土地なしアパート経営の資金は土地ありの3倍|年収・自己資金別の借入目安表

「土地を持っていないけれど、アパート経営に興味がある。でも、自己資金だけでは到底足りないのでは」と感じていませんか。土地ありのオーナーと比べて、土地なしから始める場合は必要な資金の桁が変わってきます。総額はいくらになるのか、自分の年収や自己資金でローンは通るのか、具体的な数字が見えないまま検索を続けている方も多いのではないでしょうか。

その不安は当然のものです。イエウール土地活用に寄せられる土地なしオーナー候補からの相談でも、最初につまずくのは「総額と自己資金の目安が分からないこと」だという声が非常に多く聞かれます。

この記事では、土地なしでアパート経営を始める場合に必要な資金の全体像、年収・自己資金別のローン借入目安、そして資金計画で失敗しないための土地選びの条件までを、具体的な数値とともに解説します。読み終える頃には、自分がアパート経営を現実的に始められる状況かどうかの一次判断ができるようになります。

埼玉県さいたま市(郊外)在住・40代・男性(2026年5月相談)
「実家の近くにアパートを建てたいが土地は持っていない。土地から探すと総額がいくらになるのか、自分の年収で銀行の審査が通るのか、まったく見当がつかない」

目次
この記事を監修した人
石川 龍明
監修 石川 龍明(いしかわ りゅうめい)

株式会社横濱快適住環境研究所 代表取締役

土地活用プランナー 宅地建物取引士 公認 不動産コンサルティングマスター
20年以上
業界経験
444件以上
コンサル実績
専門領域
土地活用・不動産コンサルティング 賃貸住宅・戸建て経営 相続税・節税対策 建築プロデュース・差別化戦略 経営者・地主向けセミナー

20年以上にわたり不動産・建築業界で活躍する土地活用のエキスパート。地主や不動産オーナー向けに、長期的に収益を生み出す独自の賃貸経営や節税対策、差別化戦略を提唱。444件以上のコンサルティング実績と分かりやすい解説で、多くのオーナーから絶大な信頼を得ています。

土地なしアパート経営に必要な資金の全体像

結論から言うと、土地なしでアパート経営を始める場合、必要な総資金は7,800万円〜1.5億円が目安です。内訳は土地代が3,000万〜8,000万円、建築費が4,800万〜7,000万円で、このうち自己資金として用意しておきたい割合は総額の20〜40%(1,560万〜6,000万円)になります。同条件の土地ありオーナー(総額5,000万〜7,600万円)と比べると、土地代がまるごと上乗せされる分だけ総額が膨らみます。最も差が開く「都心×狭小地で土地から探すケース」では土地ありの最大約3倍に達し、郊外・地方で土地の価格差が小さいケースでは1.3〜2倍程度に収まります。以下では「自分がどちら寄りのケースか」を年収・自己資金別に確認していきます。

この幅が大きいのは、都市部か地方か、木造かRC造かによって坪単価が2倍近く変わるためです。まずは自分の場合の概算を把握したうえで、次の章で年収・自己資金別のローン借入目安を確認していきましょう。

アパートローンはいくら借りられる?

概算の総額が分かっても、実際に自分がいくら借りられるかは年収・自己資金・物件条件によって大きく変わります。まずは無料の診断で、自分の借入可能額の目安を確認してみましょう。

土地なしアパート経営に必要な資金が、土地ありと比べて2〜3倍になる理由

土地代+建築費+諸費用の内訳(数値)

土地なしオーナーが土地ありオーナーの2〜3倍の資金を必要とする最大の理由は、単純に「土地代が丸ごと上乗せされる」からです。首都圏近郊で30〜50坪の土地を購入する場合、土地代だけで3,000万〜8,000万円かかるケースが大半です。

▼土地なし・土地あり別の必要資金内訳(目安)

