40坪の土地を所有しているものの、その活用方法が分からないと悩んでいる人は多いのではないでしょうか。40坪(約132.4平方メートル)といえば、畳の枚数で換算すると約80畳分、バスケットボールのコートなら約3分の1が広さのイメージです。

40坪の土地でも駐車場・駐輪場なし、エントランスのない[underline]木造6戸~8戸のアパートの[/underline]建築が可能です。

本記事では40坪の土地でできる土地活用方法について詳しく説明します。

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メリット デメリット
アパート経営 固定資産税や相続税の節税になる 初期費用が高い、空室のリスクがある
マンション経営 アパート経営よりも高収益を狙える アパート経営より初期費用と維持管理費が高い
戸建て賃貸経営 管理の手間がかかりづらい メンテナンスやリフォームに高額の費用がかかる
賃貸併用住宅 住宅ローンを利用できる 入居者トラブルが発生しやすい
テナント経営 アパートやマンションよりも家賃を高めに設定しやすい 事業用定期借地の場合は最低でも10年以上の契約期間が定められている
駐車場経営 低コスト、低リスク 賃貸経営などに比べると収益が少ない
バイク・駐輪場経営 災害や老朽化のリスクが低く修繕費もかからない 駐車場経営以上に収益が少ない
トランクルーム経営 低コストで開始できる 費用をかけすぎると投資回収が難しい
自動販売機の設置 小さな土地でも設置が可能 収益をあげることが困難
太陽光発電 経営開始後からは低コストで済む 天候や土地周辺の環境変化によっては発電量が下がり収入が減る
貸し農園 初期費用がかからない 節税効果がない
土地を貸す 借り入れが不要、管理の手間が少ない 契約期間中は土地を自由に活用できない

土地活用方法でお悩みの際は土地活用ランキングの記事もご覧ください。
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【40坪】おすすめの土地活用方法12選

ここでは40坪の土地でできる土地活用方法を紹介します。

アパート経営

アパート経営とは、アパートの一室を賃貸として貸し出し収益を得る土地活用方法です。アパート経営は土地オーナーに広く知られる代表的な土地活用法で、40坪の土地でもアパート経営を行うことは十分に可能です。

建物の構造やグレードにもよりますが、40坪は比較的限られた広さのため、アパート建築費は低く抑えることもできるでしょう。ただし、変形地の場合、正方形や長方形よりも建築費は割高になる傾向があります。40坪であれば、2DK以上よりも、1坪当たりの賃料単価が高い[underline]1K[/underline]などの、単身向けアパートの方がおすすめです。人気の住宅地や都心部、また駅から近いなど立地の良い土地であれば、より高い賃貸需要が見込めます。

アパート経営のメリットに収益性の高さが挙げられます。入居者が決まれば、安定した収入が見込める上、ローンの返済が終われば資産を残すことも可能です。

また、節税効果の高さも大きなメリットでしょう。土地に建物を建築すると、固定資産税は敷地のみの場合に比べて6分の1、都市計画税は3分の1に抑えることが可能です。

ただし、ほかの土地活用と比較すると初期費用は比較的高く、それ以外にも修繕費などのランニングコストもかかります。立地によっては、すぐに入居者が決まらない空室リスクの可能性もあるため、中・長期的な視点で収支計画を立てることが大切です。

活用事例:目黒の活用事例

エリア 東京都
土地面積(㎡) 140
延べ床面積(㎡) 269
工法 RC造+木造2×4工法
建築費用(円) 10,000万
[color-box] オーダーメイド設計で自宅と賃貸を両立(住友不動産株式会社の土地活用事例)
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マンション経営

マンション経営とは、アパート経営と同じでマンションの一室を賃貸として貸し出し収益を得る土地活用方法です。

マンションとは一般的に鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造などで造られた3階以上の共同住宅を指します。

