3階建てアパートの建築費を紹介!3階建てならではの特徴についても解説

埼玉県所沢市(郊外)在住の50代・男性
「相続した土地に3階建てのアパートを建てようか迷っています。2階建てより費用が高くなるとは聞きましたが、実際にいくら上乗せになるのか、坪単価の相場すらよくわかっていません。」

「3階建てにしても、床が1層増える分だけ費用が上がるだけだろう」と思われがちですが、実態は異なります。3階建てアパートは建築基準法上の区分自体が2階建てと変わるため、坪単価の上がり方も費用の内訳の中身も変わってきます。

この記事では、3階建てアパートの坪単価・総額の相場、2階建てとの違い、費用の内訳、追加でかかる費用、実際の建築例を順に解説します。読み終える頃には、ご自身の土地でどのくらいの費用感になるか、判断できる状態になっているはずです。

【シミュレーター設置】私の建築費は?

目次

3階建てアパートの建築費はいくら?坪単価と総額の相場

建築費は坪単価×延べ床面積で計算できる

3階建てアパートの建築費は、木造では56万円〜73万円、鉄骨造では83万円〜108万円が1坪あたりの相場です。まずは構造別の坪単価を確認しましょう。

▼構造別の坪単価相場(3階建てアパート)

構造坪単価の目安
木造56万円〜73万円
鉄骨造83万円〜108万円
鉄筋コンクリート造(RC造)83万円〜108万円
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)96万円〜125万円

※本表は公的な統計データではなく、3階建てアパートの坪単価傾向を、監修者(石川龍明|業界経験20年以上・コンサル実績440件以上)の実務経験をもとに整理したものです。実際の坪単価はエリア・仕様・地盤条件により異なります。

木造なら一番安く建てられるってこと?

坪単価だけを見ると木造が最安ですが、坪単価は建物本体工事費のみを示した数値です。100坪の土地に3階建てアパートを建てる場合、木造では1億80万円〜1億3,140万円、鉄骨造では1億4,940万円〜1億9,440万円が総額の目安になります(建ぺい率60%で試算)。

▼階数別の建築費総額比較(100坪・建ぺい率60%の場合)

構造2階建て3階建て
木造6,720万円〜8,760万円1億80万円〜1億3,140万円
鉄骨造9,960万円〜1億2,960万円1億4,940万円〜1億9,440万円
RC造9,960万円〜1億2,960万円1億4,940万円〜1億9,440万円
SRC造1億1,520万円〜1億5,000万円1億7,280万円〜2億2,500万円

※坪単価×延べ床面積による単純計算での試算です。構造間の坪単価差はそのまま反映していますが、実際の総額は地盤条件・仕様グレードにより変動します。

坪単価は、建物が頑丈になるほど、また都心部に近いほど高くなる傾向があります。詳しい相場の考え方は以下の記事もあわせてご覧ください。

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坪単価×延べ床面積で概算する方法

アパート建築費は、坪単価×延べ床面積で概算できます。仮に10坪の部屋が9部屋ある木造3階建てのアパートを建てる場合、(10坪×9部屋)×56万円〜73万円/坪=5,040万円〜6,570万円となります。

坪単価だけで建築会社を比較すると、実際の請求額とのズレに驚くことがあります。坪単価で計算できるのは本体工事費のみで、このあと解説する付帯工事費・諸費用が別途、総額の2〜3割ほど上乗せされます。見積もりを受け取る際は、坪単価表示の金額が本体工事費なのか総額なのかを先に確認しておきましょう。

坪単価を使うときの確認ポイント【まとめ】
  1. 見積もりの適正チェックに使う
    提示された坪単価が構造別の相場から大きくかけ離れていないかを確認する
  2. 総建築費の概算に使う
    「坪単価×延べ床面積」で本体工事費の目安を計算できる
  3. 総額での比較とセットにする
    本体工事費が安くても、付帯工事費・諸費用が高ければ総額は変わらない
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