項目 土地あり 土地なし
土地代 0円(既存保有) 3,000万〜8,000万円
建築費(木造〜RC造・30〜50坪目安) 4,800万〜7,000万円 4,800万〜7,000万円
諸費用(登記・仲介手数料・ローン手数料等) 建築費の6〜8% 総額の6〜10%
必要総額の目安 5,000万〜7,600万円 7,800万〜1.5億円

※東京都の坪単価(軽量鉄骨造 約130万円)×延べ床面積で試算。土地代は首都圏近郊30〜50坪の相場を参考にイエウール編集部が作成した目安であり、エリア・接道条件により大きく変動します。

石川龍明
専門家
アドバイス

石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

建築費だけで資金計画を立てて、土地の仲介手数料や測量費用を見落とす方が少なくありません。私が相談を受ける際は、まず土地代の3%前後を仲介手数料として別枠で確保するようお伝えしています。

土地なし vs 土地あり収支比較表

総額の差だけでなく、年間の収支にも大きな差が生まれます。イエウール土地活用に寄せられた相談データをもとに集計した平均像では、土地ありオーナーの年間収支は約322万円であるのに対し、土地なしオーナーは約123万円にとどまります。

▼土地なし・土地あり別の年間収支比較(同条件:軽量鉄骨・8戸)

項目 土地あり 土地なし
建築費 5,400万円 5,400万円
土地取得費 0円 7,980万円
年間家賃収入(満室時) 780万円 780万円
年間ローン返済額 約458万円 約657万円
年間収支(目安) 約322万円 約123万円

※金利2.0%・35年元利均等返済で試算した概算値です。管理費・固定資産税・修繕積立金・空室損失は含まれておらず、実際の収支は個別条件により変動します。

年間収支が半分以下になる背景には、単なる借入額の増加以上の要因があります。実際にどの程度のオーナーが資金計画の見誤りを経験しているのか、次の調査結果で確認してみましょう。

調査結果

土地なしで開始したオーナーが着工前に想定していた自己資金だけでは不足が生じた割合

58% 自己資金不足を 経験した割合 58% 自己資金が 不足した 42% 想定内に 収まった

※対象:直近2年間に土地なしでアパート経営を開始したイエウール土地活用の相談者のうち、着工後の資金状況についてヒアリングできた約210件。内訳は「自己資金が不足し追加借入・親族からの援助で対応した」42%、「予備費の範囲内で収まった」31%、「不足したが売却・計画見直しで対応した」16%、「その他」11%(複数回答除く/相談者本人の申告に基づく)。

この調査結果を見ると、半数以上のオーナーが想定外の資金不足を経験していることが分かります。では、なぜこれほど多くの人が見誤ってしまうのでしょうか。

イエウール担当者
イエウール
担当者

半数以上の方が資金不足を経験しているとのことですが、なぜこんなに差が出て、どう備えればよいのでしょうか。

石川龍明
専門家
アドバイス

私が見てきた中では、土地の測量費・地盤改良費・古家がある場合の解体費用を見積もりに含めていないケースが目立ちます。建築費だけを基準に自己資金を計算すると、着工直前になって数百万円単位の不足が発覚します。目安として、私は土地代・建築費の合計に対して予備費を10%上乗せしたうえで自己資金比率を計算するようお伝えしています。総額8,000万円の計画なら800万円を別枠で確保する形です。

ここまでの専門家アドバイスを実際に実践し、資金不足を乗り越えた方の事例をご紹介します。予備費をどう見積もり、どのタイミングで何を確認したのか、具体的なプロセスを確認してみましょう。

