九州のアパート建築費はいくら?30坪・60坪・100坪

九州のアパート建築費は、全国平均と比べると木造・軽量鉄骨ともに1割〜2割程度低い傾向があります。ただし、同じ九州の中でも福岡市(博多・天神周辺)と地方都市では建築費に差が出るため、「九州だから安い」と一括りにするのは危険です。
九州のアパート建築費用相場(土地面積:30坪・60坪・100坪)
| 延べ床面積 | 木造(73万円/坪) | 軽量鉄骨(105万円/坪) | 重量鉄骨(120万円/坪) |
|---|---|---|---|
| 36坪(土地30坪目安) | 2,628万〜3,410万円 | 3,780万〜4,914万円 | 4,320万〜5,616万円 |
| 72坪(土地60坪目安) | 5,256万〜6,820万円 | 7,560万〜9,828万円 | 8,640万〜1億1,232万円 |
| 120坪(土地100坪目安) | 8,760万〜1億1,370万円 | 1億2,600万〜1億6,380万円 | 1億4,400万〜1億8,720万円 |
出典:国土交通省「建築着工統計調査 住宅着工統計(2023年)」のエリア別構成比をもとに、2025年九州エリア水準へ換算してイエウール編集部が作成。九州の坪単価(木造73万円、軽量鉄骨105万円、重量鉄骨120万円)×延べ床面積×1.3倍(総額)で試算。建ぺい率60%・容積率200%の条件。
坪単価は全国平均より低いが、福岡市だけは別格
イエウール土地活用編集部調べでは、2025年の賃貸アパート(軽量鉄骨造プレハブ工法)の坪単価は九州全体で平均105万円前後と、東京(137万円)や大阪(120万円前後)に比べると低水準です。
ただし、福岡市(博多区・中央区・東区など)は別格です。再開発が続くこのエリアでは職人不足と資材高騰の影響が重なり、坪単価が110万〜125万円程度まで上がるケースも珍しくありません。
他の九州主要都市との比較でいうと、木造の坪単価は福岡市で約75〜90万円、熊本市・鹿児島市などの政令市・県庁所在地で65〜80万円、宮崎・大分・長崎などの地方都市で55〜70万円程度の差があります。延床面積80坪のアパートなら、エリアによって800万〜2,000万円以上の差額になります。
ただし、九州は家賃水準も東京・大阪より低いため、建築費が安いからといって利回りが高いとは限りません。建築費と家賃のバランスで収益性を判断することが重要です。
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「九州の建築費は全国的に見ると低水準ですが、福岡市周辺は近年の再開発とインバウンド需要の高まりで、工事コストが急速に上昇しています。2023〜2024年頃から坪単価が15〜20%程度跳ね上がったという話を現場でも耳にします。『九州だから安いはず』という先入観で事業計画を立てると、実際の見積もりとの乖離で計画が崩れるケースがあります。必ず複数社から最新の実勢ベース見積もりを取ってください。」

なぜ九州のアパート建築費はこの水準なのか
「九州は建築費が安い」というイメージを持っている方も多いですよね。確かに全国平均と比較すると低い水準ですが、その理由と構造を正しく理解しておかないと、想定外のコスト増に直面することがあります。
この章では、九州の建築費を左右する5つの構造的な要因を整理します。「なぜこの水準なのか」を理解しておくと、費用を抑えるためのポイントや、エリアごとの見極め方が見えてきます。
① 職人不足と人件費の地域格差
九州の建築費が全国平均より低い最大の理由のひとつは、人件費の水準です。
建設業の賃金は地域によって大きく異なります。九州・沖縄ブロックは全国でも人件費水準が低いエリアに分類され、東京の職人日当と比べると7割〜8割程度の水準が一般的です。
ただし、近年は九州でも建設業の人手不足が深刻化しており、特に福岡市では職人の確保が難しくなっています。大型再開発案件に職人が集中し、アパート建築のような中小規模案件では工期が延びるリスクも高まっています。
- 東京比7〜8割の人件費水準:熊本・鹿児島・宮崎などの地方都市では、この傾向が特に顕著です
- 福岡市は例外的に高騰中:再開発案件に職人が集中し、アパート向けの工事は後回しにされるケースも増えています
- 工期が延びると間接コストが増える:職人確保の難しさから工期が延び、ローン利息や仮住まい費用がかさむリスクがあります
