ネットなどで「ワンルームマンションは儲からない」「ワンルームマンションはやめておいたほうが良い」といった趣旨の情報を見たことがある人もいるかもしれません。
ワンルームマンションのオーナーになることを検討している人にとっては、うわさが本当なのか、実際のところ儲からないのか、といったところが気になるでしょう。
そのため本記事では、ワンルームマンションのオーナが儲からないと言われる理由やサブリース契約などについて解説しています。
ワンルームマンションオーナーが儲からない理由とは
本章では、「ワンルームマンションは儲からない」と言われる理由について解説しています。その理由とは以下の通りです。
- 利回りが低いため
- 空室になると収入がなくなるため
- 物件の購入後に資産価値が下がるため
- 修繕費用を視野に入れず始めてしまうため
利回りが低いため
ワンルームマンションが儲からないと言われる理由の一つ目は、他の不動産投資と比べて利回りが低く、得られるリターンが少ないためです。
ワンルームマンションの利回りは都心で4%~8%であり、一方で地方のアパートなどでは7%~8%が相場となっているところもあります。そのため、この利回りを見てワンルームマンションよりもアパート経営などのほうが儲かりそうと思うのも無理はないでしょう。
実際利回りの低さに加えて、管理費や修繕積立費用、税金などの諸経費を差し引くと、手元に残る収入が殆どないというケースもあり得ます。
空室になると収入がなくなるため
ワンルームマンションが儲からないと言われる理由として、空室が発生すると収入がゼロになるという点が挙げられます。一部屋のみでの経営の場合、その部屋から入居者が退去してしまえば当然家賃収入が得られません。
しかし、実際にはこれだけでは儲からないと判断できる材料にはなりません。ワンルームマンションの場合、都心部の駅近で、利便性の高い物件であればすぐに空室は埋まります。
そのためもし空室になった場合、次の入居者がなかなか決まらず空室に悩まされることになるのは、どちらかと言えばワンルームマンションよりもアパート経営などのほうです。
物件の購入後に資産価値が下がるため
次にワンルームマンションが儲からないと言われる理由は、ワンルームマンションは購入後に資産価値が下がると思われているためです。
これについて、新築物件の場合はまだ誰も住んだことのないという付加価値がついているため、その新築プレミアムが無くなり資産価値も下がる可能性があります。
ただし、中古の物件の場合は既に一定の年数が経過しているため、災害などがない限り資産価値が急に下がることはありません。
修繕費用を視野に入れず始めてしまうため
ワンルームマンションを修繕費用を視野に入れずに初めることが、「儲からない」と感じてしまう理由の一つです。
ローンの返済や管理費などの固定費に注目するあまり、修繕費などの不定期に発生する費用にまで配慮できていないことが多々あります。
また、中古物件の場合は新築に比べて修繕費用を必要とするタイミングが早いです。資金不足のまま修繕が必要になると、予想外の出費に金銭的な負担を感じるようになるのです。
ワンルームマンションではサブリースを信用しすぎない
不動産投資について詳しくない人の中には、サブリースはオーナーにとって無条件で優しい契約という誤った認識を持った人がいるかもしれません。
それは大きな間違いで、サブリースを過信すると痛い目を見ることになるでしょう。
当初の金額が保証され続けるわけではない
サブリースを信用しすぎてはいけない一番大きな理由は、当初の家賃保証の金額のままずっと同じ額である保証がないためです。
一定期間後に契約内容の見直しが行われ、賃料の保証額について減額されるといったケースが良くあります。
サブリース新法により、賃料の保証が永年ではないことについて、説明の義務が生まれましたが、事前に家賃保証については詳しく調べておくのが得策でしょう。
サブリース会社倒産のリスクがある
想定より空室率が高くなりその分収入が減った結果、最悪の場合サブリース会社が倒産してしまうリスクがあります。
サブリースの契約をしている場合、入居者はサブリース会社に家賃を支払い、そこからオーナーが家賃を受け取る仕組みなので、サブリース会社が倒産した場合オーナーは家賃収入を得ることができません。
そうなった場合は入居者に状況説明を行ない、直接家賃を請求するなどの手続きや、新しい管理会社に相談するなどの負担がオーナーにかかることになります。
好きなタイミングで売却ができない
サブリースには契約期間があり、その期間中は例え自分の所有するマンションであろうと勝手に売却することができません。
そのため、家賃保証が減額したりマンションの市場価格が上がったりするタイミングで売却したくても、契約の解除をしない限り売却はできません。
契約途中に解約する場合は違約金が発生する可能性もあるため、サブリース契約をしてしまうと好きなタイミングで物件を売却することが難しいということを覚えておきましょう。
自主管理より収入が下がる
サブリース契約では空室時の家賃保証の代わりに手数料が高めに設定されていて、オーナーに支払われる賃料は実際に入居者が支払う分よりも1割~2割ほど少なくなっています。
また、更新料や礼金などの家賃以外の収入もサブリース会社の収入となるため、オーナーに支払われることがほとんどありません。
そのため、ワンルームマンションでサブリース契約を行なうと手元に残るお金が少なく、支出も考えるとごくわずかな利益となることも多いのです。