坪単価の安さだけで構造を決めるのは避けてください。

坪単価は本体工事費のみの数値であり、地盤条件や仕様グレードによって付帯工事費・諸費用の割合が変わるため、同じ坪単価でも総額に差が出ます。

必ず「総額でいくらか」を複数社に提示させたうえで比較してください。

3階建てが2階建てと大きく異なる2つの特徴

3階建てアパートの建築費が2階建てより高くなる背景には、法律上の要件の違いがあります。押さえておくべき2つのポイントを確認しましょう。

3階建てアパートは耐火建築物にしなければならない

3階建てアパートは建築基準法により、耐火建築物にしなければなりません。耐火建築物とは、主要部分に耐火性能のある材質が使われた建物のことです。

耐火建築物とは、火災発生時に主要部分が入居者の避難まで燃え落ちることなく性能を維持できる建物のことです。この耐火性能は2階建てアパートには求められません。

耐火建築物には、主要な柱や梁に鉄骨・鉄筋コンクリートなどの耐火材料を使い、外壁や軒裏にも一定の耐火性能を持たせる必要があります。この仕様上の要求水準の高さが、3階建ての坪単価が2階建てより高くなる主な要因です。なお、耐火建築物の条件は満たさないものの、それに準じた性能を持つ建物は「準耐火建築物」と呼ばれます。

「予算内に収まっているから大丈夫」と安心していると、後から耐火性能を満たすための仕様変更で数百万円単位の追加費用が発生することがあります。プラン提示の初期段階で、耐火建築物としての要件を満たした金額かどうかを建築会社に確認しておきましょう。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「耐火建築物の要件は、プランの初期段階で織り込まれているかどうかで総額が大きく変わります。

後工程で仕様変更が発生すると、追加コストだけでなく着工時期の遅れにもつながります。

見積もり提示の時点で「耐火建築物の基準を満たした金額か」を必ず確認してください。

木造は「木三共」の設計基準を確認する

木造で3階建てのアパートを建築する場合は、設計基準をよく確認しましょう。木造3階建て共同住宅は「木三共」と呼ばれる特殊な建築物で、4つの基準を満たして準耐火建築物として認められる必要があります。

木三共って、木造だと基本建てられないってこと?

以前はかなり厳しい基準として認識されていましたが、2019年の法改正により木造3階建てアパートを建築できる可能性は広がりました。木三共の基準さえクリアできれば、木造でも耐火建築物並みの安全性を確保しながら坪単価を抑えられます。

ただし、木三共の基準は延焼防止性能や避難経路の確保など専門的な項目が多く、すべての建築会社が対応できるわけではありません。木造3階建てを検討する場合は、木三共の設計実績がある建築会社かどうかを事前に確認することが重要です。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「木造で坪単価を抑えたい場合、木三共の設計実績がある会社を選べるかどうかが成否を分けます。

実績が乏しい会社に依頼すると、設計段階で基準を満たせず仕様変更や追加費用が発生しやすくなります。

相談時に「木三共の設計・施工実績が何件あるか」を必ず質問してください。

3階建てアパートの建築費用内訳(本体・付帯・諸費用)

アパートの建築費は、本体工事費・付帯工事費・諸費用の3つに分けられます。全体の構成比を見てから、それぞれの中身を確認していきましょう。

【図解】建築費総額に占める内訳の割合

本体工事費約80%
付帯工事費約10〜20%
諸費用約10%

※本図は公的な統計データではなく、監修者(石川龍明|業界経験20年以上・コンサル実績440件以上)の実務経験をもとに整理した目安の比率です。

本体工事費

本体工事費とは、アパートそのものを建築するときにかかる費用のことで、建築費総額のうち約80%を占めます。一般的に「建築費」として表示されている金額も、多くの場合この本体工事費を指しています。

本体工事費には、基礎工事や仮設工事といった躯体工事費、内外装や塗装・建具工事などの仕上げ工事費、電気・給排水設備などの設備工事費が含まれます。実際のアパート建築費は、このあと紹介する付帯工事費・諸費用が加わるため、本体工事費の金額よりも必ず多くなる点に注意してください。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「見積書の『建築費』という表記が、本体工事費だけを指しているケースは少なくありません。

付帯工事費・諸費用が別枠になっていることに気づかず契約すると、想定より2〜3割高い総額になって驚くことがあります。

見積書の表紙だけでなく、内訳明細まで必ず確認してください。

付帯工事費

付帯工事費とは、本体工事費とは別に必要になる工事費用のことで、建築費総額のうち約10〜20%が目安です。

付帯工事費には、水道・ガス・電気といったインフラ整備の工事費や、冷暖房・塀・門扉・カーポートなどを設置するための工事が含まれます。3階建ての場合はエレベーター設置を検討するケースもあり、その分だけ付帯工事費の割合が高くなりやすい点も押さえておきましょう。

