アパートローンは年収の何倍まで借りられる?住宅ローンの感覚で判断すると誤る理由

神奈川県横浜市(郊外)在住の40代・男性(2026年6月)
「所有している土地でアパート経営を検討していますが、年収だけでアパートローンがいくら借りられるのか分からず、住宅ローンの感覚で計算すると全く目安が合いません。自分の年収でどのくらいの規模の物件が組めるのか知りたいです。」
住宅ローンでは「年収の5〜7倍」という目安を耳にしたことがある方は多いと思います。しかし、アパートローンをこの感覚のまま計算すると、実際の借入可能額から大きくズレてしまいます。アパートローンは年収の10〜30倍程度が目安になることが多く、住宅ローンとは審査の仕組みそのものが異なるためです。年収だけで決まるわけではなく、物件の収益性や自身の属性、経営実績まで含めて総合的に判断されます。この記事では、年収別の借入可能額の目安と、年収以外に何が影響するのかを、イエウール土地活用に寄せられた相談データも交えて解説します。
アパートローン年収の基準、住宅ローンの感覚で見ると誤解する理由
住宅ローンは年収の5〜7倍、アパートローンは年収の何倍が目安か
住宅ローンを検討したことがある方であれば、「借入可能額は年収の5〜7倍程度」という目安を一度は聞いたことがあると思います。この感覚のままアパートローンの借入可能額を計算すると、実際に組める金額との差が大きくなりがちです。理由は2つあります。1つは、住宅ローンが「本人の給与収入からどれだけ返済できるか」を基準に審査されるのに対し、アパートローンは「物件が生み出す家賃収入で返済できるか」を基準に審査される点です。もう1つは、実際に多くの金融機関でアパートローンの借入可能額の目安として年収の10〜30倍程度という水準が示されている点で、住宅ローンとは前提が大きく異なります。
【調査結果】住宅ローンの感覚のまま相談に来た方の割合
イエウール土地活用の相談窓口では、アパートローンを初めて検討する相談者のうち約6割が、当初「年収の5〜10倍程度までしか借りられない」という住宅ローンに近い感覚で相談に来られます。実際の借入可能額の目安を伝えると、想定より大きい規模を検討できると分かり、検討範囲を広げ直すケースが多く見られます。
※対象:直近2年間にアパートローンを初めて検討したいと相談された方、集計対象約210件。相談時の想定倍率の内訳は、年収5〜10倍程度と想定62%、年収10〜20倍程度と想定24%、年収20倍以上を想定11%、その他3%(相談員によるヒアリング記録の集計、複数回答除く)。
▼住宅ローンとアパートローンの年収倍率・審査基準の違い
| 項目 | 住宅ローン | アパートローン |
|---|---|---|
| 年収倍率の目安 | 5〜7倍程度 | 10〜30倍程度 |
| 返済原資の考え方 | 本人の給与収入 | 物件の家賃収入(+本人の収入) |
| 主な審査対象 | 本人の属性・返済比率 | 物件の収益性・本人の属性・経営実績 |
※上記は一般的な傾向を示す目安であり、実際の年収倍率・審査基準は金融機関・物件条件によって異なります。
なぜアパートローンは年収倍率が大きくなるのか
アパートローンの年収倍率が住宅ローンより大きくなる理由は、返済の原資が「本人の給与収入」だけでなく「物件が生み出す家賃収入」も含まれるためです。金融機関は、物件の想定家賃収入から返済が可能かどうかを重視して審査します。この考え方を知らずに住宅ローンの感覚のまま「自分の年収では厳しいだろう」と判断してしまうと、実際には検討可能な規模のアパート経営を最初から諦めてしまうことにもなりかねません。
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト・社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長)
「年収倍率だけを見て諦めてしまう相談者は少なくありません。まず物件の想定利回りを試算し、家賃収入だけでどこまで返済できるかを確認することを、私は最初のステップとしてお勧めしています。年収の枠だけで判断すると、実際に組める規模を過小評価してしまうケースが多いためです。」
年収別に見るアパートローンの借入可能額の目安
年収300万円〜1500万円以上、借入可能額の目安表
アパートローンの借入可能額は、年収だけでなく想定する物件の利回りによっても変動します。同じ年収でも、利回りの高い物件を検討する場合は借入可能額の目安が上がる傾向があります。以下は、年収帯別・利回り別の借入可能額の目安をまとめたものです。自分の年収に近い行を確認し、検討している物件の利回りに近い列を見ることで、目安が把握できます。なお、「年収の10〜30倍程度」という業界内で言われる目安の中でも、この表は返済比率50%程度を前提とした保守的な試算です。自己資金を多く用意できる場合や、より高い利回りの物件を選ぶ場合には、この表の数値より借入可能額が上がり、30倍に近い水準まで到達するケースもあります。
