解体屋の仕事内容ややりがいは?必要な資格やスキルを解説

解体屋の仕事内容ややりがいは?必要な資格やスキルを解説

解体屋ってどんな仕事?」「解体屋になるにはどうしたらいい?

解体屋になりたいと思っているなら、解体屋ってどういう仕事でやりがいはあるのかは知りたいですよね。

さらに、解体屋になるために資格やスキルは必要あるのかも知りたいですよね。

本記事では、解体屋の仕事内容ややりがいを解説するとともに、解体屋になるために必要な資格やスキルなどについて解説します。

解体屋に工事を依頼する前に、ご自宅の解体費用がいくらになるかを以下のツールから自分でシミュレーションしてみましょう。ぜひご活用ください。

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解体屋とは

解体屋とは、建築物を解体することを専門とする業者のことです。

解体業者、解体工事業者とも言います。

解体屋が解体するのは、家屋やアパート、マンション、ビルなどの建築物です。

ただし、解体屋にも得意、不得意があり、建物の構造別に木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造のいずれかが得意な解体屋もあります。解体屋を選ぶ際は、解体したい家屋の構造が得意な解体屋を選ぶことがポイントです。
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解体屋の歴史

解体屋の歴史は、19世紀頃から始まったと言われています。

19世紀とは、イギリスで始まった産業革命がヨーロッパ各国に広がっていた頃で、日本は明治維新の頃です。

解体屋が生まれたのは、明治維新の影響で工業化と都市化が進んだ影響だったようです。明治維新前は、大工やとび職が建物の解体作業を担っていました。

 

解体屋が生まれた当初は、解体は手作業が中心でしたが、20世紀になると、解体作業も機械化が進みました。特に大きく活躍したのは、戦後の復興期のことです。

戦後の日本の復興とともに発展した解体屋は、高度成長期になると、ますますの発展を遂げました。

木造以外の鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物が急増し、解体技術も向上します。近年では、建設リサイクル法によるリサイクルやアスベストの全面禁止などにも対応しています。

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解体屋の必要性

解体屋の必要性として、次の5点が挙げられます。

▼解体屋の必要性

  1. 空き家や古い建物を解体する必要がある
  2. 土地の有効活用
  3. 再開発の促進
  4. 不動産の新たな価値を生み出す
  5. 新生活のため環境を改善する