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石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「付帯工事費は敷地の形状や周辺インフラの整備状況によって変動幅が大きい項目です。

特に前面道路が狭い土地や、上下水道の引き込みが必要な土地では、付帯工事費が目安の20%を超えることもあります。

見積もり時に「この土地特有で追加になる付帯工事はあるか」を必ず質問してください。

諸費用

アパート建築には本体工事費・付帯工事費のほかに、税金や保険料などの諸費用が発生し、建築費総額の約10%が目安とされています。

アパート建築をすると、不動産取得税・印紙税・登録免許税といった税金がかかります。また、アパートローンの手数料や解体費、設計料なども諸費用に含まれます。それぞれの費用が目安を超えている場合、建築プラン自体が割高になっている可能性があるため、届いたプランの内訳までしっかり確認しましょう。

建築費内訳を確認するときのポイント【まとめ】
  1. 本体工事費
    総額の目安は約80%。「建築費」の表示がこの金額だけを指していないか確認する
  2. 付帯工事費
    総額の目安は約10〜20%。土地の条件によって割合が上下しやすい
  3. 諸費用
    総額の目安は約10%。税金・ローン手数料・設計料などが含まれる

3階建てアパート特有の追加費用(地盤調査・杭工事)

3階建てアパートでは、建物の重量が増えることにともない、地盤の状態によって追加の費用が発生することがあります。最初からプランに含まれていることもあるため、内訳をしっかり確認しておきましょう。

ボーリング調査費

3階建てになると建物の重量が増えるため、地盤の弱い土地では地盤の強さをはかる調査や地盤改良工事が必要になります。もっとも一般的な調査がボーリング調査です。

ボーリング調査とは、地中の性質や杭工事に必要な杭の長さを決めるために行う調査のことです。測定箇所数や地層によって費用に差が出ますが、1ポイントあたり15万円〜25万円程度が相場です。この調査結果次第で、次に解説する杭工事の要否や費用が決まります。

なお、ボーリング調査はかなり大掛かりな調査のため、狭い土地では実施できないケースがあります。その場合は簡易的な地盤調査で代替されることもあるため、事前に建築会社へ確認しておくと安心です。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「地盤調査の結果は契約後に判明することも多く、そこから追加費用が発生するケースが後を絶ちません。

周辺で液状化・軟弱地盤の履歴がないかを事前に自治体のハザードマップで確認しておくと、大まかな傾向がつかめます。

契約前に「地盤調査の結果次第で費用が変わる可能性」を建築会社と共有しておいてください。

杭工事

ボーリング調査を実施し、地盤の改良が必要と判断された場合は杭工事が必要になります。杭工事とは、地盤の弱い土地が建物の荷重に耐えられるように杭を打ち込む基礎工事のことです。

杭工事の費用は、アパート建築費総額の約10%が相場で、工期は1週間〜10日ほどが目安です。ボーリング調査で決定した長さの杭を、事前に地盤へ打ち込みます。

杭工事が必要と分かってから慌てて予算を組み直すと、資金計画そのものが崩れてしまいます。杭工事の費用(総額の約10%)を最初から予備費として見込んでおくことで、想定外の予算超過を避けられます。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「杭工事の要否は土地ごとに大きく異なるため、隣地の事例をそのまま当てはめて判断するのは危険です。

同じ町内でも地層が数メートル単位で変わることがあり、隣の土地で杭工事が不要でも自分の土地で必要になるケースがあります。

必ず自分の土地でボーリング調査を実施したうえで予算を確定させてください。

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3階建てアパートの建築例

ここまで解説してきた坪単価・内訳・追加費用が、実際にどのような形で建築費に反映されているのか、3つの事例で確認していきましょう。

例1.相続した狭小地に建てた木造3階建てアパート

  1. 性別・年齢:男性・50代
  2. 坪数・建築費:35坪・4,100万円
  3. 構造・部屋数:木造・12戸
  4. 目的:相続した狭小地での老後の資産形成
  5. こだわりのポイント:学生が多い地域のため、ファミリー層より学生・単身者をターゲットに設計

