アパートローン変動金利、今後の推移で自分はいくら借りれる?最新相場と判断基準

埼玉県さいたま市(郊外)在住の50代・男性(2026年6月)
「親から相続した土地でアパート経営を考えていますが、変動金利で借りると聞いて怖くなりました。今の金利がどれくらいで、この先どこまで上がるのか、そして自分がいくらまで借りられるのか、正直まったく見当がつきません。」
この記事は、まさにこの方のような「アパートローンを変動金利で借りようとしているが、今の相場も今後の推移も、自分の借入可能額もわからない」という方のために書いています。
アパート経営は老後の収入確保や資産の有効活用として注目される一方、多くの方にとって数千万円単位の借入を経験するのは初めてです。「変動金利」という言葉は知っていても、ニュースで語られる政策金利の話と自分の毎月の返済額がどうつながるのかは、正直イメージしづらいものです。まして、これから借りようとしている金額が将来どこまで増えるリスクを抱えているのかまで見通せている方はほとんどいません。この不安は知識不足のせいではなく、変動金利という仕組み自体が「動く」ことを前提にしている以上、誰もが感じて当然のものです。まずは今の相場と推移の見通しを整理したうえで、自分の場合に置き換えて考えられる状態を一緒に作っていきましょう。
【結論】2026年時点のアパートローン変動金利の相場は、1.0%〜5.0%(中心的な水準は2%前後)で、借入先の金融機関タイプによって幅があります。今後も緩やかな上昇傾向が続く見通しのため、自分がいくら借りられるかは後半の「私の場合はいくら借りれる?」で確認できます。
変動金利は多くの金融機関で選ばれている一方、金利が動くという性質上、「今どのくらいか」だけでなく「これからどう動きそうか」まで理解しておかないと、返済計画そのものが崩れかねません。この記事では、現在の変動金利の相場水準、今後の推移の見通し、金融機関タイプ別の金利差をふまえたうえで、最終的に「自分の場合はいくら借りられるのか」を判断できる状態を目指します。イエウール土地活用には、土地活用・売却・リフォームなど複数の選択肢を横断して相談できる立場から、直近2年間で累計約2万人の相談が寄せられています。この記事では、その相談データから見えてきた傾向もあわせてお伝えします。
アパートローン変動金利、今の相場はいくら?【結論】
結論から言うと、2026年時点のアパートローン変動金利の相場は、1.0%〜5.0%、中心的な水準は2%前後です。この幅の中のどこに位置するかは、借入先の金融機関タイプ・借入額・自己資金の割合・物件の収益性によって大きく変わります。
| 金融機関タイプ | 変動金利の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 都市銀行 | 1.0〜2.0% | 低金利だが審査は厳しめ |
| 地方銀行・信用金庫 | 2.0〜3.5% | 地域密着・相談しやすい |
| ネット銀行 | 1.9〜3.0% | 条件が合えば低金利 |
| ノンバンク | 約3.5〜5.0% | 審査は緩いが金利は高め |
なぜこれほど幅があるのでしょうか。理由は主に2つあります。1つは、金融機関ごとにアパートローンへの積極度が異なり、都市銀行は優良顧客に絞って低金利を提示する一方、ノンバンクは審査基準を緩める代わりに金利で収益を確保しているためです。もう1つは、2024年3月のマイナス金利政策解除以降、金融機関ごとに金利改定のタイミング・幅にばらつきが出ており、同じタイプの金融機関でも1年前と現在とで水準が変わっているためです。
この相場の中で自分がどのあたりに位置するかは、次の章で解説する推移の見通しと、後半の「私の場合はいくら借りれるか」で具体的に確認していきます。
変動金利と固定金利、何が違うのか
| 項目 | 変動金利 | 固定金利選択型 |
|---|---|---|
| 当初の金利水準 | 低め | やや高め |
| 金利見直しの頻度 | 半年ごとが一般的 | 固定期間終了時のみ |
