アパート建築の相場は?費用の抑え方と建築会社の選び方も紹介!
相続や保有した土地にアパートを建てようと調べ始めたものの、「結局いくらかかるのか」がはっきりしないまま検討が止まっている方は少なくありません。特にまだ会社を決めておらず、情報収集を始めたばかりの段階では、坪単価や構造の違いだけを見ても、自分の土地でいくらになるのか実感が持てないものです。それは当然の疑問です。同じ延床面積・同じ構造であっても、依頼する会社タイプやエリアによって数百万円から、時には1,750万円以上の差が生まれることが実際にあります。この記事では、坪数・構造・会社タイプという3つの軸から建築費の相場と「その金額が高いのか安いのか」を判断する材料を示し、あわせて低予算層・高予算層それぞれの目線で建築費を下げる現実的な方法まで解説します。読み終える頃には、自分の土地条件に近い相場感と、次に何を確認すべきかが見えている状態になるはずです。
アパートを建てる費用は、木造なら30坪でおよそ2,850万円から、鉄骨造・RC造になるほど高くなる傾向があり、同じ30坪でも会社タイプ次第で最大1,750万円ほどの差が生まれます。この差がなぜ生まれるのかは本文で詳しく説明しますが、まずは自分の土地条件に近い建築事例を見てみるのが一番早い方法です。イエウール土地活用にはこれまで累計1.4万件を超える見積もり・建築相談が寄せられており、本記事で紹介する実例はその中から木造・鉄骨造・RC造それぞれ実在するケースを選んで掲載しています(相場の価格帯そのものは、後述の通り公開データの範囲内で算出しています)。
アパートを建てる費用の相場|坪数×構造の早見表でまず全体像をつかむ
アパートを建てる費用は「坪単価×延床面積」でおおまかな本体工事費が計算できますが、実際に支払う総額はそこに付帯工事費・諸費用が加わり、本体工事費のおよそ1.3倍が目安になります(アパート経営の初期費用で内訳の考え方を詳しく解説しています)。まずは坪数と構造ごとの総額感をつかみましょう。
坪数×構造別の建築費総額早見表
▼坪数×構造別の建築費総額早見表(税込総額目安)
| 土地面積の目安 | 木造 | 鉄骨造 | RC造 |
|---|---|---|---|
| 30坪 | 2,850万〜3,600万円 | 3,720万〜4,290万円 | 3,900万〜4,600万円 |
| 50坪 | 4,750万〜6,000万円 | 6,200万〜7,150万円 | 6,500万〜7,650万円 |
| 80坪 | 7,600万〜9,600万円 | 9,900万〜1億1,400万円 | 1億400万〜1億2,200万円 |
| 100坪 | 9,500万〜1億2,000万円 | 1億2,400万〜1億4,300万円 | 1億3,000万〜1億5,300万円 |
※本体工事費(構造別坪単価の目安:木造65万〜104万円台、鉄骨造95万〜130万円台、RC造100万〜140万円台)×延床面積×1.3倍(付帯工事費・諸費用込みの総額換算)で算出。坪単価は会社タイプ・エリアによって変動するため、詳しい内訳は次章の早見表で確認できます。
この表を見ると分かる通り、同じ30坪でも木造の下限とRC造の上限では1,750万円の差が生まれます。この差は「構造の違い」だけでなく、実は「同じ構造・同じ坪数の中でもどの会社タイプに依頼するか」によっても大きく変わります。この点は次のH2で詳しく見ていきます。
ここで押さえておきたいのは、坪単価だけを比較しても実際の総額は読めないという点です。イエウール土地活用に寄せられる相談の中でも、坪単価の安さだけで会社を選びかけて、後から付帯工事費や仕様変更で総額が膨らんだというケースが複数報告されています。複数社の見積もりを本体工事費だけでなく総額で横並び比較することが、後悔しない第一歩になります。
また、まだ具体的な土地が手元にない状態で検討している方は、土地がない場合の進め方も参考にしてください。逆に、4戸程度の小規模から始めたい方は4戸から始める場合の費用で規模別の考え方を確認できます。
アドバイス
アドバイザー(年間5000人を越える土地活用の相談実績あり)
まず総額の内訳を本体・付帯・諸費用の3つに分けて確認してもらうようにお伝えしています。坪単価の一次情報だけを見て安いと判断すると、あとから付帯工事費の見積もり漏れに気づく方が実際に多いためです。
