アパート建築費4000万円で建てられる物件は?施工業者の選び方を解説

静岡県浜松市(地方都市)在住・50代・男性
「相続した実家の土地にアパートを建てようと考えていますが、自己資金と合わせて4,000万円ほどしか用意できません。この予算でどのくらいの規模のアパートが建てられるのか、正直イメージがつかめていません」

坪単価に延べ床面積を掛けることで、アパートの建築費の目安は計算できます。ただし「4,000万円で建てられる規模」は構造や地域によって大きく変わるため、相場だけを見て判断すると想定より狭い建物しか建てられなかったり、逆に予算を余らせてしまったりすることがあります。

本記事では、4,000万円の建築費で建てられるアパートの規模の目安と費用の内訳、予算内で建てる際の注意点、ハウスメーカーの選び方について解説します。読み終える頃には、ご自身の土地で「4,000万円という予算が現実的な選択肢かどうか」を判断できる状態を目指します。

【シミュレーター設置】私の建築費は?

目次

4,000万円で建てられるアパートの規模は?坪数・構造別の目安

4,000万円で建てられる坪数の目安

国土交通省の「建築着工統計調査」をもとにした構造別・坪数別の建築費の目安は、下記の通りです。

▼構造別・坪数別のアパート建築費目安

坪数木造鉄骨造鉄骨鉄筋コンクリート造
20坪1,760万円2,580万円2,990万円
30坪2,630万円3,870万円4,490万円
40坪3,510万円5,160万円5,990万円
50坪4,390万円6,450万円7,490万円

※国土交通省「建築着工統計調査 住宅着工統計」第34表(2021年度)をもとに算出。建ぺい率60%・容積率200%の土地を想定した目安であり、実際の金額は地域・仕様により変動します。

この表から、4,000万円の予算で収まるのは木造なら50坪未満、鉄骨造なら40坪未満、鉄骨鉄筋コンクリート造なら30坪未満が目安とわかります。

同じ4,000万円でも、構造を変えるだけで建てられる坪数がこんなに違うんだね

坪数の差は、そのまま部屋数の差につながります。たとえば40坪の木造なら1フロア24坪・最大3階建てで building 可能ですが、同じ40坪でもRC造にすると予算オーバーになるため、「何部屋のアパートにしたいか」から逆算して構造を選ぶのが現実的な進め方です。部屋数を優先するか、耐久性を優先するかで、選ぶべき構造は変わってきます。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「坪数の上限だけを見て構造を決めると、後で部屋数と家賃設定のバランスが崩れることがあります。

木造で部屋数を増やしても、1室あたりの面積が狭くなれば想定していた家賃を取れず、収支計画そのものが崩れるケースが少なくありません。

坪数を決める前に、周辺エリアの相場家賃と1室あたりの適正面積を確認しておくと安心です。」

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構造別の坪単価とメリット・デメリット

構造ごとの坪単価の目安は、木造56万〜75万円、鉄骨造83万〜110万円、鉄骨鉄筋コンクリート造96万〜125万円です。木造が最も安価ですが、安さだけで選ぶと長期的には損をするケースがあります

木造は法定耐用年数(税務上、建物の価値がゼロになるまでの年数)が22年と短く、鉄骨造・RC造よりアパートローンの融資期間が短くなりやすい傾向があります。融資期間が短いと月々の返済額が増え、キャッシュフローを圧迫する要因になります。

▼構造別のメリット・デメリット

構造メリットデメリット
木造低コスト・設計の自由度が高い防音性がやや低い・法定耐用年数が短い
鉄骨造安価かつ耐久性に優れる断熱対策が必要
鉄骨鉄筋コンクリート造耐久性が非常に高い・法定耐用年数が長い初期費用が高額

4,000万円という同じ予算でも、木造で坪数を増やす選択と、鉄骨造で坪数を抑えて耐久性を取る選択の2通りが考えられます。どちらが合うかは、家賃収入を優先したいか、修繕費を抑えて長期運用したいかによって変わります。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

構造選びは「今の建築費」だけで決めないでください。

法定耐用年数が短いと融資期間も短くなりやすく、月々の返済額が増えて経営を圧迫することがあります。反対に耐用年数が長い構造は、将来の建て替えや売却時にも評価されやすくなります。

30年間のトータルコストで比較する視点を持つと、判断を誤りにくくなります。」

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建築費4,000万円の内訳と各費用の相場

本体工事費

本体工事費は「坪単価×延べ床面積」で計算されるアパート本体の建築費で、総工費のうち約7割を占めるのが目安です。内訳は躯体4割・仕上げ4割・設備2割とされています。

▼建築費4,000万円の内訳(総工費に占める割合の目安)

【図解】建築費4,000万円の内訳(総工費比)

