アパートローンはネット銀行のほとんどが対応外という事実

「神奈川県横浜市(郊外)在住の40代・男性(2026年6月)」
「実家の土地でアパート経営を考えていますが、都市銀行より金利が低いイメージがあるネット銀行で組めるのか気になっています。窓口に行かずに手続きできるなら楽なので、対応している銀行があれば知りたいです。」

アパート経営のための融資先を検討していて、「ネット銀行なら金利が低くて手続きも楽そうだ」と考えている方は多いのではないでしょうか。都市銀行や地方銀行の窓口に足を運ぶ手間を考えると、スマホやパソコンで完結できるネット銀行に惹かれるのは自然なことです。

しかし結論からお伝えすると、アパートローン(投資用不動産の購入・建築資金)として実際に使えるネット銀行は、想像しているよりもかなり限られています。金融機関ごとの実際の対応可否を確認せずに申込みを進めてしまうと、審査の途中で「投資用は対象外です」と伝えられ、時間を浪費してしまうケースが少なくありません。

この記事では、ネット銀行各行がアパートローンにどこまで対応しているのか、対応している銀行の条件はどうか、そして自分の場合に現実的な選択肢になるかどうかを、イエウール土地活用に寄せられた相談データも交えながら整理していきます。読み終えたときには、ネット銀行を候補にすべきかどうかの判断ができ、次に何をすべきかが明確になっているはずです。

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この記事を監修した人
石川龍明

アパートメントクリエーター 賃貸経営リスクコンサルタント。建設会社で働き、その後コンサルティング会社RCマンションのFC本部の役員として440件以上の案件を解決する。現在は横濱快適住環境研究所 代表取締役として全国でセミナーを開催。

アパートローンはネット銀行で組めるのか?対応の実態

住信SBIネット銀行・楽天銀行・PayPay銀行は投資用アパートローンには対応していない

まず知っておきたいのは、代表的なネット銀行の多くが、そもそも投資用不動産(アパート・賃貸マンションなど)の購入・建築資金には対応していないという実態です。「住宅ローン」だけでなく、「不動産担保ローン」という別商品を持つ銀行もありますが、こちらも資金使途から事業性資金(アパート経営目的の融資)が明確に除外されているケースが多く、商品名を変えても投資用の壁を越えられないことがほとんどです。

住信SBIネット銀行・楽天銀行・PayPay銀行の住宅ローンは、いずれも申込本人またはご親族が自ら居住するための住宅を対象としており、賃貸目的の物件購入には利用できません。「ネット銀行の住宅ローンは金利が低い」というイメージから住宅ローンのページだけを見て検討を始めると、この時点でつまずいてしまう方が多くいます。

石川龍明
専門家
アドバイス

相談を受ける際は、まず「住宅ローン」と「アパートローン(事業性融資)」は審査の仕組みがまったく別物であることをお伝えしています。ネット銀行の住宅ローンページに金利の低さが目立って掲載されていても、それは自己居住用の枠であり、賃貸経営には適用されないケースがほとんどです。金融機関のサイトを見る際は、必ず「投資用・事業用は対象外」の注記を確認するようアドバイスしています。

オリックス銀行は条件付きでアパートローンに対応している

一方で、オリックス銀行の不動産投資ローンは、投資用不動産の購入資金として利用できる数少ないネット銀行の商品です。借入金額は2,000万円以上2億円以下、借入期間は最長35年、保証料不要で団体信用生命保険も選択できます。ただし対応エリアが首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市など主要都市に限定されており、地方エリアの物件では利用できないケースがあります。

もう一つ知っておきたいのが、auじぶん銀行です。2024年以降、区分マンションに加えて一棟アパートへの融資も始めていますが、個人が銀行に直接申込むことはできず、提携している不動産会社・ハウスメーカーを経由した申込みのみに限定されています。つまり「対応しているかどうか」の答えが、相談する建築会社によって変わるということです。ソニー銀行・イオン銀行の不動産投資ローンは、区分マンション投資家向けが中心で、一棟アパートは対象外となっているケースが多いため、この記事のテーマからは対象外としています。

イエウール担当者
イエウール
担当者

イエウール土地活用では金融機関の紹介・あっせんは行っていませんが、複数のハウスメーカー・建築会社と接点を持つ立場から、「どの会社がauじぶん銀行のような提携融資に強いか」といった実務上の傾向は、日々の相談対応の中で見えてきます。銀行名だけでなく、どの建築会社に相談するかによって使える選択肢が変わる点は、意外と見落とされがちです。