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「人件費の地域格差は縮まりつつあります。地方でも熟練職人の高齢化が進み、若手育成が追いついていないため、今後5〜10年で九州の建築費は全国平均に近づいていく可能性があります。計画を先延ばしにすることで建築費がさらに上がるリスクを考えると、準備が整い次第、早期に複数社から見積もりを取ることをお勧めします。」
② 福岡市の特殊事情(再開発・資材高騰)
九州のアパート建築費を語るうえで、福岡市は別途取り上げる必要があります。
福岡市は全国でも有数の人口増加都市であり、天神ビッグバン・博多コネクティッドをはじめとする大規模再開発が続いています。その影響で、建設業者・職人・資材のいずれも需給が逼迫しており、坪単価は九州の他都市と比べて15〜25%程度高くなるケースがあります。
- 大型再開発案件との職人争奪戦:再開発優先で職人が取られ、中小規模アパートの施工開始が数ヶ月単位で遅れる事例が発生しています
- 資材の現地調達コスト上昇:資材の需要増加により、鉄鋼・木材とも他の九州都市より調達コストが高くなる傾向があります
- 地価上昇が工事条件に影響:狭小地・密集地が増えており、小運搬や特殊足場などの追加コストが発生しやすくなっています
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「福岡市内で計画される方は、施工会社に『現在の受注状況と着工可能時期』を必ず確認してください。受注が混んでいる会社に依頼すると、着工まで半年〜1年待ちというケースも出ています。着工が遅れるほどローンの利息負担や機会損失が積み重なります。複数社を比較して、着工スケジュールも含めた総合評価で選ぶことが大切です。」
③ 耐震・耐風・水害対策コストの増加
九州は自然災害リスクが高いエリアです。2016年の熊本地震、毎年のように発生する台風・豪雨被害を踏まえると、アパートを建てる際の耐震・耐風・防水仕様への投資は避けられません。
特に近年は、水害ハザードマップの見直しにより、建築確認の際に求められる対策基準が引き上げられるエリアが増えています。これが建築費の「隠れたコスト増」になっているケースがあります。
- 耐震等級2以上の取得コスト:熊本地震以降、九州では耐震等級2以上を求める入居者・銀行が増えており、仕様グレードアップに伴うコスト増が発生しやすくなっています
- 台風対策(サッシ・屋根仕様):台風の上陸が多い鹿児島・宮崎・長崎などでは、防風サッシや金属屋根の強化仕様が標準となりつつあります
- 浸水リスクエリアの基礎高さ規制:河川沿い・低地エリアでは基礎を高くする必要があり、本体工事費が上昇します
なお、ハザードマップ上の浸水リスクエリアとは、国土交通省が公表している洪水・土砂災害などのリスク範囲のことです。該当エリアでは建設前に確認が必須です。
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「熊本地震以降、九州では金融機関がアパートローンの審査時に耐震等級を確認するケースが増えています。耐震等級1のままだと融資条件が厳しくなることがあるため、最初から耐震等級2以上で設計しておくことをお勧めします。コストは多少上がりますが、長期的な資産価値の維持とローン審査の有利さで回収できます。」

④ 土地が広いエリアのスケールメリット
九州、特に熊本・鹿児島・宮崎・大分などの地方都市は、東京と比べて土地が広く取れるケースが多いです。
「広い土地に大きな建物を建てると費用も増えるのでは?」と感じる方もいますが、実は建物が大きくなるほど1坪あたりの単価が割安になる「スケールメリット」が働きます。
同じ延べ床面積のアパートでも、戸数を増やして設備費を分散できるため、坪単価が下がりやすくなります。地方都市でまとまった土地がある場合は、この効果を最大限に活かす設計が収益性を高めるポイントです。
- キッチン・バス・トイレなどの設備費が坪数で薄まる:戸数を増やすほど1戸あたりの設備コストが下がり、坪単価が抑えられます
- 重機・大型車両の搬入が容易:広い敷地では施工効率が上がり、手作業コストや工期の無駄が減ります
- 外構・駐車場の確保がしやすい:車社会の地方都市では駐車場の有無が入居率に直結するため、計画段階で確保できるかどうかが重要です
