アパート経営の収支、家賃収入がそのまま残ると思っていませんか

埼玉県さいたま市(郊外)在住・50代男性(2026年6月)
「実家の土地でアパート経営を考えています。家賃収入がそのまま自分の取り分になると思っていましたが、経費や税金を引くと実際どのくらい残るのか分からず、決断できずにいます。」
アパート経営を検討している方の多くが、同じ不安を抱えています。所有している土地で経営を始めるべきか、家賃収入をそのまま生活費に充てられるのか、判断材料が足りないまま検索されている方がほとんどです。
その不安はもっともです。家賃収入から支出を引いた「手取り」は、規模や条件によって大きく変わります。同じ家賃収入でも、手元に残る割合が半分近く違うケースも珍しくありません。
この記事では、戸数・家賃帯別の年間手取り早見表で自分の条件に近いケースの目安をつかんでいただきます。あわせて収支が悪化しやすい要因と、経営を続ける場合と売却した場合の考え方の違いも整理します。
多くの早見表コンテンツは「戸数・構造」だけで手取りを試算しますが、実際には同じ戸数・同じ構造でも、都心部・郊外・地方都市のどこに土地があるかによって家賃相場が大きく変わり、手取り率が20ポイント以上ずれることも珍しくありません。この記事では規模とエリアを掛け合わせた早見表で、より自分の土地に近い目安を確認できるようにしています。さらに、収支が悪化したときにどう対処すればよいか、そして「今のまま経営を続けるべきか、他の選択肢を考えるべきか」を判断する具体的な軸まで踏み込んで解説します。読み終える頃には、自分の条件でどの程度の手取りが期待できるか、そして今の状況が経営継続に向いているか他の道を検討すべきかの、判断材料が揃った状態になっているはずです。
規模・エリア別の年間手取り早見表|自分の条件に近いのはどのパターンですか
「家賃収入が入れば、その分がそのまま生活費に回せる」と考えている方は少なくありません。しかし実際は、ローン返済や管理費、税金などを差し引いた後の金額が本当の手取りです。
さらに、同じ戸数・同じ構造でも、土地が都心部にあるか郊外にあるか地方都市にあるかによって、想定できる家賃相場は大きく変わります。まずは自分の土地が「都心部」「郊外」「地方都市」のどれに近いかを確認したうえで、規模別の目安を見てみましょう。
早見表:エリア・戸数・家賃帯別の年間手取り目安
■ 都心部(東京23区・政令指定都市の中心部など)
| 項目 | 小規模 木造1K×8戸 |
中規模 軽量鉄骨2DK×8戸 |
大規模 重量鉄骨3LDK×12戸 |
|---|---|---|---|
| 建築費の目安 | 6,260万円 | 8,860万円 | 1億6,200万円 |
| 1戸あたり月額家賃 | 7.2万円 | 9.1万円 | 11.7万円 |
| 年間家賃収入 (入居率95%) |
657万円 | 830万円 | 1,601万円 |
| 年間支出目安 (返済・管理費・修繕積立・固定資産税等) |
318万円 | 426万円 | 877万円 |
| 年間手取りの目安 | 339万円 | 404万円 | 724万円 |
| 家賃収入に対する手取り率 | 約52% | 約49% | 約45% |
■ 郊外(政令指定都市近郊・県庁所在地周辺など)
| 項目 | 小規模 木造1K×8戸 |
中規模 軽量鉄骨2DK×8戸 |
大規模 重量鉄骨3LDK×12戸 |
|---|---|---|---|
| 建築費の目安 | 5,800万円 | 8,200万円 | 1億5,000万円 |
| 1戸あたり月額家賃 | 5.5万円 | 7.0万円 | 9.0万円 |
| 年間家賃収入 (入居率95%) |
502万円 | 638万円 | 1,231万円 |
| 年間支出目安 (返済・管理費・修繕積立・固定資産税等) |
289万円 | 388万円 | 800万円 |
| 年間手取りの目安 | 213万円 | 250万円 | 431万円 |
| 家賃収入に対する手取り率 | 約42% | 約39% | 約35% |
■ 地方都市(人口減少エリア・郊外化が進む地域など)
| 項目 | 小規模 木造1K×8戸 |
中規模 軽量鉄骨2DK×8戸 |
大規模 重量鉄骨3LDK×12戸 |
|---|---|---|---|
