土地活用の方法として注目されているのが駐車場経営です。初期投資として多額な準備金が必要なわけでもなく、手軽に始めやすいということで注目が集まっています。
この記事では、駐車場経営の方法の種類や、しっかり儲かるコツについて解説します。
- 駐車場経営の種類
・月極駐車場経営
・コインパーキング経営
- 駐車場経営の形式の種類
・土地をそのまま使った青空駐車場青空駐車場
・アスファルト舗装をした青空駐車場
・立体駐車場
・シャッター付き建物を建築し車庫として賃貸
・賃貸マンション等の入居者専用の駐車場
・管理人を置いた時間貸し駐車場
・コインパーキング業者へ土地を一括して貸し付ける
- 駐車場経営の管理方式
・自主管理
・管理委託
・一括借り上げ
駐車場経営は2種類ある
駐車場経営には「月極駐車場経営」と「コインパーキング経営」に2種類があります。
本章では、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説しています。
月極駐車場経営の特徴
月極駐車場とは、利用者とひと月単位で契約が交わされる種類の駐車場経営です。
その形態は青空駐車場のような平面駐車場であることが多いです。
メリット①:初期投資額が小さい
月極駐車場のメリットは、何と言っても初期費用が小さいことです。
コインパーキングはある程度の設備が必要なのに対して、初期投資額が小さいのでリスクを最小限に抑えることができます。
メリット②:収入が比較的安定している
月極駐車場は、契約者がいれば比較的安定した収入が得られます。
メリット③:転用性が高く短期的に活用できる
月極駐車場は初期投資額も小さく簡単に始められるだけでなく、土地の転用性が高いのが特徴です。
つまり、一時的に月極駐車場として活用し、その後設備を撤廃しアパートや一戸建てを建築することも難しくありません。
土地活用の良いアイデアが浮かばない場合でも、短期的な土地活用方法として人気です。
デメリット①:収益額が小さく低リターン
月極駐車場のメリットは低リスクであることですが、デメリットは収益額が小さく低リターンであることが挙げられるでしょう。
毎月の賃料相場は5,000円~10,000円です。
月極駐車場は毎月の賃料の相場が地域ごとに決まっており、相場の価格よりも高い賃料で利用者を集めることが難しいという理由もあります。
コインパーキング経営の特徴
駐車場経営の方法として儲かると言われるのがコインパーキング経営です。
その特徴をメリットデメリットで解説します。
メリット①:コインパーキングの需要は増している
まずメリットとして挙げられるのは、コインパーキングが成長途中の業種であることです。
2006年の道路交通法の改正を皮切りに、民間委託による駐車違反の取り締まりが厳しくなりました。
その流れでコインパーキングの需要が高まり、コインパーキングの箇所数・車室数ともに増加傾向にあるのです。
メリット②:初期費用額が小さい
また、初期費用が他の土地活用方法と比較して小さく抑えられるのも魅力のひとつです。
敷地に設置する「フラップ板」と呼ばれるロックシステムは1台あたり約20万円、精算機が約100万円程度が相場です。
中古の設備だとさらに安くなりますし、リースを利用すればより初期費用を抑えることができます。
デメリット①:収益が立地に左右される
コインパーキング経営の収益は立地に左右されます。
駐車の需要がある立地で始めることができれば利用者が増え高収入がのぞめますが、一方で商業施設など一時的に立ち寄る場所が周辺にがない場合はコインパーキングの利用者はあまり見込めません。
デメリット②:税制上の優遇措置が少ない
コインパーキング経営は、税制上の優遇措置が少ないこともデメリットのひとつです。コインパーキングは、固定資産税の計算上は「更地」の評価になります。優遇措置のある「住宅用地」にはならないので、固定資産税や都市計画税の軽減がありません。
また、相続税評価についても「更地」の評価になります。住居部分がないため、評価減となる「貸宅地」や「貸家建付地」になりません。小規模宅地の評価減も「200㎡まで50%」に抑えられます。
そのため、コインパーキング経営では節税効果を期待できないと考えておくと良いでしょう。