銀行名 アパートローンとしての対応可否 補足
住信SBIネット銀行 × 住宅ローンは投資用不可。別商品の「不動産担保ローン」は資金使途に投資用資金・不動産購入を含む一方、「事業性資金」は明確に除外すると公式に明記されており、アパート経営目的の融資は対象外
楽天銀行 × 住宅ローンは投資用不可。別商品の「不動産担保ローン」も、アパート経営のような事業性資金としての利用は対象外となるケースが多い
PayPay銀行 × 住宅ローンは自己居住用のみ。投資用不動産ローンの取扱いなし
オリックス銀行 ○(条件付き対応) 対応エリアが首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市等に限定
auじぶん銀行 △(2024年以降、一棟アパートも対応開始) 提携している不動産会社・ハウスメーカー経由でのみ申込み可能。個人が直接申込むことはできない
ソニー銀行・イオン銀行 ×(区分マンション向けが中心) 不動産投資ローンの取扱いはあるが、主に区分マンション投資家向けで、一棟アパートは対象外となっているケースが多い

※各金融機関の公式サイトの記載内容(2026年7月時点)をもとに作成。融資条件は変更される場合があるため、最新情報は各行公式サイトをご確認ください。

イエウール土地活用に寄せられる相談の中でも、「ネット銀行で組みたい」という希望を最初に持つ方は一定数いらっしゃいます。実際にどの程度の方が希望どおりネット銀行での融資にたどり着けているのか、相談データから見てみましょう。

調査結果

ネット銀行での融資を希望した相談者の、最終的な融資先の内訳

39% 地方銀行等 39% 地方銀行等 24% ネット銀行 18% 日本公庫 12% ノンバンク等 7% 都市銀行等

※直近2年間のイエウール土地活用の相談データのうち、「ネット銀行での融資を希望する」と申告した相談者(集計対象約180件)の、最終的にどの金融機関で融資が成立したか(または移行したか)の内訳です。回答内訳:地方銀行・信用金庫に切替39%、ネット銀行(オリックス銀行等)で成立24%、日本政策金融公庫に切替18%、その他(ノンバンク等)12%、都市銀行・メガバンクに切替7%。相談者本人からのヒアリングに基づく集計であり、外れ値は除外していません。

【調査結果】ネット銀行での融資を希望した相談者の最終的な融資先

ネット銀行での融資を希望していた相談者のうち、実際にネット銀行(オリックス銀行等)で融資が成立したのは24%にとどまり、約4割にあたる39%が地方銀行・信用金庫に切り替えています。一方で、都市銀行・メガバンクへ切り替えた方は7%と最も少ない結果でした。これは回答漏れではなく、投資用不動産融資において都市銀行・メガバンクは地方銀行・信用金庫よりもさらに自己資金水準や信用力の基準を厳しく設定している傾向があり、「ネット銀行で断られた直後の乗り換え先」としては選ばれにくいという実態を示しています。都市銀行に切り替えられた方は、いずれも自己資金3割以上・賃貸経営の実績ありという、審査上有利な条件を満たしていた方でした。

※内訳(再掲):地方銀行・信用金庫39%、ネット銀行で成立24%、日本政策金融公庫18%、その他(ノンバンク等)12%、都市銀行・メガバンク7%。集計対象約180件、直近2年間のイエウール土地活用相談データより。

イエウール担当者
イエウール
担当者

半数以上の方が最終的に地方銀行や公庫に切り替えているのですね。ネット銀行にこだわりすぎず、複数の選択肢を並行して確認する方がよいのでしょうか。

石川龍明
専門家
アドバイス

その通りです。私が相談を受ける際は、ネット銀行を第一候補にしている方には必ず「対応可能な物件エリアか」「対応行はオリックス銀行に限られる可能性が高い」という前提をまず共有し、最初の段階で地方銀行・信用金庫にも同時に話を聞くよう勧めています。1行だけに絞って進めると、非対応と判明した時点で数週間のロスが生まれるためです。

イエウール担当者
イエウール
担当者

ちなみに、都市銀行やメガバンクに切り替えた方が7%と一番少なかったのが意外でした。地方銀行や公庫に比べて選ばれにくいのはなぜでしょうか。

石川龍明
専門家
アドバイス

都市銀行・メガバンクは、投資用不動産融資において地方銀行・信用金庫よりもさらに自己資金割合や既往の賃貸経営実績を重視する傾向が強く、ネット銀行で否決された直後の状態では基準を満たしにくいためです。実務エピソードとして、私が相談を受ける際は、ネット銀行で難しかった方にはまず地方銀行・信用金庫と日本政策金融公庫の2つに絞って同時に事前相談するようお伝えしています。都市銀行は、自己資金を積み増した後や、賃貸経営の実績を積んでから借り換え先として検討する、という順番で案内することがほとんどです。

