70坪の家の解体費用は木造140万円~280万円、鉄骨造210万円~280万円、鉄筋コンクリート造280万円~420万円です。ただし、外構や庭木の撤去など追加費用が発生する場合があるため、予算に余裕を持つことをおススメします。
本記事では、70坪の家の解体における費用相場と、解体費用が高額になるケース、相場よりも安く抑えるためのポイントなどをご紹介します。
▼家の解体費用についての詳細はこちらの記事でも解説しています
70坪の家の解体費用の相場
冒頭で触れたとおり、70坪の家の解体費用の相場は、木造140万円~280万円、鉄骨造210万円~280万円、鉄筋コンクリート造280万円~420万円です。
【70坪の家の建物の解体費用の相場】
構造 | 解体費用の坪単価 | 70坪の解体費用 |
---|---|---|
木造 | 約2万円〜4万円 | 約140万円〜280万円 |
鉄骨造 | 約3万円〜4万円 | 約210万円〜280万円 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 約4万円〜6万円 | 約280万円〜420万円 |
【追加費用の種類】
工事の費用 | 付帯工事費用 |
---|---|
カーポート撤去費用 | 6万円~/1台用 |
ブロック塀撤去費用 | 5,000円~1万円/1㎡ |
植物の撤去費用 | 5,000円~3万円 |
門扉の撤去費用 | 2万円程度 |
倉庫・物置の撤去費用 | 2万円~3万円 |
なお、坪単価で解体費用を計算する場合は、「延べ床面積」を掛けることにご注意ください。
たとえば敷地面積が100坪の広さのうち、家の建築面積が40坪、1階部分と2階部分を合計した延べ床面積が70坪の場合には、70坪に坪単価を掛けることで解体費用の目安が計算できます。
ご自宅の特徴を踏まえた解体費用を知りたい場合は、以下のツールから自分でお見積りできます。ぜひご活用ください。
私の家の解体費用はいくら?
70坪の家の解体費用の内訳
70坪の家を解体する際には、家そのものの解体費用以外にも、廃材の処分費用や駐車場・カーポートなどの撤去費用も発生します。
ここでは家の解体にかかる費用の内訳として、以下の5つの項目をご紹介しましょう。
▼70坪の家の解体費用の内訳
- 仮設工事費用
- 廃棄物の処分費用
- 整地費用
- 諸経費
それぞれの費用が総工費に占める割合と、具体的な作業内容についても解説します。
仮設工事費用
総工費の約1割〜2割を占める仮設工事費用は、足場・養生シートの設置にかかる費用を指します。
仮設工事費用には、仮設トイレや工事用の電気・水道の設置なども含まれます。職人が安全に解体作業を行い、近隣に迷惑をかけることなく工事を進めるために必須の費用です。
解体工事費用
総工費の約3割〜4割を占める解体工事費用は、家そのものの解体にかかる費用を指します。
前述した坪単価で大まかな目安を計算することが可能で、70坪の家の場合には約140万円〜420万円が相場です。
なお、前述したとおり、敷地内に家以外の構造物がある場合には、その撤去費用として「付帯工事費用」が発生します。
付帯工事費用は家の解体費用とは別途必要になるため、見積もりの際には注意が必要です。
廃棄物の処分費用
総工費の約4割〜5割を占める廃棄物の処分費用は、解体工事に伴って発生する廃材を処分するために必要な費用です。
解体工事の際のごみは「産業廃棄物」として処分する必要があるため、家庭ごみや粗大ごみとして排出するよりも処分費用が高額になります。
主な廃材の種類と、処分費用は以下でまとめています。
廃材の種類 | 処分費用(㎥あたり) |
コンクリートガラ(コンクリートの瓦礫) | 5,000円~ |
タイル・ガラス | 2万5,000円~ |
石膏ボード | 1万5,000円~ |
木くず | 5,000円~ |
整地費用
総工費の約1割を占める整地費用は、敷地を綺麗に整えるために必要な費用で、1平米あたり約1,000円が目安です。
土地を平らにならす作業のほか、地中に埋設物がないかを確認する作業なども含まれます。
雑草や樹木を取り除く必要がある場合や、地盤改良が必要な場合、段差や斜面があり作業が難しい場合にも費用は高額になります。
諸経費
総工費の約1割を占める諸経費には、測量・調査のほか、工事車両の駐車料金、公的機関への申請・手続き費用などが含まれます。
解体工事後、地中埋設物が見つかった場合には、その撤去費用が諸経費として計上されることもあります。
撤去費用は埋設物の内容や量などによって変わるため、解体業者と相談しながら工事を進めると安心です。
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70坪の家の解体費用が高額になる5つのケース
家の解体費用は、解体業者によって見積もりの金額に差があることが大半です。その要因として、家の大きさや構造が関係することに加えて、地域ごとの差や廃材の量などが関係します。
ここでは70坪の家の解体費用が高額になるケースとして、以下の5つをご紹介しましょう。
▼70坪の家の解体費用が高額になる5つのケース
- 首都圏の家の場合
- 地中埋設物が見つかった場合
- 重機を使用しにくい場合
- 撤去作業・廃棄物が多い場合
- アスベストが含まれる場合
一つずつ解説します。
首都圏の家の場合
解体費用は地方になるほど安くなり、首都圏ほど高額になる傾向にあります。
これは首都圏の人件費や重機のレンタル料が高く、隣家との距離が近いため作業効率が低下することが理由です。
また、産業廃棄物の処分費用も都市部の方が高額になるため、相場よりも解体費用が高くなるケースが多くなります。
