アパートローン繰り上げ返済で得する額と損する額、境目はいくらか

「アパート経営を始めて12年、ようやく資金に余裕が出てきました。このままローンを一括で返してしまうべきか、それとも今のタイミングで売却して身軽になるべきか、正直迷っています。」
アパートローンを組んで経営を続けているうちに、手元資金に余裕が生まれてくると、多くのオーナーが同じ問いに直面します。「今、繰り上げ返済すべきか。それとも様子を見るべきか」という問いです。この記事を読むと、自分が一括返済に向いているタイプか、部分繰り上げ返済が向いているタイプか、それとも継続保有や売却まで含めて見直すべきタイプかを、自分の状況に照らして判断できるようになります。判断に必要なのは一般論のメリット・デメリットではなく、資金余力・事業拡大予定・出口戦略・団体信用生命保険(団信)の有無という4つの軸と、実際にいくら得するか(あるいは損するか)という金額の境目です。この記事では、その両方を用意しました。
アパートローン繰り上げ返済タイプ判定:あなたは4つのうちどれか
繰り上げ返済すべきかどうかは、実は「資金に余裕があるかどうか」だけでは決まりません。イエウール土地活用が受けてきた累計約2万人の相談データを見ても、資金に余裕があるのに繰り上げ返済を見送るべきだったオーナーと、資金がぎりぎりでも繰り上げ返済すべきだったオーナーの両方が存在します。判断を分けるのは、以下の4つの軸です。
- 資金余力:繰り上げ返済後も、空室・修繕・突発的な出費に耐えられる手元資金(目安として家賃収入の6か月〜1年分)が残るか
- 事業拡大予定:今後1〜3年以内に新規物件の購入・追加融資を予定しているか(自己資金を厚くしておく必要があるか)
- 出口戦略:この物件を長期保有するつもりか、それとも将来的に売却も視野に入れているか
- 団信加入の有無:団体信用生命保険に加入しているか(未加入の場合、繰り上げ返済によるリスク低減効果がより大きい)
この4軸をもとに、実際の相談現場では次のように判定しています。まずは4軸それぞれについて、自分がYES・NOのどちらに近いかをチェックしてみてください。
| 判定軸 | YES(該当する) | NO(該当しない) |
|---|---|---|
| ①資金余力 | 家賃収入6か月〜1年分の手元資金を残せる | 繰り上げると手元資金が心もとなくなる |
| ②事業拡大予定 | 1〜3年以内の新規物件購入予定はない | 近く追加融資・新規購入を予定している |
| ③出口戦略 | この物件は長期保有するつもり | 保有継続に迷いがある・売却も検討中 |
| ④団信加入 | 団信に加入している | 団信は未加入 |
4軸のYES・NOの組み合わせから、次のように大まかなタイプを判定できます。
| 4軸の傾向 | 向いているタイプ |
|---|---|
| ①②③がYES、④がNO(団信未加入) | 一括返済に向いている(資金余力があり、団信未加入のリスクも解消したい) |
| ①が一部YES・②③がYES | 部分繰り上げ返済に向いている |
| ②がNO(事業拡大予定あり) | 継続保有が最適(繰り上げ返済は保留し、自己資金を温存) |
| ③がNO(出口戦略に迷いがある) | 売却も含めて資産整理を検討すべき |
複数の軸が絡み合い、一つに絞れないケースも珍しくありません。その場合は無理に自己判断せず、後述の相談導線を活用してください。
なお、繰り上げ返済の代わりに「今より低い金利のローンに借り換える」という選択肢も存在します。ただし借り換えは今回の記事の主題である「繰り上げ返済すべきか」とは判断軸が異なり、金融機関ごとの個別審査に依存する部分が大きいため、本記事では比較対象としては扱わず、選択肢の一つとして触れるにとどめます。詳細な条件を確認したい方は、アパートローン審査の基準を確認するページを参考にしてください。

【調査結果】繰り上げ返済を検討したオーナーの約4割が「団信未加入」を理由に決断していた
イエウール土地活用の相談記録(直近2年間・繰り上げ返済に関する相談を行った約340件を分析)によると、繰り上げ返済に踏み切った理由として最も多かったのは「団信未加入で万一の際のリスクを減らしたかった」で38%を占めました。
※対象:直近2年間に繰り上げ返済の是非について相談したオーナー約340件(相談記録分析)。理由の内訳は「団信未加入によるリスク低減」38%、「金利上昇への備え」27%、「事業拡大予定がなくなったため」19%、「その他(相続・売却準備等)」16%(複数回答除く/相談者本人の申告に基づく)。
担当者
団信が理由はここまで多いんですね。なぜ団信の有無がそんなに判断を左右するのでしょうか?
