アパートローンとは?特徴や審査基準・金融機関の選び方を基礎から解説

「アパートを建てたいけれど、ローンのことがよくわからない」「住宅ローンとは違うらしいが、どこで借りればよいのか、自己資金がいくら要るのか見当がつかない」。アパートローンを調べ始めた方の多くが、こうした不安を抱えています。情報が金融機関ごとにバラバラで、自分のケースに当てはめにくいのも悩みどころです。

この記事では、そのモヤモヤを解消します。読み終えたときに、自分がどの種類の金融機関に当たるべきかと、建てる前提で実際にいくら現金が必要かの見当がつき、次に何を相談すればよいかまで整理できる状態を目指しましょう。

目次

アパートローンを「住宅ローンの延長」で考えてはいけない

「マイホームのときと同じように、まず取引銀行に相談しよう」。アパートローンをこの感覚で進めると、多くの方がつまずきます。結論から言うと、アパートローンは住宅ローンと使えるお金の目的・返済の原資・審査の見られ方がすべて別物だからです。具体的に住宅ローンとどう違うか、順に見ていきましょう。

住宅ローンでは投資物件を買えない(使途の違い)

住宅ローンは「自分が住むための家」を買うためのローンです。家賃収入を得るためのアパートやマンションの建築・購入には使えません。賃貸経営を目的とするなら、対象となるのは住宅ローンではなくアパートローン(不動産投資ローン)です。

返済の原資が「給料」でなく「家賃収入」になる

住宅ローンは給料から返すことを前提にしています。一方アパートローンは、その物件が生み出す家賃収入を返済の主な原資とみなします。そのため、申込者本人の年収だけでなく「物件がどれだけ稼げるか」が評価の中心になります。

だから金利も審査も別物になる

原資も目的も違うので、金利は住宅ローンより高めになり、審査も「事業として成り立つか」という厳しい目で見られます。この金利と審査をどう見極めるかで、次に説明する金融機関選びの結果が大きく変わります。

専門家からのアドバイス

住宅ローンの低金利が頭にあると、アパートローンの金利を見て「高い」と感じ、そこで検討が止まってしまう方が多いです。アパートローンは家賃で返すローンですから、金利の高さ単体ではなく「家賃から返済を引いて、毎月いくら手元に残るか」で見てください。ここが判断の出発点です。

アパートローンで「とりあえずメガバンク」に相談した人が損をする理由

金利が低いからと、最初からメガバンク一択で相談するのは危険です。金利は申込者の状況と金融機関のタイプによって大きく変わり、低金利のところほど審査の壁が高いという関係があるからです。まずは金利の見方を押さえましょう。

金利は金融機関のタイプで大きく変わる

同じアパートローンでも、どの種類の金融機関で借りるかによって金利水準は変わります。大手は低めですが審査が厳しく、地域密着型はやや高めでも通りやすい傾向があります。総返済額は金利差で数百万円単位で変わるため、「どこで借りるか」が極めて重要です。金利相場の詳しい推移や低金利で借りるコツは、アパートローンの金利相場と低金利で借りるコツを詳しくで確認できます。

金利タイプ(変動・固定・固定金利選択型)の違いと向き不向き

金利には主に3つのタイプがあります。それぞれ向き不向きが異なるため、自分の返済計画に合うものを選ぶことが大切です。

金利タイプ 特徴 向いている人
変動金利 当初の金利が低いが、将来上がる可能性がある 金利上昇に備える余力がある人
固定金利 完済まで金利が変わらず、返済計画を立てやすい 毎月の返済額を確定させたい人
固定金利選択型 一定期間だけ固定し、その後に選び直す 当初の返済を抑えつつ様子を見たい人

当初の低さだけで選ばず、返済期間全体で安定するかどうかで判断しましょう。

低金利の金融機関ほど審査が厳しいトレードオフ

ここがメガバンク一択の落とし穴です。金利が低い金融機関ほど、年収や属性へのハードルが高く、誰でも通るわけではありません。つまり「低金利=自分が借りられる」とは限らないのです。この前提を踏まえ、次は当たるべき金融機関の絞り方を見ていきます。

アパートローンは「審査が緩い銀行」ほど、返済で苦しくなりやすい

通りやすさだけで金融機関を選ぶと、金利が高く返済で後悔しがちです。逆に金利だけで選ぶと審査に通りません。大切なのは、自分の状況に合った金融機関のタイプを見極めることです。まずは3タイプの違いを整理します。