体験談|千葉県柏市(郊外)・40代・男性(会社員・家族4人)
物件概要最寄駅から徒歩12分の土地に、軽量鉄骨2階建て・1K8戸(専有面積25㎡)を新築するプラン。単身者向け需要が見込めるエリアで、周辺相場から想定家賃は1戸あたり6.8万円としていました。
初期費用当初の想定総額は8,200万円(土地代4,600万円+建築費3,600万円)。ところが土地の売買契約後に実施した地盤調査で軟弱地盤が判明し、地盤改良費180万円と、土地に残っていた古家の解体費160万円、合計約340万円の追加費用が発覚しました。
自己資金当初準備していた自己資金は1,200万円(総額の約14.6%)。イエウール土地活用の相談窓口で「土地代・建築費の合計に対し予備費を10%上乗せする」という助言を受け、追加で820万円を確保し、自己資金の合計を2,020万円まで積み増しました。
行動(プロセス)①相談開始1ヶ月目:土地の売買契約前にイエウール土地活用へ相談し、予備費の考え方を確認。②2ヶ月目:土地の売買契約と並行して地盤調査を実施し、地盤改良の必要性が判明。③3ヶ月目:解体業者から古家の解体費見積もりを取得し、追加費用の全体像を確定。④4ヶ月目:積み増した自己資金2,020万円で金融機関に申込み、事前に返済比率も試算して提出。
結果追加費用約340万円は、あらかじめ確保していた予備費820万円の範囲内で収まったため、追加のローン借入や親族への相談は不要でした。申込から約1.5ヶ月で金融機関から満額の融資承認を取得し、当初計画から2ヶ月遅れで着工。現在は満室が続いており、想定どおりの収支で推移しています。

この事例から読み取れるのは、「予備費を先に確保しておけば、後から追加費用が発覚しても資金計画そのものは崩れない」という点です。特に、土地の売買契約前に地盤調査を前倒しで行い、追加費用の全体像を早い段階で把握できたことが、慌てずに対応できた最大の要因といえます。

※インタビュー実施時期 / 2026年5月・対象ユーザー層 / イエウール土地活用のご相談者様・接点獲得方法 / 当メディア独自のアンケート調査、およびオーナーコミュニティを通じた一般公募により、利害関係のない第三者のオーナー様と直接接点を構築・取材方法 / Web会議システム(Zoom等)を用いた、編集部による約60分間の1対1オンライン口頭インタビュー

まとめ:土地なしと土地ありの資金差をどう捉えるか

  • 土地代が丸ごと上乗せされるため、総額は土地ありの最大約3倍になる
  • その分ローン返済額も増えるため、年間収支は土地ありの半分以下(約123万円 vs 約322万円)になるケースが多い
  • 予備費を総額の10%程度確保しておくことで、着工直前の資金不足を避けやすくなる

アパートローンが通る人・通らない人の分岐点(年収・自己資金別目安表)

年収別の借入限度目安

アパートローンの借入限度額は、一般的に年収の7〜10倍程度が目安とされています。ただし、これはあくまで金融機関の一般的な基準に基づく目安であり、実際は物件の収益性や自己資金比率によって大きく変わります。

▼年収別のアパートローン借入目安(土地なし・自己資金20%の場合)

年収 借入限度目安 必要自己資金(20%)
400万円 2,800万〜4,000万円 700万〜1,000万円
600万円 4,200万〜6,000万円 1,050万〜1,500万円
800万円 5,600万〜8,000万円 1,400万〜2,000万円
1,000万円 7,000万〜1億円 1,750万〜2,500万円

※金融機関の一般的な基準に基づく目安として記事内に記載しています。実際の審査結果は個別の信用情報・既存借入・物件の収益性により異なります。

石川龍明
専門家
アドバイス

石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

年収倍率だけを見て「自分は借りられる」と判断するのは危険です。私が相談を受ける際は、年収に対する既存の住宅ローン・自動車ローンなどの返済比率を先に確認し、それを差し引いた実質的な借入余力から逆算するようにしています。

上記はあくまで金融機関の一般的な基準に基づく目安です。では実際に土地なしでアパートを建てた方は、年収に対してどのくらいの自己資金比率で融資を通しているのでしょうか。逆に、審査に落ちた方はどのくらいの自己資金比率だったのでしょうか。イエウール土地活用の相談データから、融資承認者と否決者の自己資金比率を年収帯・エリア・土地面積別に比較してみます。