▼年収帯×想定利回り別 借入可能額の目安(2026年版)
| 年収帯 | 利回り6%想定 | 利回り8%想定 | 利回り10%想定 |
|---|---|---|---|
| 300万円台 | 2,000〜2,700万円 | 2,500〜3,200万円 | 3,000〜3,800万円 |
| 400万円台 | 2,700〜3,500万円 | 3,200〜4,200万円 | 3,800〜5,000万円 |
| 500万円台 | 3,500〜4,700万円 | 4,200〜5,500万円 | 5,000〜6,300万円 |
| 600万円台 | 4,700〜5,800万円 | 5,500〜6,800万円 | 6,300〜7,800万円 |
| 700万円台 | 5,800〜7,000万円 | 6,800〜8,500万円 | 7,800〜1億円 |
| 800万円台 | 7,000〜8,200万円 | 8,500万〜1億円 | 1億〜1.15億円 |
| 900万円台 | 8,200万〜9,500万円 | 1億〜1.1億円 | 1.15億〜1.3億円 |
| 1000万円台 | 9,500万円〜1.1億円 | 1.1億〜1.25億円 | 1.3億〜1.4億円 |
| 1100万〜1200万円台 | 1.1億〜1.25億円 | 1.25億〜1.4億円 | 1.4億〜1.6億円 |
| 1300万〜1400万円台 | 1.25億〜1.4億円 | 1.4億〜1.6億円 | 1.6億〜1.8億円 |
| 1500万円以上 | 1.4億円〜1.7億円 | 1.6億〜2億円 | 1.8億〜2.5億円 |
※金利2.5%・返済期間30年・返済比率50%程度を前提に試算した目安です。実際の借入可能額は金融機関・物件条件・自己資金額により変動します。個人の属性(勤続年数・既存借入等)や物件の資産評価によって、この目安から大きく外れる場合があります。想定する物件の利回りがまだ分からない場合は、まず「利回り6%」の列を目安にすると、多くの木造アパートの実勢に近い数値になります。
この早見表はあくまで理論上の試算です。実際にアパートローンを組んだ方が、この目安に対してどの程度の位置に収まっているのかも確認しておきましょう。
早見表(利回り6%列)の目安と実際の借入額の位置関係
※イエウール土地活用の直近2年間の相談データのうち、実際にアパートローンを組んだと回答した相談者(集計対象約260件)を分析。目安との位置関係の内訳は、目安レンジ内54%、目安レンジより多い31%、目安レンジより少ない15%(小数点以下の丸めにより合計が100%とならない場合があります)。相談者本人の申告に基づく集計です。
【調査結果】早見表(6%列)の目安に対して、実際の借入額はどの位置だったか
イエウール土地活用の相談データを分析したところ、実際にアパートローンを組んだ相談者のうち、早見表(利回り6%列)の目安レンジ内に収まった方が54%、目安レンジより多く借りられた方が31%、目安レンジより少なかった方が15%でした。約3割の方が保守的な目安を上回って借入できている一方、目安より少なくなる方も一定数存在します。
※対象:直近2年間にアパートローンを組んだと回答した相談者、集計対象約260件。目安との位置関係の内訳は、目安レンジ内54%、目安レンジより多い31%、目安レンジより少ない15%(相談者本人の申告に基づく集計、複数回答除く)。
担当者
目安より多く借りられた方が3割もいらっしゃるのですね。この差はどこから生まれるのでしょうか。
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト・社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長)
「目安を上回れる方の多くは、自己資金を用意しているか、想定より利回りの高い物件を選んでいます。逆に目安より少なくなる方は、既存の借入が多い、または物件の資産評価が想定より低いケースが目立ちます。」
担当者
自分がどちら側になりそうか、判断する基準はありますか。
アドバイス
「私が相談を受ける際は、まず自己資金の有無と既存借入の状況を確認し、そのうえで想定物件の利回りを一緒に計算します。この2点を早い段階で洗い出すだけで、目安の上振れ・下振れの方向性がかなり見えてきます。」
この後の「自分と似た年収の人は、アパートローンをいくら借りているか」の章では、年収700万円台の方を例に、実際の借入額の分布と、目安を上回った方の具体的な行動を紹介しています。
【診断】私の年収なら、いくらまで借りられる?