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「九州の地方都市では、土地が100坪以上あるのに建築戸数を少なく抑えすぎて収益性が上がらないケースをよく見ます。車社会のエリアでは駐車場スペースの確保が最優先ですが、残りの土地をうまく活用して戸数を増やすことで、同じ建築費でもキャッシュフローが大きく変わります。設計段階で戸数と駐車場のバランスを複数パターン検討することをお勧めします。」
⑤ 統計の坪単価と実際の費用には2〜3割の差がある
ネットで見かける「九州の坪単価は○○万円」という数字は、国土交通省の建築着工統計調査をもとにしたものが多いです。
ただし、この統計値はあくまで「工事費の予定額」であり、付帯工事費(外構・地盤改良など)や諸費用(税金・登記費用など)が含まれていません。
また、九州でも近年の資材高騰・人件費上昇を反映した実勢価格は、統計値より2〜3割上振れするケースが増えています。事業計画では必ず実勢価格ベースで試算することが大切です。
- 統計値は「本体工事費」のみ:付帯工事費(本体の約20%)と諸費用(約10%)を加えると、合計は統計値の1.3倍になります
- 資材高騰の影響は九州でも直撃:木材・鉄鋼とも輸送コスト込みで上昇しており、数年前の相場感は通用しなくなっています
- 見積もりは必ず実勢ベースで:「坪単価×延べ床面積」だけで概算すると、数百万〜数千万円の過小見積もりになる危険があります
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「事業計画の段階で統計坪単価そのままを使って収益シミュレーションをしてしまうと、実際の総費用との差が大きくなります。九州でも2023年以降は坪単価が急上昇しており、3〜4年前の事例をそのまま参考にするのは危険です。必ず複数の施工会社から最新の見積もりを取り、付帯工事費・諸費用込みの実額で収益性を確認してください。」

九州のアパート建築費想定事例(エリア区分別)
本章では、九州各エリアにおけるアパートの想定建築事例をまとめました。「エリア区分」や「土地面積」の条件から、ご自身の計画イメージに最も近い事例を探してみてください。なお、建築費や収支データの根拠となる「算定ロジック」については、一覧表の下部にて詳しく解説しています。
| エリア区分 | 坪面積 | 建築費(構造) |
|---|---|---|
| 福岡市内福岡市博多区 | 60坪 → | 9,200万円(軽量鉄骨造) |
| 福岡市内福岡市東区香椎 | 45坪 → | 4,800万円(木造) |
| 福岡県内(市外)福岡県久留米市 | 55坪 → | 4,400万円(木造) |
| 福岡県内(市外)福岡県北九州市小倉北区 | 50坪 → | 5,600万円(軽量鉄骨造) |
| 九州主要都市熊本市中央区 | 65坪 → | 5,100万円(木造) |
| 九州主要都市鹿児島市 | 70坪 → | 4,900万円(木造) |
| 地方都市・郊外宮崎市 | 80坪 → | 4,600万円(木造) |
| 地方都市・郊外大分市 | 60坪 → | 5,100万円(軽量鉄骨造) |
💡 本コラムに掲載している事例データの「算出ロジック」と根拠
本コラムに掲載している建築費や坪数の数値は、単なる予測値や理想の金額ではありません。近年の九州における「実際の建築市場トレンド」と「構造別の坪単価相場」をベースに、以下の3つのロジックに基づいてリアルにシミュレーションした数値です。
【1】構造別の「坪単価」の標準ロジック
アパートの建築費は「構造」によって坪単価の目安が大きく変わります。本事例では、九州エリアの資材高騰状況を踏まえた、以下のリアルな坪単価ロジックを採用しています。
-
木造アパート:坪単価 約65万〜80万円
(例:熊本市・65坪 × 坪単価約78万円 = 5,100万円) -
軽量鉄骨造アパート:坪単価 約95万〜115万円
※福岡市などの都市部では、以下の立地条件により坪単価がさらに変動します。
【2】「福岡市内」のコスト跳ね上がりロジック
事例の一覧表を見ていただくと、同じ構造でも「福岡市内」のほうが建築費が高くなっていることがわかります。これには、都市部特有の以下のような理由(ロジック)があります。
天神ビッグバン・博多コネクティッドなどの大型再開発が進む福岡市では、施工業者・職人・資材のいずれも需給が逼迫しており、中小規模アパートの見積もりに上乗せされるケースが増えています。
福岡市の商業地域・幹線道路沿いの多くは「防火地域・準防火地域」に指定されています。耐火性能の高い建材の使用が義務付けられているため、標準的な地域に比べて坪単価が10万〜20万円ほど高くなるロジックを反映しています。