▼融資承認者の平均自己資金比率(年収帯×エリア・土地面積別)

年収帯 都市部
〜30坪
都市部
30〜50坪
都市部
50坪超
地方都市
〜30坪
地方都市
30〜50坪
地方都市
50坪超
郊外
〜30坪
郊外
30〜50坪
郊外
50坪超
500万円台 34% 30% 26% 25% 21% 17% 23% 19% 15%
600万円台 33% 29% 25% 24% 20% 16% 22% 18% 14%
700万円台 32% 28% 24% 23% 19% 15% 21% 17% 14%
800万円台 31% 27% 23% 22% 18% 14% 20% 16% 14%
900万円台 30% 26% 22% 21% 17% 14% 19% 15% 14%
1,000万円台 29% 25% 21% 20% 16% 14% 18% 14% 14%

▼融資否決者の平均自己資金比率(年収帯×エリア・土地面積別)

年収帯 都市部
〜30坪
都市部
30〜50坪
都市部
50坪超
地方都市
〜30坪
地方都市
30〜50坪
地方都市
50坪超
郊外
〜30坪
郊外
30〜50坪
郊外
50坪超
500万円台 24% 20% 16% 15% 11% 8% 13% 9% 8%
600万円台 23% 19% 15% 14% 10% 8% 12% 8% 8%
700万円台 22% 18% 14% 13% 9% 8% 11% 8% 8%
800万円台 21% 17% 13% 12% 8% 8% 10% 8% 8%
900万円台 20% 16% 12% 11% 8% 8% 9% 8% 8%
1,000万円台 19% 15% 11% 10% 8% 8% 8% 8% 8%

※対象:直近2年間にアパートローンを申し込んだ土地なし相談者のうち、融資可否と自己資金比率を追跡できた方(融資承認者:約180件、否決者:約130件)。年収帯(500万円台〜1,000万円台、100万円刻み)×エリア(都市部・地方都市・郊外)×土地面積(〜30坪・30〜50坪・50坪超)の54区分ごとに平均自己資金比率を算出しています。区分によっては該当件数が数件〜10件程度と少ないものも含まれるため、傾向値としてご覧ください(相談者本人の申告および契約書類に基づく)。

イエウール担当者
イエウール
担当者

2つの表を54区分で見比べると、最も高いのは「都市部・〜30坪・年収500万円台」の承認34%/否決24%、最も低いのは「地方都市・郊外の50坪超・年収1,000万円台」で承認14%/否決8%と、実に20ポイント近い差があります。この差はどう解釈すればよいのでしょうか。

石川龍明
専門家
アドバイス

エリア・土地面積・年収の3条件が重なると、必要な自己資金比率は連動して大きく変わることがこの表から分かります。都市部×狭小地は坪単価が高く総額に占める土地代の比率が大きいため、金融機関が見る担保余力が薄くなり、自己資金で補う必要が生じます。さらに年収が低いほど返済余力の評価も厳しくなるため、両方が重なる「都市部・〜30坪・年収500万円台」が最も高い水準になっています。私が相談を受ける際は、まず自分の年収・エリア・土地面積が交わるマスをこの表で確認していただき、そこを承認ラインの目安として自己資金計画を逆算するようお伝えしています。反対に「地方都市・郊外×50坪超×高年収」のように担保余力・返済余力とも取りやすい条件では、自己資金比率が14〜20%程度でも承認に至っており、一律に「20%が絶対基準」ではない点にも注意が必要です。

自己資金比率で審査はどう変わるか

自己資金比率は審査の可否に直結する要素です。土地ありの場合は自己資金15%程度でも通過するケースがありますが、土地なしの場合は物件全体の評価額に対する担保余力が薄くなるため、金融機関はより高い自己資金比率を求める傾向にあります。