上の表はあくまで一般的な目安です。実際の借入可能額は、想定する物件の構造・エリア・自己資金の有無によっても変わります。より自分の条件に近い目安を知りたい方は、以下の無料診断ツールで具体的な数値を確認できます。
アパートローンは年収だけで借入可能額が決まらない理由
物件の収益力(利回り・DSCR)が重視される理由
アパートローンの審査では、物件が生み出す家賃収入でローンを返済できるかという「収益力」が重視されます。この収益力を測る代表的な指標がDSCR(貸出金返済余裕率)です。DSCRが低い物件は、家賃収入だけでは返済に不安があると判断され、年収が高くても希望額を借りられないことがあります。逆に、収益力の高い物件であれば、年収がそれほど高くなくても相応の金額を借りられるケースもあります。一般的には、DSCRが1.2以上であれば返済に余裕がある「安全域」とされ、1.0を下回ると家賃収入だけでは返済に必要な金額を確保できていない状態を示します。より詳しい計算方法は以下の記事で解説しています。
物件のDSCR水準別の希望額承認率
※イエウール土地活用の直近2年間の相談データのうち、物件のDSCRを算出できた相談者(集計対象約160件)を分析。DSCR水準別の希望額承認率は、1.2以上67%、1.0〜1.2未満41%、1.0未満18%。この円グラフは各DSCR水準の承認率を比較表示したものです。
【調査結果】DSCRの水準によって、希望額での承認率はどれだけ変わるか
イエウール土地活用の相談データを分析したところ、物件のDSCRが1.2以上だった相談者は67%が希望額での承認に至ったのに対し、DSCRが1.0〜1.2未満だった相談者では41%、1.0未満だった相談者では18%にとどまりました。年収が同程度でも、物件のDSCRによって承認率に大きな差が出ています。
※対象:直近2年間にアパートローンの相談に来られ、物件のDSCRを算出できた相談者、集計対象約160件。DSCR水準別の希望額承認率は、1.2以上67%、1.0〜1.2未満41%、1.0未満18%(相談員によるヒアリング記録の集計)。
担当者
DSCR1.0未満と1.2以上で承認率が約3.7倍も違うのですね。年収より先に確認すべき数字かもしれません。
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト・社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長)
「相談を受ける際は、まず物件の想定家賃収入と返済額を並べて、DSCRがどの水準かを一緒に確認するようにしています。年収の心配をする前に、この数字を1.2以上に持っていけるかを検討するほうが、実際の借入可能額に直結することが多いです。」

個人属性・アパート経営の実績が影響する理由
物件の収益力に加えて、勤務先・勤続年数・既存の借入状況といった個人属性も審査に影響します。また、すでにアパート経営の実績がある方は、実績がない方に比べて有利に評価される傾向があります。これは、金融機関が「安定して返済を続けられるか」を、年収という単一の数値だけでなく、複数の情報から判断しているためです。
- 勤務先・勤続年数:安定した収入が続く見込みがあるかの判断材料になります
- 既存の借入状況:住宅ローンや他の借入があると、返済負担の合計で判断されます
- アパート経営の実績:すでに賃貸経営をしている場合、運営実績が評価されるケースがあります
- 物件の立地・構造・築年数:資産価値として評価される担保力に直結し、駅からの距離や構造によって融資条件が変わることがあります
これらの属性のうち、実際にどれが希望額での承認に強く影響しているのか、イエウール土地活用の相談データから見てみましょう。
希望額での承認に届かなかった相談者の主な要因
※イエウール土地活用の直近2年間の相談データのうち、希望額での承認に届かなかったと回答した相談者(集計対象約95件)を分析。要因の内訳は、既存の借入が多かった42%、勤続年数が短かった26%、物件の資産評価が想定より低かった22%、その他10%です。
【調査結果】希望額での承認に届かなかった相談者の主な要因
希望額での承認に届かなかったと回答した相談者に主な要因を尋ねたところ、「既存の借入が多かった」が42%と最も多く、「勤続年数が短かった(3年未満)」26%、「物件の資産評価が想定より低かった」22%、「その他」10%という結果でした。既存の借入状況が、勤続年数や物件条件よりも大きな要因になっている傾向がうかがえます。
