アパートローン銀行一覧|同じ年収でも借入可能額は数百万円変わる

埼玉県さいたま市(郊外)在住の40代・男性(2026年6月)
「親から相続した土地でアパート経営を考えているのですが、銀行によって審査基準や借りられる金額がまったく違うと聞きました。何から調べればいいのか分からず、そもそも自分がいくら借りられるのかも見当がつきません」
アパートローンを検討し始めたばかりの方の多くが、まさにこのような状態でつまずいています。都市銀行・地方銀行・信用金庫・ノンバンク・日本政策金融公庫と選択肢が多く、しかもそれぞれで金利や審査基準が大きく異なるため、「どこに相談すればいいのか」「自分は借りられるのか」が分からないまま検討が止まってしまうのは無理もありません。
この記事では、アパートローン銀行一覧として都市銀行・地方銀行・信用金庫・ノンバンク・日本政策金融公庫の5カテゴリを網羅したうえで、同じ年収でも自己資金や土地の条件によって借入可能額が数百万円単位で変わる仕組みを、具体的な目安とともに解説します。読み終える頃には、自分がどのカテゴリの金融機関を検討すべきか、そしておおよそどの程度の借入が現実的かの見通しが持てる状態になります。
アパートローン銀行一覧|都市銀行・地方銀行・信金信組・ノンバンク・公庫の違い
アパートローン銀行一覧というと、まず個別の銀行名を思い浮かべる方が多いのですが、実際に検討を進めるうえで大切なのは、銀行を「都市銀行」「地方銀行」「信用金庫・信用組合」「ノンバンク」「日本政策金融公庫」というカテゴリで捉えることです。ただし、「審査が厳しい/緩い」という言葉だけでは、自分がどのカテゴリに合うかは判断できません。この章では、金利・審査難易度の一般的な特徴に加えて、実際にそれぞれのカテゴリから融資を受けられた人がどんな属性だったのかを、複数の切り口の調査結果から具体的に見ていきます。
都市銀行・地方銀行の特徴と金利相場
都市銀行・地方銀行は、金利水準が比較的低く、融資額も大きく組みやすいという特徴があります。一方で審査基準は厳しめで、年収・勤続年数・物件の収益性がバランス良く求められる傾向にあります。
▼金融機関カテゴリ別・アパートローンの特徴比較
| カテゴリ | 金利相場の目安 | 審査難易度 | 得意な物件・エリア |
|---|---|---|---|
| 都市銀行 | 1.0〜2.5% | 厳しめ | 大都市圏・高収益物件 |
| 地方銀行 | 1.5〜3.0% | やや厳しめ | 地元エリアの物件 |
| 信用金庫・信用組合 | 2.0〜3.5% | 柔軟 | 地域密着・小規模物件 |
| ノンバンク | 3.0〜4.5% | 柔軟だが金利は高め | 属性に不安がある方・築古物件 |
| 日本政策金融公庫 | 1.0〜2.0% | 事業計画重視 | 小規模・個人事業主 |
出典:各金融機関の公表金利情報および、直近2年間におけるイエウール土地活用の累計約2万人の相談・見積もりデータをもとに、イエウール編集部が金利レンジを集計・作成。個別の金利は審査結果により変動します。
都市銀行・地方銀行を検討する場合、単独の窓口で相談すると、その銀行の基準でしか可否を判断できません。イエウール土地活用の相談窓口では、金融機関の紹介・あっせんは行っていませんが、相談者の方から経過をお伺いする中で、実際に融資を受けられた方の多くが1つの銀行の回答だけで判断せず、ご自身で複数の銀行に相談されていたという声をよく耳にします。これは、アパートローン単体を専門に扱う金融メディアの記事だけでは見えにくい、土地活用の相談現場ならではの傾向です。
同じ年収帯・同じ物件条件でも、金融機関によって融資可能額に差が出ることは珍しくありません。イエウール土地活用の相談者への後日ヒアリングでは、年収700万円・自己資金なしという同条件で複数行に相談した結果、提示された借入可能額に1,000万円前後の差が生じていたという声も寄せられています。これは、金融機関ごとに物件の収益性評価の重みづけが異なることが主な要因とみられます。
アドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)
相談を受ける際は、まず「メインバンクにする1行」と「比較用に相談する2〜3行」を最初に分けて動くようお伝えしています。最初から1行に絞ると、その銀行の基準がすべてだと錯覚してしまうためです。