狭い土地を有効に活用するため、部屋の広さより戸数を重視し、若者受けする設計にしています。部屋数を増やして収益を上げつつ、ターゲットを絞った設計にすることで、入居者も見込みやすくなる好例です。

例2.遊休地を活用した鉄骨造3階建てアパート

  1. 性別・年齢:女性・40代
  2. 坪数・建築費:50坪・7,900万円
  3. 構造・部屋数:鉄骨造・9戸
  4. 目的:使っていない土地の活用
  5. こだわりのポイント:共用部分を最小限にして部屋数を確保し、採光と通風の良さを重視

共用部分を最小限にすることで部屋数を多く確保し、収入を上げる工夫をしています。採光・通風の良さにもこだわり、入居者の住みやすさを意識した設計になっている点も特徴です。

例3.兼業大家として建てた軽量鉄骨造3階建てアパート

  1. 性別・年齢:男性・30代(会社員との兼業大家)
  2. 坪数・建築費:90坪・6,200万円
  3. 構造・部屋数:軽量鉄骨造・11戸
  4. 目的:使っていない土地の活用
  5. こだわりのポイント:ペット可・浴室乾燥機など満室狙いの設備を充実。台風対策で全室シャッター設置

ペット可・浴室乾燥機・遮音性の高い壁床・全室シャッターなど、入居者のさまざまなニーズに対応し、満室を狙った設計にしています。90坪という土地の広さを活かし、複数の施策を組み合わせてニーズを満たしている事例です。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「3つの事例に共通するのは、建築費の高さを『部屋数・設備・ターゲット設定』でどう回収するかを先に設計している点です。

3階建ては初期費用がかさむ分、収益設計を後回しにすると回収期間が長引きます。

坪単価・内訳を確認したら、次は同じ土地条件でのターゲット層と稼働率の想定まで、建築会社と一緒に詰めてください。

建築事例から、自分の土地に近い規模を調べる

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3階建てアパートは収益性重視なら検討価値あり【まとめ】

3階建てアパートは、耐火建築物としての要件や地盤改良工事があるため、建築費が高額になり、建築期間も長くなりやすいという側面があります。しかし、これらを差し引いても、床面積を確保しやすく収益性が高い点から、検討する価値のある選択肢です。木造でも木三共の基準を満たせば3階建てが可能なため、高利回りのアパート経営を実現できる可能性もあります。

今日からできる3つの確認アクション
  1. 坪単価と耐火建築物・木三共の要件を確認する
    提示された坪単価が本体工事費のみか、耐火建築物の基準を満たした金額かを確認しましょう。
  2. 本体・付帯・諸費用を含めた総額で見積もりを取り寄せる
    複数社から総額ベースの見積もりを比較し、内訳の妥当性を確認しましょう。
  3. 地盤調査(ボーリング調査)の要否を早めに確認する
    杭工事が必要になった場合の予備費(総額の約10%目安)も含めて資金計画を立てましょう。

収益性の高い3階建てアパートを建てるためには、良い建築パートナーを見つけることが欠かせません。ぜひイエウール土地活用を利用して、あなたの土地で最も収益性の高くなる建築プランを見つけましょう。

よくある質問

Q1. 3階建てアパートの坪単価はどれくらい?

木造では56万円〜73万円、鉄骨造では83万円〜108万円が1坪あたりの相場です。100坪の土地に建てる場合、木造で1億80万円〜1億3,140万円、鉄骨造で1億4,940万円〜1億9,440万円が総額の目安になります(建ぺい率60%で試算)。

Q2. 3階建てが2階建てと異なる点は?

主に2点あります。

  1. 耐火建築物にしなければならない:2階建てには求められない耐火性能が必須になる
  2. 木造は木三共の設計基準を確認する:木造3階建て共同住宅特有の4つの基準を満たす必要がある

Q3. 地盤調査や杭工事は必ず必要?

すべての土地で必要になるわけではありません。地盤が弱いと判断された場合にボーリング調査(1ポイント15万円〜25万円程度)を行い、その結果次第で杭工事(総額の約10%が目安)が必要になります。狭い土地ではボーリング調査自体が実施できないこともあるため、建築会社に事前確認しておくと安心です。

\ この記事の編集者 /

イエウール土地活用編集部

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