【アパートローン金利10年固定】1%の差で返済額はいくら変わる?金利推移から見る「今借りるべきか」の判断基準

神奈川県横浜市(郊外)在住・50代・男性(2026年6月)
「相続したアパートのローンがそろそろ固定期間の見直し時期です。10年固定にしたいのですが、今の相場が高いのか安いのか分からず、金利がこれからさらに上がるならすぐ動いたほうがいいのか、正直判断がつきません。」
アパートローンの借り換えや新規契約のタイミングで、「10年固定金利は今どのくらいが相場なのか」「これから金利は上がるのか」という不安を抱えている方は少なくありません。特に金利が上昇局面に入ったと言われる今、固定期間の選び方を誤ると、数百万円単位で総返済額が変わってしまうこともあります。
結論を先にお伝えすると、2026年7月時点のアパートローン10年固定金利の相場は、金融機関タイプによって年2.0〜4.3%程度と幅があり、直近2年間で変動・固定ともに0.4〜0.6%ほど上昇しています。金利1%の差は、借入額5,000万円・返済期間25年のケースで年間の返済額が約32万円、返済期間全体では約800万円もの差につながります。今後1〜2年も緩やかな上昇が続く可能性が高いというのが、複数の金融機関・オーナーの動向を横断してきた立場からの見立てです(詳しい内訳は次の章で解説します)。
この記事では、イエウール土地活用に寄せられた相談実績と公的統計をもとに、10年固定金利の相場水準・直近の金利推移・今後の見通しを整理し、「今借りるべきか、様子を見るべきか」を自分の条件で判断できる状態を目指します。読み終える頃には、自分の場合にどの金融機関タイプ・どの固定期間が現実的な選択肢になるか、具体的なイメージが持てるはずです。
なお「固定期間」とは、その期間中は市場の金利変動に関わらず返済額が変わらない期間のことです。10年固定であれば、契約から10年間は決めた金利のまま返済でき、10年後に改めて固定・変動を選び直す仕組みが一般的です。
アパートローン10年固定金利の相場水準(金融機関タイプ別)
まず気になる「今の10年固定金利がどのくらいか」から確認しましょう。アパートローンの金利は住宅ローンと異なり、金融機関のホームページに一律の数値が公開されていないケースが多く、これが「相場が分かりにくい」と感じる最大の理由です。
| 金融機関タイプ | 10年固定金利の目安 | 変動金利の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 都市銀行 | 2.0〜3.0% | 1.5〜2.5% | 属性・実績重視。金利は低めだが審査が厳しめ |
| 地方銀行 | 2.5〜3.8% | 2.0〜3.2% | エリア内の物件・土地評価に強く、地元密着案件は柔軟 |
| 信用金庫・信用組合 | 3.0〜4.3% | 2.3〜3.5% | 金利は高めだが、小規模・地方物件でも相談しやすい |
| JA(農協) | 2.8〜3.6% | 2.2〜3.0% | 農地転用・地方の土地オーナーとの取引実績が豊富 |
| ネット銀行・ノンバンク | 2.5〜4.0% | 1.8〜3.0% | 審査スピードは速いが、物件タイプによって金利差が大きい |
※金融機関公式サイトで金利が非公開のケースが多いため、イエウール土地活用に寄せられた相談・見積もり記録(直近2年間・約2,300件のうちアパートローンの金利条件に言及があった相談を抽出)と、各金融機関の公表情報・業界レポートを参考に、イエウール編集部が集計・作成した目安です。実際の金利は物件の収益性・築年数・借入額・担保評価により変動します。
この表からわかる最大のポイントは、「同じ10年固定でも、金融機関タイプによって1%以上の差が生まれる」ということです。前述のとおり、金利1%の差は借入額5,000万円・返済期間25年のケースで返済期間全体の総返済額約800万円の差につながります(元利均等返済・金利以外の条件が同一の場合の概算。借入額別の年間返済額差は次の章の比較表で確認できます)。つまり「どの金融機関に相談するか」自体が、費用相場を大きく左右する要素だと言えます。
担当者
1つの銀行だけに相談して金利を決めてしまうのは、少しもったいないかもしれませんね。
実際、自己資金の有無や物件の立地条件によって、金融機関タイプ間の金利差はさらに広がることがあります。ここで、イエウール土地活用の相談記録から見えてきた傾向を紹介します。
自己資金ゼロでアパートローンを相談した方が、金融機関タイプ間で提示金利の差を感じたか
