しました。
固定資産税は不動産(固定資産)を取得した方が必ず納税する税金であり、毎年納税が義務づけられています。固定資産税は固定資産税評価額によって個々の税金額は異なるので、自分の固定資産税の額も知りたいですが、周辺の固定資産税額も知りたいと思うはずです。
紹介した固定資産税評価額の調べ方を元に、これから住宅購入を考えている方は住みたい地域を選ぶのも一つの方法です。固定資産税評価額は一定しておらず、さまざまな条件により評価額が変わりますので、住宅購入を検討す方だけではなく、売却を検討している方もチェックをしてみましょう。