木造アパートの建築費実例2件
木造は坪単価が構造の中で最も抑えやすく、初めて土地活用を検討する方に選ばれやすい構造です。ここでは実際にイエウール土地活用の事例データから、木造アパートを建てた2件を紹介します。まずは規模・エリアの近さで自分の状況と照らし合わせてみてください。
建築費 5,000万〜6,000万円
私は現在金融関係のサラリーマンですが、副業として賃貸経営をはじめました。始めた経緯は、金融関係のクライアントと不動産投資関係の話をしているときに空き地の話がありました…
※イエウール土地活用のオーナー事例データより。掲載している費用・利回り等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づき、個人が特定できないよう加工しています。
建築費 1億円〜
祖母が経営していた駐車場を相続することになり、今以上に収益をあげる方法を考えた時、近所に小中学校があることからファミリー世代にも賃貸需要があると見込みアパート経営を決意しました…
※イエウール土地活用のオーナー事例データより。掲載している費用・利回り等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づき、個人が特定できないよう加工しています。
2つの事例から読み取れるのは、木造でも戸数や仕様によって総額は大きく変わるものの、坪単価という単位で見ると本記事の早見表の範囲に収まっているという点です。特にさいたま市の事例のように、紹介ルートや交渉のタイミングによって条件が変わることもあるため、1社の提示条件をそのまま鵜呑みにせず、複数の接点を持つことが総額を左右する重要な要素になります。
アドバイス
アドバイザー(年間5000人を越える土地活用の相談実績あり)
木造の見積もりを比較する際は、坪単価だけでなく「戸数あたりの建築費」も併記してもらうよう伝えています。戸数が多いほど1戸あたりの建築費が下がる傾向があり、この視点を持つと会社間の比較がより正確になります。
鉄骨造アパートの建築費実例2件
鉄骨造は木造よりも坪単価が上がる一方、遮音性や耐用年数の面でメリットがあり、ファミリー向けや駅近の物件で選ばれやすい構造です。
建築費 1億円〜
農地として活用してきた土地を相続しました。農地のまま保有することは難しく、しかし代々引き継がれてきた土地なので簡単に手放すわけにいかなかったため、土地の活用方法について税理士の先生などに相談をしました…
※イエウール土地活用のオーナー事例データより。掲載している費用・利回り等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づき、個人が特定できないよう加工しています。
建築費 3,000万〜4,000万円
数年前に相続した遺産で以前から興味があった不動産投資をしようと思っていました。ただ不動産投資といってもそこまで大掛かりな物ではなく、遺産の半分でアパート経営をしてという考えでした…
※イエウール土地活用のオーナー事例データより。掲載している費用・利回り等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づき、個人が特定できないよう加工しています。
世田谷区と高崎市の事例を比べると、同じ鉄骨造であっても、エリアと土地の広さの違いだけで建築費・利回りともに大きな差が出ることが分かります。「鉄骨造は高い」という一括りの理解ではなく、自分のエリアの地価・土地面積とセットで捉える必要があります。
アドバイス
アドバイザー(年間5000人を越える土地活用の相談実績あり)
狭小地で戸数を確保しようとすると建築費が上がりやすく、この条件で相談に来られる方には、1戸あたりの専有面積を下げてでも戸数を優先すべきか、ゆとりある間取りで単価を上げるべきかを収支目線で一緒に整理するよう心がけています。
RC造アパートの建築費実例2件
RC造は耐用年数が最も長く、遮音性・資産性の面で評価される一方、坪単価は3構造の中で最も高くなります。
建築費 1億円〜
親の代から引き継いでいる不要な土地に、積水ハウスにお願いしてアパートを建て、経営することになりました。このようなビジネスに慣れていなかったため当初は多くの課題がありましたが…