※対象:直近2年間に希望額での承認に届かなかったと回答した相談者、集計対象約95件。要因の内訳(複数回答のうち最も影響が大きいと回答した項目)は、既存の借入が多かった42%、勤続年数が短かった26%、物件の資産評価が想定より低かった22%、その他10%(相談者本人の申告に基づく集計)。
アドバイス
「既存の借入が最も大きな要因になっているのは、勤続年数や物件条件と違って本人の努力で短期間に改善できる項目だからです。」
担当者
本人の努力で改善できるとのことですが、具体的にはどこから手を付ければよいのでしょうか。
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト・社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長)
「私が相談を受ける際は、まず信用情報機関の開示情報でクレジットカードのキャッシング枠・使っていないカードローンの契約状況を確認してもらい、使っていない枠から順に解約するようお伝えしています。枠を解約するだけで実際の借入がなくても返済負担率の計算対象から外れ、審査上プラスに働くことが多いためです。」
実際にこの方法で希望額の承認に至った方の例を紹介します。
この事例から読み取れるのは、年収や勤続年数のように短期間で変えられない要素だけでなく、既存の借入整理のように今すぐ着手できる要素にも承認率を左右する余地があるという点です。
※本事例は、イエウール土地活用にご相談いただいた方への個別ヒアリングをもとに、個人が特定できないよう一部内容を加工・匿名化して作成しています。審査結果は金融機関・個別の信用情報により異なり、同様の結果を保証するものではありません。
担当者
年収以外の要素が組み合わさって借入可能額が決まるからこそ、年収だけで一喜一憂しなくてよいのですね。
アパートローンの年収基準に届かない場合にできること
自己資金を増やす・属性を上げるという選択
年収別の目安に届かない場合でも、いくつかの対応によって借入可能額を引き上げられる余地があります。自己資金を積み増すことで、金融機関から見た返済負担率が下がり、審査上プラスに働くことがあります。また、既存の借入(クレジットカードのキャッシング枠や他のローン)を整理することで、個人属性の評価が改善するケースもあります。
当初否決見込みだった相談者の対策後の結果
※イエウール土地活用の直近2年間の相談データのうち、当初否決見込みと案内され、自己資金の積み増し・既存借入の整理のいずれかに取り組んだと回答した相談者(集計対象約70件)を分析。結果の内訳は、希望額または近い金額で承認48%、条件付き承認29%、再度否決23%です。
【調査結果】当初否決見込みだった相談者が対策後にどうなったか
当初は年収基準に届かず否決見込みと案内された相談者のうち、自己資金の積み増し・既存借入の整理のいずれかに取り組んだ方に限ると、48%が希望額または近い金額での承認に至り、29%が条件付き(希望額より少ない金額)で承認、23%は再度否決という結果でした。対策に取り組んでも半数超は当初の希望額に届かない一方、何も対策しなかった場合に比べると承認率は明確に高い傾向にあります。
※対象:直近2年間に当初否決見込みと案内され、自己資金の積み増し・既存借入の整理のいずれかに取り組んだと回答した相談者、集計対象約70件。結果の内訳は、希望額または近い金額で承認48%、条件付き承認(希望額より少ない金額)29%、再度否決23%(相談者本人の申告に基づく集計)。
担当者
対策しても半数超は希望額に届かないのですね。具体的にはどう進めればよいのでしょうか。
-
1 自己資金を積み増す物件価格の10〜20%程度の自己資金があると、返済負担率の面で有利に判断されやすくなります。
-
2 既存の借入を整理する使っていないカードローンやキャッシング枠を解約することで、個人の返済余力の評価が改善する場合があります。
-
3 収益性の高い物件条件を再検討する利回りの高い物件・エリアを条件に含めることで、年収基準に届かなくても検討できる範囲が広がることがあります。
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト・社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長)
「私が相談を受ける際は、まず自己資金を物件価格の何%まで積み増せるかを確認し、それだけで返済負担率がどう変わるかを一緒に計算するようにしています。数字で見えると、諦めていた規模の物件が現実的な選択肢になることも少なくありません。」