| 返済計画の立てやすさ | 上昇局面では見直しが必要 | 期間中は変わらず立てやすい |
変動金利は当初の返済負担を抑えたい方、固定金利選択型は将来の返済額を確定させて経営計画を立てたい方に向いています。どちらが正解というより、金利上昇時にどこまで負担増を許容できるかという自分の耐性で選ぶ判断です。この耐性の見極め方は、後半の「金利上昇リスクとどう向き合うか」で詳しく解説します。
アドバイス
吉崎 誠二(不動産エコノミスト)
「講演や相談の場では、金利の『幅』だけを見て一喜一憂する方が多いのですが、目安として、金融機関に提示された金利が相場のどのレンジに位置するかを、まず都市銀行・地方銀行・ノンバンクの3区分のどれに当たるかで確認するようお伝えしています。区分を勘違いしたまま比較すると、正しい相場観が持てません。」
この後の金融機関タイプ別の解説に入る前に、まず「そもそも自分の借入先の金利相場を正しく把握できている人がどれくらいいるのか」を見ておきましょう。
【調査結果】相談前に自分の借入先タイプの金利水準を把握できていたか
イエウール土地活用の相談記録分析によると、相談時点で自身が借りようとしている金融機関タイプの金利相場を正しく把握できていた方は全体の3割に満たないという結果でした。
※対象:直近2年間にアパートローンの金利について相談したイエウール土地活用の相談者、集計対象約540件。「正しく把握できていた」29%、「大まかにしか把握していなかった」46%、「まったく把握していなかった」25%(相談者本人の申告に基づく、複数回答除く)。
担当者
7割以上の方が自分の借入先タイプの相場を正しく把握できていないんですね。なぜこれほど差が出てしまうのでしょうか。
アドバイス
「私が長年見てきた限り、金融機関タイプごとの向き不向きは年収や自己資金だけでなく、物件の収益性・立地条件でも大きく変わります。多くの方は『とりあえず知っている銀行に相談する』という順番で動くため、自分の属性ならどのタイプが有利かを比較する前に話が進んでしまい、結果として相場を把握しないまま契約に至るケースが目立ちます。」
担当者
具体的には、どんな属性の人がどのタイプに向いているんですか?
アドバイス
「目安として、私は相談者の年収・自己資金・物件条件を伺ったうえで次のように振り分けています。年収900万円以上かつ自己資金2割以上を確保できている方は都市銀行の低金利を狙う価値があります。年収600万〜900万円程度で、物件が地域性の強いエリアにある方は地方銀行・信用金庫のほうが担当者との交渉余地があり有利になりやすいです。自己資金を3割以上用意でき、手続きの速さを重視する方はネット銀行が向いています。逆に、これらの基準に届かない、または自己資金なしで急ぎたい方はノンバンクが現実的な選択肢になりますが、金利が高くなる分、返済計画には余裕を持たせるようお伝えしています。」
このアドバイスをもとに、実際に自分の属性を確認したうえで金融機関を選び直した方の事例を見てみましょう。この事例で確認してほしいのは、属性に合わない金融機関に相談を続けていた場合との差です。
この事例から読み取れるのは、金融機関タイプは「知っているところに相談する」のではなく、自分の年収・自己資金・物件条件に照らして選ぶことで結果が変わるという点です。目安を一覧にすると、次のようになります。
| 属性の目安 | 向いている金融機関タイプ | 理由 |
|---|---|---|
| 年収900万円以上・自己資金2割以上 | 都市銀行 | 優良顧客に絞って低金利を提示する傾向があるため |
| 年収600〜900万円・地域性のある物件 | 地方銀行・信用金庫 | 地域の物件事情に詳しく、条件交渉の余地があるため |
| 自己資金3割以上・手続きの速さ重視 | ネット銀行 | 自己資金が厚いほどシステム審査を通過しやすいため |
| 自己資金なし・上記基準に届かない | ノンバンク | 審査基準は緩いが、金利は高めになるため返済計画に余裕が必要 |


アパートローン変動金利の推移、今後は上がる?下がる?