※イエウール土地活用のオーナー事例データより。掲載している費用・利回り等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づき、個人が特定できないよう加工しています。
建築費 6,000万〜7,000万円
自分が相続した土地は少し都市部から離れていましたが、近くにはコンビニやスーパーもあり病院も歩いて行ける距離にあるので賃貸経営を考えるようになりました…
※イエウール土地活用のオーナー事例データより。掲載している費用・利回り等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づき、個人が特定できないよう加工しています。
この事例から読み取れるのは、RC造は坪単価こそ高いものの、階数を活かして戸数密度を上げられれば、土地面積に対する収益効率で木造・鉄骨造を上回れる可能性があるという点です。単純な建築費の高低だけでなく、収益とセットで構造を判断する視点が欠かせません。
アドバイス
アドバイザー(年間5000人を越える土地活用の相談実績あり)
河川近くの土地では、嵩上げや排水対策の費用が数百万円単位で加わることがあります。現地調査の段階でハザードマップを確認していなかったために、着工後に慌てて対策費用を積み増した、という相談を何度も受けてきました。
担当者
6件の事例を比べただけでも、同じ構造でここまで金額差が出るのですね。次の章で、この差がどこから生まれるのかを詳しく見ていきましょう。
アパート建築費相場は同じ坪数でも最大1,750万円変わる、その理由
前の章で見た通り、木造・鉄骨造・RC造という構造の違いだけでも建築費は変わりますが、実はもう一つ大きな変動要因があります。それが「どの会社タイプに、どのエリアで依頼するか」です。ここでは坪数帯・地域ブロック・会社タイプを掛け合わせた早見表で、自分の想定金額が相場のどこに位置するかを確認できるようにします。
①「地域×会社タイプ」表で坪単価の位置づけを確認:首都圏×ハウスメーカーは98〜104万円/坪=「高め」
②「会社タイプ×坪数帯」表で30坪の総額をそのまま確認:ハウスメーカーの30坪の欄に「首都圏:3,950万円」と併記されているので、計算せずにそのまま読み取れます。
30坪はこのように首都圏の総額もそのまま読み取れます。50坪以上や関西・その他地方の総額を知りたい場合も、入力は不要で、①の坪単価の位置づけ(高め・標準・割安)と②の全国目安を見比べるだけで、自分の想定金額が相場のどこに位置するかが把握できます。
坪数×地域×会社タイプで見るアパート建築費の相場妥当性早見表
坪単価は構造だけでなく、会社タイプ(ハウスメーカー・工務店・ゼネコン・ローコスト系)と地域ブロック(首都圏・関西・その他地方)の組み合わせによって「高め」「標準」「割安」のどこに位置するかが変わります。以下は木造・鉄骨造・RC造それぞれの坪単価目安を、会社タイプ×地域で整理した早見表です。
▼木造アパートの相場妥当性早見表(本体工事費・坪単価目安)
| 会社タイプ | 首都圏 | 関西 | その他地方 |
|---|---|---|---|
| ハウスメーカー | 98〜104万円 高め |
92〜98万円 高め |
86〜92万円 標準 |
| 工務店 | 84〜91万円 標準 |
78〜85万円 標準 |
74〜80万円 標準 |
| ローコスト系 | 76〜82万円 標準 |
75〜80万円 標準 |
65〜73万円 割安 |
※木造での対応会社が限られるため、ゼネコンは本表から除外しています。
▼木造アパートの会社タイプ×坪数帯 総額目安(全国目安・税込総額)
| 会社タイプ | 30坪 | 50坪 | 80坪 | 100坪 |
|---|---|---|---|---|
| ハウスメーカー | 3,700万円 首都圏:3,950万円 |
6,200万円 | 9,900万円 | 1億2,350万円 |
| 工務店 | 3,200万円 首都圏:3,450万円 |
5,300万円 | 8,500万円 | 1億700万円 |
| ローコスト系 | 2,900万円 首都圏:3,100万円 |
4,900万円 | 7,800万円 | 9,750万円 |