信用金庫・信用組合の特徴と金利相場
信用金庫・信用組合は、地域密着型で審査が比較的柔軟な点が特徴です。都市銀行では評価されにくい小規模物件や、勤続年数が短い方でも相談に応じてもらいやすい傾向があります。ただし、営業エリアが限定されるため、対象の土地がエリア内かどうかを事前に確認する必要があります。
ノンバンク・日本政策金融公庫の特徴と金利相場
ノンバンクは審査のハードルが比較的低く、属性に不安がある方でも融資を受けやすい一方、金利は都市銀行・地方銀行より高めです。日本政策金融公庫は、事業計画の実現性を重視する点が特徴で、個人事業主や小規模なアパート経営との相性が良いとされています。
「結局どの銀行に申し込めばいいか」で迷う方向けに補足すると、都市銀行ではみずほ銀行・三井住友銀行が個人向けアパートローンを扱っており、地方銀行では対象エリアの地銀(横浜銀行・千葉銀行など)がアパートローンに積極的とされています。ただし、同じ都市銀行でも支店・担当者によって温度感が異なるため、まずは自分の対象エリアを取り扱う2〜3行に的を絞って問い合わせるのが現実的です。
▼相談現場で見えた金融機関タイプ別の実際の反応傾向
| 金融機関タイプ | 年収700万円・自己資金なしのケース | 相談者からよく聞く傾向 |
|---|---|---|
| 都市銀行 | 物件収益性次第で承認・否決が分かれやすい | 大都市圏の高稼働物件では好条件が出やすい |
| 地方銀行 | 土地評価額次第で自己資金なしでも承認例あり | 地元エリアの土地は評価が伸びやすい |
| ノンバンク | 承認は出やすいが金利提示が高めになりやすい | 他行で否決された後の相談先として使われやすい |
※直近2年間のイエウール土地活用の相談者への後日ヒアリングに基づく傾向であり、個別の金融機関の審査結果を保証するものではありません。イエウール土地活用は金融機関の紹介・あっせんは行っておらず、相談者ご自身の融資活動の結果を集計したものです。
このように、土地活用の相談窓口には「アパートローンの相談」だけでなく「その後の建築プラン比較」「将来的な売却・住み替えの相談」まで一連の流れで寄せられます。金利や審査基準の情報だけを専門的に発信する金融メディアや、単一の金融機関の商品ページでは、この一連の流れを踏まえた助言はできません。土地の活用方針そのものを迷っている段階から、資金調達、そして完成後の運用まで横断して相談できる点が、同じポータル型のサービスと比較しても、複数のSpeeeグループサービスと連携できる自社ならではの強みです。
自営業・個人事業主の方や、定年退職が近い年齢の方は、会社員より審査が厳しめに見られる傾向があります。この場合、日本政策金融公庫や、事業計画の実現性を重視する信用金庫のほうが評価されやすいケースが多く、まずはこの2カテゴリから相談を始めることをお勧めします。
実際に借りられた人の属性で見る、カテゴリ別の相性
「都市銀行は審査が厳しい」「信用金庫は柔軟」と言われても、具体的にどんな人が実際に融資を受けられているのかが分からなければ、自分に当てはまるかは判断できません。ここでは、イエウール土地活用の相談者への後日ヒアリングをもとに、実際に融資が実行された方の属性を「年収帯」「自己資金比率」「物件エリア」の3つの切り口で集計しました。
▼カテゴリ別・実際に融資が実行された人の属性傾向
| 金融機関カテゴリ | 年収帯の中心 | 自己資金比率の中心 | 物件エリアの傾向 |
|---|---|---|---|
| 都市銀行 | 800万円以上が中心 | 20%以上を準備した層が中心 | 三大都市圏・政令指定都市が9割超 |
| 地方銀行 | 600〜900万円が中心 | 10〜20%を準備した層が中心 | 取扱エリア内(多くは同一県内)が前提 |
| 信用金庫・信用組合 | 500〜700万円が中心 | 0〜10%と幅広い(自己資金なしの実行例も一定数) | 営業地区内の小〜中規模物件が中心 |
| ノンバンク | 400万円台からでも実行例あり | 0〜10%と幅広い | 都市部・地方問わず、築古物件でも実行例あり |
| 日本政策金融公庫 | 400〜600万円が中心 | 10%前後が中心 | 個人事業主・小規模物件が中心 |
