沖縄で建てるアパートの建築費用はいくら?沖縄で始めるメリットも紹介!

沖縄県那覇市在住・50代男性
「相続した土地が沖縄にあるのですが、沖縄は家賃が安いから建築費も安いはずだと思っていました。実際にアパートを建てるとしたら、いくら用意すればいいのでしょうか」

「沖縄は家賃相場が低いから、建築費用も安く済むのでは」と考える方は少なくありません。しかし実際は逆で、沖縄は他県より建築費が高くなりやすい地域です。台風・シロアリ対策として頑丈な構造が求められるためです。

本記事では、沖縄でアパートを建てる際の構造別の建築費相場から、建築費が高くても経営が成り立つ理由、見落とされがちな注意点、費用を抑える工夫まで解説します。読み終える頃には、ご自身の土地でどの程度の資金を用意すべきか、判断の土台ができているはずです。

【シミュレーター設置】私の土地の建築費シミュレーションは?

目次

沖縄でアパートを建てる費用はいくら?坪単価と総額の目安

構造別の坪単価と建築費総額の目安

沖縄で80坪の土地に2階建てのアパートを建てる場合、建築費は8,500万円〜1億円が目安です。構造によって坪単価が大きく変わるため、まずは構造別の相場を確認しましょう。

▼構造別のアパート建築費相場(延べ床面積80坪の場合)

構造坪単価の目安建築費総額の目安
木造87万円〜97万円7,000万円〜7,800万円
軽量・重量鉄骨造106万円〜125万円8,500万円〜1億円
鉄筋コンクリート(RC)造106万円〜125万円8,500万円〜1億円
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造137万円〜150万円1億1,000万円〜1億2,000万円

※出典:国土交通省「建築着工統計調査 住宅着工統計」の構造別・エリア別構成比をもとに、2026年時点の沖縄エリア水準へイエウール編集部が換算・作成。坪単価は前面道路の幅員・地盤改良工事の有無等により変動します。

木造が一番安いなら、沖縄でも木造にすればいいってこと?

実は沖縄では、坪単価が安い木造をあえて避け、RC造・SRC造を選ぶオーナーが大半です。次の項目で、その理由を確認していきましょう。

沖縄でRC造が主流になり建築費が上がる理由

沖縄は台風の通過点にあたり、高温多湿な気候からシロアリ被害も受けやすい地域です。木造アパートは台風被害・シロアリ被害の両方に弱く、長期的な資産価値を保ちにくいという弱点があります。

沖縄で鉄骨造・RC造が主流なのは、法定耐用年数の長さ(税務上、建物の価値がゼロになるまでの年数)も理由の一つです。法定耐用年数が長いほど融資期間を長く組みやすく、月々の返済額を抑えやすくなります。

つまり沖縄での建築費の高さは、初期費用を抑えるための選択肢が構造上ほとんどないことが背景にあります。木造で建てて数年で修繕費がかさむより、初期費用をかけてRC造にするほうが、長期的な収支は安定しやすい傾向にあります。

この坪単価表を、見積もりの判断にどう使えばいい?

上記の坪単価表は「相場の出発点」として使うものです。そのままご自身の土地の建築費として使うことはできません。実際の建築費は、前面道路の幅員・地盤改良工事の有無・解体工事の有無・建材グレードなどで大きく変動するためです。

坪単価表の正しい使い方【まとめ】
  1. 見積もりの適正チェックに使う:提示された坪単価が相場から大きくかけ離れていないか確認する
  2. 総建築費の概算に使う:「坪単価×延べ床面積」でおおよその建物本体費を試算する
  3. 複数社の見積もりを比較する材料にする:同じ坪数・構造でも会社によって見積もりが1,000万円以上変わることがある
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「坪単価表だけを見て構造や会社を決めるのは危険です。同じ坪単価でも、建材のグレードや付帯工事費の範囲が会社によって全く違うからです。

「坪単価○万円」という数字だけを比較すると、後から追加費用が発生し総額が想定より膨らむケースが少なくありません。見積もりを比較する際は、坪単価だけでなく総額と工事範囲を必ず確認してください。

建築会社に見積もりを依頼する際は、坪単価の内訳(本体工事・付帯工事・諸費用)を分けて提示してもらうと、比較の精度が上がります。」

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建築費が高くても沖縄でアパート経営に向いている理由

賃貸需要を支える3つの背景データ

建築費の高さだけを見ると「沖縄は割に合わないのでは」と感じるかもしれません。ですが沖縄には賃貸需要を下支えする3つのデータがあります。

▼沖縄の賃貸需要を支える指標(全国平均との比較)

指標沖縄県傾向
人口動態増加傾向・出生率も高水準全国的な人口減少の中で例外的
持ち家率全国平均より低い持ち家率が低いほど賃貸需要は高くなりやすい
空室率9.88%全国平均より低水準

出典:総務省「住宅・土地統計調査」をもとにイエウール編集部が作成。人口動態は沖縄県公表資料を参照。指標は調査年により変動するため、直近データは各公表元をご確認ください。

需要が高いのに家賃が上がりにくい理由

需要が高いなら、家賃ももっと高くなるんじゃないの?