空き家や古い建物を解体する必要がある

使ってない空き家や古い建物があったら、解体する必要があります。

解体して、更地にしなければ、売りにくいし、新しい建物も建てられないからです。

空き家や古い建物を解体すれば、老朽化や倒壊の防止になるほか、管理する手間やコストが不要になるなどのメリットがあります。

ただし、解体費用がかかり、建物に対する固定資産税がなくなるものの、土地の固定資産税の軽減措置が受けられなくなります。

空き家や古い建物を解体する場合、メリット・デメリットがありますが、メリットのほうが大きいのではないでしょうか。

土地の有効活用

家を解体して更地にすることによって、土地の有効活用が可能になります。

土地を有効活用することで、経済的な利益が得られるほか、税金対策にもなります。

土地の有効活用の例として挙げられるのは、アパートやマンション、一戸建てなどの賃貸経営や駐車場経営です。

ただし、賃貸経営や駐車場経営をするには、土地の立地を考える必要があるほか、専門的な知識が必要になります。

自分で勉強して、専門的な知識を身につける方法もありますが、不動産業者に依頼する方法もあります。

できるだけ短期間で収益化したいなら、不動産業者に依頼するほうがいいでしょう。

再開発の促進

家を解体することで、再開発の促進につながることがあります。

更地になった土地を大手不動産会社に売却することによって、インフラ整備やショッピングセンター開発などの再開発事業に資することがあるからです。

このように家を解体して更地にした土地は、有効に活用することが可能なのです。

不動産の新たな価値を生み出す

建築物を解体して更地にすることで、不動産の新たな価値を生み出すことができます。

近年空き家問題が顕在化していますが、これらの空き家を解体して更地にすることができれば、不動産の新たな価値を生み出すことが可能だからです。

新生活のため環境を改善する

家の解体は、新生活のため、環境を改善することになります。

解体により発生した産業廃棄物は、再資源化されますし、住宅や施設を建て替えることで新たな住環境や生活空間を生み出すことにもなるからです。

解体屋の仕事内容

解体屋の仕事内容は、建築物を解体することですが、解体作業員を含め、さまざまな職種の人が働いています。

ここでは、解体作業員をはじめ解体屋の7つの職種について解説します。

▼解体屋の仕事内容

  1. 解体作業員
  2. オペレーター
  3. ドライバー
  4. 鳶工(とびこう)
  5. 現場監督
  6. 営業
  7. 事務

解体作業員

解体作業員とは、建物を解体する職人のことで、手作業や工具・重機を使って解体します。

木造をはじめ鉄骨造、鉄筋コンクリート造などの構造を問わず、解体するため、専門的なスキルが必要になります。

常にリスクを伴うことから、解体現場の安全対策はもちろん、近隣住民の安全対策も考慮しなければなりません。

具体的には、養生シートやプラスチックシートなどで現場を覆い、粉じんなどが飛散しないようにします。

解体する建物の中には、アスベストなどの有害物質が含まれていることがあるため、吸引しないよう万全な対策をする必要があります。

具体的には、防じんマスクをしたり、作業用ゴーグルをしたりするなどの対策をします。

解体作業員は、解体屋の中でも中心となって解体に取り組む作業員なので、解体に関するあらゆる知識が必要不可欠です。

オペレータ

解体屋におけるオペレーターとは、重機の運転手のことです。

重機を運転するには、免許が必要になるため、解体作業員だからといって誰でもなれるわけではありません。

自動車の運転と同じように重機の資格を持っているだけでは不十分で、経験や実績が必要です。

そのため、オペレーターとして、重機の操作をするのは、どうしてもベテランが多くなってしまいます。

少しでも操作を間違えたら、解体作業員に危険が及ぶため、慎重かつ安全に重機を操作することが求められます。

もちろん、オペレーター自身も解体作業中に危険な目に遭うこともあるため、集中して作業に取り組まなければなりません。

また、オペレーターとしてのスキルが優れている作業員は、会社内でとても重宝されます。

解体業者にとって、熟練したオペレーターは、貴重な存在だからです。

場合によっては、他社から依頼が来ることもあります。

ドライバー

ドライバーとは、トラック運転手のことです。

解体作業には、大型トラックが必要になります。

解体作業により発生する廃棄物を処分場まで運搬する必要があるからです。

産業廃棄物を運搬するには、許可が必要になるため、解体業者が運搬許可を持っていなければ、外注しなければなりません。

いずれにしても、解体作業にはドライバー(トラック運転手)が必要不可欠なのです。

鳶工(とびこう)