地中埋設物が見つかった場合
解体工事後、地中埋設物が発見された場合には、その撤去費用として追加料金がかかる場合があります。
地中埋設物とは、古い家で使われていた基礎部分や、木片・コンクリート片などの瓦礫を指します。
地中埋設物の有無は事前調査では発見が難しく、解体工事後の整地の段階で見つかるケースも少なくありません。その場合には、見積もりには記載されていない追加料金が請求される可能性もあります。
重機を使用しにくい場合
立地の関係で重機が使用できず手作業が多くなる場合や、重機を使った作業効率が低下する場合には、工期が長引くことで人件費・重機費用が高額になります。
隣家との距離や家の前の道路の広さによっては、重機が全く使用できないケースもあります。
その場合には全ての解体工事が手作業となるため、通常の2倍以上の工事費用が発生することも少なくありません。
また、斜面に位置する家など、重機の作業効率が落ちる場合も費用上昇の原因となります。
撤去作業・廃棄物が多い場合
撤去が必要な外構や、家の中の残置物などが多い場合にも、解体費用が高額になる可能性が高まります。
外構の撤去費用や廃材の処分費用は、量に比例して高額になるため、敷地が広く塀や花壇などの構造物が多い場合や、家の中に家具が残っている場合などには注意が必要です。
家庭ごみや粗大ごみとして処分できる残置物の場合にも、解体工事で処分すると産業廃棄物の扱いになることから、処分費用は高額になります。
アスベストが含まれる場合
相続した古い実家などの解体で、建材にアスベストが含まれていることが判明した場合、除去費用が高額になるケースがあります。
アスベストを含む家の解体では、1平米あたり2万円~8.5万円の除去費用が上乗せされるほか、自治体への届出が必要になることもあります。
アスベストの有無は見積もりの際の現地調査で調べることが可能なため、事前に解体業者に確認しておくと安心です。
家の解体では、今回ご紹介したように思わぬ出費がかかる可能性があります。後述しますが、解体費用がない場合は補助金などを使うことも検討できます。
私の家の解体費用はいくら?
70坪の家の解体費用を相場より安く抑える5つのコツ
70坪の家の解体工事では、建物の構造によっては400万円以上の費用が必要になるケースもあります。
高額な解体費用を安く抑えるためには、以下の5つの方法で費用削減を行うのが効果的です。
▼70坪の家の解体費用を相場より安く抑える5つのコツ
- 相見積もりを取り寄せる
- 解体業者の繁忙期を避ける
- 家庭ごみや粗大ごみを処分しておく
- 役所への申請・届出を自分で行う
- 自治体の補助金を受ける
それぞれのコツを詳しく紹介しましょう。
相見積もりを取り寄せる
解体費用の見積もりを取り寄せる際には、1社のみではなく、必ず複数の会社から相見積もりを取りましょう。
解体費用は業者によっても金額に差があることに加え、1社のみでは相場が把握できないリスクもあります。
2社〜3社以上の解体業者に現地調査を依頼して、ご自身のケースではどのくらいの解体費用が相場になるのかを把握してから、依頼する会社を選ぶと安心です。土地活用を検討されている方は、プロに相談してみることもおすすめです。
解体業者の繁忙期を避ける
公共工事が集中する12月〜翌年3月頃の年度末は、解体業者にとっての繁忙期となるため、解体費用が高めになる可能性があります。
そのため解体費用を可能な限り抑えるためには、新年度以降の時期に依頼すると良いでしょう。
また、気候が安定してトラブルが起きにくい時期の方が解体費用は安くなる傾向にあるため、真夏・真冬を避けた初夏や秋口のタイミングを検討することをおすすめします。
家庭ごみや粗大ごみを処分しておく
解体する家はできるだけ空にしておき、庭の樹木や雑草も取り除いておくと、解体費用を削減できるケースがあります。
特にエアコン・テレビ・食器などの家財は、ご自身で処分した方が処分費用が安くなる可能性が高いです。
一方で大型のタンスやテーブルなど、粗大ごみとして排出するのが難しい場合には、解体業者に処分を依頼した方が安価になることもあります。
役所への申請・届出を自分で行う
解体工事で必要となる建設リサイクル法の申請、道路使用許可申請書の届出などをご自身で行うことにより、解体費用を抑えられるケースがあります。
解体工事後には、1ヶ月以内に法務局で「建物滅失登記」を行う必要がありますが、この手続きも専門家に依頼せずにご自身で行うことで、約5万円の費用削減ができる可能性もあります。
自治体の補助金を受ける
お住まいの自治体の補助金を受けることで、解体費用の負担を抑えられる可能性もあります。
ただし解体費用の補助が受けられる要件として、空き家や倒壊の危険性がある家屋に限定されているケースが多くなります。
予算や申請枠の上限を設けている自治体もあるため、各自治体の窓口や解体業者に問い合わせてみると良いでしょう。
少しでも解体費用を抑えることができれば、その土地で行う土地活用や土地の売却益によって大きな利益を手にすることができます。
70坪の家の解体費用は約140万円〜420万円が相場
70坪の家の解体にかかる費用は、木造の場合で約140万円以上、鉄骨造の場合で約210万円以上、RC造の場合で約280万円以上が相場です。
撤去が必要な外構がある場合や、廃材が多く産業廃棄物の処分が必要な場合には、相場よりも高額になるケースも考えられます。
解体費用を安く抑えるためには、複数の解体業者からの見積もりを取り、家庭ごみとして排出できるものはご自身で処分しておくなどの対策が効果的です。
また、自治体のHPで最新情報をチェックして、利用できる補助金がないかを確認すると良いでしょう。
私の家の解体費用はいくら?