※全国目安(30坪のみ首都圏の目安を併記)は、会社タイプ別平均坪単価を坪数×1.3倍で総額換算したものです。関西はやや高め、その他地方はやや低めになる点は、上の地域別坪単価表と照らし合わせて確認してください。
▼鉄骨造アパートの相場妥当性早見表(本体工事費・坪単価目安)
| 会社タイプ | 首都圏 | 関西 | その他地方 |
|---|---|---|---|
| ハウスメーカー | 122〜130万円 高め |
116〜123万円 高め |
108〜116万円 標準 |
| ゼネコン | 114〜121万円 標準 |
109〜115万円 標準 |
103〜109万円 標準 |
| 工務店 | 106〜113万円 標準 |
101〜107万円 標準 |
97〜103万円 割安 |
| ローコスト系 | 98〜105万円 割安 |
96〜101万円 割安 |
95〜99万円 割安 |
▼鉄骨造アパートの会社タイプ×坪数帯 総額目安(全国目安・税込総額)
| 会社タイプ | 30坪 | 50坪 | 80坪 | 100坪 |
|---|---|---|---|---|
| ハウスメーカー | 4,650万円 首都圏:4,900万円 |
7,700万円 | 1億2,400万円 | 1億5,500万円 |
| ゼネコン | 4,400万円 首都圏:4,600万円 |
7,300万円 | 1億1,650万円 | 1億4,600万円 |
| 工務店 | 4,050万円 首都圏:4,300万円 |
6,750万円 | 1億800万円 | 1億3,500万円 |
| ローコスト系 | 3,850万円 首都圏:4,000万円 |
6,450万円 | 1億300万円 | 1億2,900万円 |
※全国の会社タイプ別平均坪単価を坪数×1.3倍で総額換算した目安です。地域による補正は上の地域別坪単価表を参照してください。
▼RC造アパートの相場妥当性早見表(本体工事費・坪単価目安)
| 会社タイプ | 首都圏 | 関西 | その他地方 |
|---|---|---|---|
| ハウスメーカー | 130〜140万円 高め |
124〜132万円 高め |
116〜124万円 標準 |
| ゼネコン | 122〜129万円 標準 |
117〜123万円 標準 |
110〜117万円 標準 |
| 工務店 | 113〜120万円 標準 |
108〜114万円 標準 |
103〜109万円 割安 |
| ローコスト系 | 105〜112万円 割安 |
102〜107万円 割安 |
100〜104万円 割安 |
▼RC造アパートの会社タイプ×坪数帯 総額目安(全国目安・税込総額)
| 会社タイプ | 30坪 | 50坪 | 80坪 | 100坪 |
|---|---|---|---|---|
| ハウスメーカー | 5,000万円 首都圏:5,250万円 |
8,300万円 | 1億3,300万円 | 1億6,600万円 |
| ゼネコン | 4,700万円 首都圏:4,900万円 |
7,800万円 | 1億2,500万円 | 1億5,600万円 |
| 工務店 | 4,300万円 首都圏:4,550万円 |
7,200万円 | 1億1,500万円 | 1億4,400万円 |
| ローコスト系 | 4,100万円 首都圏:4,250万円 |
6,800万円 | 1億900万円 | 1億3,650万円 |
出典:構造別・地域別・坪数別の公開坪単価データ(木造65万〜104万円台・全国平均72.9万円、鉄骨造95万〜130万円台・全国平均116.4万円、RC造100万〜140万円台・全国平均118万円前後、東京都92.9万円/大阪61.9万円など地域差のある公開データ)をもとに、累計1.4万件を超える見積もり・建築相談を受けてきたイエウール土地活用が、会社タイプ・地域ブロックごとの位置づけとして解釈・整理したものです。坪数が大きくなるほど坪単価はやや下がる傾向があり、30坪と100坪では坪単価にして5%前後の差が出ることがあります。
この早見表の価格帯は公開データをもとにしていますが、次の「早見表をアパート建築費の実例で裏付ける」で紹介する木造・鉄骨造・RC造の3事例(いずれもイエウール土地活用の相談・建築実績データ)で確認できた範囲では、いずれも該当セルの位置づけと矛盾しない結果でした。イエウール土地活用は特定の1社の実績だけでなく、複数の会社タイプ・複数エリアの相談を横断的に受けているからこそ、こうした照合ができます。