鳶工(とびこう)とは、「足場鳶」「鳶職」とも呼ばれる職人で、主に解体現場における足場の設置などを行います。

鳶工は、解体工事に限らず、建設工事に欠かせない高所作業のプロフェッショナルです。

解体工事における鳶工の役割は、足場だけでなく養生・防音シートを設置することによって、近隣への粉じんの飛散や騒音などを防止することです。

その結果、近隣トラブルが防げます。

鳶工は、高所作業における安全対策にも長けているため、解体作業に必要不可欠な存在です。

現場監督

解体工事における現場監督は、スケジュール管理や進行管理を担うほか、作業員の安全対策、近隣住民の被害防止対策などの役割を果たします。

そのため、工事に遅れが出ている場合は、工期の延長について、施主、もしくは解体後、建物を新築する場合には、工事を担う建設会社とも相談します。

近隣住民との関係では、解体工事を始める前に施主とともに挨拶に伺い、解体工事の説明も行います。

スケジュール通りに解体工事を終わらせることが現場監督の役割ですが、作業員の安全確保も大切な役割です。

営業

解体屋の営業とは、解体工事の仕事を取ってくる役割を果たします。

解体屋に限らず、どの業種・会社でも営業は必要不可欠です。

解体屋も、営業が仕事を獲得してこなければ、いくら解体作業員がいても、解体作業はできません。

営業は、仕事を獲得するために、解体を必要としている顧客に対して、解体工事の説明をしたり、問い合わせ対応をしたりして、仕事の獲得につなげます。

また、官公庁や地方自治体の入札に対応するのも営業の役割です。

そのため、営業には、コミュニケーション能力が高く、人当たりの良い人材が向いています。

事務

解体屋には、営業だけでなく事務作業も存在します。

普通の会社と同じように、総務もあれば、経理もあるということです。

具体的には、解体に関する見積書や官公庁への届出などを作成します。

その他、営業や経理のサポートなども行います。

解体屋のやりがいとデメリット

解体屋には、やりがいとデメリットがあります。

解体屋のやりがい

▼解体屋のやりがい

  • 仕事がストレス発散
  • 重機の操作ができる
  • 残業が少ない

仕事がストレス発散

解体屋は、仕事がストレス発散になります。

解体作業は、建物を分別しながら取り壊す作業だからです。

物を壊すことは、ストレス発散になりますよね。

つまり、合法的に建物を取り壊すことで、ストレス発散ができると言えるのです。

解体作業は仕事ですからストレスが溜まることもありますが、仕事することで溜まったストレスを解消できます。

重機の操作ができる

子どもの頃から重機を操作したかったという人は、重機を操作して、建物を解体できるという魅力があります。

重機の操作がうまくなればなるほど、仕事も増えますから、収入にも直結します。

残業が少ない

解体屋は、残業が少ないという魅力もあります。

解体作業は、振動や騒音を伴うことから、解体できる時間は限られています。

そのため、解体屋は残業時間が少ないのも魅力です。

解体の成果が目に見える

解体屋のやりがいとして、まず挙げられるのは、解体の成果が目に見えることです。

現場に建っていた建物が、解体作業終了後には、更地になるのです。

その後、更地になった土地活用のされ方はさまざまですが、土地は残ります。

この現場に来れば、自分でやった仕事の成果が目に見えますし、実感できるのです。

プロとして専門性を深められる

また、解体屋の知識や技術を身につけて、多くの解体経験を積むことで、解体屋のプロフェッショナルになれます。

そうなったら、解体屋のコンサルタント的な立場で、解体作業のアドバイスができるようになります。

そうなるために専門的な知識を身につけていく過程も、解体屋の魅力です。

解体屋のデメリット

▼解体屋のデメリット

  • 仕事がストレス発散
  • 重機の操作ができる
  • 残業が少ない

体力的にきつい

解体屋のデメリットとして、体力的にきついことが挙げられます。

解体屋は、肉体労働だからです。