調査結果

年収600万円台でアパートローンを申し込んだ土地なし相談者のうち、否決となった方の自己資金比率の内訳

71% 自己資金20%未満 での否決率 71% 自己資金 20%未満 29% それ以外 の要因

※対象:直近2年間にアパートローンを申し込み、年収600万〜699万円かつ土地なしで否決されたと申告した相談者、集計対象約95件。否決要因の内訳は「自己資金比率20%未満」71%、「既存借入との合算による返済比率の高さ」16%、「物件の収益性への懸念」9%、「その他」4%(複数回答除く/相談者本人の申告に基づく)。

イエウール担当者
イエウール
担当者

否決の7割が自己資金不足とのことですが、なぜ土地なしだとここまで比率が重視され、どう増やせばよいのでしょうか。

石川龍明
専門家
アドバイス

土地を保有していると、その土地自体が担保になり金融機関のリスクが下がります。土地なしの場合は建物のみが担保となるため、金融機関は自己資金の厚みでリスクを補おうとする傾向が強くなります。私が実務でお伝えしているのは、自己資金比率を20%まで届かせるための積み増し額を先に逆算し、1〜2年の期限を区切って貯蓄計画に落とし込む方法です。総額8,000万円なら自己資金1,600万円が目標になります。

この「積み増し額を先に逆算する」というアドバイスを実践し、実際に自己資金比率を引き上げて審査を通過した方の事例を見てみましょう。どのくらいの期間で、何をして資金を積み増したのか、具体的な内容を確認できます。

体験談|神奈川県横浜市(郊外)・50代・女性(パート勤務・夫と2人暮らし)
物件概要最寄駅から徒歩8分の土地に、木造2階建て・1LDK6戸(専有面積35㎡)を新築するプラン。単身者だけでなくカップル・DINKS層の需要も見込めるエリアで、想定家賃は1戸あたり9.5万円としていました。
初期費用総額7,500万円(土地代4,200万円+建築費3,300万円)。夫の退職を見据え、老後の収入源としてアパート経営を検討し始めたのがきっかけでした。
自己資金当初の自己資金は850万円(総額の約11%)で、最初に相談した2行から自己資金不足を理由に難色を示されました。専門家から「自己資金比率20%=1,500万円」を目標に積み増すよう助言を受け、1年半かけて600万円を追加。定期預金の解約約300万円、パート収入からの積立約180万円、保険の見直しによる解約返戻金約120万円を組み合わせ、最終的に自己資金1,450万円(比率約19%)まで引き上げました。
行動(プロセス)①1ヶ月目:A銀行・C信用金庫に打診するも、自己資金11%を理由にいずれも難色を示される。②2〜3ヶ月目:イエウール土地活用に相談し、目標自己資金額を1,500万円と設定。③4ヶ月目〜1年半:毎月の家計の見直しと定期預金の解約を並行して実施し、目標額に向けて積み増し。④1年半経過後:自己資金1,450万円の状態で、改めてB銀行含む3行に申込み。
結果3行のうちB銀行から、金利2.1%・融資期間30年の条件付き承認を取得。ご自身で複数の金融機関に相談されており、後日イエウール土地活用の相談窓口でその経過をヒアリングしたところ、自己資金比率が19%まで届いたことが決め手になったとのことでした。承認から3ヶ月後に着工し、現在は入居率90%超で運営を続けています。

この事例から分かるのは、自己資金11%の状態で複数行から断られても、目標額を明確にして計画的に積み増せば、1年半程度で審査通過ラインに届く可能性があるということです。退職金や保険の見直しなど、複数の手段を組み合わせて積み増した点も参考になります。

※インタビュー実施時期 / 2026年4月・対象ユーザー層 / イエウール土地活用のご相談者様・取材方法 / Web会議システム(Zoom等)を用いた編集部による約60分間の1対1オンライン口頭インタビュー

土地なしで審査が通らないケースの特徴(具体的な3つ)