日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的に政策金利の引き上げを進めています。この流れを受け、アパートローンの変動金利も緩やかな上昇傾向が続いているというのが、2026年時点での大枠の理解です。
この上昇傾向には2つの根拠があります。1つは、政策金利の引き上げに連動して各金融機関の短期プライムレートが引き上げられ、これを基準とする変動金利型のアパートローンにも波及していることです。もう1つは、経済見通しの中で、今後もターミナルレート(政策金利の最終的な到達水準)に向けて段階的な利上げが続くという見方が優勢になっていることです。
- 2024年3月
マイナス金利政策を解除。長らく続いた超低金利環境からの転換点となりました。 - 2025年前半〜後半
複数回にわたり政策金利が引き上げられ、変動金利型ローンの基準金利も追随して上昇しました。 - 2026年以降の見通し
急激な上昇よりも、緩やかな上昇が段階的に続くという見方が中心です。ただし為替・物価動向次第で上振れる可能性も指摘されています。
「では、自分の返済計画にどの程度影響するのか」が気になるところです。仮に借入額5,000万円・返済期間20年で金利が0.5%上昇した場合、総返済額はおよそ250万円〜300万円前後増える計算になります。この金額感を踏まえたうえで、次の章で金融機関タイプ別の違いを見ていきましょう。
ここまで推移の見通しを見てきましたが、「実際のところ、みんな変動金利のままでいるのか、それとも固定金利に乗り換えているのか」も気になるところだと思います。この点についても調査結果を見ていきましょう。
【調査結果】変動金利・固定金利、実際どちらを選び続けている人が多いか
イエウール土地活用の相談記録分析によると、当初から変動金利のまま継続している方が最も多く、変動金利から固定金利に切り替えた方が固定から変動に切り替えた方をやや上回る結果でした。
※対象:直近2年間にアパートローンの金利タイプについて相談したイエウール土地活用の相談者、集計対象約610件。回答内訳は「当初から変動金利のまま」58%、「変動金利→固定金利に切り替えた」19%、「固定金利→変動金利に切り替えた」15%、「当初から固定金利のまま」8%(相談者本人の申告に基づく)。
担当者
変動金利のまま継続する方が多数派なんですね。切り替える方は少数派ですが、なぜ切り替えに踏み切るのでしょうか。
アドバイス
「切り替えには手数料や再契約の手間がかかるため、多くの方は『金利差が縮まった』『返済負担がこれ以上増えると経営が厳しい』というはっきりした理由がない限り動きません。私が見てきた限り、切り替えを決断する方は感覚ではなく、具体的な数字で耐性の限界を把握できているケースがほとんどです。」
担当者
具体的には、どんな数字を基準に判断すればいいのでしょうか。
アドバイス
「目安として、私は返済負担率(年間返済額÷年間家賃収入)が30%を超えそうかどうかを基準にお伝えしています。試算の結果、今後の金利上昇で30%を超える可能性が高い方には固定金利選択型への切り替えを、家賃収入に十分な余裕があり金利上昇分を吸収できる方には変動金利の継続を勧めるケースが多いです。」
実際に、この基準をもとに判断が分かれた2組の事例を見てみましょう。この事例で確認してほしいのは、同じ「金利が上がるかもしれない」という状況でも、返済負担率の余裕度によって合理的な選択が変わるという点です。
この2つの事例から読み取れるのは、変動金利が向いているか固定金利が向いているかは「性格」ではなく「返済負担率の余裕度」という数字で判断できるという点です。目安をまとめると、次のようになります。
ここまでで、今後の金利の推移の見通しと、変動・固定それぞれを選んだ方の実際の傾向がつかめたと思います。続いて、金融機関タイプによって金利にどの程度の差があるのかを見ていきましょう。
【調査結果】現役の大家さんは、今後の金利上昇をどう見ているか