そのため、体力に自信がある人じゃないとおすすめできません。

重機を操作するだけなら、体力は必要ないかもしれませんが、はじめは解体作業員として作業を始めるからです。

温暖化の影響で、夏の猛暑が問題になっていますが、解体作業は屋外で行います。

つまり、解体作業員は、夏は暑くて、冬は寒い中で作業するのです。

危険である

危険であることも、解体屋のデメリットです。

解体作業は危険であるからこそ、安全対策が重要なのです。

解体作業だけでなく、アスベストなどの有害物質による危険もあります。

そのため、解体現場ごとに危険度に合わせた装備をしなければなりません。

例えば、防じんマスクや作業用ゴーグル、安全ヘルメット、安全靴などを装備して、万全の体制で臨む必要があります。

また、重機と同時に解体作業をすることもあるため、重機と接触しないよう安全を確保しなければなりません。

体や服が汚れる

体や服が汚れることも、解体屋のデメリットです。

そのため、体や服が汚れることに抵抗がある人には、解体屋は向いていません。

逆に、仕事中に体や服が汚れるくらい、なんともないという人には向いています。

解体屋を仕事としている以上、体や服が汚れることは避けられないため、覚悟して解体屋になるしかありません。

それでもダメなら、解体屋はおすすめできません。

解体屋のデメリットとして、イメージが悪

イメージが悪い

いことが挙げられます。

かつての解体屋は「怖そう」「ガラが悪い」「3K(きつい、きたない、きけん)」というイメージで見られていました。

そのイメージを引きずって、未だに解体屋はイメージが悪いと思っている人がいます。

しかし、解体屋は、解体作業や安全対策のルールを守らないとできない仕事なので、かつてのイメージは誤解です。

むしろ、しっかりした人じゃないと、解体屋は務まりません。

そのため、悪いイメージのある解体屋を良いイメージに変えてやるくらいの意気込みがある方におすすめです。

慣れるまでが大変

慣れるまでが大変なことも、解体屋のデメリットのひとつです。

解体屋は、大工や鳶工、左官工などと同じ職人だからです。

解体作業員というと、職人のイメージがないかもしれませんが、解体屋も立派な職人です。

解体屋として1人前になるには、3~5年程度かかると言われています。

解体屋の多くは、未経験で入社してくるため、イチから学び、経験を積む必要があります。

そのため、慣れるまでは大変であることは、普通のことだと認識しておいたほうがいいでしょう。

解体屋の給料とキャリアパス

解体屋の給料

解体屋の給料は、全国平均で年収410万円程度です(厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」)。

解体屋は請負業務のため、収入が変動します。

ただし、会社にもよるので、いかに安定した受注を取れるかが重要になります。

受注を取るには、技術力はもちろん、多くの実績を積んで、信用を得ることがポイントです。

技術力があって、豊富な実績があれば、信用できるので、受注は増えます。

その結果、給料が増加することになります。

解体屋のキャリアパス

解体屋のキャリアパスは、解体業の会社に新人社員として入社するところから始まります。

まずは、解体業の基本を学ぶことが大切です。

必要に応じて、解体工事施工技士などの資格を取得しておくと、仕事に有利に働きます。

解体工事の現場経験を重ねて、取っておきたいの重機操作の資格です。

重機操作の資格を取って、実際に経験を積んでいけば、解体業界で重宝される存在になる可能性があるからです。

キャリアパスとして、目指したいのが現場監督で、解体現場でさまざまな経験を積むことで、なれるチャンスがあります。

最終的には、解体業で独立するのも夢ではありません。

解体屋になるには

解体屋になるために、必要な資格はあるのでしょうか。

解体屋になったとして、必要なスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、解体屋になるにはどうしたらいいのかについて、次の3点を解説します。

