マンション経営の収入をシミュレーションしよう!支出と収入にはどんなものがある?

マンション経営の収入をシミュレーションしよう!支出と収入にはどんなものがある?

マンション経営ではどのくらいの収益が見込めるでしょうか。実際に手元に残る金額を知る際は、収入と支出についてしっかりと理解する必要があります。

また、マンション経営を始めるつもりの人は、儲けたい・収入を増やしたいという考えの人が多いでしょう。

そのため本記事では、マンション経営の収入について支出を考慮したシミュレーションや、収入を上げる方法の紹介などを行なっていきます。

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マンション経営の収入の収入については以下の記事をご覧ください。

マンション経営の収入はいくら?内訳や収入を増やす方法を解説

マンション経営で得られる収入

マンション経営の収入をシミュレーションする際は、得られる収入と発生する支出について理解しておく必要があります。

本章では得られる収入について解説します。

マンション経営の収入項目

マンション経営の主な収入源は家賃収入ですが、それ以外にも存在します。以下はマンション経営で得られる収入です。

  • 家賃収入
  • 礼金・更新料
  • 駐車場代
  • 管理費・共益費

家賃収入

入居者が毎月オーナーに支払う家賃収入が主な収入源です。前月末までの前払いが基本であり、オーナーは賃料の振り込みを確認する必要があります。

部屋の回収や間取り、空室具合によって収入額は変わりますが、家賃収入についてはオーナー側が確実に把握してくことが大切です。

礼金・更新料

新しく入居が決まった際に支払われる礼金も収入の一つです。これは入居者から支払われる謝礼金のことで、一般的には家賃の1ヶ月~2ヶ月分とされています。

また、すでに入居している人の賃貸契約の更新時に合わせて支払われる更新料も収入となります。更新料の相場も賃料の1ヶ月~2ヶ月分です。

駐車場代

駐車場・駐輪場の賃料も収入となります。駐車場賃料は家賃と合わせて支払われることが多いです。

当然契約している入居者としていない入居者が存在するため、オーナーは何人が駐車場の契約をしているのかを覚えておく必要があります。

管理費・共益費

管理費・共益費もオーナーの収入であり、家賃に含めるケースもあります。

管理費や共益費はそれぞれ、不動産全体や共用部を管理するために使われることが一般的です。

マンション経営の平均収入


マンション経営の収入は、空室率や家賃の設定次第ではありますが、平均が500万円~600万円となっています。令和2年度の国税庁調査においては、マンションオーナーを含む不動産所得者の平均収入は約540万円です。

(参考:令和2年分申告所得税標本調査(国税庁))

不動産経営全体の数字であるため、マンションに限定したものではないのですが、マンション経営は不動産ビジネスを代表するものであるため、大きな差はないと言えるでしょう。

マンション経営の支出

マンション経営には、初期費用や維持費用、不定期に発生する費用など、さまざまな支出があります。支出を経費計上するということは収入を増やすという観点で重要になります。

収入のシミュレーションをするためにも、支出について理解しておく必要があります。

マンション経営で支出になるもの

以下がマンション経営で支出となるものです。

  • 月々のローン返済と利息
  • 管理委託料
  • 仲介手数料
  • 建物の修繕費
  • 建物の保険料
  • 所得税と住民税
  • 固定資産税と都市計画税
  • 区分マンションの管理費・修繕積立金
  • 一棟マンションの建物維持管理

月々のローン返済と利息

毎月の家賃収入から決められた額をローンの返済に充て、利息と元本を返済していきます。

建築費用やマンションの修繕費用などを考慮すると初期費用は高額になるため、金融機関からの融資で初期費用を賄うオーナーが多いです。

管理委託料

マンション経営には初期費用のみではなく維持費用もかかります。その中でも、マンションの管理を管理会社に依頼した場合にかかる管理委託料は代表的なものです。

管理委託料は家賃収入の3%~8%が一般的な目安となっていて、マンションを一棟ごと所有してる場合は管理会社に委託することが多いです。

仲介手数料

入居者の募集を不動産会社に依頼した場合、仲介手数料がかかります。料金の目安は家賃収入の半月分~1ヶ月分です。

なお、仲介手数料は空室に入居者が決まった際に発生する費用なので、一定期間ごとに支払い続けるものではありません

建物の修繕費

建物は年月とともに劣化して傷みが出るため、定期的に修繕費用がかかります。料金の目安は家賃収入の10%~15%が建物の修繕費・設備交換費用です。

住民のためにも少なくとも1年に1度はかかる費用と見積もっておくと良いでしょう。築年数が経過するにつれて修繕費や交換費が高くなっていくことに気を付けましょう。

建物の保険料

維持費用としては、定期的にかかる費用だけではなく不定期でかかるものもあります。例えば、火災保険・損害保険・地震保険などの建物にかかる保険料は、年単位・もしくは月単位で支払うパターンがあります。