アパート経営と比べると、建築費が高くなります。ですが、耐用年数が47年~と長く、長期に渡っての土地活用が可能です。

戸建て賃貸経営

戸建て賃貸経営とは、一軒家ををそのまま貸し出して家賃収入を得る土地活用方法です。

競合の多いアパート経営に比べると、戸建て賃貸の供給量は少ない傾向にあります。そのため、入居者は比較的決まりやすいと言えるでしょう。

さらには[underline]入居期間も長い傾向にあり[/underline]一度入居者が決まれば、長期間安定した収入が得られやすいのも特徴のひとつでしょう。

また、アパート経営は駅が近いなどの立地が重要視されますが、戸建てのターゲットは主にファミリー層のため、住環境が優先されやすく比較的郊外でも需要があります

賃貸併用住宅

賃貸併用住宅とは、1階部分を自宅、2階部分を賃貸住宅とするなど、1つの建物の中に自分が住む部屋と、第三者に貸し出す部屋があることです。

賃貸併用住宅であれば、自宅に必要な間取りを確保したうえで余ったスペースを人に貸すなど有効活用して家賃収入を得ることができます。

自分が住みながら、店舗部分で得られる賃料収入でローンを返済することができるのは、賃貸併用住宅という土地活用方法が選ばれる理由のひとつです。

テナント経営

テナント経営とは、土地に建物を建てて、その建物を貸し出す土地活用方法です。

この方法のメリットは[underline]収益性の高い[/underline]経営が見込めることです。法人を対象にして飲食店や薬局などの施設を建築すれば、賃料を高めに設定でき長期安定も期待できます。

一方で建物を建設するので初期費用がかかる点や、テナントが空いてしまうと収入が大きく落ち込む点はデメリットといえます。

駐車場経営

駐車場経営とは、土地に駐車場を作り駐車料を収入として得る土地活用方法です。

駐車場は大きく分けて、[underline]月極駐車場[/underline]と[underline]コインパーキング[/underline]の2種類があります。

月極駐車場は駅に近い土地、またコインパーキングは商業エリアなどで高い収益が期待できます。

駐車場経営は、アパートや戸建て賃貸などに比べて初期費用があまりかかりません。土地の舗装をしない場合や、業者に土地を貸すだけの土地賃貸方式であれば、初期費用ゼロから始めることも可能です。

小額投資でスタートできる駐車場経営ですが、反面、アパート経営よりも収益性が低く、固定資産税や都市計画税の優遇が受けられない点はデメリットでしょう。

バイク・自転車置場経営

バイク・自転車置場経営は、駐車場と同じく、土地にバイク・自転車置き場を作り駐車料を収入として得る土地活用方法です。

駅付近やオフィス街、また、車両進入が難しい狭い道の多いエリアのほか、駐車場やコインパーキングの需要が高い住宅街などにも適しています。

駅前やマンションに、駐輪場やバイク置き場が設置されていないケースもあるため、需要の多い活用法と言えるでしょう。

バイク・自転車置場は、住宅のように建物を建設しないため、災害や老朽化のリスクが低く修繕費もあまりかかりません。

ただし、バイク・自転車置場は住宅用地ではないため、大きな節税は期待できません。更地と同じ扱いとなり、固定資産税が発生するほか、減価償却できないので所得税の節税効果は期待できません

また、初期費用は安く抑えられますが、その分リターンも少なく、ほかの土地活用に比べると収益性は低い傾向にあります。

トランクルーム経営

トランクルーム経営は、物置に利用する収納スペースを建設して、利用者にレンタルする土地活用法です。

形式には、主に郊外で需要のある、コンテナ施設を設置した「[underline]コンテナ型[/underline]」と、都市部で需要の多い、空き部屋やフロアにパーテーションで区分けしたりロッカーを設置したりする「[underline]ルーム型[/underline]」の2つがあります。