※直近2年間のイエウール土地活用の相談者のうち、アパートローンの融資実行に至った方(集計対象約540件)を対象に、後日ヒアリングで申告いただいた年収・自己資金比率・物件エリアを集計した傾向です。個別の金融機関の審査基準や採用可否を保証するものではなく、イエウール土地活用は金融機関の紹介・あっせんは行っていません。
担当者
石川さん、同じ「アパートローン」でも、カテゴリによって実際に借りられている人の年収帯がこれだけ違うんですね。この差はどこから来るのでしょうか。
アドバイス
都市銀行は融資額が大きくなりやすい分、年収に対する既存の与信枠を厳しく見るため、結果的に年収800万円以上の層に融資が集中します。一方、信用金庫や公庫は年収そのものよりも、物件の収益性や事業計画の実現性を重視するため、年収500〜600万円台でも実行例が多く出ています。
担当者
なるほど、年収だけでなく「何を重視しているか」がカテゴリごとに違うのですね。自己資金比率の傾向についても教えてください。
アドバイス
都市銀行・地方銀行は、自己資金を10〜20%以上準備した方の実行例が中心です。これは、自己資金の比率が高いほど、担保評価に対する借入割合(LTV)が下がり、金融機関側のリスクが小さくなるためです。一方、信用金庫やノンバンクは、土地の担保評価を厚めに見る分、自己資金なしでの実行例も一定数あります。年収に自信がない方は、まず地元の信用金庫やノンバンクから相談を始めるのが現実的な選択です。
同じ年収でも借入可能額は数百万円変わる|アパートローン銀行一覧×借入可能額の目安
借入可能額はどうやって計算するのか
借入可能額は、1つの数式で決まるものではなく、「年収から見た返済能力」と「物件・土地の担保評価」という2つの視点から算出され、どちらか低い方が実際の上限になります。
視点①:年収基準(返済能力から逆算する方法)
「年間の返済可能額 = 年収 × 返済比率の上限(前章の表参照、目安30〜40%)」を基準に、そこから逆算して借入可能額を求める考え方です。例えば年収700万円・返済比率上限35%の金融機関であれば、年間返済可能額の目安は245万円となり、これを金利・返済期間で割り戻すことで借入可能額のおおよその上限が算出されます。
視点②:担保評価基準(物件・土地の価値から逆算する方法)
「借入可能額 = 担保評価額 × LTVの上限(前章の表参照、目安70〜100%)」で算出する考え方です。相続した土地に建築する場合は、土地の担保評価額が起点になるため、年収に自信がなくても、土地の評価額次第で借入可能額を伸ばせる可能性があります。
アドバイス
相談を受ける際は、まずこの2つの視点で試算し、低い方の金額を「現実的な借入可能額」としてお伝えするようにしています。片方の数字だけで期待値を高く持ってしまうと、実際の審査結果とのギャップに戸惑う方が多いためです。
年収別・自己資金別の借入可能額の目安
アパートローンの借入可能額は、年収だけで決まるわけではありません。自己資金の比率、既存の借入状況、そして土地の評価額が組み合わさって決まります。同じ年収700万円の方でも、自己資金の有無によって借入可能額に大きな差が出るのはこのためです。
▼年収帯×自己資金比率別・借入可能額の目安
| 年収帯 | 自己資金なし | 自己資金10〜20% | 自己資金30%以上 |
|---|---|---|---|
| 500万円台 | 2,000万円前後 | 2,800万円前後 | 3,500万円前後 |
| 700万円台 | 3,000万円前後 | 4,200万円前後 | 5,200万円前後 |
| 1,000万円台 | 4,500万円前後 | 6,000万円前後 | 7,500万円前後 |
※上記は、直近2年間におけるイエウール土地活用の累計約2万人の相談・見積もりデータから、年収帯・自己資金比率ごとの融資実行額の中央値を算出し、外れ値(上位・下位5%)を除いた目安です。実際の借入可能額は、既存借入の有無・物件の収益性・金融機関ごとの審査基準により変動します。あくまで検討初期段階の目安としてご活用ください。
イエウール土地活用では、アパートローン単体のあっせんは行っていませんが、姉妹サービスであるケアスル(住宅ローン比較)・ヌリカエ(外壁塗装)・リフォスム(リフォーム)を含むSpeeeグループ全体で、住まいに関する複数の相談接点を持っています。この横断的な相談実績の蓄積があるからこそ、アパートローン単体の情報発信にとどまらず、土地活用後の維持・リフォームまで見据えた資金計画の相談に対応できる点が、金融専門メディアやハウスメーカー単体のサイトにはない強みです。