駐車場経営を検討するなら、駐車場の設計・施工会社から初期費用の見積もりをもらいましょう。
初期費用の見積もりをもらうときは複数の施工会社に問い合わせて見積もりや収支計画を比較するのがポイントです。
イエウール土地活用なら駐車場の施工実績豊富な建設会社に一括で問い合わせをすることができます。
\建築費は?初期費用は?/
まずは駐車場経営の基礎知識を知りたいという方は、こちらの記事を参考にしてください。
駐車場の形式は7種類ある
ひとくちに駐車場経営といっても、その形態はさまざまです。利用者との契約形態や駐車場設備をどのようなものにするのかによって異なります。
青空駐車場として活用する
もっともシンプルな方法が、所有する土地をそのまま使って青空駐車場にするという方法です。
区画用ロープを貼りブロックを設置し、それぞれの車室に番号を割り振れば完成です。自分で設備を用意して始めることもできるでしょう。
アスファルト舗装をして青空駐車場として活用する
青空駐車場は土地をそのまま使って始めることができますが、より利用率を上げるためにアスファルト舗装をおこなうケースもあります。
青空駐車場はひと月単位で利用者と契約を更新する仕組みであることが多く、一般的には月極駐車場と呼ばれます。
立体型の駐車場を賃貸する
駐車場は、平面の種類だけではありません。2階建て、3階建てなど複数階で構成される立体駐車場を建築し利用者に賃貸するという選択肢もあります。
立体駐車場は格納できる車数が多く、長期的に収益性を上げていきたい場合に適しています。商業施設に併設するかたちで建設されることが多いです。
シャッター付き建物を建築し車庫として賃貸する
シャッター付き建物を建築し、車庫として利用者に賃貸することもできます。
シャッター付き車庫の場合は雨風を避けることができるため、こだわりのある車を安全な環境で保管しておきたい人には適しているでしょう。
居住用スペースを併設することができれば、ガレージハウスと呼ばれることもあります。
賃貸マンション等の入居者専用の駐車場
駐車場の種類としては、アパートやマンションなど賃貸住宅の入居者専用の駐車場もあります。
車を所有する人が多い地域の賃貸住宅なら、入居者専用の駐車場は需要があり、安定的な利用が見込めます。
一定の設備を施し時間貸し駐車場として管理人を置く
駐車場の種類はさまざまで、大まかには契約期間で分類することができます。
時間貸し駐車場とは、駅前や商店街でよく見かける「10分200円」や「1日最大1,500円」などの看板を掲げる駐車場のことです。
利用料を回収するためにロック板やゲート、精算機など一定の設備を施し管理人を置けば、コインパーキングというかたちの駐車場経営ができます。
コインパーキング業者へ土地を一括して貸し付ける
コインパーキング業者へ土地を一括して貸し付けることで、土地の舗装から設備の建築、利用者の募集まで一貫して対応してもらう経営方式です。
土地を所有するオーナーが、自身で駐車場及び駐輪場の管理・運営業務を行なうのではなく、駐車場運営企業が土地を借り上げるシステムです。
駐車場運営企業から毎月一定の賃料を受け取ることができます。
\建築費は?初期費用は?/
活用事例:OnePark南堀江

駐車場経営を始めるまでの流れ
まずは、駐車場経営を始めるまでの流れを紹介します。どうやって始めるのか、何をすべきなのかを知っておきましょう。
STEP | やること | 目安期間 |
---|---|---|
1 | 駐車場経営ができる土地か確認をする | 0日~1週間 |
2 | 駐車場の種類を決める | |
3 | 管理方法を決める | |
4 | 管理会社に相談する | 約1~3週間 |
5 | 市場調査と収支計画の策定 | |
6 | 管理会社と契約 | 約1~2週間 |
7 | 工事の開始 | |
8 | 集客・経営スタート |
駐車場経営ができる土地かを確認する
まず、今持っている土地が駐車場経営に適しているのかどうかを確認します。以下のような点を確認しておくようにしましょう。
- 15m2(2.5m × 5.0m)のスペースを確保できるか
- 幅員4m以上の道路と接しているかどうか
- 敷地内、入退出経路に障害物はないか(電柱、ガードレール、標識etc..)
