80坪の解体費用の相場は、木造240万円~320万円、軽量鉄骨造240万円~400万円、重量鉄骨造320万円~480万円、鉄筋コンクリート造(RC造)340万円~560万円です。ただし、庭木や庭石などの植栽や、門・塀・カーポートなどの外構の撤去にも追加で費用が発生するため、プラスで見込んでおくと安心です。
本記事では、80坪の家を解体するために必要な費用相場と、解体費用を左右する要素、そして解体費用を削減するためのポイントをご紹介します。
以下のツールでは、解体費用の金額を自分で見積ることができます。ぜひご活用ください。
▼家の解体費用の基礎知識はこちらの記事で解説しています
80坪の家の解体費用の相場
冒頭で解説したとおり、80坪の解体費用の相場は、木造240万円~320万円、軽量鉄骨造240万円~400万円、重量鉄骨造320万円~480万円、鉄筋コンクリート造(RC造)340万円~560万円です。
構造ごとの坪単価を一覧化すると、相場は次のとおりになります。
▼構造別の解体費用相場
家の構造 | 解体費用の坪単価 | 80坪の解体費用 |
木造 | 3万円〜4万円 | 240万円~320万円 |
軽量鉄骨造 | 3万円〜5万円 | 240万円~400万円 |
重量鉄骨造 | 4万円〜6万円 | 320万円~480万円 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 5万円〜7万円 | 400万円~560万円 |
また、家の解体費用は、建築面積ではなく「延べ床面積」によって決まるため、2階建てや3階建ての家の場合には、それぞれの床面積を合計した坪数に坪単価を掛ける必要があります。
敷地内の外構や庭木の撤去を必要とする場合には、その撤去費用も別に発生する点にご注意ください。他にも廃棄物の処分費用や整地費用も別途必要となります。
家の構造 | 木造 | 鉄筋コンクリート造 |
---|---|---|
70坪 | 210万円~280万円 | 350万円~490万円 |
80坪 | 240万円~320万円 | 400万円~560万円 |
90坪 | 270万円~360万円 | 450万円~630万円 |
100坪 | 300万円~400万円 | 500万円~700万円 |
私の家の解体費用はいくら?
80坪の家の解体費用を決める要素
家の解体費用を左右するのは、家の構造や坪単価だけではなく、地域や立地条件などの要素も含まれます。
ここでは家の解体費用を決める要素として、以下の3つをご紹介します。
▼80坪の家の解体費用を決める要素
- 建物の構造・状態
- 家がある地域・立地
- 残置物や埋設物の多寡
それぞれ詳しく解説しましょう。
建物の構造・状態
木造・鉄骨造・RC造のいずれの構造の家であるかに応じて解体費用は上下するほか、家の階数や地下室の有無、老朽化の度合いによっても金額は変動します。
1階建ての平家に比べて2階建て・3階建ての方が解体作業は増加し、廃材の量も増えるため解体費用は上昇します。また、地下室がある場合には特殊な解体工事が必要になることから、費用が高額になる点にも注意が必要です。
長年空き家として放置されていた実家などの場合、倒壊の危険性が考慮され慎重な解体作業が行われます。
その場合には通常よりも工期が延び、人件費や重機費用が高額になる可能性が高くなります。
家がある地域・立地
解体する家が建つ地域や立地条件によっても、解体費用は変わります。
一般的に地方の解体工事ほど解体費用の相場は安く、都市部になるほど相場が高くなる傾向にあります。
これは都市部になるほど人件費が高く、重機のレンタル料や保管料が高額になるためです。
また、隣家との距離が狭く解体作業の効率が低下する場合や、重機が侵入できず手作業での解体が必要になる立地条件の場合にも、解体費用は高額になる傾向にあります。
住宅が密集する閑静な住宅地では、近隣に配慮するための防音・防塵・防震対策のための費用が上乗せされるケースもあります。
残置物や埋設物の多寡
家の中に放置された家財道具や、庭に残る樹木・雑草、外構や地中埋設物なども、解体費用が高額になる要因となります。
中でも井戸や浄化槽などの地中に埋まった構造物がある場合には、特殊な解体工事が必要となるため解体費用が上昇することが多いです。
抜根が必要な大きな木が何本も植えられていたり、撤去が必要な外構が多かったりする場合にも、見積もり金額は上昇します。
私の家の解体費用はいくら?