【3】「地方都市・郊外エリア」のスケールメリットロジック
熊本・鹿児島・宮崎・大分などの地方都市では、坪数が大きくなるにつれて、「1坪あたりの単価が割安になる(スケールメリット)」という建築の基本ロジックを反映しています。
▼ 施工効率の向上と駐車場確保のバランス敷地が広く重機の搬入が容易なため施工効率が上がります。さらに九州の地方都市では車移動が前提のため、駐車場スペースを確保しながら戸数を増やすことで、1坪あたりの設備費が薄まり、総額が現実的な範囲に落ち着く計算ロジックになっています。
9,200万円(福岡市博多区・60坪) 軽量鉄骨造 都心・混合型
福岡市博多区
JR博多駅
「博多」駅 徒歩12分
建物:1K×8戸+1LDK×2戸(軽量鉄骨3F)
総建築費
9,200万円
自己資金
1,800万円
借入(ローン)
7,400万円
月返済額
24.5万円
想定家賃収入(満室時)
510,000円/月
月次CF(満室時)
+265,000円
※CF=家賃収入-ローン返済額。管理費・修繕費・空室リスク等を別途考慮
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「博多区は外国人留学生・ビジネスパーソン・単身転勤者の需要が非常に厚いエリアです。1Kと1LDKを組み合わせた混合型は入居者層を分散できるため、空室リスクの低減に有効です。月次CFが26万円台というのは60坪・軽量鉄骨造としては安定した数字ですが、博多区は競合物件も多いため、オートロック・宅配ボックス・独立洗面台などの差別化設備への初期投資を惜しまないことが長期稼働率を保つ鍵になります。」
4,800万円(福岡市東区香椎・45坪) 木造 福岡市内・単身型
福岡市東区香椎
JR鹿児島本線
「香椎」駅 徒歩8分
建物:1K×6戸(木造2F)
総建築費
4,800万円
自己資金
900万円
借入(ローン)
3,900万円
月返済額
12.9万円
想定家賃収入(満室時)
330,000円/月
月次CF(満室時)
+201,000円
※CF=家賃収入-ローン返済額。管理費・修繕費・空室リスク等を別途考慮
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「香椎エリアは博多・天神へのアクセスが良く、単身者の需要が安定しています。木造2階建て・1K6戸というシンプルな構成は初期費用を抑えやすく、月次CFが20万円台というのは45坪・木造としては健全な水準です。木造は法定耐用年数(税務上22年)を意識した修繕計画を早期に立てておくことが長期経営の要です。単身向けは入退去の頻度が上がりやすいため、原状回復費の積立を最初から収支計画に組み込んでおくと安心です。」
4,400万円(久留米市・55坪) 木造 福岡県郊外・単身型
福岡県久留米市
JR鹿児島本線・久大本線
「久留米」駅 徒歩13分
建物:1K×6戸(木造2F)
総建築費
4,400万円
自己資金
700万円
借入(ローン)
3,700万円
月返済額
12.3万円
想定家賃収入(満室時)
252,000円/月
月次CF(満室時)
+129,000円
※CF=家賃収入-ローン返済額。管理費・修繕費・空室リスク等を別途考慮
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「久留米市は九州最大の医療都市として知られ、医療従事者・学生の安定した賃貸需要があります。建築費を木造で抑えた分、月次CFが12万円台とやや余裕が少ない水準です。6戸という規模では1戸空室が出ると収入が17%近く落ちるため、家賃数ヶ月分の運転資金を必ず確保しておいてください。久留米大学など大学の入学シーズンに合わせた募集戦略を管理会社と事前に詰めておくことが満室稼働の近道です。」
5,600万円(北九州市小倉北区・50坪) 軽量鉄骨造 政令市・単身型
北九州市
小倉北区
JR鹿児島本線・日豊本線
「小倉」駅 徒歩10分
建物:1K×6戸+1DK×2戸(軽量鉄骨3F)
総建築費
5,600万円
自己資金
1,000万円
借入(ローン)
4,600万円
月返済額
15.2万円
想定家賃収入(満室時)
360,000円/月
月次CF(満室時)
+208,000円
※CF=家賃収入-ローン返済額。管理費・修繕費・空室リスク等を別途考慮