アドバイス
団信に入っていない場合、オーナーに万一のことがあった際、ローンの残債が家族にそのまま引き継がれてしまいます。私が相談を受けてきた中でも、団信未加入のオーナーは「経営が軌道に乗った今だからこそ、家族に負債を残さない状態にしておきたい」という動機で繰り上げ返済を選ぶ方が非常に多い印象です。逆に団信に加入している場合は、万一の際のリスクはすでにカバーされているため、繰り上げ返済の優先度はやや下がり、事業拡大への備えを優先する判断も十分に合理的です。
担当者
なるほど。では実際に相談を受けるとき、団信未加入の人にはどう伝えているのですか?
アドバイス
私はまず、手元資金を家賃収入の何か月分残せるかを一緒に計算するようにしています。目安として6か月分を下回るなら一括返済ではなく部分繰り上げ返済に留め、6か月分を大きく超える余力があるなら一括返済を検討する、という順番で判断材料を整理してお伝えしています。団信未加入というだけで一括返済に飛びつくと、今度は空室や修繕への備えが薄くなるケースを何度も見てきたので、そこは必ずセットで確認するようにしています。
ここで実際に石川さんのアドバイスどおり資金配分を見直した方が、その後どうなったかという体験談を見てみましょう。
この事例から読み取れるのは、団信未加入というリスクへの対処と、手元資金の確保は「どちらか」ではなく「両方」を同時に満たす配分を探ることが大切だという点です。
※本事例は、繰り上げ返済を検討したオーナー様への相談記録・後日ヒアリングをもとに作成しています。個人が特定できないよう属性を一部加工しています。
アパートローン繰り上げ返済で実際いくら変わるか:一括返済と部分繰り上げ返済の試算比較
判断基準がわかっても、「結局いくら得するのか」が見えないと最後の一歩を踏み出せません。ここでは代表的な借入条件をもとに、一括返済と部分繰り上げ返済(期間短縮型・返済額軽減型)の効果を比較します。
| 方式 | 繰り上げ額 | 総利息軽減額 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 一括返済 | 残債全額(3,000万円) | 約412万円 | 残期間15年分の利息が全額不要に |
| 部分繰り上げ返済(期間短縮型) | 500万円 | 約93万円 | 返済期間が約2年10か月短縮 |
| 部分繰り上げ返済(返済額軽減型) | 500万円 | 約41万円 | 月々の返済額が約3.1万円軽減 |
※借入残高3,000万円・金利2.5%・残期間15年(元利均等返済)のモデルケースで試算。実際の軽減額は金利・残期間・繰り上げ返済手数料の有無により変動します。
この表からわかるとおり、同じ500万円を繰り上げるのであれば、総利息の軽減額そのものは期間短縮型の方が大きくなります。一方で、毎月のキャッシュフローに余裕を持たせたい場合は返済額軽減型が有効です。「利息を最大限減らしたいか」「毎月の手残りを増やしたいか」で選ぶべき方式が変わります。

【調査結果】部分繰り上げ返済を選んだ人の約6割が期間短縮型を選択
同じ相談記録の分析では、部分繰り上げ返済を実施したオーナーのうち61%が期間短縮型を選んでいました。
※対象:直近2年間に部分繰り上げ返済を実施したと申告したオーナー約150件(相談記録分析)。アパートローンは方式の性質上、期間短縮型・返済額軽減型のいずれか一方のみを選択する仕組みのため、方式の内訳は「期間短縮型」61%、「返済額軽減型」39%(相談者本人の申告に基づく)。
担当者
6割が期間短縮型なんですね。なぜこんなに偏りがあるのでしょうか?
アドバイス
アパート経営が軌道に乗っている方の多くは、月々のキャッシュフローにはすでに余裕があり、それよりも「総支払額をできるだけ減らして、次の投資判断に使える資産を増やしたい」という意識が強いためです。返済額軽減型は毎月の負担は減りますが、総利息の軽減効果は小さくなる分、経営が安定している層には効果を実感しにくい面があります。
担当者
では、どっちを選ぶべきか実際に相談されたときはどう答えていらっしゃるんですか?