※対象:直近2年間にイエウール土地活用へ相談された方のうち、自己資金なし・複数の金融機関から条件提示を受けたと申告した相談者(集計対象約150件)。回答内訳は「1%以上の差を感じた」48%、「差は0.5%未満だった」27%、「比較していない」15%、「その他・不明」10%(相談者本人の申告に基づく、複数回答除く)。
【調査結果】自己資金ゼロ相談者の約半数が金融機関間で1%以上の金利差を経験
自己資金なしで複数の金融機関に相談した方のうち、約48%が「1%以上の金利差を感じた」と回答しました。自己資金が少ないほど金融機関側のリスク評価が分かれやすく、比較する金融機関の数が結果を大きく左右する傾向が見えます。
※上記図参照。集計対象約150件(直近2年間・相談者本人の申告に基づく)。
担当者
半数近くの方が差を感じているのですね。この差はどこから生まれるのでしょうか。
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト)
「金融機関ごとに、融資審査で重視する『リスクの見方』が違うことが最大の理由です。都市銀行は借主の年収・信用情報を重視し、地方銀行やJAは土地・物件の担保評価を重視する傾向があります。同じ物件でも、どちらの評価軸で見られるかによって、提示される金利は1%以上動くことがあります。」
担当者
評価軸が違うのですね。では、実際に相談する際は何を確認すればよいのでしょうか。
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト)
「相談を受ける際は、まず『自己資金の割合』と『物件の想定利回り』を数値で確認するようにお伝えしています。目安として、自己資金を借入額の10%積み増すだけで提示金利が0.2〜0.3%下がるケースが多く見られます。数字を持って複数の金融機関に同時に当たることが、結果的に最も効率のよい比較方法です。」
この吉崎氏の見解を裏付けるように、実際に自己資金を積み増して条件を改善できたオーナーの事例があります。
この事例で確認してほしいのは、どんな建物を・いくらで建てようとしていて、自己資金と借入希望額をどう見直した結果、最終的にいくら借りられたのかという一連の流れです。総事業費に対する自己資金の割合が変わると、金融機関の評価がどう動くかが具体的に分かります。
この事例から読み取れるのは、自己資金の割合を少し変えるだけでも、LTVと返済比率という金融機関の評価指標そのものが動き、結果として金利に交渉の余地が生まれるという点です。金利は「決まった数字」ではなく、総事業費・自己資金・借入希望額の組み合わせ次第で動く変数だと捉えると、次の一歩が見えてきます。
イエウール土地活用では、アパートローンの相談だけでなく、土地活用・売却・リフォームなど複数のサービスを横断して相談を受けています。1つの金融機関や1社の建築会社の営業窓口だけで話を進めると、その会社の基準・提案の範囲でしか比較できませんが、複数の相談窓口を横断して見てきた立場だからこそ、「特定の1社の営業論理に乗らない」中立的な比較の視点を提供できると考えています。
また、地方の小規模な物件や築年数の古い物件を所有している方からは、「都市銀行やネット銀行にはほとんど相手にしてもらえなかった」という声もよく聞かれます。都市銀行・ネット銀行は物件の規模や借主の年収を重視する傾向が強く、地方の小規模物件では地方銀行・信用金庫・JAのほうが相談に応じてもらいやすい傾向があります。自分の物件が都心・大規模ではない場合は、最初から地方銀行タイプを中心に相談先を絞ることが、時間の節約につながります。
※本体験談は、土地活用を検討・実施された方への取材をもとに作成しています。取材は当メディア編集部が個別に実施し、個人が特定できないよう氏名・詳細住所等を加工・匿名化しています。掲載している金額・条件はご本人から提供いただいた情報に基づき、実際の金利は個別の審査によって変動します。
アパートローン金利の推移と今後の見通し
直近1〜2年の金利推移
次に気になるのが「金利は今後どうなるのか」という点です。日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、2024年7月・2025年1月・2025年7月と段階的に政策金利の引き上げを進めてきました(政策金利は2024年初の0.0〜0.1%程度から、2025年後半には0.75%程度まで上昇)。これを受け、アパートローンを含む事業性融資の金利も緩やかな上昇傾向にあります。
| 時期 | 日銀政策金利 | 変動金利の目安 | 10年固定金利の目安 |