周辺環境はさほど気にする必要がないため、アクセスや住環境の良くない土地や、接道義務の条件を満たしていない土地を所有している人におすすめです。

トランクルーム経営は、建物の建築とは異なりコンテナを設置するだけなので、初期費用が安く、修繕費などのランニングコストも低く抑えることができます。

加えて、アパートや戸建て賃貸のように、日当たりや騒音などの立地条件に左右されにくいため、立地の悪い土地でも有効活用が可能です。

ただし、アパート経営や戸建て賃貸のような高い節税効果はありません。そのため、固定資産税がネックになる場合もあるでしょう。

自動販売機の設置

自分の土地に自動販売機を設置することで収益を得る土地活用方法です。

自動販売機の設置は小スペースで行えるため、限られた土地でも利益を得られます。狭い土地でも土地活用がしやすく、狭小地での活用に適しています

土地活用として自動販売機を設置する方法は「業者にスペースのみ貸し出す」「自動販売機を買って設置する」の2つです。

初期費用も安く、手間もかからない土地活用方法なので気軽に行えます。

太陽光発電

太陽光発電は、太陽光パネルを土地に設置し、生み出した電力を電力会社に売却することで収益を得る土地の活用方法です。

経営方法は、土地に太陽光パネルを建て売電収入がそのまま収益となる自営方式と、土地を事業者に貸しその賃料によって収益を上げる土地貸し方式の2種類があります。

太陽光発電による土地活用であれば、建物を建てることが禁止されている市街化調整区域内の場合でも行うことができます

また、郊外や田舎にある土地など人通りが多くない地域においても、利用者を必要としない太陽光発電であれば有効な土地活用となります。

貸し農園

貸し農園とは、農地を他人に貸し出すことで、賃料収入を得る土地活用方法です。

土地を細かく区切って貸し出すシンプルな貸し農園であれば、初期費用がほぼ発生せず、将来的にアパート経営などの土地活用に転用するのも容易です。

土地を貸す

土地の上に建物を建てたり、整備したりしなくても、第三者に更地の状態で土地を貸すことで地代として収益を得る土地活用方法があります。

これを「借地」といい、借地には借主が望む限り契約更新をすることができる[underline]普通借地権[/underline]と一定期間が経過したら契約更新をすることなく土地が返還される[underline]定期借地権[/underline]の2種類があります。

借地の場合、初期費用が必要ないためローンを借りる必要がありません。また、定期借地の場合、契約機関が終了すれば更地で土地が返還されるため、土地を手放したくない人や、アパート経営などを始める前の資金集めとして暫定利用も可能です。

土地活用に関わる規制

たとえ自分の土地であっても、土地の上に建物を建築する場合は様々な規制があります。

この章では土地活用に関わる規制について詳しく説明します。

用途地域

[underline]用途地域とは、その地域に建築できる建物の種類や、用途の制限を定めたルール[/underline]です。

用途地域は、都市計画をもとに各都道府県知事が指定するもので、計画的に街づくりを進める「都市計画区域」と、市街地化をしない「都市計画区域外」などの地域に分かれています。

また用途地域は、「住居系」「商業系」「工業系」の3つにカテゴライズされ、合計13種類あります。

住宅経営には、以下のような地域があります
[list-box] 第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
田園住居地域[/list-box]

各地域によって規制の詳細は異なりますが、住居系は、住環境が優先される戸建の多い地域です。住居や学校、診療所、また店舗・事務所兼住宅などは建築可能ですが、工場や商業施設の建設には制限がかかります。

商業系地域には、以下のようなものがあります。
[list-box] 近隣商業地域
商業地域[/list-box]

商業系は、店舗やオフィス、またショッピングセンターやレジャー施設などの、大型商業施設が建設できる地域です。住居も建築可能ですが、賑やかな地域なので、住居系と比較すると住環境に懸念があるでしょう。

工業系地域には、以下のようなものがあります。
[list-box] 準工業地域
工業地域
工業専用地域[/list-box]

工業系は、工場や倉庫が立ち並ぶ地域です。準工業地帯と工業地帯は、住宅や店舗が混在していますが、工業地帯と工業専用地帯は、学校、病院、ホテルを建設することができません。

各市町村の用途地域はWebで観覧が可能です。「自治体名・都市計画図」と入力すると、各自治体の用途地域を調べることができます。

この他にも、土地にはいくつかの法規制があります。

建ぺい率

建ぺい率は、敷地面積に対して建築可能な面積を指します。つまり土地の面積に対する水平投影面積(建物を真上から見たときの面積)の割合のことです。

建ぺい率は、風通しを良くしたり火災を防いだりするために、ある程度ゆとりをもった建築を誘導する目的で設けられています。

用途地域によって幅はありますが、[underline]建物を建設できる範囲は土地面積に対して約30%から80%[/underline]です。そのため、40坪の土地に40坪の家を建築することはできません。