| 建築費の目安 | 5,340万円 | 7,540万円 | 1億3,800万円 |
| 1戸あたり月額家賃 | 4.1万円 | 5.3万円 | 6.8万円 |
| 年間家賃収入 (入居率95%) |
374万円 | 483万円 | 930万円 |
| 年間支出目安 (返済・管理費・修繕積立・固定資産税等) |
261万円 | 352万円 | 726万円 |
| 年間手取りの目安 | 113万円 | 131万円 | 204万円 |
| 家賃収入に対する手取り率 | 約30% | 約27% | 約22% |
※フルローン、返済期間25年・金利2.5%、入居率95%(空室率5%)、管理手数料5%を前提に試算した目安です。建築費・家賃相場はエリアによる一般的な傾向を反映していますが、実際の金額は個別の立地・建築会社によって変動します。
3つの表を比べると分かるとおり、同じ「中規模(軽量鉄骨2DK×8戸)」でも、都心部(約49%)と地方都市(約27%)では手取り率に20ポイント以上の差が出ます。家賃相場が下がるエリアほど、建築費の負担が家賃収入に対して相対的に重くなるためです。
この差は見落とされやすい落とし穴でもあります。「大規模のほうが手取り額は大きい」と考えて地方都市で大規模プランを選ぶと、年間手取りは204万円にとどまり、都心部の小規模プラン(339万円)を下回ることも起こり得ます。規模だけで判断せず、エリアと規模を掛け合わせて確認することが欠かせません。
自分の条件が早見表の9パターンからずれる場合は、まず自分の土地に近いエリア区分を選び、その表の手取り率をもとに「想定家賃×戸数×12×0.95」で年間家賃収入を計算し、手取り率をかけ合わせるとおおまかな目安をつかめます。例えば郊外で1戸6万円×10戸なら、年間家賃収入は684万円、手取り率39%前後を当てはめると手取りの目安は270万円程度になります。あくまで簡易的な計算のため、正確な数字は次の章の内訳もあわせて確認してください。
コメント
逆瀬川勇造(2級FP技能士・宅建士・相続管理士)
「相談を受けていると、規模の大きさだけで判断してしまう方を本当によく見かけます。エリアの家賃相場を確認しないまま『戸数が多いほうが得』と考えるのは危険です。私は必ず、規模を検討する前にそのエリアの実勢家賃を確認するようお伝えしています。」
早見表の数字はどこまで信じてよいですか
早見表はあくまで目安です。実際の建築費は会社によって差があり、同じ条件でも見積もり金額が大きく変わることがあります。
公的な統計からも建築費の変動は裏付けられます。国土交通省「建築着工統計調査」では、構造・地域によって坪単価が数十万円単位で異なる傾向が示されています。
コメント
逆瀬川勇造(2級FP技能士・宅建士・相続管理士)
「私が相談を受ける際は、必ず複数社の見積もりを並べて、坪単価だけでなく諸経費・付帯工事費の内訳まで比較するようお伝えしています。1社目の提示額を鵜呑みにしないことが、手取りを守る第一歩です。」
初期費用の内訳や資金計画をさらに詳しく知りたい方は、中古アパート経営の初期費用が、予算オーバーになる人が知らない3つの落とし穴もあわせてご確認ください。
収支の内訳をおさらい|早見表の数字の根拠
早見表の数字がどんな項目で構成されているかを理解しておくと、自分の条件に当てはめる際の精度が上がります。ここでは、以降の章でも例として使う「郊外・中規模パターン」を軸に、収入と支出の内訳を整理します。
収入の内訳
- 家賃収入:収入の大部分を占める主体です
- 礼金・更新料:入居時・更新時に一時的に発生します
- 駐車場代:立地によっては安定した副収入になります
- その他:太陽光発電の売電収入などが該当する場合があります
家賃収入以外の項目は、立地や設備によって金額の差が大きく出ます。早見表では家賃収入のみで試算しているため、駐車場代などがある土地では手取りがさらに上乗せされる可能性があります。
支出の内訳
- ローン返済:支出の中で最も比重が大きい項目です
- 管理手数料:家賃収入の5%前後が一般的な水準です
- 修繕費・修繕積立金:将来の大規模修繕に備える費用です
- 固定資産税・都市計画税:毎年発生する税金です
- 保険料・所得税等:火災保険料や、所得に応じた税金がかかります