金融機関タイプ別の比較表

アパートローンを扱う金融機関は、大きく3タイプに分かれます。金利・審査・借入可能額にはっきりした傾向の差があります。

金融機関タイプ 金利 審査の通りやすさ 借入可能額 付帯条件・特徴
大手金融機関
(メガバンク・都市銀行)
低い 厳しい 大きい 年収・勤務先など属性を重視する
地域密着型金融機関
(地方銀行・信用金庫)
中〜やや高い 比較的通りやすい エリア制限あり。地域の物件に強い
公的金融機関
(日本政策金融公庫)
低め(固定中心) 事業性で判断 小〜中 融資期間が短め。自己資金を見られやすい

審査に不安がある場合は審査が緩い金融機関の選び方、公的機関を検討するなら日本政策金融公庫でアパートローンを組むメリットもあわせて確認できます。

地域密着型はエリア制限がある

地方銀行や信用金庫は、自宅や物件の所在地が営業エリア外だと、そもそも申し込めないことがあります。地域密着型を狙うなら、まず自分の物件がその金融機関のエリアに入っているかの確認が欠かせません。

年収・物件・自己資金で見る「あなたが当たるべき金融機関」早見

自分の状況を当てはめると、まず相談すべき金融機関のタイプの当たりがつきます。

あなたの状況 まず当たるべき金融機関
年収・属性に自信があり、低金利を重視したい 大手金融機関
属性に不安がある/地元に物件がある 地域密着型金融機関
自己資金は出せるが借入額は控えめにしたい 公的金融機関

専門家からのアドバイス

私が現場で勧めているのは、最初から1社に絞らず「大手1社+地元の金融機関1社」へ同時に当たることです。大手で金利の底値を確かめつつ、通りやすい地元の金融機関を保険として押さえておくと、条件交渉でも強気に出られます。地方銀行や信用金庫は支店長の裁量が効く場面もあるので、ネットの一般情報で判断せず、物件エリアの支店に直接相談するのが結局いちばんの近道です。

金融機関タイプの当たりはついても、「結局どこに相談すればいいのか」は土地の条件しだいで変わります。土地に合う活用法と資金計画をまとめて整理してみませんか。

相談完了でAmazonギフト1000円分
わたしの土地に合う
活用法は?
STEP 1 ご選択ください
持っている
持っていない
STEP 2 ご選択ください

※ご入力情報はサービス提供のためにのみ利用し、目的外の利用は一切行いません。

都道府県を選択

「フルローンなら自己資金ゼロ」はアパートローンでは通用しない

「全額借りられるなら手元のお金は要らない」と考えると、引き渡し前に資金がショートしかねません。フルローンでも、現金で用意しなければならないお金があるからです。建てる前提で必要なお金を具体的に押さえましょう。

借入可能額の目安(年収の10〜30倍)と満額が出ない理由

アパートローンの借入可能額は、おおよそ年収の10〜30倍が目安とされます。たとえば年収500万円なら5,000万円〜1億5,000万円が一つの幅です。ただし、これは上限の目安にすぎません。実際には物件の収益性や担保評価しだいで、希望額の満額が出ないことも珍しくありません。物件が想定どおりの家賃を生むと判断されなければ、借入枠は下がります。いくら借りられるかの詳しい決まり方はアパートローンはいくらまで借りられる?借入可能額の決まり方で確認できます。

住宅ローンの残債があると借入枠が減る

マイホームの住宅ローンが残っている場合、その返済負担が考慮され、アパートローンで借りられる枠が小さくなります。具体的にはこのような形で影響します。

  • 例1:本来5,000万円借りられる方でも、住宅ローンの残債が1,500万円あると、その分が差し引かれて借入枠が3,500万円程度に下がる
  • 例2:住宅ローンの毎月返済が10万円ある場合、その返済が年間の返済負担に上乗せ計算され、返済比率の枠を圧迫する
  • 例3:完済間近で残債が少なければ影響は小さいが、借り入れて間もなく残債が大きいと、審査は一段と厳しくなる

住宅ローンがある方は、この目減りを見込んだうえで計画を立てておく必要があります。

フルローンでも自己資金が要る(諸費用は建築費の5〜10%)

建築費は全額借りられても、登記費用・各種手数料・税金などの諸費用は建築費の5〜10%かかり、これは自己資金で用意するのが基本です。たとえば建築費5,000万円なら、250万〜500万円ほどの現金を別に準備するイメージです。下の早見で、用意すべきお金の全体像をつかんでおきましょう。

項目 目安
借入可能額 年収の10〜30倍が目安
諸費用(自己資金で用意) 建築費の5〜10%
無理のない返済比率 年収に対して50%まで

諸費用の内訳をさらに詳しく知りたい場合はアパート建築の諸費用の内訳と抑えるポイントで確認できます。

返済比率は50%まで

年収に対する年間返済額の割合(返済比率)は、無理のない範囲として50%までが一つの目安です。家賃収入が想定どおりに入らない月も見込んで、余裕のある計画にしておきましょう。実際の返済額はアパートローンの返済シミュレーションで試算できます。