本体工事費 約70%・約2,800万円
別途工事費 約20%・約800万円
諸費用・設計費 約10%・約400万円

※一般的な内訳比率をもとにした概算です。土地の状況(地盤・古家の有無など)により別途工事費の割合は変動します。

見積もりで本体工事費以外が3割近くを占めていたら、内訳を細かく確認したほうがよさそうだね

電気工事や空調工事などの設備工事費が本体工事費の2割を超えている見積もりは、いずれかの設備が割高になっている可能性があります。内訳の比率が目安から大きく外れていないかを確認する視点を持つと、費用の妥当性を判断しやすくなります。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「見積書を見るときは、総額だけでなく本体工事費の比率を確認してください。

比率が6割を下回っている場合、付帯工事や諸費用に想定以上の費用がかかっている可能性があります。地盤改良や既存建物の解体が必要な土地では、この比率が変わりやすい点にも注意が必要です。

複数社の見積もりを並べて比率を比較すると、不自然な費用配分に気づきやすくなります。」

別途工事費・諸費用・設計費

別途工事費(付帯工事費)は敷地内のアパート以外の構造物にかかる費用で、総工費の約2割が目安です。電気・ガス・水道などのライフライン整備費や、古い建物がある場合の解体費用もここに含まれます。

諸費用は不動産取得税・登録免許税・火災保険料・ローン手数料などで、総工費の約1割が目安です。設計費は、ハウスメーカー依頼なら総工費の1〜3%、設計事務所依頼なら7〜8%程度が相場となります。

相続した土地に古い建物が残っている場合、解体費用が別途工事費に上乗せされ、本体工事費に回せる予算が想定より減ることがあります。古家がある土地では、解体費用を含めた総予算で坪数を再計算しておくと安心です。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「解体費用や地盤改良費は、現地調査をしないと正確な金額が出ません。

ハウスメーカーの初回見積もりは、これらの費用を概算のまま計上しているケースがあるため、後から金額が跳ね上がることがあります。

契約前に必ず現地調査を実施したうえで、確定した金額かどうかを確認してください。」

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予算内でアパートを建てる際の3つの注意点

自己資金をどれだけ用意すべきか

新築でアパート経営を始める際は、建築費の10〜30%の自己資金を用意しておくと安心です。4,000万円の建築費であれば、400万〜1,200万円が目安になります。

自己資金を多めに用意できると、アパートローンの審査が通りやすくなるだけでなく、金利負担や月々の返済額を抑えられます。自己資金の割合が低いほど、家賃下落や空室が発生したときの耐性が弱くなる点には注意が必要です。

自己資金が用意できない場合の対処法
  1. 建築費の低い構造・坪数に変更する:自己資金割合を確保できるよう、規模を見直す
  2. 複数の金融機関で審査を受ける:金融機関によって求められる自己資金割合は異なる
  3. 親族間での資金協力を検討する:相続予定の土地であれば、他の相続人との調整も選択肢になる
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「自己資金は「審査に通るための金額」ではなく「経営の安全余地」として考えてください。

自己資金が少ないまま満室想定でローンを組むと、1〜2室の空室が出ただけで返済が苦しくなる設計になりがちです。

自己資金を増やせない場合は、空室が出ても耐えられる坪数・構造まで規模を落とす判断も検討してください。」

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新築と中古、どちらが自分の状況に合うか

アパート経営は新築だけでなく、中古物件の購入という選択肢もあります。どちらが合うかは、初期費用と減価償却の取れる期間のどちらを重視するかで変わります。

【図解】新築と中古、向いている人の違い

新築
長期の減価償却・入居者確保を重視したい方

担保価値が高く融資審査に通りやすい。入居者も集まりやすいが、まとまった建築費が必要。

中古
初期費用を抑え、早期の収益化を重視したい方

初期費用は抑えられ、すでに収益実績のある物件を選べる。老朽化による大規模リフォームの可能性や、減価償却期間が短い点に注意。

相続した土地に建てるなら、新築のほうが向いているケースが多いのかな?

相続した土地にすでに古い建物が建っている場合は、解体してアパートを新築するか、既存建物をリフォームして活用するかも判断材料になります。建物の状態と、あと何年その土地で経営を続けたいかを軸に考えると判断しやすくなります。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「新築か中古かの判断は、「あと何年、その物件でオーナーを続けたいか」から逆算してください。

20年以上の長期運用を考えているなら、減価償却期間が長く取れる新築のほうが税務上のメリットを活かしやすくなります。

反対に、10年以内の運用や早期の売却も視野に入れているなら、初期費用を抑えられる中古も選択肢になります。」

実質利回りで収支をシミュレーションする

実質利回りとは、管理費・税金・空室分などの経費を引いた後の、実際の手取り収益率のことです。「(年間の家賃収入-年間の経費)÷アパートの建築費」で計算できます。年間の家賃収入だけで計算する表面利回りより、実態に近い数字が把握できます。