80坪の家の解体費用の内訳と総工費に占める割合
家の解体費用には、人件費や重機費用、足場の組み立てや建物の調査にかかる費用なども含まれます。
▼80坪の家の解体費用の内訳と割合
それぞれの費用項目について詳しくご紹介します。
仮設工事費用:約1割
仮設工事費用とは、工事に必要な足場の組み立てや、防音・防塵・防震のためのシート・囲いの設置にかかる費用のことです。
仮設工事費用には、解体工事用の電気・水道の設置費用や、仮設トイレの設置費用、トラックの通り道を作る敷鉄板の費用などが含まれます。
解体工事費用:約3割
解体工事費用とは、住宅そのものの解体にかかる費用のことです。総工費の約3割に相当します。
▼付帯工事費用の相場
種類 | 相場 |
カーポート撤去費用 | 6万円~/1台用 |
ブロック塀撤去費用 | 5,000円~1万円/1㎡ |
植物の撤去費用 | 5,000円~3万円 |
門扉の撤去費用 | 2万円程度 |
倉庫・物置の撤去費用 | 2万円~3万円 |
浄化槽の撤去費用 | 5万円〜10万円 |
アスベストの撤去費用 | 2万円〜8.5万円/1㎡(300㎡以下) |
廃棄物の処分費用:約4割
廃棄物の処分費用とは、木くずやガラス、コンクリートなどの廃材を処分する費用が該当します。
主な廃材の種類と、1立方メートルあたりの処分費用の相場は下記の通りです。
▼廃材処分費用の相場
廃材の種類 | 処分費用(㎥あたり) |
コンクリートガラ(コンクリートのがれき) | 5,000円~ |
タイル・ガラス | 2万5,000円~ |
石膏ボード | 1万5,000円~ |
木くず | 5,000円~ |
なお、解体工事に伴う廃棄物の処分費用には、家の中の家財道具や庭木の撤去費用も含まれる点に注意が必要です。
家の中に不用品が多く残っている場合や、荒れた庭を放置していた場合には、解体費用を押し上げる原因となります。整地費用:約1割
解体工事後の土地を平らにならし、地中に埋設物が残っていないか確認するための費用が、整地費用です。
1平方メートルあたり約1,000円が相場で、80坪は約264平方メートルのため、26万4,000円程度を見積もっておくと良いでしょう。ただし、整地のための調査の結果、撤去が必要な埋設物を発見した場合には、別途撤去費用が請求される可能性もあるためご注意ください。
諸経費:約1割
解体する家の調査、工事車両の駐車料金、法務局・警察や自治体への届出を行う際の費用が、諸経費として計上されます。
解体工事の際には、建設リサイクル法の事前申請や道路使用許可の申請、建物滅失登記の手続きなどが必要になります。
これらの費用を解体業者に代行してもらう場合、発生する手数料も高額となります。
私の家の解体費用はいくら?
80坪の家の解体費用を安く抑えるコツ
解体費用は建物の構造や立地条件、施工する解体業者によっても変動しますが、可能な限り安く抑えたいと考える方も多いでしょう。
▼80坪の家の解体費用を安く抑えるコツ
- 廃棄・撤去が必要なものを減らしておく
- 2社〜3社以上の解体業者に相見積もりを取る
- 重機を保有する解体業者を選ぶ
- 自治体の補助金を利用する
- 空き家解体ローンを検討する
それぞれ詳しく解説します。
廃棄・撤去が必要なものを減らしておく
家の解体費用の大半を占める廃棄物の処分費用は、家の中の不用品や庭木などを事前に処分しておくことで、費用削減が可能です。
家庭ごみや粗大ごみとして排出できる家財道具は、解体工事では「産業廃棄物」とみなされ、高額な処分費用が必要になります。
そのため廃棄・撤去を必要とするものが多く残っていると、解体費用が高額になりやすい傾向にあります。
2社〜3社以上の解体業者に相見積もりを取る
解体費用の見積もりを取る際には、必ず2社以上の会社から相見積もりを取るようにしましょう。
1社のみの見積もりで決めてしまうと、相場よりも高い金額が請求される可能性があるため、複数の見積もりを比較・検討しながら業者選びを進めることが大切です。
また、金額以外にも問い合わせへの対応や、費用明細のわかりやすさを重視して解体業者を選ぶと安心です。重機を保有する解体業者を選ぶ
重機を自社で保有している解体業者は、レンタル・リース料を抑えられるため、解体費用が安価になる傾向にあります。
一方で重機を自社で保有していない場合、重機を借りる費用や現場まで運搬する費用が上乗せされるほか、手作業の解体が多くなることで人件費が増大する可能性もあります。
重機を効率的に使用できる場合には工期も短縮されるため、可能な限り重機を自社保有する解体業者を選びましょう。
自治体の補助金を利用する
地方自治体によっては、解体工事の費用に対して補助金を支給しているケースがあります。
中でも倒壊の危険性がある家屋や、長年放置されている空き家などは補助金の対象になることが多いため、相続した実家の解体を検討している方には一つの選択肢となるでしょう。
補助金には予算の上限や申請期限が設けられていることが多いため、解体業者や自治体の窓口へ相談しながら速やかに手続きを進めることをおすすめします。
空き家解体ローンを検討する
家の建て替えを行う場合には解体費用を住宅ローンに含めることが可能なほか、金融機関によっては「空き家解体ローン」を利用できる場合があります。
空き家解体ローンは地方銀行で取り扱っているケースが多く、担保や保証人が不要という特徴があります。また、利用目的を問わないフリーローンを使って解体費用をまかなうことも可能なため、自己資金が不足する場合には検討してみると良いでしょう。
▼家の解体費用を安くする方法の詳細は、こちらの記事で解説しています。
80坪の家の解体費用は240万円〜560万円が相場
80坪の家を解体する際には、家の構造によって240万円〜560万円の費用が発生します。
外構や家財道具の撤去費用、整地のための費用が追加で必要になるケースもあるため、最終的には解体業者の見積もりで詳細な金額を確認すると安心です。
解体費用を安く抑えるためには、撤去が必要なものをご自身で処分したり、複数の業者から相見積もりを取ったりすることが効果的です。
場合によっては補助金や空き家解体ローンを利用し、費用負担を抑えて解体工事を進めると良いでしょう。
私の家の解体費用はいくら?