この傾向を裏づける事例として、実際にネット銀行での融資が難しいと分かった後、地方銀行への切り替えで着工スケジュールに間に合わせた方のケースを見てみましょう。

体験談|千葉県柏市・40代男性(会社員・相続した実家の土地を活用)
項目 詳細
所在地千葉県柏市
総事業費/自己資金約4,500万円/約900万円(2割)
当初の希望オリックス銀行の不動産投資ローン
専門家のアドバイスどおり行動した結果
物件のエリアがオリックス銀行の対応エリア外と判明した時点で、専門家のアドバイスに沿って地方銀行2行・信用金庫1行に同時に事前相談を実施。相談から2週間ほどで地方銀行1行から自己資金2割・変動金利2.3%程度での条件提示を受け、契約予定日に間に合う形で本審査に進めました。ネット銀行の対応エリア表を確認せずに1行だけで数週間待っていたら、着工スケジュールに間に合わなかった可能性が高いケースです。

この事例から読み取れるのは、対応エリア外という事実が判明した段階で早めに複数の地方銀行・信用金庫へ相談を広げたことが、スケジュールを守れた決め手になっているという点です。

※本体験談は、土地活用を検討・実施された方への取材をもとに作成しています。取材は当メディア編集部が個別に実施し、専門家への確認を経て、個人が特定できないよう氏名・正確な住所等を加工・匿名化しています。掲載している金額・金利等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づきます。

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アパートローンに対応するネット銀行の金利・条件を比較

オリックス銀行の金利・借入可能額・対応エリア

ネット銀行で唯一アパートローンとして使いやすいオリックス銀行の不動産投資ローンは、借入金額2,000万円以上2億円以下、借入期間最長35年(最終返済時85歳未満まで)が条件です。保証料は不要で、団体信用生命保険もオプションで選択できます。対応エリアは首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市などの主要都市に限定されており、地方の物件では利用できない場合があります。

項目 オリックス銀行(不動産投資ローン)
金利(変動) 年2.8%〜3.5%程度が目安(審査結果・物件評価により変動)
借入金額 2,000万円以上〜2億円以下
借入期間 最長35年(最終返済時85歳未満)
対応エリア 首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市など主要都市に限定
保証料 不要
団体信用生命保険 オプションで選択可能

※金利は公式サイトの公表金利帯(2026年7月時点)をもとにした目安です。実際の適用金利は審査結果・担保評価・借入期間によって変動します。

石川龍明
専門家
アドバイス

実務エピソードとして、最低借入額が2,000万円からという点で対象外になってしまう小規模なアパート案件を何度も見てきました。相談を受ける際は、まず総事業費が2,000万円を超えるかどうかを最初に確認し、下回る場合はオリックス銀行を検討リストから外して地方銀行・信用金庫に絞って話を進めるようにしています。

「ネット銀行は金利が低い」というイメージは実際どこまで正しいか

「ネット銀行は対面の店舗を持たない分、金利が低い」というイメージを持っている方は多いのですが、投資用不動産融資(アパートローン)に限って言うと、この認識は半分正しく、半分は誤解です。ネット銀行系(オリックス銀行)の金利は都市銀行より高く、地方銀行・信用金庫とほぼ同水準かやや高めというのが実態です。金融機関の種類別に金利帯を比較してみましょう。

金融機関の種類 アパートローン金利帯の目安(変動) ネット銀行との比較
都市銀行・メガバンク 年1.5%〜2.5%程度 ネット銀行より低いことが多い(ただし審査基準は最も厳しい)
地方銀行・信用金庫 年2.0%〜3.2%程度 ネット銀行とほぼ同水準(担当者との関係性で優遇されるケースあり)
ネット銀行(オリックス銀行) 年2.8%〜3.5%程度 基準
日本政策金融公庫 年1.0%〜2.0%程度(条件を満たす場合) ネット銀行より低いことが多い(利用には要件あり)
ノンバンク(セゾンファンデックス等) 年4.0%〜6.0%程度 ネット銀行より1.5〜2ポイント程度高い

※各行公式サイトの公表金利帯(2026年7月時点)をもとに作成した目安であり、実際の適用金利は審査結果によって変動します。

この表からわかるとおり、「ネット銀行が一番金利が低い」わけではありません。都市銀行や日本政策金融公庫のほうが低い金利帯を提示していることも多く、ネット銀行の強みは金利の低さそのものよりも「オンラインで完結しやすい手続き」「都市銀行より対象となりやすい審査基準」にあります。金利だけを基準にネット銀行を選ぶと、実際には都市銀行や地方銀行のほうが有利な条件だったというケースも珍しくありません。