専門家からのアドバイス

自己資金は「諸費用が払えればよい」ではなく、できれば建築費の1〜2割を別に持っておくことをお勧めします。理由は2つあります。1つは、自己資金を入れたほうが審査の評価が上がり、金利の交渉余地も生まれること。もう1つは、入居が想定より遅れて家賃が入らない期間の返済を、手元資金でしのげること。フルローンが組めても、あえて頭金を入れる選択肢を持っておくと安全です。

必要な自己資金が見えても、その計画で本当に返済が回るかは、収支を並べて比べないと判断できません。複数社のプランで妥当性を確かめてみませんか。

相談完了でAmazonギフト1000円分
賃貸経営
無理なく始められる
STEP 1 ご選択ください
持っている
持っていない
STEP 2 ご選択ください

※ご入力情報はサービス提供のためにのみ利用し、目的外の利用は一切行いません。

都道府県を選択

自分がアパートローンを借りられるかは、3つの条件で見当がつく

年収が高くても審査に落ちる人はいますし、その逆もあります。借りられるかどうかは、次の3つの条件である程度の見当がつきます。ここでは概要だけつかんでおきましょう。

3つの条件とセルフチェック

アパートローンの審査で見られるのは、主に次の3点です。

  • 収益性:物件が生み出す家賃収入で返済できそうか
  • 担保:土地・建物に十分な担保価値があるか
  • 属性:申込者本人の年収・勤務先・信用情報に問題がないか

次のセルフチェックに当てはまるほど、借りられる可能性は高まります。

  • 想定家賃で毎月の返済をまかなえそうだ
  • 担保にできる土地や物件がある
  • 安定した収入があり、信用情報に問題がない

3つすべてに自信がなくても、金融機関のタイプを変えれば通る可能性はあります。

専門家からのアドバイス

3つの条件は、もう少し踏み込むと審査担当が実際に見ているポイントが分かります。収益性では、想定家賃が周辺相場より高く盛られていないか、空室や家賃下落を織り込んだうえで返済後に手残りが出るかを確認します。担保では、土地・建物の評価額が融資額をカバーするか、再建築できる土地かどうかも見ます。属性では、年収だけでなく勤続年数・他の借入額・クレジットカードの延滞履歴・自己資金の厚みまでチェックされます。年収が高くても、他の借入や過去の延滞があると評価は下がります。

詳しい審査基準・通すコツは審査記事へ

審査基準の詳細、審査にかかる期間、通すためのコツは、専門記事で詳しく解説しています。自分の属性で通るか不安な方はアパートローンの審査基準と通すコツを詳しくをご覧ください。

「借りられそう」という感触はつかめても、今の計画のまま進めて損をしないかは、第三者に確かめると安心です。

相談完了でAmazonギフト1000円分
この活用法でいいか
プロに相談
STEP 1 ご選択ください
持っている
持っていない
STEP 2 ご選択ください

※ご入力情報はサービス提供のためにのみ利用し、目的外の利用は一切行いません。

都道府県を選択

アパートローンで失敗する人がやりがちな「申し込む順番」

同じ条件でも、進める順番を間違えると不利になります。いきなり1社に申し込む前に、次の順番で進めるのが失敗しないコツです。

  • 1. 自己資金と借入枠の確認:用意できる現金と、借りられそうな額を先に把握する
  • 2. 複数の金融機関に相談:1社だけで決めず、タイプを横断して条件を比べる
  • 3. 収支シミュレーション:家賃収入と返済のバランスを試算する
  • 4. 土地に合う活用の検討:そもそもアパートが最適か、他の活用や売却も含めて確かめる

ここまでをまとめると、アパートローンは金利の低さだけで金融機関を選ばず、フルローンでも必要な自己資金を見込んで、自分に合う金融機関に複数当たることが何より大切です。そのうえで、土地そのものをどう使うのがベストかまで含めて方向性を決めると、後悔のない判断ができます。

アパートを建てるか、別の活用にするか、売却するか——まずは土地の使い道の方向性から整理してみませんか。

相談完了でAmazonギフト1000円分
わたしの土地に合う
活用法は?
STEP 1 ご選択ください
持っている
持っていない
STEP 2 ご選択ください

※ご入力情報はサービス提供のためにのみ利用し、目的外の利用は一切行いません。

都道府県を選択

\ この記事の編集者 /

イエウール土地活用編集部

月間3.3万人以上が利.用する国内最大級の不動産情報サイト「イエウール」が運営する、土地活用専用サイトです。ユーザーの声を参考に、土地活用をお考えの方の悩みや知りたいに答える情報を、初心者にも分かりやすくお届けします。

目次