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「小倉北区は北九州市の中心部で、製造業・物流関連の就業者や大学生の需要が安定しています。1Kと1DKを組み合わせた混合型は入居者の幅を広げるうえで有効です。月次CFが20万円台というのは50坪・軽量鉄骨としては堅実な水準ですが、北九州市は人口減少トレンドが続いているため、駅徒歩10分以内という立地条件を最大限に活かした募集戦略と、設備の定期更新によって競争力を維持することが長期稼働の鍵です。」
5,100万円(熊本市中央区・65坪) 木造 政令市・ファミリー混合型
熊本市中央区
熊本市電・JR豊肥本線
「上熊本」駅 徒歩15分
建物:1K×5戸+2DK×2戸(木造2F)
総建築費
5,100万円
自己資金
900万円
借入(ローン)
4,200万円
月返済額
13.9万円
想定家賃収入(満室時)
315,000円/月
月次CF(満室時)
+176,000円
※CF=家賃収入-ローン返済額。管理費・修繕費・空室リスク等を別途考慮
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「熊本市は半導体関連産業の集積で人口流入が続いており、単身者・ファミリー層ともに需要が伸びているエリアです。2016年の地震以降は耐震等級2以上を求める入居者・金融機関が増えているため、木造でも耐震等級2以上の仕様で設計しておくことをお勧めします。初期コストは数十万円上がりますが、ローン条件の優遇や資産価値の維持を通じて長期的には回収できます。1Kと2DKの混合型は空室リスクを分散するうえでも理にかなった構成です。」
4,900万円(鹿児島市・70坪) 木造 県都・単身型
鹿児島市
JR鹿児島本線・市電
「鹿児島中央」駅 徒歩18分
建物:1K×8戸(木造2F)
総建築費
4,900万円
自己資金
800万円
借入(ローン)
4,100万円
月返済額
13.6万円
想定家賃収入(満室時)
296,000円/月
月次CF(満室時)
+160,000円
※CF=家賃収入-ローン返済額。管理費・修繕費・空室リスク等を別途考慮
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「鹿児島市は台風の影響を受けやすいエリアです。木造で建てる場合は台風対策仕様(防風サッシ・金属屋根など)を標準仕様に加えておくことを強くお勧めします。台風被害後の修繕コストは想定外に膨らむケースが多く、修繕積立を早期に設定していない物件ほど経営が不安定になります。8戸という規模は空室1〜2戸程度であれば収益を維持しやすいバランスです。月次CFが16万円台は70坪・木造としては妥当な水準です。」
4,600万円(宮崎市・80坪) 木造 地方都市・ファミリー型
宮崎市
JR日豊本線
「宮崎」駅 徒歩20分
建物:1K×4戸+2DK×3戸(木造2F)+駐車場7台
総建築費
4,600万円
自己資金
700万円
借入(ローン)
3,900万円
月返済額
12.9万円
想定家賃収入(満室時)
266,000円/月
月次CF(満室時)
+137,000円
※CF=家賃収入-ローン返済額。管理費・修繕費・空室リスク等を別途考慮
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「宮崎市は完全な車社会です。駐車場7台という設計は、地方都市のアパートにとって最も重要な競争力のひとつです。駐車場なしの物件は入居者探しに苦労するケースが多く、空室期間が長引きやすい傾向があります。月次CFが13万円台と余裕は多くありませんが、80坪の土地を活かして建物と駐車場のバランスを取ったこの構成は、宮崎市での長期経営を見据えた現実的な選択といえます。」
5,100万円(大分市・60坪) 軽量鉄骨造 地方都市・単身型
大分市
JR日豊本線・久大本線
「大分」駅 徒歩13分
建物:1K×7戸(軽量鉄骨2F)+駐車場5台
総建築費
5,100万円
自己資金
900万円
借入(ローン)
4,200万円
月返済額
13.9万円
想定家賃収入(満室時)
266,000円/月
月次CF(満室時)
+127,000円
※CF=家賃収入-ローン返済額。管理費・修繕費・空室リスク等を別途考慮
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「大分市は石油化学・自動車関連の工場が集積しており、単身の転勤者・就業者の賃貸需要が比較的安定しています。木造より建築費がかかる軽量鉄骨造を選んだ場合でも、耐久性の高さが長期保有時の修繕コスト低減につながります。駐車場5台の確保は地方都市では必須です。月次CFが12万円台と余裕は少ないですが、7戸規模で空室1〜2戸が出ても収益が完全にゼロになるわけではなく、安定経営の基礎を作りやすい構成といえます。」