この早見表を使えば、自分が想定している坪単価が「高め」「標準」「割安」のどこに位置するかが、条件を入力しなくても確認できます。例えば30坪の木造をハウスメーカーで首都圏に建てる場合と、同じ30坪をローコスト系でその他地方に建てる場合とでは、本体工事費だけで坪単価に30万円前後の開きがあり、総額換算すると冒頭で触れた1,750万円という差の大部分がここから生まれています。
複数社の見積もりを比較したアパート建築検討者が、当初の想定額と比べてどうだったか
※2社以上でアパート建築費の見積もりを比較した経験者を対象に、調査会社を通じたインターネットアンケートを実施(有効回答312人、直近1年以内)。この属性は相談記録のみでは十分なサンプル数を確保できないため、外部調査で補完しています。「当初の想定額と比べて最終的な契約額はどうでしたか」という質問への回答内訳は、想定より安い提案があった60%、想定通りだった30%、想定より高かった10%です。
担当者
6割の方が想定より安い提案を受けられたのですね。この差は、具体的にどこから生まれるのでしょうか。
アドバイス
アドバイザー(年間5000人を越える土地活用の相談実績あり)
最初に1社だけに相談すると、その会社の標準仕様・標準工法を前提にした見積もりしか出てきません。複数社に同じ条件を伝えて初めて、標準仕様の中に「実は不要なオプション」が含まれていたことに気づけるケースが多いのです。
担当者
具体的には、どのタイミングで何社くらいに声をかけるのが良いのでしょうか。
アドバイス
アドバイザー(年間5000人を越える土地活用の相談実績あり)
土地の測量図がまとまった段階の方には、最低3社、できれば会社タイプの異なる4社(ハウスメーカー・工務店・ローコスト系を1社ずつ以上)に同じ条件を渡すようお勧めしています。会社タイプを揃えてしまうと、この早見表と同じ帯の中でしか比較できず、差が見えにくくなるためです。
この専門家アドバイスの通り、会社タイプを分けて相談したことで金額の位置づけが変わった実例を紹介します。
建築費 1億円〜
複数の業者に相談し、何度も交渉しましたが、最終的には知り合いが勤めている住友林業が特別値引きなどの対応をしてくれたことで他の数社に比べて優位性が出たため、依頼をしました…
※イエウール土地活用のオーナー事例データより。掲載している費用・利回り等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づき、個人が特定できないよう加工しています。
この事例から読み取れるのは、同じハウスメーカーであっても接点の作り方次第で条件が変わり得るという点です。複数の会社・複数のルートを比較する姿勢が、早見表の「標準」から一段階有利な位置づけに動く可能性を生んでいます。
早見表をアパート建築費の実例で裏付ける
早見表の数字が実際にどう現れるか、木造・鉄骨造・RC造それぞれの事例で確認しておきましょう。
鉄骨造(東京都世田谷区・旭化成ホームズ):建築費1億円〜・12戸・土地〜120㎡。東京都は「首都圏」ブロックのハウスメーカー高め帯(122〜130万円)に該当し、狭小地での戸数確保という条件も重なり早見表の上限に近い水準です。
RC造(埼玉県戸田市・積水ハウス):建築費1億円〜・10戸・土地〜160㎡。埼玉は「首都圏」ブロックのRC造ハウスメーカー帯(130〜140万円)に該当し、浸水対策工事の追加もあり高め寄りの水準です。
3つの事例はいずれも早見表の想定レンジに収まっており、坪数・地域・会社タイプという3条件を押さえれば、自分の想定金額がどのあたりに位置するかをかなりの精度で見積もれることが分かります。
自分の坪数・エリア・会社タイプに近い行を見つけられたら、次はその金額感が自分の土地で実際にどう現れるかを確認する段階です。具体的な確認方法は記事末尾でまとめて紹介します。
建築費の内訳と自己資金の目安
建築費の内訳(本体・付帯・諸費用)
アパートを建てる費用の総額は、本体工事費だけでなく付帯工事費・諸費用を含めて考える必要があります。総額の内訳を事前に把握しておくと、見積もり比較の際に「どの項目で差が出ているか」が分かりやすくなります。
【図解】建築費総額の内訳イメージ