40坪(約132平方メートル)の土地の場合、建てられる建築面積は12坪から32坪(約40平方メートル~106平方メートル)となります。

建ぺい率が50%の地域であれば、40坪の土地に20坪(約66平方メートル)までの建物を建てられる計算です。

容積率

容積率とは、敷地面積に対する建物の延床面積(各階の床面積の合計)の割合を指します。簡単に言えば、土地の面積に対してどの程度の空間が使えるかということです。

こちらも用途地域ごとに制限が決められており、[underline]土地面積に対する容積率の範囲は50%から500%[/underline]です。

建ぺい率50%、容積率が100%の場合を例に取ると、40坪の土地に建設可能な延床面積は、1階と2階を合わせて40坪となります。

とはいえ、建築面積を抑えるために、むやみに高層階の住宅を建築することはできません。高層住宅を2階建ての多い住宅分譲地などに建てると、近隣の日当たりや風通しなどを害する恐れもあるでしょう。

そのため、容積率のほかにも、低層住宅地の「絶対高さの制限」や日照確保のための「日影規制」など、生活環境に配慮した規制も定められています。

接道義務

接道義務とは、日常の交通や火災の避難経路などを確保するために、[underline]建物の敷地が道路に面していることを義務付ける制度[/underline]です。

土地に建物を建てるためには、建物の敷地が幅4メートル以上の道路に2メートル、ないし3メートル以上接してい

仮に、敷地に面する道路幅が4メートル未満で条件に満たない場合は、敷地の縁を道路の中心から2メートル後退させる「セットバック」が必要です。

また、地域によってはアパートやマンションなどの間口も、幅4メートル以上が必要な場合があるなど規定はさまざまです。

土地活用を始める際の注意点

40坪の土地活用を選ぶ際の注意点

土地活用を始めるにあたり、いくつかの注意点があります。

しっかりとした収支計画書の作成

土地活用を始める際は、入念に収支計画書を作成する必要があります。

例えば、アパート経営では家賃収入などの収入の他、ローンの返済や税金、修繕費などの支出も発生します。まずは、収入と支出をきちんと理解するようにしましょう。

また、ローンを借りる際はいくら借りるべきか、毎月のローン返済額を理解したうえで返済計画に無理のない範囲内で融資額を決定します。

目的の明確化

土地活用のファーストステップは、目的を明確にするとです。周辺ニーズや法規制などの縛りはありますが、目的をはっきりさせることで、自分に合った経営方法が見えてきます。

「毎月安定した収入を得たい」「税金対策をしたい」「まとまった資金が必要になった」など、アパート経営を始める目的は人によってさまざまでしょう。

例えば、節税が目的でアパート経営を始めたのであれば、小規模住宅用地の特例が適用されるため、固定資産税や都市計画税などの大幅な節税が期待できます。

目的を明確化しないうちから早々に活用法を決めると、本来の目的から逸脱して、投資額だけが膨らみ失敗するケースも少なくありません。

リスクへの理解と対策

土地活用を始める際は、メリットだけでなく、リスクに対しても理解を深める必要があります。。

例えば、アパート経営では、空室になるリスクや家賃低下のリスク、災害のリスクなど様々なリスクを伴います。

さらには、リスクへの理解と共に対策を考えていく必要があります。アパート経営などの土地活用は始めてからはもちろんのこと始める前が非常に重要になります。

自分の土地に合った土地活用を始めよう!

40坪の土地でも、アパート経営や一戸建て賃貸、駐車場、さらには貸店舗経営など、さまざまな活用方法があります。

どのように土地を活用をするかは、立地条件や土地オーナーの目的によって異なります。

不安や疑問点がある場合は、自分一人で判断する前に、その分野に明るい専門家に相談することをおすすめします。