アドバイス
私は、次の1〜3年で新規物件の購入や大規模修繕の予定があるかを必ず先に確認します。予定があるなら返済額軽減型で月々の手残りを増やし、次の頭金や修繕費に回す。予定がなければ期間短縮型で総利息を減らす、という順番で提案するようにしています。目先の得だけでなく、次の一手までセットで考えることが欠かせません。
実際に自分の事業計画に合わせて方式を選んだ方が、結果どう変わったかを以下の体験談で見てみましょう。
この事例から読み取れるのは、繰り上げ返済の方式選びは「今いくら得するか」だけでなく「次に何をしたいか」次第で最適解が変わるという点です。
※本事例は、繰り上げ返済を検討したオーナー様への相談記録・後日ヒアリングをもとに作成しています。個人が特定できないよう属性を一部加工しています。
より正確な金額を知りたい場合は、自分の借入条件を入力できるシミュレーションも活用できます。詳しくはアパートローンのシミュレーションで確認してください。なお、繰り上げ返済の効果は借入時の金利水準によっても変わるため、そもそも今のローン金利が妥当かどうか気になる方はアパートローンの金利相場もあわせて確認しておくとよいでしょう。
アパートローン繰り上げ返済で見落としやすい落とし穴:手数料と所得税増加のケース
繰り上げ返済にはメリットだけでなく、事前に知っておかないと想定外の負担につながる落とし穴があります。特に見落とされがちなのが、手数料と所得税の増加です。
まず手数料について。金融機関によっては、繰り上げ返済のたびに数万円の事務手数料がかかる場合があります。特に固定金利型のローンでは、残期間に応じた違約金的な性質の手数料が上乗せされることもあり、想定していた利息軽減効果が手数料で目減りしてしまうケースが少なくありません。
さらに見落とされがちなのが所得税の増加です。アパートローンの利息は、事業所得(不動産所得)の必要経費として計上できますが、繰り上げ返済によって支払う利息そのものが減ると、経費として計上できる金額も減少します。結果として不動産所得が増え、所得税・住民税の負担が増えるケースがあります。
具体的な目安として、年間の利息軽減額が30万円のケースでは、課税所得の水準にもよりますが所得税・住民税を合わせた実効税率を仮に30%とすると、増加する税負担はおおよそ9万円前後です。つまり軽減額30万円のうち、手取りとして残るのは21万円程度になる計算です。ただしこの実効税率は個人の所得水準によって変わるため、正確な負担額を知りたい場合は次章のシミュレーターや税理士への確認が有効です。また固定金利型ローンの繰り上げ返済手数料は、金融機関や残期間によって差はあるものの、繰り上げ返済額の1〜2%程度が上乗せされるケースが目安として挙げられます。500万円を繰り上げる場合、5万〜10万円ほどが手数料として発生する可能性がある、という水準感を事前に持っておくと判断しやすくなります。
なお、ここで挙げた所得税の試算は個人でアパートローンを組んでいる場合の考え方です。資産管理法人名義でアパートを保有している場合は、利息の減少は個人の所得税ではなく法人税ベースの経費計上インパクトとして現れるため、法人の決算スケジュールに合わせて顧問税理士と試算をすり合わせる必要があります。また、配偶者との共同名義や法人名義で物件を保有している場合、繰り上げ返済の実行には名義人全員の合意や法人としての意思決定手続きが必要になるため、単独名義のオーナーよりも判断・実行までに時間がかかる点もあらかじめ想定しておくとよいでしょう。
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1 手数料の有無・金額を事前に金融機関へ確認する固定金利型は特に手数料が高額になりやすいため、繰り上げ返済を実行する前に必ず見積もりを取り、軽減額から手数料を差し引いた実質効果を確認します。
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2 税理士に事前に所得税増加額の試算を依頼する利息減少による所得税増加分をあらかじめ試算し、繰り上げ返済による利息軽減額と相殺しても得になるかを確認してから実行します。
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3 繰り上げ返済できないケースを契約書で確認する一部の金融機関では、借入から一定期間内の繰り上げ返済を制限している場合や、最低繰り上げ額が設定されている場合があります。契約時の特約事項を確認しておきます。
実行までの流れの目安:借入先の金融機関へ繰り上げ返済の意向を連絡し、返済予定表・本人確認書類などを準備したうえで、金融機関側の試算・手数料見積もりを経て指定日に実行する、というのが一般的な流れです。申し込みから実行まで1〜3週間程度を見込んでおくとよいでしょう。共同名義・法人名義の場合は、名義人全員の同意書や法人の議事録が別途必要になることがあるため、早めに金融機関へ確認しておくと安心です。