付帯工事費には外構・給排水引き込み・地盤改良(地盤が弱い場合に建物を安全に建てるための補強工事)などが含まれ、諸費用には登記費用・火災保険料・設計料などが含まれます。イエウール土地活用に寄せられる相談でも、本体工事費の坪単価の安さだけで会社を決めかけたものの、付帯工事費の見積もり範囲が会社によって異なり、総額で逆転したというケースが複数報告されています。本体だけでなく総額で比較することが欠かせません。
アドバイス
アドバイザー(年間5000人を越える土地活用の相談実績あり)
見積書を受け取ったら、まず「付帯工事費に地盤改良費が含まれているか」を確認するようお伝えしています。地盤調査前の見積もりでは想定額のみのことが多く、着工後に数百万円単位で増額したという相談を実際に何件も受けています。
アパート建築費の自己資金の目安と返済比率
自己資金の目安は建築費総額の2〜3割程度とされることが多く、自己資金の比率が高いほど月々の返済負担は軽くなります。返済比率(家賃収入に対する年間返済額の割合)が40%を超えてくると、空室が増えた際に手元資金が圧迫されやすくなる点には注意が必要です。
詳しい借入限度額の考え方はアパートローンの借入限度額、金利の動向はアパートローンの金利で解説しています。契約時の支払いタイミングや金利パターンごとの詳しい返済シミュレーションはアパートローンのシミュレーションにまとめているので、具体的な返済計画を立てる際はあわせて確認してください。契約から着工までの詳しい流れは土地を購入してアパートを建築する流れで解説しています。
- 自己資金は総額の2〜3割を目安にする
自己資金比率が高いほど、空室リスクに対する耐性が上がります。 - 返済比率40%を一つの目安にする
家賃収入に対する年間返済額の割合が40%を超えると、収支の余裕が少なくなります。 - 金融機関ごとに融資条件は異なる
同じ年収・自己資金でも、金融機関によって融資可能額に差が出ることがあります。イエウール土地活用では金融機関の紹介・あっせんは行っていませんが、相談者の方から経過をお伺いする中で、実際に希望に近い条件を引き出せた方の多くが、ご自身で複数の金融機関に相談されていたという声をよく耳にします。
アドバイス
アドバイザー(年間5000人を越える土地活用の相談実績あり)
返済比率を試算する際は、空室率15%・管理費5%を控除した「手取り家賃」で計算するよう勧めています。満室想定の家賃だけで計算し、後から返済負担の重さに気づいたという相談を何度も受けてきました。
アパートを建てる費用は安くできない?低予算・高予算それぞれの視点で見る建築費の下げ方
「アパートを建てる費用を安くできないか」という問いへの答えは、実は想定予算が低めの方と高めの方とで方向性が異なります。低予算層は「本当にこの規模で建てられるか」という実現可能性の確認、高予算層は「この金額が本当に必要か、もっと下げられないか」という圧縮余地の確認が中心になります。それぞれの視点で見ていきましょう。
低予算層向け|アパート建築費の実現可能性チェックとローコスト系での組み方
想定予算が2,000万〜3,000万円台という低予算層の方は、まず「この予算で本当にアパートが建つのか」という実現可能性を確認することが先決です。実際にこの予算帯で建築した2件の実例を見てみましょう。
建築費 2,000万〜3,000万円
私の母方の祖父は賃貸アパートを経営していたのですが、その祖父が亡くなってしまいました。通常は母か母の兄弟に相続されるものだと思うのですが…
※イエウール土地活用のオーナー事例データより。掲載している費用・利回り等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づき、個人が特定できないよう加工しています。
建築費 2,000万〜3,000万円
自分が相続した土地は元々先代が一軒家として住んでいた土地で、そこまで広い土地ではなくアパート経営は難しいと思っていました。一軒家として賃貸に出すこともできましたが…
※イエウール土地活用のオーナー事例データより。掲載している費用・利回り等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づき、個人が特定できないよう加工しています。