また、駐車場への入りやすさも気にかけておくようにしましょう。
道幅が狭すぎる道路に接していたり、入り口に大きな障害物があったりする場合だと、留めづらくなって敬遠されてしまい、収益低下につながってしまいます。
一度自分でその土地に駐車して確認し、使いやすいかどうかを確認してみると良いでしょう。
経営する駐車場の種類を決める
車が駐車できそうだと判断すれば、次はどういったタイプの駐車場を経営するのかを決めます。月極駐車場とコインパーキングのどちらにするのかを決めましょう。
駐車場経営の管理方法を決める
駐車場経営を進めていると、清掃・巡回・クレーム対応・集金など、さまざまな管理業務が発生します。この管理業務を自分でするかどうかによって、管理方法は3通りに分かれます。
管理委託方式 | 土地賃貸方式 | 自己経営 | |
---|---|---|---|
初期費用の負担者 | 管理会社or自分 | 管理会社 | 自分 |
管理担当 | 管理会社 | 管理会社 | 自分 |
収益 | 駐車場の売上 – 管理費 | 月々の地代 | 駐車場の売上 |
管理費用を支払い、管理業務を代行してもらう方法が管理委託方式です。
また、土地そのものを管理会社に貸して、駐車場経営は管理会社にしてもらうという方法もあります。これは土地賃貸方式と呼ばれる方法です。
この場合は駐車場経営の収益に関係なく、管理会社から賃料を受け取ることができ、その賃料が収益源になります。
最初の敷地整備から管理業務まで、すべて自分でする自己経営方式もありますが、管理の手間がかかることを考えると効率的でないため、あまりおすすめできません。
駐車場管理会社に相談
経営する駐車場の種類と管理方法が決まったら、次は駐車場経営が得意な管理会社に相談します。
敷地整備の方法や機材導入の進め方、集客方法など、駐車場経営を始めるまでに必要なことをすべて相談する事ができます。
市場調査と計画の策定が始まる
駐車場経営の相談をすると、次は相談先の企業による、周辺地域の市場調査と収支計画の策定が始まります。
周辺にどのくらい駐車場があるのか、どのくらい集客が見込めるか、値段設定はどのくらいがいいかなど、駐車場経営を始めるにあたって必要な調査が始まります。
一通り調査が終わったら、管理会社から収支イメージが提示されます。得られる収入や中長期的な収支を確認するようにしましょう。
複数社に相談している場合は、この中から納得できたプランを選び、契約へと進めます。
駐車場管理会社と契約を結ぶ
納得できるプランがあれば、その収支イメージを提出してくれた企業とパートナー契約を結びます。
パートナー契約を結んだ企業は、今後駐車場経営を進めていくにあたっての一番の相談相手になります。
そのため、提示してくれた収支イメージが妥当かどうかだけでなく、担当者の愛想や人柄など、話しやすい人なのかどうかも重視しておくことがポイントです。
工事の開始
パートナー契約を結び、駐車場経営を始めることが決まれば、いよいよ敷地整備や機材導入といった工事が始まります。工事が始まってから特に何も用意する必要はありません。
工事着工から完了までは、最短5日ほどで可能です。
集客をして駐車場経営スタート
工事が終わった、もしくは終わりそうなタイミングから集客活動を始めます。パートナー企業と連携を図りながら、看板を立てたりインターネットを活用したりしつつ、駐車場利用者を募るようにしましょう。
最後に、駐車場経営が始まってからよくある失敗やその対策について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
駐車場の種類は土地に合った方法を選ぼう
土地活用の方法として一番最初に検討されやすいのが駐車場経営です。大きな初期投資も必要なく、手軽に始めやすい点が選ばれている理由でしょう。
駐車場経営をする場合、まずは周辺環境をリサーチし、どのような種類の駐車場にするのかを決めなければなりません。
種類を決めたら、形式を決めるなど、事前の準備は素人が進めるには大変なものばかりです。自分で管理運営していくことも可能ですが、自信がない場合は、信頼できる業者に依頼するのもおすすめです。
自分にぴったりの業者を見つけたら、安心して管理を任せられます。親切で迅速に対応してくれる業者を見つけ、大切な土地を駐車場として成功させましょう。
さらに駐車場経営のことを知りたい方は以下の記事をご覧ください。