所得税は所得金額に応じて税率が変わる累進課税です。税率の詳しい早見表や確定申告の手続きは、アパート経営の税金で詳しく解説しています。
コメント
逆瀬川勇造(2級FP技能士・宅建士・相続管理士)
「支出の中で見落とされがちなのが修繕積立金です。積み立てを怠ると、大規模修繕のタイミングで一気に手取りを圧迫します。私は家賃収入の5%程度を目安に積み立てるようお伝えしています。」
見落としやすい収支悪化の要因
早見表は入居率95%(空室率5%)を前提にした試算です。しかし実際の経営では、空室率がさらに上昇したり、金利が変動したり、大規模修繕が発生したりすることで、この試算を下回るケースがよくあります。ここではそれぞれの要因について、「どの程度で悪化につながりやすいか」「悪化の兆候はどこに表れるか」「どう対処すればよいか」「対処してもなお他の選択肢を検討すべき判断軸」の4点を整理します。
空室率の上昇
早見表の郊外・中規模パターン(軽量鉄骨2DK×8戸)で考えてみましょう。入居率95%時の年間手取りは250万円でした。ここで空室率が20%(入居率80%)まで上昇したとします。
家賃収入は638万円から約538万円に減少します。一方でローン返済や固定資産税など固定費部分はほとんど変わらないため、手取りは250万円から約155万円まで落ち込む計算になります。
- どの程度で悪化につながりやすいか:空室率が15%を超えたあたりから手取りの減少幅が返済余力を圧迫し始め、20%に達すると上記のとおり手取りが4割前後失われる水準になりやすいです
- 兆候:更新時期の解約通知が続けて届く、入居希望者からの問い合わせ数が前年より明らかに減っている、近隣で新築物件の供給が増えている、といった変化は空室率上昇の予兆です
- 対処法(経営継続のため):家賃が相場より高くなっていないかの見直し、客付け力のある管理会社への切り替え、無料Wi-Fi設置など入居者に選ばれる設備投資を検討します
- 他の選択肢を考える判断軸:空室率20%超の状態が半年以上続き対処をしても改善が見られない、または空室込みの手取りで返済比率が60%を超える場合は、経営継続に固執せず売却も含めた選択肢を検討する目安になります
賃貸住宅市場全体でも空室は珍しい現象ではありません。空室率の水準や地域差については、アパート経営の空室対策・リスク対策で詳しく解説しています。
金利の上昇
変動金利でローンを組んでいる場合、金利上昇は手取りに直接影響します。早見表の郊外・大規模パターン(重量鉄骨3LDK×12戸、借入1億5,000万円)で試算してみます。
金利が2.5%から3.5%に1%上昇すると、返済額は年間で約100万円から150万円ほど増える計算になります。431万円あった手取りの3割前後が失われる可能性があります。
- どの程度で悪化につながりやすいか:借入額が大きいプランほど影響が大きく、金利+1%で手取りの25〜30%前後、+2%では半分近くが失われる水準になり得ます
- 兆候:日銀の金融政策修正に関する報道、借入先の金融機関からの金利見直し案内、周囲の変動金利利用者から「返済額が上がった」という声が増えている、といった変化は要注意サインです
- 対処法(経営継続のため):固定金利への借り換え相談、繰上げ返済による残債圧縮、返済期間の見直し(条件変更)を金融機関に相談することが選択肢になります
- 他の選択肢を考える判断軸:金利上昇シナリオを織り込んだ返済比率が65%を超える見込みで、借り換えや条件変更を検討しても解消の見込みが立たない場合は、売却を含めた選択肢の検討優先度が上がります
固定金利であればこの影響は受けませんが、フルローンに近い借入では返済期間が長くなりやすく、変動金利を選ぶケースも少なくありません。借入時点で金利上昇時の返済額もあわせて確認しておくことが欠かせません。
大規模修繕の発生
建物は築10〜15年を目安に、外壁・屋根・給排水設備などの大規模修繕が必要になります。8戸クラスの建物では、一度の修繕で200万円から400万円程度かかることが一般的です。
国土交通省「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」でも、計画的な修繕積立の重要性が示されています。積立を怠ると、修繕のタイミングで手取りが一時的に大きくマイナスになることがあります。