▼解体屋になるには

  • 解体屋になるために必要な資格
  • 解体屋に必要なスキル
  • 解体屋に転職するには

解体屋になるために必要な資格

解体屋になるために必要な資格は、特にありません。

資格を持っていなくても、解体屋になることはできます。

具体的には、解体業の会社に入れば、解体屋になれます。

入社後は、解体作業の経験を通して、解体に関する知識と技術を積み重ねていくだけです。

ただし、解体屋としての経験を積んでいく中で、資格が必要になることもあります。

例えば、重機を操作する必要が生じた場合です。

重機を操作するためには、運転免許と操縦資格が必要です。

そのため、入社する前に運転免許を取得しておけば、重機の免許が必要になったときに手間が省けます。

重機以外にも、建築関係の資格が必要になることがあると思いますが、知識とスキル向上のために、少しずつ取得していけば問題ありません。

解体屋に必要なスキル

解体屋に必要なスキルは、いくつか考えられますが、何より重要なのは「体力」です。

解体屋に入社して、解体作業の経験を積んでいくうちに自然と体力や筋力が付いてきます。

ただし、入社後、体力のある先輩たちと一緒に作業するには、ある程度体力に自信がないとはじめのうちは、苦労するかもしれません。

しかも、解体屋に限らず建設業は、基本的に屋外で作業をするため、夏は暑く、冬は寒い中で仕事をします。

温暖化が進んだ夏の猛暑の中での作業は、予想以上に過酷です。

そのため、体力があるだけでなく、夏の暑さが好きな人に解体屋は向いています。

また、天候という意味では、解体作業は悪天候でもやることがあるため、体力だけでなくメンタルの強さも必要不可欠です。

解体屋に必要なスキルは、知識や技術、あとは経験です。

入社当初は、新人社員の知識や技術レベルは、ほぼ同じですから、いかに解体作業の経験を積みながら、知識と技術を身につけていけるかが重要です。

解体作業との関連では、安全への意識や環境への影響、コミュニケーションスキルなどについては、常に問題意識を持っておく必要があります。

解体屋に転職するには

解体屋に転職するには、建設業向けの求人サイトを利用することをおすすめします。

建設業界につながりがない人にとって、転職しやすい手段だからです。

資格や解体業の経験がある人であれば、より転職しやすくなります。

解体屋に転職するにあたって、取得しておいたほうがいい資格は、解体工事施工技士です。

この資格を取得すれば、解体工事の施工に必要な技術管理者になることが可能だからです。

さらに、解体工事の施工管理はもちろん、廃棄物の適正処理や建設リサイクル法など、解体工事に関係する知識が得られるからです。

解体工事の流れ

解体工事の流れは、次のとおりです。

▼解体工事の流れ

  • 事前調査
  • 解体計画
  • 安全・環境対策
  • 解体作業
  • 廃棄物の処理
  • 清掃

それぞれについて、順番に解説します。

事前調査

解体工事を行うにあたっては、対象の建物の調査を実施するとともに、アスベスト調査を実施する必要があります。

解体計画を作成するため、建物の構造をはじめ、建物内部や基礎部分などを確認・調査します。

一方で、解体する前に建物の建材にアスベストが使われているかどうかを調査するのが、アスベスト調査です。

この事前調査結果は、労働基準監督署と地方自治体に報告しなければなりません。

また、事前に行う施主との解体作業に関する打ち合わせが重要になります。

解体作業にあたっては、建物の一部を解体せずに残すことがありますし、門扉やブロック塀などの外構物を残すこともあります。

そのため、解体工事前に擦り合わせをして、解体計画につなげていきます。

解体計画

解体工事の事前調査を踏まえて、解体計画を作成します。

解体計画には、解体工事だけでなく、安全対策や解体することにより発生する産業廃棄物の処理方法も含みます。

解体工事については、解体工法をはじめ、重機や作業員の配置などの記載が中心です。

解体現場によって、立地により重機の搬入ができないところもあることから、その場合は手作業になります。

解体計画を立てても、計画どおりにいかないこともあるため、そのときは臨機応変に対応することが重要です。

安全・環境対策

解体工事をするにあたって、解体作業とともにやらなければならないのが安全・環境対策です。

解体作業員と近隣住民の安全と近隣環境に影響を及ぼさないように、安全・環境対策をする必要があります。

また、事前調査で建材にアスベストが含まれていた場合は、アスベストを除去してから、解体作業をしなければなりません。

特にアスベストは有害物質のため、作業員は防護マスクや防護服を着用の上、作業する必要があります。

また、近隣住民への対策としては、養生シートやパネルを設置して、近隣への粉じんの飛散防止や防音をしなければなりません。

解体作業

足場や養生シート・パネルを設置したら、解体作業を行います。

解体計画どおりに、重機もしくは手作業による解体作業です。

解体作業には、騒音や振動が伴うため、近隣住民にできるだけ迷惑をかけないよう作業時間が決まっています。

そのため、効率的に解体作業を行う必要があります。

廃棄物の処理

解体工事をすると、大量の廃棄物が発生します。