銀行に限定せず、セゾンファンデックスのようなノンバンクも候補に入れると選択肢は広がりますが、金利は銀行系より1.5〜2ポイント程度高くなります。オリックス銀行が変動金利2%台後半〜であるのに対し、ノンバンクは4%台〜が目安です。銀行の審査基準に届かない自営業者や、築古・狭小物件でも相談しやすい一方、返済額への影響は無視できません。

実際に金利差がどの程度返済額に影響するのか、イエウール土地活用の相談データをもとに試算してみましょう。

条件 オリックス銀行(金利2.8%想定) ノンバンク(金利4.6%想定)
借入4,000万円・返済期間30年の月々返済額 約16.5万円 約20.5万円
30年間の総返済額の差 約1,440万円(ノンバンクの方が高い)

※金利は各行公式サイトの想定金利帯の中央値を用いた試算であり、実際の適用金利は審査結果によって変動します。元利均等返済・ボーナス返済なしの条件で算出しています。

石川龍明
専門家
アドバイス

1,440万円という差を見ると「ノンバンクは避けるべき」と感じるかもしれませんが、実際に相談を受けた際は、まず「銀行系で断られた場合の保険としてノンバンクを2〜3行ピックアップしておく」という進め方をお伝えしています。ノンバンクを使う場合は、数年後に賃貸経営の実績ができた段階で銀行系への借り換えを検討する前提で計画を立てるよう具体的にアドバイスしています。

どんな人がネット銀行で有利な金利条件を借りられるか

金利帯には幅があることがわかりましたが、実際にオリックス銀行での融資が成立した相談者の中でも、適用金利には差があります。どのような属性の方が有利な金利条件を引き出せているのか、相談データから見てみましょう。

調査結果

ネット銀行で有利な金利条件を引き出せた決め手

38% 自己資金3割 38% 自己資金3割 26% 賃貸実績あり 20% 年収800万 16% 対応エリア内

※直近2年間のイエウール土地活用の相談データのうち、オリックス銀行での融資が成立し、かつ公表金利帯の下限に近い金利を引き出せた相談者(集計対象約65件)に、決め手となった条件を一つ挙げてもらった内訳です。回答内訳:自己資金3割以上38%、賃貸経営の実績あり26%、年収800万円以上20%、対応エリア内の好立地物件16%。相談者本人からのヒアリングに基づく集計です。

【調査結果】ネット銀行で有利な金利条件を引き出せた決め手

最も多かったのは「自己資金3割以上」で38%、次いで「賃貸経営の実績あり」が26%でした。年収の高さ(800万円以上・20%)よりも、自己資金の割合や実績のほうが金利に与える影響が大きいという結果です。これは、投資用不動産融資では返済原資を物件の家賃収入に依存する分、金融機関が「自己資金でどこまでリスクを負担できるか」「過去に賃貸経営で延滞なく返済できているか」を重視するためです。

※内訳(再掲):自己資金3割以上38%、賃貸経営の実績あり26%、年収800万円以上20%、対応エリア内16%。集計対象約65件、直近2年間のイエウール土地活用相談データより。

イエウール担当者
イエウール
担当者

年収の高さより自己資金割合や実績のほうが効くのですね。なぜ金融機関はそこまで自己資金割合を重視するのでしょうか。

石川龍明
専門家
アドバイス

アパートローンは住宅ローンと違い、返済原資が本人の給与ではなく家賃収入に依存する分、金融機関にとって「空室が出ても返済が滞らないか」という視点が重要になります。自己資金が厚いほど借入額に対する余裕が生まれ、金利面での交渉余地も広がります。実務エピソードとして、自己資金2割から3割へ積み増しただけで、提示金利が0.2〜0.3ポイント下がったケースを何度も見てきました。

イエウール担当者
イエウール
担当者

実際に金利交渉をする場合、具体的にはどのタイミングで、何を伝えればよいのでしょうか。

石川龍明
専門家
アドバイス

私が相談を受ける際は、事前審査の申込み前に「自己資金は総事業費の何割まで用意できるか」「他の金融機関からの内諾は得ているか」の2点を整理してから申込むようお伝えしています。他行の内諾(仮の融資可能提示)を先に得ておくと、それを材料にもう一方の金融機関へ金利の再検討を依頼できるケースが多いためです。自己資金を2割から3割に積み増す、または賃貸経営の実績を示す確定申告書を提出する、のどちらかができれば、金利交渉の材料としてかなり有効です。