土地なしのアパートローンで審査が通らないケースには、共通するパターンがあります。事前にこの3点を確認しておくことで、申込前に自分の状況を見直すことができます。

  1. 自己資金比率が20%未満
    担保余力が薄い土地なし融資では、自己資金の厚みで返済能力を補う必要があります。
  2. 既存借入との合算返済比率が高い
    住宅ローン・自動車ローンなどを含めた年間返済額が年収の35%を超えると、審査が厳しくなる傾向があります。
  3. 物件の収益性(利回り)が周辺相場を下回る
    想定家賃が周辺相場より高く設定され、実質利回りが低く評価されるケースです。
審査が通らないケースへの対策
  1. 1 自己資金比率を20%以上まで積み増す
    申込前に目標比率から逆算した積み増し額を算出し、期限を区切って貯蓄計画を立てましょう。
  2. 2 既存借入を事前に整理する
    申込前に自動車ローン等の残債を圧縮し、返済比率を35%未満に抑えておきましょう。
  3. 3 想定家賃を周辺相場に合わせて再設定する
    複数社に賃料査定を依頼し、相場から乖離した想定家賃になっていないか確認しましょう。
石川龍明
専門家
アドバイス

石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

実際に相談を受けた際は、この3点のうちどれが原因かを1つずつ切り分けて確認するようにしています。原因を特定せずに複数の金融機関へ同時申込をすると、信用情報に照会履歴が重なり、かえって審査に不利になることがあります。

自分の年収・自己資金がこの3つのケースに当てはまらないか、不安に感じた方も多いのではないでしょうか。無料の診断で、自分の場合の借入可能額を具体的に確認してみましょう。

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土地なしアパート経営で資金計画を失敗しないための土地選びの条件

都市部・地方別の収支目安(表)

土地なしから始める場合、エリア選びが資金計画の成否を大きく左右します。都市部は土地代が高い分、賃貸需要が安定しやすく、地方は土地代を抑えられる一方で空室リスクが高まる傾向があります。イエウール土地活用の相談データでは、同じ予算感でも都市部と郊外の建築会社2〜3社を比較したオーナーは、単独の会社だけで検討したオーナーに比べて、より高い利回りのプランにたどり着く傾向が見られます。

▼都市部・郊外・地方別の収支目安(50坪・軽量鉄骨8戸想定)

エリア区分 土地代目安 想定利回り 年間収支目安
都市部(東京23区等) 8,000万〜1.2億円 5〜6% 80万〜150万円
郊外(首都圏近郊) 4,000万〜6,500万円 7〜8% 120万〜180万円
地方都市 1,500万〜3,000万円 8〜10% 90万〜160万円

出典:国土交通省「建築着工統計調査 住宅着工統計」のエリア別構成比をもとに、2026年水準へ換算してイエウール編集部が作成。地方都市は人口動態により空室リスクが変動するため、利回りだけで判断しないことが重要です。

石川龍明
専門家
アドバイス

石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

利回りの数字だけで地方の土地を選ぶと、想定より入居者募集に時間がかかり収支が崩れることがあります。私が相談を受ける際は、必ず直近3年の人口動態と最寄り駅の乗降客数の推移をセットで確認するようお伝えしています。

「この土地は買ってはいけない」3つのサイン

土地なしから始める場合、土地選びの失敗がそのまま資金計画の失敗に直結します。以下の3つのサインが見られる土地は、購入前に必ず立ち止まって確認しましょう。

建ぺい率・容積率が周辺相場より厳しく設定されている土地、前面道路の幅員が4m未満で再建築に制約がある土地、そして相場より2割以上安い「訳あり」土地は、いずれも見た目の安さの裏に資金計画を狂わせる要因が隠れています。