アパートローンの相談前に自己資金の準備状況を確認していたか
※直近2年間のイエウール土地活用の相談者のうち、アパートローンの相談を目的とした方(集計対象約1,800件)を対象に、相談時点での自己資金の準備状況を集計。内訳は「自己資金なしで相談」42%、「自己資金10〜20%を準備」31%、「自己資金30%以上を準備」18%、「わからない・未回答」9%(相談者本人の申告に基づく)。
【調査結果】自己資金の準備状況とその後の融資条件の傾向
相談者の4割超が自己資金を準備しないまま相談に来ており、この層は借入可能額の目安が伸び悩む傾向にあります。一方、自己資金を10%以上準備していた層は、同じ年収帯でも有利な条件を引き出せているケースが多く見られます。
※対象・集計方法は上記円グラフの注記のとおり。自己資金比率と融資条件の関係は、金融機関の個別審査結果に基づくものではなく、相談者への後日ヒアリングによる申告内容の集計です。
担当者
この差はどこから来るのでしょうか。石川さんに伺ってみましょう。
アドバイス
自己資金は、金融機関にとって「返済への本気度」と「返済比率の余裕」の両方を示す材料になります。自己資金がゼロだと、借入額に対する毎月の返済負担が重くなり、金融機関は空室リスクが発生した際の耐性を厳しく見るためです。
担当者
具体的には、どのくらい自己資金を用意すればいいのでしょうか。
アドバイス
目安として、私は総事業費の10〜20%を自己資金として積み増すことをお伝えしています。それが難しい場合は、既存の借入(自動車ローン等)を先に完済し、返済比率を下げるという方法に落とし込んでアドバイスすることが多いです。
このアドバイスを実際に行動に移した方の事例を見てみましょう。
このケースで確認してほしいのは、自己資金の積み増しが借入可能額にどの程度影響したかという点です。
この事例から読み取れるのは、自己資金の積み増しと既存借入の整理が、借入可能額に直接影響するという点です。
※本体験談は、イエウール土地活用の相談者への後日ヒアリングをもとに作成しています。個人が特定できないよう属性の一部を加工しており、金額は相談者ご本人の申告に基づきます。実際の融資条件は金融機関の審査により異なります。
土地評価額を踏まえた借入可能額の考え方
アパートローンでは、土地の評価額も借入可能額に大きく影響します。相続した土地に建築する場合、土地を担保として評価してもらえるため、自己資金が少なくても借入可能額を伸ばせる可能性があります。ただし、土地の評価方法は金融機関によって異なるため、複数の金融機関で評価を確認することが欠かせません。
希望額より借入可能額が少なくなる主な要因
目安表や計算式で試算した金額と、実際に金融機関から提示される借入可能額との間には差が生じることがあります。ここでは、希望額より低い提示になった相談者に、後日その要因をヒアリングした調査結果を紹介します。
希望額より借入可能額が下がった主な要因の内訳
※直近2年間のイエウール土地活用の相談者のうち、当初の希望額より低い借入可能額を提示された方(集計対象約210件)を対象に、後日ヒアリングで確認できた主な要因を集計。内訳は「既存借入による返済比率オーバー」35%、「物件収益性の懸念(想定家賃・空室率)」28%、「担保評価額の不足」22%、「自己資金不足」15%(相談者本人の申告に基づく、複数要因は主要因1つで集計)。
【調査結果】希望額に届かなかった要因の傾向
最も多い要因は既存借入による返済比率オーバーで、自動車ローンなど少額の借入でも積み重なると返済比率を圧迫します。次いで物件の収益性への懸念、担保評価額の不足が続きます。
※対象・集計方法は上記円グラフの注記のとおり。金融機関の個別審査結果に基づくものではなく、相談者への後日ヒアリングによる申告内容の集計です。
正直なところ、目安表で見た金額より600万円ほど低い提示を受けました。何が原因だったのでしょうか。
最も多い原因は、既存借入による返済比率のオーバーです。目安表の金額は既存借入がない前提で試算していることが多いため、実際に自動車ローンやカードローンの残債があると、その分だけ借入可能額が圧縮されます。現在、他に返済中のローンはありますか。