廃棄物は、ただ捨てればいいというものではありません。

建物リサイクル法により、解体工事で発生した廃棄物を分別した上で再資源化できるものは処分場で処分しなければなりません。

処理場以外の場所で処分すると、不法投棄になるため、罰せられることがあります。

廃棄物は、大型トラックにより運搬されますが、運搬の許可が必要です。

そのため、大型トラックによる運搬の許可がなければ、別の業者に外注しなければなりません。

清掃

解体工事が終了したら、最後に清掃をすれば、施主に引き渡すことができます。

つまり、清掃が終わらなければ、引き渡すことができないのです。

清掃することによって、新たに建物を建築したり、売却したりすることが可能となります。

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解体作業をするにあたっての注意点

解体作業をするにあたっての注意点として、次の5つが挙げられます。

▼解体作業をするにあたっての注意点

  • 法令や規制を遵守
  • 徹底的な安全対策
  • 正確な見積もり
  • ミンチ解体しない
  • 近隣住民に詳細を説明

法令や規制を遵守

解体作業をするにあたっての注意点として、法令や規制の遵守が挙げられます。

法令や規制を遵守しないと、社会的信頼を失い、解体屋としてやっていけなくなるからです。

法令や規制を遵守することは、当然のことなので、言うまでもありません。

解体工事に関する法令は、次のとおりです。

・石綿障害予防規則(アスベスト対策)
・労働安全衛生法(アスベスト対策)
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律
・建築リサイクル法
・建築基準法 など

徹底的な安全対策

徹底的な安全対策も、解体作業をするにあたって注意すべき点です。

重機や工具、手作業で建物を解体する作業は、危険が伴う作業だからです。

安全対策を怠ると、ケガをするだけでなく、命を落とす危険もあります。

さらに、解体する建物にはアスベストなどの有害物質が含まれていることがあります。

そのため、作業員だけでなく、近隣住民の安全にも配慮しなければなりません。

このように解体作業は、安全とは切っても切れない関係なのです。

正確な見積もり

解体作業をするにあたっての注意点として、正確な見積もりを出すことが挙げられます。

明確な根拠に基づいた見積もりを出さなければ、顧客から信頼されないため、契約してもらえません。

顧客が素人だとバカにして、適当な見積もりを出すと、取り返しがつかないことになるということです。

正確な見積もりを出すためには、少なくとも現地調査をした上で、見積もりを作成する必要があります。

さらに、わかりやすい見積もりであれば、顧客から依頼してもらえるでしょう。

ミンチ解体しない

解体作業をするにあたっての注意点として、ミンチ解体しないことが挙げられます。

ミンチ解体とは、廃棄物を分別せずに重機を使用して一気に取り壊す解体工法のことです。

足場が不要で短期間で解体可能なことから、安い費用で解体できるというメリットがあるため、かつてはよく行われていました。

しかし、ミンチ解体には、問題点があります。

廃棄物を分別せずに解体することにより、リサイクルできないのです。

さらに、アスベストなどの有害物質が含まれている場合、近隣に飛散するリスクもあります。

このような問題点があることから、建設リサイクル法により、ミンチ解体は2002年から禁止されています。

そのため、ミンチ解体をしてはいけないのです。

解体屋の中には、費用を抑えるため、ミンチ解体を行っている業者がある可能性があるため、要注意です。

近隣住民に詳細を説明

近隣住民に詳細を説明することも、解体作業をするにあたっての注意点のひとつです。

解体工事をする場合、振動や騒音などによって近隣住民に迷惑をかけることになるからです。

さらに、アスベストなどの有害物質の粉じんが飛散するおそれがあるため、近隣住民の安全対策をする必要もあります。

近隣住民には、解体工事前に施主とともに挨拶に伺って、解体工事の詳細を説明しなければなりません。

そうすることで、近隣トラブルを回避することができます。

解体工事中は、近隣住民にできるだけ迷惑がかからないように配慮する必要があります。

まとめ

本記事では、解体屋の仕事内容ややりがいを解説するとともに、解体屋になるために必要な資格やスキルなどについて解説しました。

解体屋とは、建築物を解体することを専門とする業者のことです。

解体屋は、家の建て替えや土地の有効活用などさまざまな場面で必要不可欠な存在です。

そんな解体屋には、解体作業員をはじめ、7つの職種があります。

重機の運転手やドライバーなどの職種もありますが、基本的にはじめは解体作業員として働きます。

解体屋は、肉体労働なので、体力に自信がない人には難しいかもしれません。

屋外で作業するので、夏は暑く、冬は寒い中で仕事をします。

しかし、ある程度体力に自信があるのなら、やってみてもいいかもしれません。

解体屋には、魅力があるし、やりがいもあるからです。

この記事が、解体屋になるための参考になれば幸いです。

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