この2つの事例から読み取れるのは、低予算層でも「戸数・間取りを土地条件に合わせて調整する」「規格化された仕様のハウスメーカーを選ぶ」という2つの工夫で、2,000万円台からの建築が現実的な選択肢になるという点です。特に相続した狭小地の場合は、駐車場の有無や部屋数を見直すことで建築費を圧縮できる余地があります。
- 戸数・間取りを土地条件に合わせて見直す
広い間取りにこだわらず1LDK中心にするなど、土地面積に合わせた設計にすることで建築費を抑えられます。 - アパート建築を専門とする会社を選ぶ
規格化された仕様を持つ会社は、個別設計に比べて坪単価を抑えられる傾向があります。 - 駐車場の要否を見直す
狭小地では駐車場を設けない選択肢も含めて、建物に使える面積を最大化することを検討します。
アドバイス
アドバイザー(年間5000人を越える土地活用の相談実績あり)
想定予算が低めの方からは、まず「戸数を減らしても総収益が本当に下がるか」を一緒に試算してほしいという相談をよく受けます。戸数を1戸減らしても、1戸あたりの専有面積を広げて家賃を上げられれば、総収益がほぼ変わらないケースもあるためです。
高予算層向け|構造・会社タイプ変更によるアパート建築費の圧縮余地
想定予算が8,000万〜1億円台という高予算層の方は、「この金額でないと建たないのか」という疑問を持ちやすい傾向にあります。ここでは、同じ延床面積・戸数を前提に構造を変えた場合、どの程度費用を圧縮できるかを試算で示します。
▼100坪・同一の延床面積・戸数を前提にした構造変更シミュレーション
| 構造 | 建築費総額の目安 | RC造との差額 |
|---|---|---|
| RC造(ハウスメーカー水準) | 1億5,300万円 | − |
| 鉄骨造(同水準) | 1億4,300万円 | 約1,000万円の圧縮 |
| 木造(同水準) | 1億2,000万円 | 約3,300万円の圧縮 |
※本記事の坪数×構造別総額早見表(H2-1)の坪単価目安をもとに、100坪・同一の延床面積・戸数を前提とした試算値です。実際の圧縮額は間取り・階数・立地条件によって変動します。構造を変更する場合は遮音性・耐用年数・法定耐用年数(税務上、建物の価値がゼロになるまでの年数。木造22年・鉄骨造27〜34年など)への影響もあわせて検討する必要があります。
この試算から分かる通り、同じ延床面積・戸数であれば、RC造から鉄骨造・木造へ構造を見直すだけで1,000万〜3,300万円程度の圧縮余地があります。ただし構造を変えると耐用年数・融資期間・遮音性能も変わるため、金額だけで判断せず総合的に検討することが重要です。
アドバイス
アドバイザー(年間5000人を越える土地活用の相談実績あり)
想定予算が高めの方には、構造変更だけでなく会社タイプの変更も同時に検討するようお伝えしています。同じRC造でも、ハウスメーカーからゼネコンに変更するだけで、坪単価にして5万〜10万円程度下がる余地があるためです。
アパート建築費における会社タイプ別の価格帯と特徴
低予算層・高予算層いずれの視点でも、「どの会社タイプに依頼するか」は建築費を左右する重要な要素です。特定の1社を推奨するものではなく、中立的な比較軸として整理します。
| 会社タイプ | 価格帯の傾向 | 特徴 |
|---|---|---|
| ハウスメーカー | 高め | 品質・保証体制が安定。ブランド力があり融資審査でも評価されやすい傾向 |
| ゼネコン | 標準〜高め | 大規模・RC造の施工実績が豊富。設計の自由度が高い |
| 工務店 | 標準 | 地域密着で融通が利きやすい一方、保証体制は会社ごとに差がある |
| ローコスト系 | 割安 | 規格化された仕様でコストを抑制。仕様の自由度や保証内容は事前確認が必須 |
ローコスト系を選ぶ際は、坪単価だけでなく保証期間とアフターメンテナンス体制を必ず確認するようお伝えしています。
正直に伺いたいのですが、ローコスト系で建てると、後から修繕費がかさんで結局高くつく、ということは実際にあるのでしょうか。
実際にあり得ます。ただし一律に高くつくわけではなく、保証期間と標準仕様の設備グレードによって差が出ます。保証期間と、外壁・屋根の標準仕様のグレードを教えていただけますか。それによって、長期の修繕コストがどの程度上乗せされるかの目安をお伝えできます。
保証はまだ確認できていません。標準仕様のグレードを見て、何を基準に判断すればいいですか。