実際にこのアドバイスどおり行動し、当初提示より有利な金利を引き出せた方の例を見てみましょう。

体験談|埼玉県さいたま市・50代女性(会社員・親から相続した土地でアパート新築)
項目 詳細
所在地埼玉県さいたま市
総事業費/当初の自己資金約5,200万円/約1,040万円(2割)
当初の提示金利変動 年3.4%
専門家のアドバイスどおり行動した結果
自己資金を1,040万円から1,560万円(総事業費の3割)まで積み増し、あわせて地方銀行1行から得ていた仮の融資可能提示を担当者に伝えたところ、最終的な適用金利は年3.4%から年3.0%まで引き下げられました。30年返済で試算すると、総返済額でおよそ280万円の差になる見込みです。

この事例から読み取れるのは、自己資金の積み増しと他行の内諾を材料にすることの2点を組み合わせると、当初提示より有利な条件を引き出せる可能性が高まるという点です。

※本体験談は、土地活用を検討・実施された方への取材をもとに作成しています。取材は当メディア編集部が個別に実施し、専門家への確認を経て、個人が特定できないよう氏名・正確な住所等を加工・匿名化しています。掲載している金額・金利等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づきます。

まとめ:ネット銀行・ノンバンクの条件比較の判断基準

  • 総事業費2,000万円以上・首都圏等の主要都市の物件 → オリックス銀行を検討
  • 総事業費2,000万円未満、または対応エリア外 → 地方銀行・信用金庫を優先
  • 自営業者・築古物件で銀行の審査が厳しい → ノンバンクも候補に
  • 少しでも金利を下げたい → 自己資金を3割まで積み増す、他行の内諾を材料に交渉する

アパートローンをネット銀行で組める人・組めない人の違い

自己資金・物件規模で分かれる審査傾向

オリックス銀行のようなネット銀行系のアパートローンは、地方銀行・信用金庫と比べて審査基準が明確で、自己資金の割合や物件の収益性を重視する傾向があります。自己資金が総事業費の2〜3割程度確保できているケースや、賃貸経営の実績がある方は審査で有利になりやすい一方、自己資金ゼロでのフルローンを希望する場合は選択肢が絞られます。

実際にネット銀行での融資を検討した相談者のうち、自己資金の状況によって結果がどう分かれているのか、イエウール土地活用の相談データから見てみましょう。

調査結果

自己資金割合別に見た、ネット銀行での融資成立状況

46% 3割以上成立 46% 3割以上成立 28% 1〜3割成立 17% 資金ゼロ不成立 9% 資金ゼロ成立

※直近2年間のイエウール土地活用の相談データのうち、ネット銀行系(オリックス銀行等)での融資を実際に申込みまで進めた相談者(集計対象約90件)を、自己資金割合別の成立・不成立で分類した内訳です。回答内訳:自己資金3割以上で成立46%、自己資金1〜3割で成立28%、自己資金ゼロで不成立17%、自己資金ゼロで成立9%。相談者本人からのヒアリングに基づく集計です。

【調査結果】自己資金割合別に見たネット銀行での融資成立状況

自己資金3割以上を確保できていた方は46%が融資成立に至った一方、自己資金ゼロで申込んだ方は17%が不成立となり、成立できたのは9%にとどまりました。自己資金1〜3割の層は28%が成立しており、自己資金の割合が上がるほど成立率が高まる傾向がはっきり出ています。自己資金ゼロでの申込みは選択肢としては存在しますが、成立率で見ると最も厳しいラインであることがわかります。

※内訳(再掲):自己資金3割以上で成立46%、自己資金1〜3割で成立28%、自己資金ゼロで不成立17%、自己資金ゼロで成立9%。集計対象約90件、直近2年間のイエウール土地活用相談データより。

💬 専門家に聞いてみました
専門家
専門家

ネット銀行系のアパートローンは、対面での柔軟な調整が難しい分、審査基準を厳格に運用している印象があります。自己資金が薄いほど不成立の割合が上がる傾向は、実際の相談現場でもよく見られます。

相談者
相談者

正直に言うと、自己資金があまり用意できていません。それでもネット銀行での融資は諦めたほうがいいのでしょうか。

専門家
専門家

諦める前に、具体的な数字を伺えれば目安をお伝えできます。総事業費と、現時点で用意できる自己資金はどのくらいでしょうか。

相談者
相談者

総事業費はおよそ4,000万円で、用意できる自己資金は200万円ほどです。全体の5%程度しかありません。

専門家
専門家

5%程度ですと、ネット銀行系だけに絞るのは正直厳しいラインです。私が相談を受ける際は、このケースでは自己資金を総事業費の1割(400万円)程度まで積み増すか、地方銀行・信用金庫を並行して検討するようお伝えしています。自己資金を倍にできると、審査の通過率が大きく変わるケースを何度も見てきました。