実際に現役でアパート経営を行っている大家(オーナー)を対象に、外部の調査会社を通じてインターネットアンケートを実施したところ、約半数が「今後も上がると思う」と回答した一方、「わからない」という回答も一定数見られました。現役オーナーという条件は自社の相談記録だけでは十分なサンプル数を確保できないため、今回は外部調査で補完しています。
※対象:現役でアパート経営を行っている大家(オーナー)、外部調査会社を通じたインターネットアンケート、回答者数210人(2026年6月実施)。回答内訳は「上がると思う」48%、「横ばいと思う」31%、「わからない」15%、「下がると思う」6%(回答者本人の申告に基づく)。現役オーナーという対象条件は該当者が少なく、自社の相談記録のみでは十分なサンプル数を確保できないため、外部調査で補完しています。
担当者
現役の大家さんでも「わからない」という回答が15%もあるんですね。なぜ実際に経営している方でも判断が難しいのでしょうか。
アドバイス
「『わからない』と答えた方の多くは、政策金利のニュースは見ているものの、それが自分のローンの基準金利にどう連動するかを結びつけて考えられていません。私が長年オーナーの方々とお話しする中で感じるのは、経営歴が長い方ほど『前回の利上げ局面がどうだったか』という経験則で判断しがちで、今回のように政策の枠組み自体が変わった局面では、過去の経験だけでは読み切れないと感じている方が多いということです。」
担当者
では、「わからない」で止まらず判断するために、具体的には何を確認すればいいのでしょうか。
アドバイス
「私が相談を受ける際は、まず借入予定(またはすでに借りている)金融機関の基準金利が短期プライムレート連動型か独自基準かを確認し、政策金利のニュースをどう読み替えればよいかを具体的にお伝えするようにしています。そのうえで、今後1%上昇した場合の返済額を試算し、家賃収入でどこまで吸収できるかを一緒に確認する、という2段階で進めることを勧めています。」
このアドバイスをもとに、実際にあらかじめ備えを進めていた大家さんの事例を見てみましょう。この事例で確認してほしいのは、金利が「上がるかもしれない」という予想を、具体的な行動にどう落とし込んだかという点です。
この事例から読み取れるのは、「上がるかどうか」を正確に予想すること自体よりも、上がった場合に備えて先に動いておくことのほうが実際の安心につながるという点です。
アパートローン変動金利、金融機関タイプでどれくらい違う?
都市銀行の金利と特徴
都市銀行は変動金利の水準が最も低い傾向にありますが、その分審査基準は厳しめです。年収・自己資金・物件の収益性のいずれもが一定水準を満たしていないと、そもそも土俵に乗らないケースが多く見られます。
アドバイス
「都市銀行は物件の収益性を重視する傾向が強いです。目安として、表面利回りが周辺相場よりも著しく低い物件は、年収基準を満たしていても否決になるケースを何度も見てきました。事前に周辺の賃料相場と比較しておくことをお勧めしています。」
地方銀行・信用金庫の金利と特徴
地方銀行・信用金庫は都市銀行よりやや金利が高めですが、地域の物件事情に詳しく、相談しながら条件を詰めやすいのが特徴です。実際にイエウール土地活用に寄せられた相談でも、「まず地元の金融機関に相談してみた」という声が多く聞かれます。
アドバイス
「実務上は、地方銀行のほうが担当者との対話の中で条件交渉の余地が生まれやすい傾向があります。私は相談者に、初回提示条件をそのまま受け入れず、他行の水準を伝えたうえで再提示を依頼するよう助言しています。」
ネット銀行の金利と特徴
ネット銀行は条件次第で都市銀行に匹敵する低金利が出ることもありますが、審査がシステム的に行われるため、少しでも基準から外れると通りにくいという特徴があります。
アドバイス
「ネット銀行を検討する場合、私は事前に自己資金の割合を2割以上確保できているかを確認するようお伝えしています。この水準を下回ると、システム審査の初期段階で弾かれるケースが目立つためです。」
アパートローン変動金利、私の場合はいくら借りれる?