ワンルームマンションオーナーのメリット
ワンルームマンションのオーナーになることで、以下のようなメリットが得られます。
- 初期費用を少なく投資を始められる
- 老後に向けた資産形成ができる
- 節税効果を期待できる
初期費用を少なく投資を始められる
他の不動産投資と比べてワンルームマンションの場合、物件価格が比較的低いため初期費用(購入費用)を抑えることができます。
当然ある程度の自己資金は所有しておくべきですが、金融機関から融資を受けられれば月々の支払いを家賃収入から充てることができます。
老後に向けた資産形成ができる
不動産投資の本来の目的と言えば、老後に向けた資産形成というところにあります。通常ローンを組んで物件を購入し、家賃収入にから毎月の支払いに充てるため、すぐにお金が溜まっていくものではありません。
しかし、修繕費や税金などの各種経費がかかるものの、数十年後には投資金額より大きな資産を得られています。ワンルームマンション経営は、小さなリスクで長期的な資産形成を狙うことができるのです。
節税効果を期待できる
減価償却費による節税効果もメリットの一つです。購入したマンションの代金は、法定耐用年数によって減価償却の項目によって処理されます。減価償却では、購入したマンションそのものが経費の対象になるといったイメージです。
また、遺産相続の際の相続税について、現金よりも不動産として評価された方が評価額が下がるため、相続税の節税にもなるのです。
ワンルームマンション投資の基本
市場調査
ワンルームマンション投資を始める前に、まずは市場の動向をしっかりと把握することが大切です。
どのエリアに需要が高いのか、またどのような物件が人気なのかを知ることで、効果的な投資が可能となります。
資金計画
投資には資金が必要です。物件の購入価格だけでなく、リフォーム費用や管理費、固定資産税などのランニングコストも考慮に入れて、しっかりとした資金計画を立てることが重要です。
リスク管理
ワンルームマンション投資にはリスクも伴います。
例えば、空室リスクや入居者トラブルなど。これらのリスクを最小限に抑えるための対策を練ることが求められます。
物件選び
成功の鍵は、良い物件を選ぶことです。
立地や建物の状態、設備など、多くの要素を考慮して物件を選ぶ必要があります。
賃料設定
市場の動向や物件の条件に合わせて、適切な賃料を設定することが大切です。
高すぎると入居者がつかず、低すぎると収益が上がらないため、バランスが求められます。
管理会社の選び方
物件の管理は専門的な知識が必要です。
信頼できる管理会社を選ぶことで、安心して投資を続けることができます。
長期的な視点
ワンルームマンション投資は、短期間でのリターンを求めるものではありません。長期的な視点での運用を心掛けることが、成功への道と言えるでしょう。
ワンルームマンション投資は、適切な知識と戦略があれば、高い収益を期待できる投資方法です。しかし、リスクも伴うため、しっかりとした準備と継続的な学びが必要です。
ワンルームマンションの選び方
成功するためには、適切な物件を選ぶことが大切です。
立地や建物の品質、価格と収益性のバランスを考慮して、最適な物件を選びましょう。
立地条件のチェックポイント
駅近や商業施設が近くにあるなど、生活に便利な立地を選ぶことで、入居者の満足度を上げることができます。
建物の品質と設備
新築や築浅の物件は、入居者からの評価が高い傾向にあります。
また、設備が充実している物件も人気があります。
価格と収益性のバランス
物件価格と将来の賃料収入のバランスを見極めることで、効果的な投資が可能となります。
まとめと今後の展望
ワンルームマンション投資は、適切な知識と戦略があれば、高い収益を期待できる投資方法と言えるでしょう。
しかし、リスクも伴うため、しっかりとした準備と継続的な学びが必要です。これからもワンルームマンション市場は拡大が期待されるため、チャンスを掴むために、日々の学びを大切にしましょう。
F&Q
ワンルームマンション投資の初期費用はどれくらい?
ワンルームマンション投資の初期費用は、物件の価格、仲介手数料、登記費用、諸経費などを合計した金額となります。
一般的には、物件価格の10%〜15%程度が初期費用として必要とされることが多いです。
空室率を下げるための方法は?
空室率を下げるためには、物件の立地や設備を良くする、適切な賃料設定をする、定期的なリフォームや清掃を行うなどの方法があります。
また、信頼できる管理会社との連携も重要です。
ワンルームマンションのメンテナンスにはどれくらいの費用がかかる?
メンテナンス費用は、物件の築年数や設備の状態によって異なります。
一般的には、年間で物件価格の1%〜3%程度がメンテナンス費用としてかかると言われています。
立地条件の良い物件はどのように見つける?
立地条件の良い物件を見つけるためには、不動産情報サイトや不動産会社の情報を活用するのが効果的です。
また、実際に現地を訪れて、周辺環境やアクセスの良さを確認することも大切です。
ワンルームマンションの将来的な価値はどうなる?
ワンルームマンションの将来的な価値は、物件の立地や築年数、市場の動向などによって変動します。
都心部や交通の便が良いエリアの物件は、将来的な価値が下がりにくいと言われています。しかし、不動産投資はリスクも伴うため、定期的な市場調査と分析が必要です。