実際に自己資金を積み増して当初否決見込みから承認に至った方の事例は、この記事の後半「自分と似た年収の人は、アパートローンをいくら借りているか」で詳しく紹介しています。
アパート経営以外の土地活用・売却という選択も含めて考える
自己資金の積み増しや属性の改善を検討しても、希望する規模のアパート経営がすぐには難しい場合もあります。そのときに知っておいていただきたいのは、土地の使い方はアパート経営だけではないという点です。イエウール土地活用は、アパート経営に限らず、駐車場・トランクルームなどの他の活用法や、売却まで含めて横断的に比較できる立場のポータルです。特定のハウスメーカー1社の営業視点では、その会社が提供できる建築プラン以外の選択肢を提示することは難しいですが、複数の土地活用会社・売却の選択肢を横断して比較できるからこそ、アパート経営以外の道も含めた中立的な検討ができます。
イエウール土地活用では、直近2年間で累計約2万人の方から土地活用に関する相談を受けており、土地活用会社・売却の提携先は合わせて900社以上にのぼります。その中には「アパートローンの年収基準が厳しく、他の活用法や売却も含めて比較検討した」という声も一定数寄せられています。1つの金融機関・1つの活用法だけで結論を出す前に、900社以上の選択肢を横断して比較できる相談窓口があることも知っておいていただきたいポイントです。
年収的にアパートローンが厳しい場合、無理に組もうとせず、まず物件規模や自己資金の見直しを検討することをお勧めします。
正直に言うと、規模を見直してもまだ厳しそうな場合はどうすればよいのでしょうか。土地を持っているのに何もしないのは損な気がしています。
「何もしない」という選択にも、固定資産税や管理コストといった負担が発生し続けるという意味で、実はコストがかかっています。融資が厳しい場合は、アパート経営以外にも駐車場やトランクルームのように初期投資を抑えた活用法や、売却という選択肢も含めて比較することをお勧めしています。
アパート経営に絞らず、他の選択肢も含めて比較すればいいのですね。1つの答えに固執しなくてよいと分かって、少し気が楽になりました。
担当者
日々のご相談でも「アパート経営一本で考えていたが、他の選択肢も知れてよかった」というお声を実際に多くいただいています。
金融機関の融資基準・タイプ別の違い(メガバンク・地銀・信用金庫・ノンバンク)についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

自分と似た年収の人は、アパートローンをいくら借りているか
年収別の借入実績データからわかる傾向
早見表の数字だけでは、「自分は実際にどのくらい借りられるのか」という実感が持ちにくいかもしれません。ここでは、イエウール土地活用に寄せられた相談データから見えてきた、年収帯別の借入実績の傾向を紹介します。
年収700万円台の相談者が実際に組んだアパートローンの借入額の分布
※イエウール土地活用に寄せられた直近2年間の相談データのうち、年収700万円台でアパートローンを組んだと回答した相談者(集計対象約140件)を分析。実際の借入額の内訳は、5,000〜7,000万円38%、7,000万〜1億円27%、3,000〜5,000万円21%、1億円以上14%(小数点以下の丸めにより合計が100%とならない場合があります)。相談者本人の申告に基づく集計であり、金融機関の融資実績を網羅した統計ではありません。
【調査結果】年収700万円台の相談者が実際に組んだ借入額
イエウール土地活用に寄せられた相談データを分析したところ、年収700万円台でアパートローンを組んだ相談者のうち、約4割にあたる38%が5,000〜7,000万円の範囲で借入をしていました。この記事前半の早見表(利回り6%列・年収700万円台の目安:5,800〜7,000万円)にほぼ収まる結果であり、6%程度の利回りを想定するケースが最も多いことがうかがえます。目安を上回る7,000万〜1億円の層(27%)は、利回り8〜10%程度の物件、または自己資金を用意していたケースが中心です。
※対象:年収700万円台でアパートローンを組んだと回答した相談者、集計対象約140件(直近2年間)。回答内訳は、5,000〜7,000万円38%、7,000万〜1億円27%、3,000〜5,000万円21%、1億円以上14%(相談者本人の申告に基づく)。
担当者
同じ年収帯でも、借入額に幅があるのですね。この差はどこから来るのでしょうか。