ここまでの相場・推移・金融機関タイプ別の情報を踏まえても、「結局、自分はいくらまで借りられるのか」は個別の条件次第です。年収・自己資金・物件の収益性の組み合わせによって、同じ金利水準でも借入可能額は大きく変わります。
【調査結果】相談前に自分の借入可能額の目安を把握できていたか
イエウール土地活用の相談記録分析では、相談前に自分の年収・自己資金から借入可能額の目安を把握できていた方は少数にとどまり、半数以上が「把握できていなかった」と回答しています。
※対象:直近2年間にアパートローンの借入について相談したイエウール土地活用の相談者、集計対象約480件。回答内訳は「把握できていなかった」54%、「大まかに把握していた」33%、「事前に金融機関へ確認済みだった」13%(相談者本人の申告に基づく)。
担当者
半数以上の方が事前に借入可能額を把握できていないという結果でした。具体的にはどう確認すればよいのでしょうか。
アドバイス
「借入可能額は、年収の何倍まで借りられるかという単純な計算では決まりません。私が相談を受ける際は、まず年間の返済額を年収の25〜30%以内に収める前提で借入額を逆算し、そのうえで想定家賃収入が返済額を上回るかを別軸で確認するようお伝えしています。両方の基準を満たさない場合、借入額を下げるか自己資金を積み増すかの判断が必要になります。」
このアドバイスをもとに、実際に自己資金を見直した方の事例を見てみましょう。この事例で確認してほしいのは、返済負担率の基準を自分の状況に当てはめると、借入可能額がどう変わるかという点です。
この事例から読み取れるのは、年収だけで借入可能額を判断せず、自己資金の積み増しによって条件が変わる余地があるという点です。自分の条件でどの程度の余地があるかは、上記の診断フォームで概算を確認してみてください。
アパートローン変動金利、金利上昇リスクとどう向き合うか
変動金利は、固定金利より当初の金利が低く抑えられている一方、契約後に金利が上昇すれば返済額も増えるという特性があります。前章で触れたとおり、借入額5,000万円・返済期間20年のケースで金利が0.5%上昇すると、総返済額はおよそ250万円〜300万円前後増える計算になります。この増加分を、家賃収入や手元資金でどこまで吸収できるかが、変動金利を選ぶうえでの分かれ目になります。
特に注意したいのは、多くのアパートローンで採用されている「5年ルール」「125%ルール」と呼ばれる仕組みです。この2つは、変動金利のローンにありがちな「金利が上がった分だけ毎月の返済額もすぐ増える」という不安を和らげるための仕組みですが、名前だけ聞いてもピンとこない方が多いため、それぞれ噛み砕いて説明します。
5年ルールとは
金利が上昇しても、毎月の返済額(元金+利息の合計)を5年間は変えないというルールです。たとえば毎月10万円返済していた場合、契約の途中で金利が上がっても、5年が経過するまでは毎月の返済額は10万円のまま据え置かれます。
ただし、返済額の中身(内訳)は変わっている
毎月10万円という「総額」は変わらなくても、その内訳にあたる「利息の割合」は金利上昇に応じて増え、その分「元金を減らす割合」が減っています。つまり、見た目の返済額は同じでも、借金の残高(元金)が思ったより減っていない、という状態になります。
125%ルールとは
5年後に返済額を見直す際も、それまでの返済額の125%(1.25倍)を超えて一気に増やすことはできない、という上限のルールです。たとえば毎月10万円だった返済額は、次の見直しでも12万5,000円までしか増えません。
この2つのルールは、あくまで「返済額が急に跳ね上がって家計や経営が破綻するのを防ぐための緩和措置」であり、金利上昇そのものを止めてくれるわけではありません。むしろ、利息の支払いだけが先に増えて元金がなかなか減らない状態が続くと、5年後・次の見直し時にまとめて負担が重くなる可能性があります。「毎月の返済額が変わらないから安心」と捉えるのではなく、「返済額が変わらない間も、水面下では元金の減り方が遅くなっているかもしれない」という前提で、次に説明する対策を確認しておくことが大切です。
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1 金利上昇を織り込んだ返済シミュレーションをしておく契約時の金利だけでなく、1%・2%上昇した場合の返済額を事前に試算しておくことで、想定外の負担増を避けられます。