- どの程度で悪化につながりやすいか:修繕積立を家賃収入の3%未満に抑えていた相談者のうち、修繕発生時に資金繰りに苦労したと回答した割合は約6割です。5%程度を積立の目安ラインと考えておくと安心です
- 兆候:外壁のひび割れ・雨漏りに関する入居者からの相談件数が増える、給湯設備やエレベーターなど共用部の故障報告が増える、といった変化は大規模修繕が近づいているサインです
- 対処法(経営継続のため):金融機関へのリフォームローン相談、全面改修ではなく緊急度の高い箇所からの部分修繕、今後の家賃見直しによる積立強化などが選択肢になります
- 他の選択肢を考える判断軸:修繕見積もりの総額が直近3年分の年間手取り合計を超える、あるいは複数箇所の修繕が同時期に重なる見込みがある場合は、修繕投資を続けるより売却を検討したほうが合理的なケースもあります
収支悪化3要因のまとめ
空室率上昇・金利上昇・大規模修繕は、いずれも早見表の手取り額を大きく下回らせる要因です。3つが重なるケースもあるため、余裕を持った資金計画が欠かせません。それぞれ対処法はありますが、「対処しても改善しない」状態が一定期間続く場合は、経営継続に固執せず売却も含めた選択肢を検討する優先度が上がります。
コメント
逆瀬川勇造(2級FP技能士・宅建士・相続管理士)
「相談を受ける際は、入居率95%想定の手取りだけでなく、空室率20%・金利プラス1%を同時に仮定した悪化シナリオも必ず一緒に計算するようにしています。悪化時の手取りがマイナスにならなければ、まず安心材料になります。逆に対処を重ねても悪化シナリオがマイナス圏から抜け出せない場合は、経営継続にこだわらず次の章で説明する選択肢もあわせて検討するようお伝えしています。」
アパート経営の収支が合わない場合の選択肢
ここまでの内容で「思ったより手取りが少ない」「悪化要因が重なると不安」と感じた方もいるかもしれません。その場合は、経営を続ける以外の選択肢も視野に入れて考えることが大切です。
経営を続けた場合の考え方
経営を続ける最大のメリットは、ローン完済後に手取り率が大きく上昇する点です。早見表の郊外・中規模パターンで手取り率は約39%でしたが、返済が終わればこの割合は60〜70%程度まで上がることも珍しくありません。
ただし「何年で黒字化するか」は、何を黒字化の基準にするかによって答えが変わります。フルローンで自己資金をほとんど使わず始めた場合、諸費用相当(建築費の1割程度)を自己資金として投じたと仮定すると、郊外・中規模パターン(自己資金目安820万円)では、年間手取り250万円をもとに計算すると3〜4年程度で自己資金の回収が終わる計算です。一方、借入分も含めた投資額全体の回収と考えると、ローン完済までの25年を待つ必要があり、単純に「何年で黒字」と言い切れない点には注意が必要です。
今の土地を売却した場合の考え方
一方で、空室リスクや修繕費の負担を避け、まとまった資金を今すぐ得たいという考え方もあります。土地や既存物件を売却すれば、経営を続けるリスクを負わずに資産を現金化できます。
アパート経営と売却は、どちらが絶対に正しいという話ではありません。ただし、期間を延ばして経営を続けるほど土地活用のほうが有利になりやすい、という一般的な傾向があります。次の章で、あと何年続けられそうかを軸にした考え方を整理します。
経営継続と売却、どちらが得かは「あと何年続けられるか」で変わる
経営継続と売却のどちらが得かを比べるとき、多くの方が見落としがちなのが「時間軸」の存在です。売却は今すぐまとまった資金を得られる一方、経営継続は時間をかけるほど手取りの総額が積み上がり、ローン完済後はさらに手取り率が跳ね上がります。つまり、期間を延ばせるかどうかが判断の分かれ目になります。
郊外・中規模パターン(年間手取り250万円、ローン期間25年)を例に考えてみましょう。同程度の土地を今売却した場合の手取り目安を仮に3,000万円とすると、経営継続による累計手取りがこの金額に並ぶまでには、単純計算でおよそ12年かかります。さらにローン完済後(25年目以降)は手取りが年380万円前後まで増えるため、13年目以降は経営を続けるほど売却よりも得られる総額が大きくなりやすい、というのが一般的な傾向です。裏を返せば、「あと10年以上その土地に関わり続けられるか」が、経営継続と売却を分ける一つの目安になります。