調査結果

土地選びで後悔した相談者のうち、契約前に用途地域・建ぺい率を確認していなかった割合

64% 用途地域を未確認 のまま契約 64% 用途地域 未確認 36% 事前に 確認済み

※対象:外部調査会社を通じてインターネットアンケートを実施(土地なしから土地を取得しアパート経営を開始し、事後に何らかの後悔を申告した回答者約110人)。用途地域・建ぺい率などの条件は該当者が少なく、相談記録のみでは十分なサンプル数を確保できないため外部調査で補完しています。内訳は「用途地域・建ぺい率を確認していなかった」64%、「確認していたが影響を軽視していた」22%、「確認していた」14%。

6割以上が事前確認をしていなかったという結果ですが、なぜこれほど見落とされやすいのでしょうか。

石川龍明
専門家
アドバイス

土地なしで探している方は「土地を早く決めたい」という焦りから、価格と立地だけで判断してしまいがちです。用途地域や建ぺい率は不動産会社の資料に小さく記載されているだけのことが多く、見落とされやすい項目です。

「買ってはいけない土地」を避けるための対策
  1. 1 契約前に用途地域・建ぺい率・容積率を役所窓口で確認する
    不動産会社の資料だけでなく、市区町村の都市計画課で直接確認すると相違がないか把握できます。
  2. 2 前面道路の幅員と接道状況を測量図で確認する
    幅員4m未満の場合はセットバックが必要になり、有効敷地面積が減る可能性があります。
  3. 3 相場より2割以上安い土地は理由を必ず特定する
    地盤・境界紛争・埋設物など、価格に理由が隠れていないか複数社に確認しましょう。
石川龍明
専門家
アドバイス

実際に相談を受けた際は、気に入った土地が見つかっても契約前に必ず1週間の検討期間を確保するようお伝えしています。焦って契約すると、後から重大な制約に気づいても引き返せません。

💬 専門家に聞いてみました
専門家
専門家

土地選びで失敗する方の多くは、建ぺい率や容積率よりも「駅からの距離」を最優先にしてしまう傾向があります。

相談者
相談者

正直にお聞きしたいのですが、素人が不動産会社の資料だけを見て、建ぺい率の問題に自分で気づくのは難しいのではないでしょうか。

専門家
専門家

おっしゃる通り、資料だけでは気づきにくいのが実情です。だからこそ、契約前に建築プランを複数の建築会社に依頼し、「この土地で希望の建物が建てられるか」を先に確認してもらうことをお勧めしています。建築のプロは容積率オーバーにすぐ気づきます。

相談者
相談者

なるほど、まだ土地を購入する前の段階で建築会社に相談してもよいのですね。てっきり土地を決めてから相談するものだと思っていました。

専門家
専門家

むしろ土地を決める前に相談する方が安全です。私が相談を受ける際は、候補地の測量図・都市計画情報を先に共有してもらい、建築可能なプランを複数パターン提示したうえで契約可否を判断していただくようにしています。

相談者
相談者

土地契約とセットで決めるものだと思い込んでいたので、順番を変えられると知れて安心しました。これなら焦らず進められそうです。

イエウール担当者
イエウール
担当者

「土地を決める前に建築会社へ相談してよいのか分からなかった」というご相談は、日々の窓口でも本当によく寄せられます。順番を知っているだけで、進め方が大きく変わります。

詳しい審査条件はアパートローンの審査条件の記事でも解説しています。

土地なしでアパート経営を始める3つの方法と資金調達の違い

土地なしでアパート経営を始める方法は「土地購入+建築」だけではありません。資金調達の負担やリスクの取り方によって、選ぶべき方法は変わります。

土地購入+建築(フルスクラッチ型)の資金感

土地から探して建物を新築する方法です。自由に間取り・エリアを選べる一方、総額は最も大きくなり、竣工まで1年前後かかります。

新築アパート購入の資金感

すでに土地とプランが決まった新築アパートを購入する方法です。土地探しの手間がなく、竣工後すぐに家賃収入が発生する点がメリットですが、エリア・間取りの選択肢は限られます。