保険料の相場は建物の時価の8割程度です。そのため、建物の構造や規模によって異なります。また、保険会社による料金の違いはあまりありませんが、保険期間や保証範囲によって変わる点に注意しましょう。

所得税と住民税

マンション経営で得た収入に対しても税金がかかります。代表としては、所得税と住民税が挙げられます。

所得税や住民税は給与所得と不動産所得を合わせたものに課されます。累進課税であるため、マンション経営の収入が多いほど所得税も多くなります。

国税庁の所得税の速算表によると、課税される所得金額と税率・控除額は以下のようになります。

課税される所得金額税率控除額
1,000円~194万9,000円5%0円
195万円~329万9,000円10%9万7,500円
330万円~694万9,000円20%42万7,500円
695万円~899万9,000円23%63万6,000円
900万円~1,799万9,000円33%153万6,000円
1,800万円~3,999万9,000円40%279万6,000円
4,000万円以上45%479万6,000円

固定資産税と都市計画税

マンション経営をする場合、マンションや土地に対して固定資産税と都市計画税がかかります。計算方法は以下の通りです。

固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 税率(標準税率1.4%)

これらの税金がいくらかかるかについては、毎年届く固定資産税・都市計画税納税通知書を見ればわかります。または、国土交通省のホームページから土地の価格を調べて求めることもできます。

区分マンションの管理費・修繕積立金

区分マンションの場合は管理費や修繕積立金もかかります。これらは共用部分の管理や、大規模修繕を行なう際のために集められます。

区分所有法の第19条により、マンションを区分所有する場合は管理費・修繕費を払わなくてはならないことが定められています。

一棟マンションの建物維持管理

マンションを一棟経営する場合、建物の維持管理費が必要になります。廊下・エレベーターなどの共用部の光熱費・清掃費や電球の交換費などがこれにあたります。

共用部の光熱費は1ヶ月あたり5,000~1万円程となっています。

経費として計上できる項目・できない項目

マンション経営の手取り収入を考えるときは、経費として計上できる項目とそうでない項目について理解しておかなければなりません。

・経費として計上できる項目

  • 減価償却費
  • 入居者募集費用
  • ローンの利息分
  • 管理委託料
  • 仲介手数料
  • 建物の修繕費
  • 建物の保険料
  • 固定資産税と都市計画税
  • 固定資産税と都市計画税

・経費として計上できない項目

  • ローンの元金
  • 所得税や法人税
  • マンション経営に関係のない費用

マンション経営の収入シミュレーション

本章ではマンション経営の収入についてシミュレーションを行なっていきます。

下記の条件のマンションを所有している場合について解説します。

  • 総戸数:15戸
  • 現入居戸数:10戸
  • 家賃:12万円/戸
  • 礼金:2万円
  • 新規入居者:1名(1月入居)
  • 月額駐車場料金:5,000円/月
  • 駐車場契約台数:7台
  • 返済比率:25%
  • 月々のローン返済額:14万円

収入のシミュレーション

上の条件のうち、マンション経営の収入となるのは家賃・礼金・駐車場料金の3つで、これらを合計するとマンション経営の年収は以下のようになります。

  • 家賃収入:12万円×10戸×12ヶ月=1,440万円
  • 礼金:2万円
  • 駐車場代金:5,000円×7台×12ヶ月=42万円
  • 収入合計:1,440万円+2万円+42万円=1,484万円

以上の計算より、総合的なマンション経営の年収は1,484万円となります。

支出のシミュレーション

上の条件で前年度と同じ収入だと仮定した場合、支出は以下のようになります。

  • ローン返済額:168万円(14万円×12ヶ月)
  • 管理委託料:1,484万円×5%=74万2,000円
  • 仲介手数料:6万円
  • 建物の修繕費:1,484万円×10%=148万4,000円
  • 収入に対してかかる税金:1,484万円×15%=222万6,000円
  • 支出合計:619万2,000円

以上がマンション経営における年間の支出です。キャッシュフローを増やしたいのであれば、支出の額をできるだけ抑える努力も必要です。

また、ローンの返済費や修繕費は家賃収入の何%と相場があり、それぞれ項目を差し引くと手取り収入は家賃収入の約25%が目安となります。

手取り額のシミュレーション

マンション経営の手取り額は、「総収入−総支出」という計算式で求めることができます。ここまでのシミュレーションで話をすると、以下のように計算できます。

1,484万円−619万2,000円=864万8,000円

つまり、一ヶ月あたりの収入は「864万8,000円÷12ヶ月=約72万円」と計算することができます。

マンション経営の収入を考える際は、支出のことも考慮し、実際に手元に残る金額がどれくらいなのか、を意識するようにしましょう。

マンション経営で手取り収入を増やす方法

マンション経営において、手取り収入を増やす方法について紹介します。それは以下の通りです。

  • 単身向けの間取りにする
  • 節税する
  • リスクを考慮する
  • 自己資金額を増やす
  • 立地の良い場所で始める
  • 建物や設備の管理をプロに任せる
  • キャッシュフローを考える