相談者
相談者

ネット銀行だけに絞らず、自己資金を積み増しながら地方銀行も並行して検討する、という進め方がわかって安心しました。

イエウール担当者
イエウール
担当者

自己資金が薄めの状態で「ネット銀行しか見ていなかった」というご相談は、日々の窓口でも本当に多くいただきます。1行の結果を待つ間に他の選択肢も並行で進める方が、時間を無駄にしないコツだと感じています。

実際に自己資金を積み増して審査を通過できた方の例を見てみましょう。

体験談|神奈川県川崎市・30代男性(会社員・空き地を活用してアパート新築)
項目 詳細
所在地神奈川県川崎市
総事業費/当初の自己資金約3,800万円/約190万円(5%)
当初の審査結果オリックス銀行で否決
専門家のアドバイスどおり行動した結果
1回目の否決後、専門家のアドバイスに沿って自己資金を190万円から380万円(総事業費の1割)まで積み増し、半年後に再申込み。あわせて賃貸経営の実績を示すため、先に取得していた別の区分マンションの確定申告書も提出したところ、2回目の申込みでオリックス銀行の審査に通過しました。

この事例から読み取れるのは、一度否決されても、自己資金の積み増しと実績の提示という2点を組み合わせることで再チャレンジの余地があるという点です。

※本体験談は、土地活用を検討・実施された方への取材をもとに作成しています。取材は当メディア編集部が個別に実施し、専門家への確認を経て、個人が特定できないよう氏名・正確な住所等を加工・匿名化しています。掲載している金額等の数値はご本人から提供いただいた情報に基づきます。

また、自営業者や2件目以降の物件を検討している方は、会社員・初回物件の方とは審査の見られ方が異なります。自営業者は直近2〜3期分の確定申告書の内容が重視されやすく、2件目以降の物件では既存のアパートローンの返済状況が新規融資の可否に影響します。いずれの場合も、ネット銀行系は書面での確認のみで柔軟な聞き取りができない分、地方銀行・信用金庫のほうが個別事情を踏まえた相談をしやすい傾向があります。

立地・エリアで分かれる対応可否

もう一つの分岐点は物件の立地です。オリックス銀行は首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市など主要都市に対応エリアを限定しているため、地方の物件を検討している場合はこの時点で選択肢から外れることになります。地方エリアでアパート経営を検討している方は、最初からネット銀行ではなく地元の地方銀行・信用金庫、または日本政策金融公庫を軸に検討したほうが結果的に早く進むケースが多いです。

石川龍明
専門家
アドバイス

実務エピソードとして、対応エリア外だと知らずにネット銀行に数週間かけて仮審査を進め、最終段階で断られた相談を何度も見てきました。物件の所在地を確認した時点で対応エリア表を照らし合わせるよう、最初にお伝えするようにしています。

ネット銀行と他の金融機関で対象条件・審査難易度はどう違うか

ここまで自己資金・立地という2つの分岐点を見てきましたが、そもそも金融機関の種類によって「どんな物件・条件を対象にしているか」「審査の厳しさ」「審査にかかる期間」は大きく異なります。ネット銀行だけで判断せず、他の金融機関と横並びで比較してみましょう。

金融機関の種類 対象となりやすい物件・条件 審査難易度の目安 審査〜融資実行の期間
都市銀行・メガバンク 新築・築浅の大都市圏物件、自己資金3割以上が目安 高い(属性・実績を重視) 1〜2ヶ月程度
地方銀行・信用金庫 営業エリア内の物件全般(中古・築古にも柔軟) 中程度(担当者との相談で調整余地あり) 3〜6週間程度
ネット銀行(オリックス銀行) 対応エリア内・総事業費2,000万円以上の物件 中程度(自己資金・実績の基準が明確) 3〜6週間程度
日本政策金融公庫 小規模物件・創業間もない個人事業主も対象 比較的緩やか(要件を満たす場合) 1〜2ヶ月程度
ノンバンク(セゾンファンデックス等) 築古・狭小物件、自営業者など銀行基準に届かない層 低い(柔軟だが金利は高め) 最短3営業日〜2週間程度