■ 数値の前提条件
建築費=坪単価×延べ床面積(土地面積×1.5)×1.3(付帯工事費込)/ローン返済:金利2%・35年・元利均等返済(月返済係数0.003314)/家賃収入は2026年時点の各エリア周辺相場を参考にした満室想定値 /CFは家賃収入からローン返済額を差し引いた概算値であり、管理費・固定資産税・修繕積立金・空室損失等は含みません。実際の収支は個別条件により大きく異なります。
実際、いくらで建てた? ー 九州のアパート建築相場実例
イエウール土地活用のご成約者様へのアンケートをもとに、実際のアパート建築費用や収益をご紹介します。一人ひとりの体験談から、あなたの建築計画のヒントを見つけてください。
| エリア・区市 | 建築費 | 構造 |
|---|---|---|
| 福岡県 福岡市 | 5,001万~6,000万円 → | 木造 |
| 福岡県 北九州市 | 1億円~1億5,000万円未満 → | 鉄骨造 |
【掲載している体験談について】本ページの体験談は、202年2月時点までに土地活用を完了されたイエウール土地活用のご成約者様を対象に、運営事務局が◯年にメールにてアンケートを実施し、ご回答いただいた内容をもとに作成しています。費用・収益・利回りなどの数値はご本人の回答をそのまま掲載しており、個人が特定できないよう氏名・住所等の情報は非公開としています。費用・相場は取得当時のものです
5,001万~6,000万円(福岡県福岡市 ~200㎡)
「福岡市内の200㎡前後の土地に木造8戸を計画し、利回り6.4%を確保できているのは、地方中核都市のアパート経営として十分な水準です。依頼先企業が非公開となっているケースは、複数社を比較検討した結果として情報を伏せている場合が多く、利回りの数字だけでなく管理体制やアフターサポートまで含めて会社選びを行う姿勢が、長期的な満室経営につながります。」
1億円~1億5,000万円未満(福岡県北九州市 200㎡超)
「北九州市で200㎡超の土地に鉄骨造9戸を新築するこのケースは、建築費が1億円を超える大型投資ですが、老朽化した中古物件2棟の建て替えに伴う相続対策が主目的という点が特徴的です。利回り5.0%はこの規模の新築アパートとして標準的な水準で、相続税対策効果と運用効率のバランスが取れた計画といえます。土地探しから建築・管理まで一括対応できる依頼先を選んだことで、新築未経験でも安心して進められた好例です。」
まとめ:九州でアパートを建てる際の建築費の考え方
九州のアパート建築費は、全国平均と比べると木造・軽量鉄骨ともに1〜2割程度低い水準にあります。ただし、「九州だから安い」という一括りの認識は危険です。福岡市内は再開発・人口増加の影響で坪単価が急上昇しており、熊本市でも半導体産業の集積に伴う建設需要増加で職人確保が難しくなっています。また、台風・地震リスクへの対策コストも年々増加傾向にあります。
この記事のポイント
- 九州の建築費は木造・軽量鉄骨・重量鉄骨の順に高くなり、構造の選択で総額が数千万円単位で変わる
- 福岡市内は再開発・人口流入の影響で、九州の他都市より坪単価が15〜25%程度高くなりやすい
- 熊本・鹿児島・宮崎・大分などの地方都市は土地が広く取れるため、スケールメリットを活かした戸数設計が収益性を高める鍵になる
- 台風・地震リスクへの対策コスト(耐震等級・防風仕様など)を計画段階から予算に組み込んでおくことが、長期経営の安定につながる
- 本記事のシミュレーション事例はあくまで目安。実際の費用はエリア・土地の形状・法規制・依頼先によって大きく変動するため、複数社から見積もりを取って比較することが失敗を避ける最も確実な方法
※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援
「九州でアパートを建てる際は、建築費の『水準』だけでなく、そのエリアの人口動態・家賃相場・災害リスクを掛け合わせて収益性を判断することが大切です。福岡市内は建築費が高くても家賃水準も高いため投資効率が出やすい一方、地方都市は建築費が安くても家賃が低く、空室が出たときの影響が大きいという特性があります。本記事の事例を参考に、自分の土地に近い条件のケースを見つけ、まずは複数のハウスメーカー・建築会社にプランを依頼して比較することをお勧めします。」