アパート経営の収支シミュレーションでは、表面利回りだけを見て判断すると、実際の手取り額を過大評価してしまうことがあります。ハウスメーカーの収支計画書だけに頼らず、自分でも実質利回りを計算しておくことが大切です。

実質利回りを確認する際に見ておきたい3点
  1. 空室率の想定が現実的か:満室想定のみの収支計画書は要注意
  2. 修繕積立金が経費に含まれているか:記載がない場合は自分で加算して再計算する
  3. ローン返済額を差し引いた後の手残りがプラスか:家賃収入から経費と返済額を引いた実際の手残りで判断する
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「収支計画書に修繕積立金の記載がない場合は、必ず確認してください。

新築時は修繕費がかからないため収支計画書上は高い利回りに見えますが、10年目以降は外壁や設備の修繕費が発生し、手残りが計画より減っていくケースが多く見られます。

提示された収支計画書に、築10年・20年時点の修繕費が織り込まれているかを必ず確認してください。」

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ハウスメーカーを選ぶときに確認すべきポイント

複数社から見積もりを取る

アパートを建築する際は、必ず複数のハウスメーカーからプランを取り寄せましょう。1社のみのプランで進めてしまうと、割高な費用に気づけないまま契約してしまうリスクがあります。

複数社を比較することで、その地域での建築費の相場が把握できるほか、値下げ交渉の材料にもなります。問い合わせの際の対応品質も、契約後のアフターフォローの質を見極める材料になります。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「見積もりを比較するときは、総額ではなく本体工事費の坪単価で揃えて比べてください。

諸費用や別途工事費の計上方法は会社によって異なるため、総額だけを並べると正しい比較になりません。

坪単価と内訳の比率を揃えて比較すると、割高な提案に気づきやすくなります。」

収支計画書の誠実さを見極める

アパートのプランを請求すると、収支計画書を取り寄せられます。この収支計画書は経営の判断材料として非常に重要ですが、想定家賃の根拠が不明だったり、修繕積立金の記載がなかったりするケースもあります。

収支計画書の想定家賃が、周辺の実勢家賃より高く設定されていないかも確認しておきましょう。周辺の類似物件の実際の募集家賃と照らし合わせることで、計画書の妥当性を判断しやすくなります。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「信頼できる収支計画書かどうかは、「不都合な数字も書かれているか」で判断してください。

良い数字ばかりが並ぶ計画書は、空室リスクや修繕費といった不都合な要素を意図的に外している可能性があります。

空室率・修繕費・金利上昇の3点が明記されているかを、契約前に必ず確認してください。」

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よくある質問

Q1. 4,000万円の予算でも自己資金なしで建てられますか?

金融機関によっては自己資金ゼロでの融資(フルローン)に対応している場合もありますが、審査は厳しくなり、金利も高くなる傾向があります。自己資金がない場合は、坪数や構造を見直して総予算を抑える方法も検討しましょう。

Q2. 木造と鉄骨造、どちらが4,000万円の予算に向いていますか?

部屋数を増やしたい場合は木造、長期の耐久性や融資期間を重視したい場合は鉄骨造が向いています。どちらが合うかは、家賃収入と修繕費のどちらを優先したいかによって変わります。

Q3. 建築費が予算をオーバーしそうな場合はどうすればいいですか?

坪数を減らす、構造を見直す、設備のグレードを下げるといった調整のほか、複数社から見積もりを取り直すことで費用を抑えられる場合があります。無理な予算配分は、後の修繕費や空室対応の余力を減らすため、坪数や構造の見直しを優先することをおすすめします。

まとめ|今日からできる3つの確認アクション

4,000万円の建築費で建てられるアパートは、木造で50坪未満、鉄骨造で40坪未満、鉄骨鉄筋コンクリート造で30坪未満が目安です。ただし坪数だけでなく、内訳の比率や自己資金、実質利回りまで確認して初めて、その予算が自分に合っているかを判断できます。

今日からできる3つの確認アクション【まとめ】
  1. 自分の土地条件で建築費シミュレーションを試す:坪数・構造ごとの目安金額を把握する
  2. 複数のハウスメーカーに収支計画書つきでプランを請求する:修繕積立金・空室率の記載があるかを比較する
  3. 実質利回りを自分でも計算してみる:手残り額をもとに、4,000万円という予算が現実的かを判断する
まずは自分の土地でどのくらいの建築費になるか、試算してみるところから始めてみようかな

アパートを建てるなら、最初の情報収集が重要です。一括見積もり請求サービス「イエウール土地活用」なら、土地所在地の入力だけで大手ハウスメーカー10社から建築費の見積もりとプランを取り寄せることができます。まずはお気軽に無料診断をご利用ください。

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\ この記事の編集者 /

イエウール土地活用編集部

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