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2 自己資金・繰り上げ返済の余力を確保しておく金利上昇局面で繰り上げ返済ができる余力があれば、元金を早めに減らし、将来の負担増を抑えられます。
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3 経営継続だけでなく、他の選択肢も含めて定期的に見直す金利負担が大きくなった場合、経営を続ける前提だけで考えず、売却やリフォームによる収益改善など複数の選択肢を比較検討することも有効です。
アドバイス
「目安として、私は金利が2%上昇しても手取り家賃収入で返済額を賄えるかを試算していただくようお伝えしています。この水準を満たせない場合は、借入額そのものを見直すか、固定金利選択型への切り替えを検討する余地があります。」
金利上昇リスクについては、まず金利が2%上昇した場合の返済額を試算しておくことをお勧めしています。
正直に言うと、2%も上がるとは思っていませんでした。そんなに上がることが実際にあるのでしょうか。
過去30年で見れば稀な水準ですが、今後10〜20年の返済期間で考えると、政策金利が現在の水準からさらに1%前後上がる可能性は十分にあります。2%はやや厳しめの前提ですが、最悪のケースを想定しておくことで、実際の上昇幅がそれより小さければ安心材料になります。
では、実際に2%上昇に耐えられるかどうかは、具体的に何を確認すればわかりますか。
現在の金利で試算した返済額に、金利2%上昇分を加算した金額を出し、それでも想定家賃収入(空室率を2割程度見込んだ実質値)が上回るかを確認してください。上回らない場合は、借入額を下げる、自己資金を増やす、返済期間を延ばすといった選択肢を組み合わせて再試算することをお勧めしています。
具体的に何を試算すればいいかがわかり、漠然とした不安が「確認すべきこと」に変わりました。まずは空室率を見込んだ実質家賃収入で試算してみます。
担当者
日々のご相談でも「金利が上がったらどうしよう」という不安のご相談は本当に多いです。試算してみると意外と余力があるとわかり、安心されるケースもよくあります。
まとめ|アパートローン変動金利は複数の選択肢から中立的に判断を
ここまで、現在のアパートローン変動金利の相場、今後の推移の見通し、金融機関タイプ別の違い、そして自分の借入可能額の考え方を見てきました。金利の水準や推移は今後も変動する前提で捉え、自分の返済能力・家賃収入の実質値と照らし合わせて判断することが大切です。
イエウール土地活用は、土地活用だけでなく、売却・リフォーム・住み替えなど周辺の意思決定まで含めて中立的に比較できる立場から、これまで累計約2万人のご相談をお受けしてきました。実際の相談記録では、金利上昇後の返済負担を理由にご相談いただいた方のうち、経営継続を選んだ方が約6割、売却やリフォームによる収益改善に方針転換した方が約3割、判断保留が約1割という傾向が見られます。特定の金融機関や1社の建築プランの営業論理だけで判断せず、経営継続・売却・リフォームという複数の選択肢を並べて比較したうえで、自分の状況に合った選択肢を確認してみてください。
アパートローン変動金利に関するよくある質問
Q1. アパートローンの変動金利と住宅ローンの変動金利はどちらが高いですか
一般的にアパートローンの変動金利は住宅ローンより0.5〜2%ほど高い水準になります。これは、アパートローンが事業性融資として扱われ、住宅ローンより金融機関にとってのリスクが高いと評価されるためです。
Q2. 変動金利が上がった場合、今から固定金利に変更できますか
金融機関によっては、契約途中で固定金利選択型に切り替えられる商品もありますが、すべての金融機関・商品で対応しているわけではありません。切り替え時の金利は契約時点の市場水準が適用されるため、切り替えるタイミングによっては現在の変動金利より高くなる場合があります。切り替えの可否と条件は、契約中の金融機関に個別に確認する必要があります。
Q3. 変動金利で借りると、将来的にどれくらいの上昇リスクを見込んでおくべきですか
絶対的な正解はありませんが、目安として金利が1〜2%上昇した場合の返済額を試算し、想定家賃収入(空室率を考慮した実質値)でその増加分を吸収できるかを確認しておくことをお勧めします。
- 金利+1%のケース:まず基本的な耐性として試算しておく水準です。
- 金利+2%のケース:やや厳しめの前提ですが、最悪のケースとして確認しておくと安心材料になります。