それぞれ解説していきます。

単身向けの間取りにする

賃貸経営は基本的に、単身向けの部屋にして母数を増やし、多数の人に貸した方が賃料単価が上がるようになっています。

同じ延べ床面積でマンションを建てた場合、ファミリータイプの部屋よりも賃料単価が高く部屋数も多く儲けることができる単身向けのほうが総収入は高くなりやすいのです。

また、部屋数が多いと空室リスクも分散されます。ただし無条件に単身向けの部屋が良いというわけではなく、その地域の特性や立地条件によって適切なタイプ・間取りにすることが大切です。

節税する

マンション経営で収入を増やすには、節税をすることも重要になります。マンション経営により総所得が上がった場合は所得税も増えます。

その所得税を抑えるために、確定申告で経費を支出として計上するようにしましょう。そこで活用するのが減価償却という仕組みで、時間の経過とともに価値が減る固定資産に関する支払額を、耐用年数に応じて費用を計上していくという会計システムのことです。

マンションは固定資産であるため減価償却を利用することができます。また、確定申告の際は青色申告することをおすすめします。そうすることで最大65万円の特別控除を受けられるケースがあります。

リスクを考慮する

マンション経営では、リスクを考慮して計画をすることが一番収入を左右すると言っても過言ではないでしょう。

主なリスクは、空室リスク・老朽化リスク・家賃下落のリスク・金利変動のリスク・災害のリスクなどがあります。

これらのリスクの対策をしておくことが、長期的な安定収入を得るために必要になります。

自己資金額を増やす

マンション経営を始める際に、なるべく借入金を減らして自己資金額を増やすことが収入を上げることに繋がります。

マンション経営の支出の中でローンの返済が一番大きな割合を占めます。ローンの返済額が家賃収入の5割~8割ほどで、それを除いた支出の合計が2割~3割程を占めるため、自己資金額を増やせば増やすほど利益率が上がります。

また、自己資金割合を増やすことは空室リスクの対策にもなります。なぜなら、空室が何部屋あろうと毎月のローン返済額は変わらないので、自己資本比率を増やして少しでも返済額を少なくした方が負担が軽くなるのためです。

立地の良い場所で始める

立地の良い場所で始めることも手取り収入を増やすコツです。立地の良い場所は家賃の設定を高くすることができ、賃貸需要も多くなります

マンション経営の支出には仲介手数料や原状回復費用などもあり、これらは入居者が退去するたびに必要になるため、需要の低い物件ほどかかってしまう費用です。

そのため立地が良く需要の高い物件が、空室リスクが低く退去されにくいため収入が安定する傾向にあります。

建物や設備の管理をプロに任せる

マンション経営は、いかにして入居者を集めるか、そしていかにしてその入居者に長く住んでもらうかが重要なことです。

入居者を募集したり長く住んでもうために工夫したりすることがオーナー自身でも行なえるかもしれませんが、手が回らなかったりうまくいかなかったりするでしょう。

そのため、建物や設備の管理はプロである管理会社に任せることをおすすめします。それにより、入居者の募集や住民の満足度の向上を期待することができます。

管理会社を見直す

もし、管理会社に任せていても空室が全く埋まらなかったり入居者がすぐに退去してしまうという状況が続く場合、管理会社を見直すというのも一つの手です。

管理会社の見直しは空室対策の中でも効果的な対策で、無料でできるためリフォームやリノベーションといったような安くない費用がかかる対策とは異なります

管理会社によってとられる空室対策が異なるため、時代錯語な募集方法や、そもそも募集活動を全くしてくれないといったような管理会社は見直す必要があります。

キャッシュフローを考える

マンション経営で収入を上げるためには、プラン当初からキャッシュフローについて考えることが重要です。

キャッシュフローを考えるというのは、単に家賃収入のことのみを考えるのではなく、維持費用やローン返済費、各種税金や突発的な支出など、諸々かかる費用を考慮することです。

そのため、収入を高めることが大切なのは間違いないですが、それだけではなく経費の削減に注力することも重要になります。

シミュレーションで収入を増やそう

マンション経営収入シミュレーションは、成功するための重要なステップです。

しっかりとした計画とシミュレーションを行うことで、リスクを最小化し、利益を最大化することができます。

マンション経営したら、収益いくら?