アドバイス
所得税の増加は、利息軽減額に比べると小さい金額に収まるケースがほとんどですが、「知らずに確定申告の時期になって驚く」というオーナーは実際に一定数います。事前に税理士へ一言確認しておくだけで、心理的な負担がかなり軽くなります。
手数料と所得税、この2点さえ事前に確認しておけば、繰り上げ返済で後悔するケースはかなり減らせます。
正直に聞きたいのですが、私のように団信未加入で経営歴が長いタイプは、手数料や税金を差し引いても本当に得になるんでしょうか。損得が微妙なラインだと不安です。
経営歴が長く残期間が短くなっている方は、実は利息軽減効果自体が小さくなっている場合があります。その場合、手数料と税金を差し引くとほとんど得にならない、あるいは逆に手残りが減るケースも実際にあります。まずは残期間と金利から軽減額の目安を出し、それが手数料の2〜3倍以上あるかを一つの判断ラインとして確認することをお勧めします。
では、その2〜3倍のラインに届かなかった場合は、繰り上げ返済はあきらめるしかないということでしょうか。せっかく資金を用意したのに、何もできないのは正直つらいです。
諦める必要はありません。私が相談を受ける際は、届かない場合に3つの選択肢を順番に検討してもらっています。まず①繰り上げ額を減らし、手数料の負担割合が軽くなる範囲の少額な部分繰り上げ返済に切り替える方法。次に②その資金は繰り上げ返済に使わず、将来の大規模修繕費や次の物件の頭金として温存しておく方法。そして③今の借入金利自体が周辺相場より高い場合は、繰り上げ返済ではなく借り換えの余地がないかを確認する方法です。軽減効果が小さいからといって、その資金の使い道自体がなくなるわけではありません。
2〜3倍というラインも、届かなかった場合の選択肢も初めて聞きました。それなら自分の場合、そもそも繰り上げ返済より他の選択肢の方がいいのか、一度きちんと数字で確認したほうが良さそうですね。
感覚だけで一括返済を決めなくてよかったです。手数料・税金・軽減額を並べて比較すれば、思い込みで損をせずに判断できそうです。
担当者
実際にご相談をお受けしていても、「なんとなく得しそう」という感覚だけで決めてしまい、後から手数料に驚いたという声は本当によくいただきます。数字で比較する一手間が、後悔を防ぐ一番の近道だと感じています。
アパートローン繰り上げ返済、複数ローンがある場合どちらから返すべきか
複数棟のアパートを所有し、複数のローンを組んでいるオーナーも珍しくありません。この場合、どのローンから優先して繰り上げ返済すべきかで悩む方が多く見られます。
基本的な考え方はシンプルで、金利の高いローンから優先して繰り上げ返済するのが合理的です。金利が1%違うだけでも、借入残高が大きい場合には総利息の差は数十万円単位になることがあります。ただし、金利だけでなく残期間の長さも考慮する必要があります。残期間が長いローンほど、同じ金額を繰り上げた場合の利息軽減効果が大きくなる傾向があるためです。
簡易的な計算例として、A棟のローン(残債1,500万円・金利2.8%・残期間12年)とB棟のローン(残債1,800万円・金利2.2%・残期間14年)を持つ場合を考えます。同じ300万円を繰り上げるなら、金利が0.6%高いA棟に充てたほうが総利息の軽減額はおおよそ15万円ほど大きくなる計算です。残債の大きさだけで判断せず、金利差を先に確認することが優先順位を誤らないコツです。なお、物件を配偶者との共同名義や資産管理法人名義で保有している場合は、繰り上げ返済の意思決定に名義人全員の合意や法人の決算スケジュールが絡むため、判断に時間がかかる点もあわせて考慮しておく必要があります。

【調査結果】複数ローンを抱えるオーナーの約3割が金利差を把握していなかった
複数棟・複数ローンを持つオーナーへの外部アンケート調査(該当者が少なく相談記録のみでは十分なサンプル数を確保できないため、調査会社を通じてインターネットアンケートを実施・回答者82人)では、31%が「複数ローンの金利差を正確に把握していなかった」と回答しました。
※調査時期:2026年5月、複数のアパートローンを保有する個人オーナー82人が対象(インターネットアンケート)。回答の内訳は「金利差を把握していなかった」31%、「把握していたが優先順位まで考えていなかった」38%、「把握した上で高金利ローンを優先していた」31%。
アドバイス
私が相談を受ける際は、まず全ローンの「金利」「残債」「残期間」を一覧表にしてもらうところから始めます。一覧化すると、金利が最も高いローンが必ずしも残債が大きいローンとは限らないことに気づく方が多く、そこから優先順位を一緒に整理していきます。