※各金融機関の公式サイト・イエウール土地活用の相談実績(直近2年間)をもとにした目安です。実際の対象条件・審査結果は個別の属性・物件により異なります。

この比較からわかるのは、ネット銀行(オリックス銀行)は審査難易度・対応スピードともに「都市銀行より易しく、ノンバンクより厳格」という中間的な位置づけだという点です。総事業費2,000万円未満の小規模案件や、対応エリア外の地方物件では、そもそも対象条件を満たさないため、この段階で地方銀行・信用金庫や日本政策金融公庫に軸足を移したほうが早く話が進みます。

年収・自己資金・物件規模・エリア別|銀行タイプ別の借入目安

最後に、自分の年収・自己資金・物件規模・エリアの条件から、どの銀行タイプでどの程度の借入が期待できそうか、目安を確認しておきましょう。あくまで一般的な審査傾向をもとにした目安であり、実際の融資可能額は個別の審査結果によって変動します。

年収 自己資金 物件規模/エリア 地方銀行・信用金庫の目安 ネット銀行(オリックス)の目安
500万円台 自己資金1割程度 総事業費2,000万円未満・地方エリア 2,000万円前後まで 対象外(最低借入額2,000万円未満・対応エリア外の可能性)
700万円台 自己資金2割程度 総事業費4,000万円程度・郊外エリア 3,500万円前後まで 対応エリア内なら3,000万円台前半まで
900万円台 自己資金3割程度 総事業費6,000万円程度・首都圏エリア 5,500万円前後まで 対応エリア内なら5,000万円台まで(有利な金利も期待できる)
1,200万円以上 自己資金3割以上・賃貸実績あり 総事業費8,000万円以上・首都圏・近畿圏 7,500万円前後まで 対応エリア内なら2億円まで対応可能

※上記はイエウール土地活用の相談実績(直近2年間)から見た一般的な傾向をもとにした目安であり、個別の融資可能額を保証するものではありません。物件の収益性・信用情報等によって結果は変動します。オリックス銀行は対応エリア外・総事業費2,000万円未満の場合はそもそも対象外となります。

石川龍明
専門家
アドバイス

目安として、私はこの表をそのまま鵜呑みにせず「自分の年収・自己資金でまず地方銀行に事前相談し、同時にオリックス銀行の対応エリア表を確認する」という2つを同時に進めるようお伝えしています。表の目安はあくまで傾向であり、実際の物件の収益性や既存の借入状況によって数百万円単位で結果が変わることも珍しくないためです。

\最適な土地活用プランって?/

大手10社の収益プランを比較する

土地からお探しの方は、まずはご希望のエリア、または現住所をご入力いただければ、最適なプランをご紹介します。

   
STEP1 右矢印
土地の有無
STEP2 右矢印
都道府県
STEP3 右矢印
市区町村
STEP4 右矢印
町名
STEP5 右矢印
字・丁目

アパートローンをネット銀行で断られた場合の次の一手

都市銀行・地方銀行・日本政策金融公庫という選択肢

ネット銀行での融資が難しいと分かった場合、次に検討したいのが都市銀行・地方銀行・信用金庫、そして日本政策金融公庫です。都市銀行は金利が低い一方で審査は厳しく、地方銀行・信用金庫は地域の物件情報に詳しく審査に柔軟な傾向があります。日本政策金融公庫は民間金融機関に比べて審査が比較的緩やかで、特定の条件を満たせば低金利で利用できる場合があります。

  1. 都市銀行
    金利は低めだが審査基準が厳しく、実績や自己資金が重視される
  2. 地方銀行・信用金庫
    地域の物件情報に詳しく、審査で柔軟に対応してもらえるケースが多い
  3. 日本政策金融公庫
    民間より審査が比較的緩やかで、条件を満たせば低金利で利用できる場合がある

この一覧から分かるとおり、「ネット銀行が使えない=アパートローンが組めない」ではありません。それぞれの金融機関には得意な条件・不得意な条件があり、自分の状況に合った先を選ぶことが重要です。

石川龍明
専門家
アドバイス

目安として、私は「まず地元の地方銀行・信用金庫に1〜2行相談し、同時に日本政策金融公庫にも話を聞く」という順番をお勧めしています。地域に強い金融機関から始めることで、物件のエリア特性を踏まえた実現可能な融資額の目安が早く見えてきます。

複数社を比較して条件を引き出す

ここで大切なのは、1つの金融機関の回答だけで判断しないことです。金融機関ごとに融資可能額・金利・審査の重視点は異なり、複数社を比較することで初めて自分にとって最も有利な条件が見えてきます。イエウール土地活用では金融機関の紹介・あっせんは行っていませんが、相談者の方から経過をお伺いする中で、実際に融資を受けられた方の多くが1つの金融機関の回答だけで判断せず、ご自身で複数の金融機関に相談されていたという声をよく耳にします。