実はそうなりません。沖縄は平均年収が全国的に見て低い水準にあり、家賃の支払い能力に上限があるためです。空室率は低くても、家賃自体は都市部ほど高く設定できない構造になっています。

つまり沖縄でのアパート経営は、「空室にはなりにくいが、家賃も上がりにくい」という特性を前提に収支を組む必要があります。

この需要データを収支判断にどう活かす?

上記の需要データは「沖縄なら必ず満室が続く」ことを保証するものではありません。那覇市周辺と離島など人口の少ないエリアでは需要の差が大きいため、地域全体の平均値だけで判断はできません。

需要データの正しい使い方【まとめ】
  1. 空室リスクの目安として使う:全国平均より空室率が低いことを、長期経営の安定材料として捉える
  2. 家賃想定を保守的に組む:需要の高さを家賃上昇の根拠にせず、現行の家賃水準で収支を試算する
  3. ご自身の土地周辺の需要を個別に確認する:県全体の数値だけでなく、周辺の人口・競合物件の状況を確認する
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「空室率の低さだけを見て安心してしまうオーナーが多いのですが、空室率と収益性は必ずしも一致しません。空室が埋まっていても、家賃が想定より低ければ収支は圧迫されます。

特に沖縄は家賃水準が上がりにくいため、満室想定の収支シミュレーションだけでなく、家賃が下落した場合の試算も必ず作っておくべきです。

建築前の段階で、周辺の実勢家賃と競合物件の稼働状況を建築会社や管理会社に確認しておくと、後の見込み違いを防げます。」

建築費の高さがそのまま経営リスクになる3つの注意点

建築費が高いのに利回りが低くなる仕組み

沖縄でアパート経営を始める際、最大の注意点は建築費が高額なのに家賃が低く、表面利回りが低くなりやすいことです。表面利回りとは、経費を引く前の年間家賃収入を建築費で割った収益の割合を指します。

▼建築費が同じでも家賃水準の違いで利回りが変わる例(建築費8,500万円の場合)

年間家賃収入表面利回り
595万円7.0%
510万円6.0%
425万円5.0%

※建築費8,500万円を各年間家賃収入で割った簡易計算(表面利回り=年間家賃収入÷建築費)です。管理費・税金・空室分などの経費は含んでいません。実際の実質利回りはこれより低くなります。

台風・潮風による修繕費増加という見落としがちな負担

沖縄は年間降水量が多く、海に囲まれているため、建物は雨・潮風の影響を受けやすい環境にあります。頑丈なRC造であっても外壁にひびが入り、放置すると内部の鉄筋が錆びて強度が低下することがあります。

建築費の試算だけに気を取られ、修繕費を築15〜20年目にまとめて確保していなかったために、外壁補修と屋上防水を同時に行う必要が生じ、想定外の出費になるケースがあります。

修繕費の負担を抑える対策
  1. 家賃収入の一部を修繕積立として分ける:毎月の家賃収入から一定額を積み立て、突発的な修繕費に備える
  2. 定期点検の頻度を上げる:外壁・防水の劣化を早期に発見し、被害が小さいうちに補修する
  3. 建築段階で耐候性の高い建材を選ぶ:初期費用は上がるが、長期の修繕頻度を下げられる

銀行融資が受けにくい実態と対策

沖縄のアパート経営は期待利回りが低くなりやすいため、ローン返済の見込みが立てにくいと判断され、銀行融資が受けにくくなる傾向があります。建築費が高いうえに融資が受けにくいとなると、自己資金を多めに用意する必要が出てきます。

融資を受けやすくするための準備
  1. 自己資金比率を高めに準備する:目安として建築費の2〜3割を自己資金で用意できると審査が通りやすくなる
  2. 収支シミュレーションを保守的に作る:満室想定ではなく、空室・家賃下落を織り込んだ計画書を用意する
  3. 複数の金融機関に相談する:融資条件は金融機関ごとに差があるため、1行だけで判断しない
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「建築費の高さと融資の受けにくさは、実は同じ根っこの問題です。利回りが低いことが、融資審査でも自己資金の負担でも不利に働きます。