自動車ローンが残り80万円ほどあります。他には特にありません。それだけで600万円も変わるものなのでしょうか。
返済比率の計算では、残高そのものよりも毎月の返済額が重く見られます。自動車ローンの毎月の返済額が、そのまま年間の返済可能額の枠を圧迫するためです。私が相談を受ける際は、まず残債80万円程度であれば繰り上げ返済で完済してから申し込み直すことをお勧めしています。それだけで返済比率が改善し、提示額が数百万円単位で戻るケースを何度も見てきました。
たった80万円の残債がそんなに影響するとは思いませんでした。まずは自動車ローンを完済してから、改めて相談してみます。
担当者
「思ったより借入可能額が低くて驚いた」というご相談は、実際に日々多く寄せられます。多くの場合、少額の既存借入が原因になっているケースをよく見てきました。
このアドバイスを実際に行動に移した方の事例を見てみましょう。このケースで確認してほしいのは、既存借入の完済が借入可能額にどの程度影響したかという点です。
この事例から読み取れるのは、少額に見える既存借入でも、完済することで借入可能額が大きく改善する可能性があるという点です。
※本体験談は、イエウール土地活用の相談者への後日ヒアリングをもとに作成しています。個人が特定できないよう属性の一部を加工しており、金額は相談者ご本人の申告に基づきます。実際の融資条件は金融機関の審査により異なります。
アパートローン銀行一覧で審査に通すためのポイント
審査で重視されるポイントと落ちやすいケース
アパートローンの審査では、年収・勤続年数だけでなく、物件の収益性や既存借入との返済比率が重視されます。特に、既存の借入残高が年収の8倍を超えると、承認率が大きく下がる傾向があります。審査に落ちやすいケースとして、自己資金なし・既存借入が多い・物件の収益性が低いという3条件が重なるケースが目立ちます。
ただし、「審査が厳しい」「緩い」という言葉だけでは、具体的に何がどう違うのかが分かりません。ここでは、金融機関が実際に見ている2つの基準(返済比率とLTV)と、物件の収益性評価の方法の違いを具体的に整理します。
▼「厳しい/緩い」の中身|返済比率・LTV(融資額と担保評価の割合)の目安
| カテゴリ | 返済比率の上限目安 | LTV(担保評価に対する融資割合)の目安 |
|---|---|---|
| 都市銀行 | 年収の30〜35%程度 | 70〜80%程度 |
| 地方銀行 | 年収の35〜40%程度 | 80〜90%程度 |
| 信用金庫・信用組合 | 年収の40%程度まで許容されやすい | 90〜100%程度(自己資金なしでも承認例あり) |
| ノンバンク | 年収の40%以上でも通ることがある | 100%前後(フルローンに近い実行例もあり) |
※返済比率は「年間のローン返済額 ÷ 年収」、LTVは「融資額 ÷ 担保評価額」の考え方です。数値は各金融機関の公表情報と、イエウール土地活用の相談者への後日ヒアリングをもとにした目安であり、実際の審査基準は個別の金融機関・案件により異なります。
つまり「審査が厳しい」とは、返済比率の上限が低く(=年収に対して借りられる金額の天井が低く)、かつLTVの上限も低い(=担保評価に対して多くの自己資金を求められる)ということを意味します。逆に「審査が緩い」金融機関は、この2つの基準に余裕があるぶん、その分の返済リスクを金利の高さでカバーしている、という構造になっています。
もう1つ、審査結果を大きく左右するのが「収益性評価」の方法です。同じ物件でも、金融機関がどの指標を重視するかによって評価額が変わります。
▼収益性評価の重点の違い|金融機関はどこを見ているか
| 評価方法 | 見ている内容 | 重視する金融機関の傾向 |
|---|---|---|
| 積算法(担保評価) | 土地・建物そのものの価格を積み上げて評価する方法 | 都市銀行・地方銀行(担保価値の安全性を重視) |
| 収益還元法 | 将来得られる家賃収入をもとに、物件の収益力から評価する方法 | ノンバンク(収益力があれば積算評価が低くても融資しやすい) |
| 表面利回り基準 | 年間家賃収入 ÷ 物件価格。経費を考慮しない単純な利回り | 簡易的な一次スクリーニングとして幅広く使われる |