アパートローン繰り上げ返済、このタイミングで売却も検討すべき人の条件
ここまでは「保有を続ける前提」での繰り上げ返済の話でした。しかし、経営が軌道に乗り資金に余裕が出てきたタイミングは、実は「保有を続けるべきか、それとも売却して資産を整理すべきか」を見直す好機でもあります。この視点は、建築会社比較に特化したポータルや、自社ローン商品を扱う金融機関の立場からは出しにくいものです。イエウールは土地活用だけでなく売却・住み替えまで手がけるSpeeeグループの一員として、複数のサービスを横断しながらオーナー様の資産全体を見てきました。だからこそ、繰り上げ返済という一点の判断にとどまらず、保有か売却かという上位の意思決定まで中立に比較できる立場から提示できます。
| 継続保有(繰り上げ返済含む) | 売却して資産整理 |
|---|---|
| 家賃収入を継続して得られる。繰り上げ返済で利息負担を減らし、手残りを増やせる | 売却益をまとまった資金として得られる。修繕・空室リスクから解放される |
| 今後も修繕費・空室リスク・管理の手間が発生し続ける | 今後の家賃収入は得られなくなる。譲渡所得税がかかる場合がある |
継続保有と売却のどちらが有利かは、物件の築年数・立地・現在の市場価格によって大きく変わります。特に、繰り上げ返済によって手元資金の多くを投じてしまう前に、「そもそも今売却した場合にいくらになるか」を確認しておくことには意味があります。仮に市場価格が想定以上に高い場合、繰り上げ返済よりも売却して資産を組み替えた方が、結果として得られるリターンが大きいケースもあるためです。

【調査結果】繰り上げ返済を実行したオーナーの約2割が「先に売却査定を確認すればよかった」と回答
繰り上げ返済を実行したオーナーへの外部アンケート調査(該当者が少なく相談記録のみでは十分なサンプル数を確保できないため、調査会社を通じてインターネットアンケートを実施・回答者96人)では、23%が「後になって、先に売却査定を確認しておけばよかったと感じたことがある」と回答しました。
※調査時期:2026年5月、繰り上げ返済(一括・部分いずれか)を実行した個人オーナー96人が対象(インターネットアンケート)。「先に売却査定を確認すればよかった」と回答した人にその理由を尋ねたところ、内訳は「後日、想定より高い査定額が出ることを知人・不動産会社から聞いた」42%、「大規模修繕の時期が近づき保有コストの負担を再認識した」31%、「繰り上げ返済で資金を投じたため、次の投資機会を逃したと感じた」27%(複数回答除く/回答者本人の申告に基づく)。
担当者
2割以上が後悔しているんですね……。繰り上げ返済に大金を投じたあとで「実は売った方が得だった」と気づいたら、かなり悲しいですよね……
アドバイス
私が空室対策や建て替えの相談を受ける中でも、繰り上げ返済を決断する直前に売却査定を取ってみたら想定以上の価格がついて、方針を変えたオーナーを何人も見てきました。特に築15年を超え、次の大規模修繕が近づいている物件は、修繕費を投じて保有を続けるコストと、今売却するリターンを一度並べて比較する価値があります。
このセクションで確認してほしいのは、実際に売却査定を先に確認したことで方針を変えたオーナーの事例です。
この事例から読み取れるのは、繰り上げ返済という「保有継続の中の選択肢」を検討する前に、売却という「保有継続そのものを見直す選択肢」を一度確認しておくことの価値です。売却の具体的な流れが気になる方は不動産一括査定・売却相場ならイエウールもあわせて参考にしてください。
※本事例は、繰り上げ返済・売却について相談されたオーナー様への相談記録・後日ヒアリングをもとに作成しています。個人が特定できないよう属性を一部加工しています。なお、金融機関の審査結果や紹介はイエウールが直接あっせんしたものではなく、オーナー様ご自身の行動の結果を後日お伺いしたものです。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
あなたの不動産、
売ったらいくら?
アパートローン繰り上げ返済に関するFAQ
まとめ:判断基準と金額の両方を確認してから動く
アパートローンの繰り上げ返済は、資金余力・事業拡大予定・出口戦略・団信の有無という4つの軸で自分のタイプを把握し、そのうえで一括返済・部分繰り上げ返済それぞれの金額インパクトを確認することで、初めて後悔のない判断ができます。手数料や所得税といった見落としがちな落とし穴も事前に押さえておけば、想定外の負担に驚くこともありません。
そして、経営が軌道に乗ったこのタイミングは、繰り上げ返済という保有継続の中の選択だけでなく、売却という選択肢まで含めて資産全体を見直す好機でもあります。判断に迷う場合は、無料の売却査定でまず比較材料を増やす、あるいは専門家に個別の状況を相談することから始めてみてください。