私が確認する基準は、構造保証が10年以上あるか、外壁の塗装保証が明記されているかの2点です。この2つが揃っていれば、初期費用を抑えつつ長期の修繕コストも一定の水準に収められることが多いです。逆にどちらも明記がない場合は、契約前に必ず追記を依頼するようお伝えしています。
構造保証と塗装保証の2点を見ればいいのですね。漠然とした不安だったので、確認すべき基準が分かって安心しました。
担当者
ローコスト系を検討されている方から「保証はどう確認すればいいですか」というご相談は、日々本当によくいただきます。金額だけで決めず、保証内容もセットで比較される方が多い印象です。
アパート建築費の実例を自分の土地条件に近い形で確認する
ここまで、坪数×構造の全体相場、会社タイプ×エリアによる相場妥当性、内訳と自己資金、低予算層・高予算層それぞれの下げ方を見てきました。最後に、この記事の内容を自分の土地に当てはめて確認する方法をまとめます。
まとめ:アパートを建てる費用を判断する3つのステップ
- ①坪数×構造の早見表で、自分の土地条件に近い総額レンジを把握する
- ②坪数×地域×会社タイプの早見表で、想定金額が「高め・標準・割安」のどこに位置するかを確認する
- ③低予算なら実現可能性、高予算なら圧縮余地を確認したうえで、複数社・複数タイプの会社に相談する
相場感と自分の位置づけが分かったら、次は自分の土地条件に近い建築事例を具体的に確認する段階です。事例診断ツールなら、入力の手間をかけずに近い条件の事例を見ることができます。
アパート建築費 事例診断
建てたいアパート、いくらで建つ?
この外観、イメージに近い?
あなたのイメージを分析しています…
診断結果
あなたが想像しているのは、こんなアパート
建築費・会社名の詳細を確認するには、お客様情報の入力が必要です
最後に2つだけ教えてください
知りたかった情報(建築費のイメージ)は見つかりましたか?
具体的に何が知りたかったですか?(いくつでも選べます)
提示した3件の実例は参考になりましたか?
どんな事例だと参考になりそうですか?(いくつでも選べます)
ご回答ありがとうございました!
同じ構造・戸数でも、エリアや会社で建築費はこんなに違います
戸数や構造が同じでも、エリアの相場や依頼する建築会社によって建築費は大きく変わります。
「自分の土地のエリア」で建てたらいくらになるかは、実際に会社を比較してはじめて分かります。
無料・入力1分/お持ちの土地のエリアに対応する会社の建築費プランをまとめて比較できます
相場・妥当性・実例まで理解し、次に進む準備ができた方には、複数社のプランを横断して比較する方法をおすすめします。土地活用ではなく売却も含めて検討したい方にも対応できます。
2,000万円台の建築実例をもっと見たい方は2,000万円で建てる場合のアパート建築費、そのほかの金額帯を詳しく知りたい方は3,000万円で建てる場合や1億円で建てる場合もあわせてご覧ください。会社ごとの詳しい比較はアパート建築会社をランキングで確認できます。
アパート建築費に関するよくある質問
Q1. 相場妥当性早見表の価格帯は、いつ時点のどんなデータをもとにしていますか?
本記事の相場妥当性早見表は、構造別・地域別の公開坪単価データ(木造65万〜104万円台、鉄骨造95万〜130万円台、RC造100万〜140万円台という公開されている相場データ)の範囲内で、会社タイプ・地域ブロックごとの位置づけを編集部が整理したものです。個別の見積もりを保証するものではなく、あくまで相場の中での位置づけを把握するための目安としてご活用ください。実際の金額は土地の形状・仕様・時期によって変動するため、最終的には複数社からの見積もり比較をおすすめします。
Q2. 見積もりは何社くらいから取るのが目安ですか?
本記事の調査結果でも触れた通り、複数社を比較した方の6割が想定より安い提案を受けられています。目安としては、会社タイプの異なる3〜4社(ハウスメーカー・工務店・ローコスト系など)に同じ条件を伝えて比較することをおすすめします。会社タイプを揃えてしまうと同じ価格帯の中でしか比較できないため、あえてタイプを分けることがポイントです。
- 最低3社、できれば会社タイプの異なる4社に相談する
- 坪単価だけでなく、付帯工事費を含めた総額で比較する