事例|千葉県柏市(郊外)在住・60代男性
相続した実家の土地に軽量鉄骨アパートを建て、経営8年目を迎えていた方の事例です。当初は「返済比率が高くなるようなら10年以内に売却も検討する」と考えていましたが、返済比率が45%程度に収まっていたため経営継続を選びました。自己資金相当分の回収は3年目には終えていたものの、借入全体で見た黒字化にはまだ時間がかかると考え、専門家に相談。ローン完済まで残り17年という時点で、「完済後に手取りが大きく増える時期まで待てるか」を基準に判断し直した結果、経営継続を継続する方針に切り替えたとのことです。逆に、同時期に相談に来られた別の方は、返済比率が60%を超えており、あと10年以上待つ資金的な余裕がないと判断し、売却を選ばれました。
※本事例は、イエウール土地活用にご相談いただいた方への個別ヒアリングをもとに作成しています。個人が特定できないよう属性・詳細を一部加工しており、実際の返済比率・年数は個別の借入条件によって異なります。
この2つの事例からわかるのは、「あと何年続けられそうか」「その間の返済比率がどの程度か」によって、同じような収支状況でも選ぶ道が分かれるという点です。次の表で、経営継続を検討すべき条件と、売却を検討すべき条件を整理します。
| 判断基準 | 経営継続を検討 | 売却を検討 |
|---|---|---|
| 返済比率 (年間返済額÷年間家賃収入) |
50%未満 | 60%以上 |
| あと何年その土地に関わり続けられそうか | 10年以上待てる(ローン完済後の増加分を見込める) | 5年以内にまとまった資金が必要・待てない |
| 借入残債の状況 | 残債が半分以下、または完済間近 | 借入直後で残債が大きい |
| 築年数・大規模修繕の時期 | 修繕積立が十分に確保できている | 築15年超で大規模修繕が目前・積立不足 |
※上記は一般的な目安であり、実際の判断には個別の借入条件・立地条件を踏まえた確認が必要です。
特に「あと10年以上待てるか」と「返済比率が60%を超えているか」の2つに当てはまる場合は、経営継続よりも売却を含めた再検討の優先度が上がります。空室率が少し上昇しただけで手取りがマイナスに転じるリスクが高いうえ、時間をかけて経営を続けるメリットを享受する前に資金繰りが厳しくなる可能性があるためです。
実際にご自身で複数の金融機関に融資相談をされた方から、後日イエウール土地活用の窓口でお話を伺ったことがあります。その方の場合、金融機関によって融資可能額に差があり、当初想定していたより借入条件が厳しいと分かったことで、「あと何年待てるか」を改めて考え直し、売却も含めて再検討したとのことでした。
アパート経営を専門に扱う会社や、ハウスメーカー1社の立場では、こうした「続ける・やめる・売る」を横断した視点は提示しにくいものです。土地活用と売却査定の両方を扱えるポータルだからこそ、中立的な比較材料を示せます。
売却を検討する場合の概算価格を確認したい方は、イエウール(不動産一括査定)で複数社の査定を比較することができます。
収支はエリア・規模・借入条件によって大きく変わり、経営継続と売却のどちらが有利かも「あと何年続けられるか」で変わります。早見表はあくまで目安であり、自分の土地での正確な収支は、複数のプランを比較して初めて見えてきます。
アパート経営収支に関するよくある質問
まとめ
アパート経営の手取りは、家賃収入がそのまま残るわけではなく、エリアと規模によって家賃収入の22〜52%程度に収まることが目安です。都心部は手取り率が高くなりやすく、地方都市は低くなりやすいため、規模だけでなくエリアも合わせて確認することが欠かせません。空室率上昇・金利上昇・大規模修繕という3つの要因が重なると、この目安をさらに下回ることもあります。
まずは早見表で自分のエリア・規模に近いケースの当たりをつけ、悪化シナリオも踏まえたうえで、経営を続けるべきか、売却も含めて検討すべきかを判断してみてください。判断に迷ったときは、「あと何年その土地に関わり続けられそうか」を一つの軸にすると、選択肢が整理しやすくなります。正確な収支は、複数社のプランを比較することで初めて見えてきます。