複数の金融機関に同時に申込みをすることについて、信用情報への影響を心配する方もいますが、事前の相談・仮審査の段階であれば通常は大きな問題にはなりません。ただし本審査(本申込み)を複数行で同時に進める場合は、他社への申込み状況が信用情報機関に記録され、金融機関によっては審査で確認される場合があります。まずは複数行に仮審査・事前相談を行い、条件を比較したうえで本審査に進む先を絞る、という順番で進めるのが安全です。

審査から融資実行までの期間は、金融機関によって差があります。ネット銀行系(オリックス銀行等)は仮審査から本審査・融資実行まで概ね3〜6週間程度が目安とされており、地方銀行・信用金庫は物件や担当者との調整により前後する場合があります。契約や着工のスケジュールが決まっている場合は、この期間を逆算して余裕を持って申込みを進めることが重要です。

すでに契約日が決まっていて時間の余裕がない場合、ネット銀行系の3〜6週間という期間を待てないケースもあります。その場合は、対面で仮審査の結果を早めに確認できる地方銀行・信用金庫に絞って複数行へ同時に事前相談するか、審査スピードを重視するならノンバンク(セゾンファンデックス等)も候補に入れる方法があります。ノンバンクは書類提出から本審査完了まで最短3営業日程度で進むケースもあり、金利は高くなりますが、スケジュールを優先する場合の現実的な選択肢になります。

金融機関1行だけの回答を最終判断にしてしまうと、実はもっと有利な条件を提示してくれる金融機関を見逃している可能性があります。同じ年収・自己資金の条件でも、金融機関によって融資可能額に差が出るケースは珍しくありません。

石川龍明
専門家
アドバイス

実際に相談を受けた際は、まず事業計画書を複数パターン用意し、金融機関ごとに強調するポイントを変えて提出するようにしています。それだけで初回提示条件よりも有利な回答を引き出せたケースを何度も見てきました。

まとめ:ネット銀行が難しい場合の進め方

  • 総事業費・エリアがオリックス銀行の条件に合わない方は → 地方銀行・信用金庫を優先
  • 審査に不安がある方は → 日本政策金融公庫も並行して相談
  • 迷う場合は → 複数の金融機関・複数のプランを比較して判断

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よくある質問

Q1. ネット銀行のアパートローンは対面相談なしでも大丈夫ですか

オリックス銀行の不動産投資ローンは、口座開設不要でオンライン申込みが可能な設計になっていますが、事業計画の説明や物件の詳細確認では、電話や書面でのやりとりが発生します。対面での柔軂な調整ができない分、事前に事業計画書や必要書類をしっかり準備しておくことが審査をスムーズに進めるポイントです。不安な場合は、地方銀行・信用金庫のような対面窓口がある金融機関も並行して検討することをお勧めします。

Q2. ネット銀行の審査は他の銀行より厳しいですか

一概に「厳しい」とは言えませんが、対面での柔軟な調整ができない分、自己資金割合や物件の収益性など、基準が明確に運用される傾向があります。都市銀行の審査には通ったがネット銀行系では通らなかった、というケースも実際にあります。自己資金が総事業費の2〜3割程度確保できているか、対応エリア内の物件かを事前に確認しておくと、審査結果の見通しが立てやすくなります。

Q3. 複数の金融機関に同時に申込むと信用情報に影響しますか

事前相談・仮審査の段階であれば、複数行に同時に相談しても大きな問題にはなりにくいです。ただし本審査(本申込み)を複数行で同時に進める場合は、他社への申込み状況が信用情報機関に記録され、審査で確認されることがあります。まずは複数行に仮審査・事前相談を行って条件を比較し、本審査に進む先を絞り込む進め方がおすすめです。

まとめ

アパートローンをネット銀行で組めるかどうかは、多くの方が想像している以上に選択肢が限られています。住信SBIネット銀行・楽天銀行・PayPay銀行は住宅ローンとしては投資用不動産に対応しておらず、実際にアパートローンとして使えるのはオリックス銀行など一部の銀行に限られます。さらに対応エリアや最低借入金額といった条件もあるため、自分の物件・自己資金の状況と照らし合わせて判断することが欠かせません。

ネット銀行が候補にならない、または条件が合わない場合でも、地方銀行・信用金庫・日本政策金融公庫・ノンバンクなど、他の選択肢は多く残されています。1つの金融機関の回答だけで判断せず、複数の金融機関・複数のプランを比較しながら進めることが、有利な条件でアパートローンを組むための最も確実な近道です。

\ この記事の編集者 /

イエウール土地活用編集部

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