|---|---|---|---|
| 2024年1〜3月 | 0.0〜0.1% | 1.6〜2.4% | 2.3〜3.1% |
| 2024年7〜9月 | 0.25%程度 | 1.7〜2.6% | 2.4〜3.2% |
| 2025年1〜3月 | 0.5%程度 | 1.9〜2.8% | 2.6〜3.5% |
| 2025年7〜9月 | 0.75%程度 | 2.0〜2.9% | 2.7〜3.7% |
| 2026年4〜6月(現在) | 0.75%程度 | 2.1〜3.0% | 2.8〜3.8% |
出典:日本銀行「金融政策の決定内容」の公表情報、日本政策金融公庫の融資関連統計、および各金融機関の公表情報をもとに、イエウール土地活用の相談・見積もり記録(直近2年間・約2,300件)を加えてイエウール編集部が集計した目安です。個別の金利は物件条件・審査結果により異なります。上表は都市銀行・地方銀行の実行金利を単純平均した推移の目安であり、1章(金融機関タイプ別の目安)は信用金庫・JA・ネット銀行等を含む幅広いレンジを示しているため、算出範囲・基準が異なります。2024年1〜3月時点は金融政策正常化前の「0〜0.1%程度」という幅を持った目標だったため範囲表記、2024年7月の政策変更以降は単一の目標値のため単一の数値で記載しています。アパートローンの金利帯は金融機関ごとの上乗せ幅があるため一貫してレンジで記載しています。金利は原則として四半期ごとに更新します。また、1章の「都市銀行10年固定2.0〜3.0%」は都市銀行のみの目安であるのに対し、本表の「10年固定2.8〜3.8%」は都市銀行・地方銀行を合わせた単純平均であるため、都市銀行単独の水準より高く出ています。
この2年間で、政策金利は0.75%前後まで段階的に上昇し、アパートローンの変動・固定金利もそれぞれ0.4〜0.6%ほど上昇しています。「まだそこまで上がっていない」と感じる方もいるかもしれませんが、借入額5,000万円のケースでは0.5%の上昇だけで年間の返済額が約16万円増える計算になり、無視できる差ではありません。
今後の金利動向をどう見るべきか
今後の見通しについては、日本銀行の追加利上げの有無、物価動向、そして金融機関同士の融資競争という3つの要素が影響します。市場関係者の一般的な見方では、日銀の政策金利は今後1〜2年で1.0〜1.5%程度まで緩やかに上昇していく可能性が指摘されており、これに連動してアパートローンの変動金利も現在より0.3〜0.5%程度上振れする余地があると見ています。特定の1社の営業担当者に聞くと「今が最後のチャンス」といった煽り気味の説明を受けることもありますが、ポータルとして複数の金融機関・複数のオーナーの動向を横断的に見てきた立場から言えることは、「急激な上昇よりも、緩やかな上昇が続く可能性が高い」という中立的な見立てです。
今後1〜2年は、日銀の追加利上げが続く可能性が高く、変動金利はさらに緩やかに上がっていくと見ています。ただし急騰する可能性は低く、パニックになる必要はありません。
正直に言うと、もう少し待てば固定金利が下がる可能性もあるのではと思っています。今すぐ10年固定にするのは早すぎませんか。
下がる可能性は、正直それほど高くないと私は見ています。ただ、判断に迷う場合は、まず借入残高と残りの返済期間を教えていただけますか。それによって固定にする優先度が変わってきます。
残高は約4,800万円で、残り22年です。この場合はどう考えればよいでしょうか。
残り期間が20年以上ある場合、金利上昇の影響を受ける期間が長くなるため、固定化の優先度は高いというのが私の見方です。目安として、残存期間15年以上・上昇シナリオが不安な方には10年固定への切り替えを検討するようお伝えしています。
残存期間の長さで優先度が変わるという点が分かって、判断の軸ができました。もう少し早く動いてみようと思います。
担当者
「残り期間が長いほど固定化の優先度が高い」というご相談は、私たちの窓口でも実際によく寄せられます。特に相続で引き継いだばかりの方は、残存期間を把握していないケースも多いので、まずは返済予定表の確認から始める方が多い印象です。
固定・変動、固定期間(3年・10年)の比較
「そもそも固定と変動、どちらを選ぶべきか」「10年固定と3年固定はどう違うのか」という疑問も多く寄せられます。ここでは判断軸を整理します。
| タイプ | 金利水準 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 変動金利 | 最も低い | 返済に余裕があり、上昇時にすぐ見直せる方 |