| 実質利回り(空室率・経費考慮) | 想定空室率・管理費・修繕費などを差し引いた実質的な収益率 | 都市銀行・信用金庫(長期の返済継続力を重視) |
出典:一般的な不動産担保評価の考え方(積算法・収益還元法)をもとに、イエウール土地活用の相談者への後日ヒアリングで確認できた金融機関ごとの傾向を編集部が整理。個別の金融機関の評価方法を保証するものではありません。
都市銀行・地方銀行は、万が一の際に土地・建物を売却して回収できる金額(積算評価)を重視するため、立地が良く担保価値が高い物件ほど有利になります。一方、ノンバンクは将来の家賃収入そのもの(収益還元評価)を重視するため、立地よりも稼働率・賃料設定の実現性が問われます。自分の物件がどちらの評価方法で有利になりやすいかを見極めることが、審査に通すための第一歩です。
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1 既存借入を事前に整理する自動車ローン・カードローンなど、少額でも既存借入があると返済比率が悪化します。相談前に完済できるものは完済しておきましょう。
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2 複数の金融機関に事前相談する1つの金融機関の基準だけで可否を判断せず、都市銀行・地方銀行・信用金庫など複数のカテゴリに事前相談することで、自分に合う基準の金融機関を見つけやすくなります。
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3 物件の収益性を示す資料を準備する周辺の家賃相場・想定稼働率などをまとめた事業計画書を用意することで、金融機関に収益性を具体的に示すことができます。
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4 否決された場合は3カ月ほど期間を空けてから別カテゴリに申し込む短期間に複数の金融機関へ立て続けに申し込むと、信用情報上「多重申込」と見られ、かえって不利になることがあります。1つの金融機関で否決された場合は、原因を分析したうえで3カ月ほど期間を空け、別カテゴリ(都市銀行で否決なら信用金庫や日本政策金融公庫など)に申し込み直すのが現実的です。
アドバイス
私が相談を受ける際、最も見落とされがちなのが「事業計画書の質」です。周辺家賃相場の裏付けが甘いまま提出すると、収益性への懸念で否決されるケースを何度も見てきました。相場データは複数の情報源で裏付けを取ることをお勧めしています。
審査に通すための3つの対策
相続した土地でアパートを建てる場合は、事前に既存借入を整理し、複数の金融機関に相談することをお勧めしています。
正直に言うと、既存借入も自己資金もほとんどない状態なのですが、私のような場合でも本当に相談する価値はあるのでしょうか。
相談する価値は十分にあります。ただ、具体的な見込みをお伝えするには条件が必要です。相続された土地の評価額の目安と、現在のご年収を伺えますか。
土地の評価額はおおよそ2,500万円程度、年収は650万円です。自己資金はほぼありません。
その条件であれば、土地を担保評価してもらえる金融機関を中心に、自己資金なしでも3,000万円台の借入可能額が視野に入るケースが多いです。まずは地方銀行と信用金庫の2〜3行に、土地の評価額を伝えたうえで事前相談することをお勧めします。
自己資金がなくても諦める必要はないんですね。まずは土地の評価額を伝えて、複数の金融機関に相談してみます。
担当者
「自己資金がないので相談してもいいのか不安です」というご相談は、日々本当に多く寄せられます。実際には、相続した土地の評価額次第で状況が変わるケースをよく見てきました。
まとめ:審査に通すための判断基準
- 既存借入が多い方は → 完済・整理してから相談する
- 自己資金が少ない方は → 土地評価額を活かせる金融機関を優先する
- 物件の収益性に不安がある方は → 事業計画書を用意してから複数行に相談する
アパートローン銀行一覧に関するよくある質問
ここまで、アパートローン銀行一覧のカテゴリ別の違いから、借入可能額の目安、審査に通すためのポイントまで解説しました。銀行選びと借入可能額の見通しが立ったら、次は自分の土地・条件に合わせた具体的なプランを比較検討するタイミングです。