この状態を放置すると、無理な自己資金で建築を進め、経営開始直後から資金繰りが厳しくなるオーナーが少なくありません。利回りを引き上げる工夫(仕上げ材の見直しなど)と、自己資金の準備を並行して進めることが重要です。

建築会社との打ち合わせでは、坪単価だけでなく「この条件で融資は通るか」を早い段階で確認しておくと、後戻りを防げます。」

建築費を抑えて収益性を高める3つの工夫

賃貸需要の条件を建築前に確認する

沖縄県内でも、賃貸需要はエリアの条件によって差があります。すでに土地をお持ちの場合、エリアを変えることはできませんが、周辺の人口・交通アクセス・競合物件の状況を確認することで、実現できるプランの見当がつきます。

▼賃貸需要の条件が異なる代表エリアの特徴

エリア需要の条件
那覇市県庁所在地・商業施設が集中し人口密度が高い
糸満市那覇市まで車で約30分・家賃水準は都心部より低め
浦添市那覇市に隣接するベッドタウン

※本表は公的な統計データではなく、各エリアの地理的条件を、監修者(石川龍明|業界経験20年以上・コンサル実績440件以上)の実務経験をもとに整理したものです。実際の賃貸需要は物件・時期により異なります。

ご自身の土地がどの条件に近いかを把握したうえで、建築会社に「この条件で想定できる入居者層」を確認すると、プランの精度が上がります。

仕上げ材・設備のグレードを見直してコストを抑える

沖縄はRC造・SRC造が主流のため、構造そのものでコストを大きく下げるのは難しいのが実情です。ただし構造部分以外の仕上げ材・設備で調整することは可能です。

コストを抑えられる仕上げ・設備の見直しポイント【まとめ】
  1. 外壁の仕上げを変更する:タイル仕上げを塗装仕上げに変更し初期費用を抑える
  2. 共用部の仕上げ材を見直す:エントランス・床の天然石仕上げをタイルに変更する
  3. 設備のグレードを調整する:バス・トイレ・キッチン・エアコン・インターフォンを標準グレードのメーカーにする

空室率の低さを活かした長期経営プランを立てる

利回りが低いなら、早めに売却したほうがいいのかな?

短期間で大きな収益を狙うプランは、沖縄の家賃水準とは相性がよくありません。一方で空室率の低さを踏まえると、長期で安定した家賃収入を積み上げる経営とは相性がよい地域です。

短期の利回りだけで判断せず、法定耐用年数・修繕サイクルを踏まえた30年単位の収支計画を立てることが、沖縄でアパート経営を成功させるポイントです。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「仕上げ材のグレードを下げる工夫は有効ですが、下げすぎると入居希望者の印象が悪化し、逆に空室が増えることがあります。

特にエントランスや水回り設備は、内見時に入居の決め手になりやすい箇所です。コストを抑えるのは外壁や共用部の仕上げに留め、入居者の目に触れる設備は標準以上を維持してください。

どこを削ってよいかは物件・エリアによって異なるため、建築会社に「入居率に影響しない削減ポイント」を具体的に聞くことをおすすめします。」

まとめ:沖縄でアパート建築を検討するなら今すぐ確認すべきこと

沖縄でのアパート建築は、坪単価・利回り・修繕費のいずれも他県と異なる特性を持っています。建築費の高さだけで諦める前に、ご自身の土地でどこまで実現できるかを数字で確認することが、後悔しない一歩目です。

今日からできる3つの確認アクション
  1. 複数社に建築費の見積もりを依頼する:坪単価だけでなく総額・工事範囲まで比較する
  2. 空室・家賃下落を織り込んだ収支計画を作る:満室想定だけでなく保守的な試算も準備する
  3. 自己資金と融資条件をあわせて確認する:建築費だけでなく、融資が通る条件かどうかもあわせて相談する

アパートを建てるかどうか迷っているなら、まずは情報収集から始めることが重要です。一括見積もり請求サービス「イエウール土地活用」なら、土地所在地を入力するだけで複数の大手ハウスメーカーから建築費の見積もりを取り寄せられます。

\ この記事の編集者 /

イエウール土地活用編集部

月間3.3万人以上が利.用する国内最大級の不動産情報サイト「イエウール」が運営する、土地活用専用サイトです。ユーザーの声を参考に、土地活用をお考えの方の悩みや知りたいに答える情報を、初心者にも分かりやすくお届けします。

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