| 3年固定 | 変動より高いが上昇局面には強い | 短期で売却・組み替えの予定がある方 |
| 10年固定 | 3年固定よりやや高い | 残存期間が長く、返済計画を固定したい方 |
結局どちらを選ぶべきかは「今の金利が安いか」だけでなく「残りの返済期間の長さ」と「返済額が変動した場合に対応できる余力があるか」で判断すべきです。金利差が返済額にどう影響するかを、借入額別に具体的な数字で確認してみましょう。
| 借入額 | 金利差0.5%の年間返済額差 | 金利差1.0%の年間返済額差 | 金利差1.0%の25年総返済額差 |
|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 約10万円 | 約19万円 | 約480万円 |
| 5,000万円 | 約16万円 | 約32万円 | 約800万円 |
| 8,000万円 | 約25万円 | 約51万円 | 約1,275万円 |
※返済期間25年・元利均等返済(金利以外の条件は同一)を前提に、年1回払い相当で概算した数値です。実際の返済額は返済方式・借入期間・金利タイプの組み合わせにより変動します。より正確な金額は、ご自身の借入条件を入力する自分ごと化診断でご確認ください。
- •残存期間が15年以上で、返済額の変動に備えたい方は10年固定が有力
- •数年以内に売却・組み替えの予定がある方は3年固定または変動が有力
- •金利上昇時にも返済に余力がある方は変動を維持し、都度見直す選択も合理的
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト)
「固定期間の途中で金利が下がった場合に、多くの方が悔しい思いをします。私が相談を受ける際は、10年固定を選ぶ場合でも『5年経過時点で市場水準と再比較する』というルールをあらかじめ決めておくようお伝えしています。固定=一度決めたら見直さない、ではありません。」
10年固定を途中で解約・借り換える場合の注意点
「10年固定にすると、期間中は身動きが取れなくなるのでは」という不安を持つ方も少なくありません。実際、10年固定を期間の途中で解約・借り換えする場合、多くの金融機関で違約金(早期完済違約金)が発生します。目安として、残存期間や金融機関によって異なりますが、残債の1〜2%程度が請求されるケースが一般的です。
そのため、10年固定を選ぶ際は「今後10年以内に売却や大幅な借り換えの予定があるかどうか」を契約前に必ず確認しておくことが重要です。売却・組み替えの予定が具体的にある場合は、違約金の負担も含めて3年固定・変動と比較したうえで判断しましょう。
私の場合、アパートローンはいくら借りられる?
ここまでで相場・推移・固定期間の判断軸が整理できました。最後に、これらの情報を「自分の場合」に落とし込むステップに進みましょう。
アパートローンの借入可能額は、年収・自己資金・物件の収益性・既存借入の状況という複数の要素の組み合わせで決まります。一般的な目安を知るだけでは「自分がどこに当てはまるか」までは分かりません。そこで、属性・物件条件を入力して概算を確認できる診断ツールを用意しています。
よくある質問
Q1. 固定と変動、結局どちらが得ですか?
どちらが得かは、残りの返済期間と返済余力によって変わります。残存期間が15年以上あり返済額の変動に備えたい方は10年固定、短期での売却・組み替えを予定している方や返済余力が大きい方は変動が向いています。
Q2. 10年固定は他の固定期間と比べて何が違いますか?
3年固定などの短期固定より金利はやや高めですが、返済額を長期間固定できるため、金利上昇局面での見直しリスクを抑えられます。残存期間が長いアパートローンでは、10年固定を選ぶオーナーが増えています。
Q3. 金利は今後も上がり続けますか?
急激な上昇の可能性は現時点では低いと見られていますが、緩やかな上昇が続く可能性はあります。特定の金融機関の見解だけでなく、複数の金融機関・相談実績を横断した傾向を確認したうえで判断することをおすすめします。
まとめ
アパートローンの10年固定金利は、金融機関タイプによって1%以上の差が生まれることがあり、どこに相談するかが相場そのものを左右します。また金利は緩やかな上昇傾向にあり、残存期間が長いオーナーほど固定化を検討する優先度が高いと言えます。とはいえ、最終的な判断は「自分の残存期間・自己資金・物件条件」次第です。まずは自分の場合の目安を診断し、複数の金融機関を比較する一歩を踏み出してみてください。