中古アパート購入の資金感

既存の中古アパートを購入する方法です。総額を最も抑えられ、購入直後から家賃収入が発生しますが、法定耐用年数の残存期間が短いとローン期間が短縮され、月々の返済負担が重くなる点に注意が必要です。

▼3つの方法の資金調達比較

方法 総額目安 着手〜収入発生まで ローン期間の目安
土地購入+建築 7,800万〜1.5億円 約10〜14ヶ月 最長35年
新築アパート購入 7,500万〜1.3億円 約2〜4ヶ月 最長30〜35年
中古アパート購入 4,000万〜7,000万円 約1〜2ヶ月 残存耐用年数に応じて短縮
調査結果

土地なしから検討を始めた相談者が最終的に選んだ方法の内訳

45% 土地購入+建築を 選択 45% 土地購入 +建築 32% 新築アパート 購入 23% 中古アパート 購入

※対象:直近2年間に土地なしからアパート経営の検討を開始し、最終的にいずれかの方法で契約に至ったイエウール土地活用の相談者、集計対象約340件。内訳は「土地購入+建築」45%、「新築アパート購入」32%、「中古アパート購入」23%(相談時のヒアリング記録に基づく)。

半数近くがフルスクラッチ型を選んでいますが、資金的に厳しい方はどう判断すればよいのでしょうか。

石川龍明
専門家
アドバイス

自己資金比率20%を確保するのが難しい場合、私は中古アパート購入から始めて実績と自己資金を積み上げ、2件目でフルスクラッチ型に進むという段階的な進め方を提案することが多いです。

まとめ:3つの方法の選び方の目安

  • エリア・間取りにこだわりたい方は → 土地購入+建築
  • 早く家賃収入を得たいが自由度も残したい方は → 新築アパート購入
  • 自己資金が限られる、まず実績を作りたい方は → 中古アパート購入
  • いずれも迷う場合は → 複数社に建築プラン・収支シミュレーションを依頼して比較

初期費用全体の内訳はアパート経営の初期費用の記事、エリア別の建築費相場はアパート建築費用シミュレーションの記事でも詳しく解説しています。

3つの方法のどれが自分に合うかは、実際に複数社のプランを見比べてみないと判断がつきにくいものです。まずは無料でプランと初期費用の見積もりを複数社から取り寄せてみましょう。

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よくある質問

❓ よくある疑問

Q. 土地なしでアパート経営を始めるなら黒字化は何年目?

ローン返済と経費を差し引いた実質的な黒字化は、自己資金比率20%・軽量鉄骨造の場合で15〜18年目が目安です。自己資金比率を高めるほど黒字化は早まります。

❓ よくある疑問

Q. 自己資金がゼロでも始められる?

土地なしの場合、自己資金ゼロでの審査通過は非常に厳しいのが実情です。本記事の調査結果でも、否決の7割が自己資金比率20%未満に起因していました。まずは自己資金を積み増す計画を立てることをおすすめします。

❓ よくある疑問

Q. 中古アパート購入と新築建築どちらが資金的に有利?

総額を抑えたいなら中古アパート購入が有利です。ただし法定耐用年数の残存期間が短いとローン期間が短縮され、月々の返済負担は重くなる傾向があります。総合的な収支で比較することが大切です。

まとめ

土地なしでアパート経営を始める場合、必要な総資金は7,800万〜1.5億円、自己資金の目安は総額の20〜40%です。土地代の高い都心×狭小地の組み合わせでは土地ありの最大約3倍、郊外・地方であれば1.3〜2倍程度に収まるケースもあります。年間収支は土地ありオーナーの半分以下になりやすく、アパートローンの審査では自己資金比率20%が一つの分岐点になります。

まずは自分の年収・自己資金でどこまで借入ができるのか、無料の診断で概算を把握することから始めてみましょう。そのうえで複数の建築会社・金融機関の情報を比較しながら、自分に合った方法を選ぶことが、資金計画で失敗しないための一番の近道です。

\ この記事の編集者 /

イエウール土地活用編集部

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