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト・社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長)
「同じ年収帯でも借入額に差が出る最大の要因は、自己資金の有無と物件の利回りです。1億円以上を借りられた層は、自己資金を物件価格の2割程度用意していたケースが多く見られました。」
担当者
具体的には、自己資金をどのくらい・どのタイミングで用意すればよいのでしょうか。
アドバイス
「私が相談を受ける際は、融資申込みの半年〜1年前を目安に、物件価格の15〜20%を目標に自己資金を積み立てるようお伝えしています。ボーナスの一部を自動で振り分ける、使っていない資産を整理するなど、具体的な行動に落とし込むことをお勧めしています。」
実際に相談してから借入までの行動
この専門家のアドバイスをもとに、実際に自己資金を積み増して借入額を引き上げた方の事例を紹介します。
この事例から読み取れるのは、年収だけを見て諦めるのではなく、自己資金という「自分でコントロールできる要素」を整えることで、借入可能額の目安を実際に動かせる場合があるという点です。
※本事例は、イエウール土地活用にご相談いただいた方への個別ヒアリングをもとに、個人が特定できないよう一部内容を加工・匿名化して作成しています。掲載している金額・期間等の数値はご本人から伺った情報に基づきますが、審査結果は物件条件・金融機関により異なり、同様の結果が得られることを保証するものではありません。
アパートローン年収に関するよくある質問
Q1. 年齢によってアパートローンの年収基準は変わりますか?
年齢そのものが年収基準を変えるわけではありませんが、多くの金融機関では完済時の年齢(一般的に80歳前後まで)を基準に返済期間が決まります。年齢が上がるほど設定できる返済期間が短くなり、結果として月々の返済額が増えるため、同じ年収でも借入可能額の目安が下がることがあります。
Q2. 自営業者・個人事業主でも年収別の目安は当てはまりますか?
自営業者・個人事業主の場合、審査で参照される「年収」は確定申告書の所得額であり、会社員の給与収入とは算出方法が異なります。また、直近1〜3期分の所得の安定性が重視されるため、単年の所得が高くても、年度によって変動が大きい場合は目安通りにならないことがあります。
Q3. 既存の住宅ローンがあると、アパートローンの借入可能額はどう変わりますか?
既存の住宅ローンの返済額は、個人の返済負担率の計算に含まれます。そのため、住宅ローンの残債が大きいほど、アパートローンとして新たに組める金額の目安は小さくなる傾向があります。ただし、アパートローンは物件の家賃収入も返済原資として評価されるため、住宅ローンがあっても検討できる余地があるかは、個別に確認することをお勧めします。
まとめ:アパートローンの年収基準を正しく理解する
アパートローンの借入可能額は、住宅ローンのような「年収の5〜7倍」という感覚では見誤ります。年収の10〜30倍程度が目安になることが多く、物件の収益力(利回り・DSCR)や個人属性、経営実績まで含めて総合的に判断されるためです。年収帯別の目安に届かない場合も、自己資金の積み増しや属性の改善で借入可能額を引き上げられる余地があり、それでも難しい場合は、アパート経営に限らず他の土地活用法や売却まで含めて比較する道もあります。
まとめ:アパートローン年収の判断基準
- 年収の目安(10〜30倍)に近い、または上回る方は → 具体的な物件条件の検討へ進む
- 年収の目安に届かないが自己資金の準備余地がある方は → 自己資金の積み増し・属性改善を検討する
- 年収・自己資金ともに厳しい方は → アパート経営以外の活用法・売却も含めて比較する
- いずれに当てはまるか迷う場合は → 無料診断・相談で自分の条件を確認する
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト・社団法人住宅・不動産総合研究所 理事長)
「年収だけを基準に一人で結論を出さず、まず自分の条件でどの範囲が現実的かを確認することをお勧めします。目安として、年収の目安倍率に対して自己資金を10〜20%積み増せるかどうかを最初のチェックポイントにするとよいでしょう。」
アパートローンでいくらまで借りられるかをより詳しく確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。
