80坪の土地にかかるアパート建築費を解説!80坪の土地ではどんなアパートが建てられる?

「親から相続した80坪の土地をこのままにしておくのはもったいないと思い、アパート経営を考え始めました。でも実際にいくらかかるのか、どんな建物が建てられるのか見当がつきません。」
80坪の土地を所有していて、アパートを建築したいと考えている方もいるのではないでしょうか。「なんとなく高そう」というイメージだけで検討が止まってしまうと、実現できたはずのプランを見送ることにもなりかねません。
この記事では、80坪の土地でアパートを建てる場合の建築費相場を構造・階数別に整理したうえで、実際の建築実例、収益性の判断基準(利回り・キャッシュフロー)、施工会社の選び方まで解説します。読み終える頃には、自分の土地でどこまで実現可能かを具体的にイメージできる状態になります。
【シミュレーター設置】私の80坪の建築費は?
80坪の土地でアパートを建てるといくらかかる?構造別の建築費相場
80坪・2階建て/3階建てのアパート建築費の目安
アパート建築の経験者を対象にした調査によると、80坪の土地でのアパート建築費はおおよそ6,760万円が目安です。ただし、これは全体の平均値であり、建物の構造・階数によって実際の金額は大きく変わります。
▼80坪の土地に建てられるアパート建築費の目安(構造・階数別)
| 構造 | 2階建て・建築費目安 | 3階建て・建築費目安 |
|---|---|---|
| 木造(W造) | 7,104万円~10,080万円 | 10,656万円~15,120万円 |
| 軽量鉄骨造(S造) | 7,680万円~10,080万円 | 11,520万円~15,120万円 |
| 重量鉄骨造(S造) | 8,640万円~11,520万円 | 12,960万円~17,280万円 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 9,120万円~12,000万円 | 13,680万円~18,000万円 |
| 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 10,560万円~13,440万円 | 15,840万円~20,160万円 |
※構造別の坪単価相場をもとに、建ぺい率60%・容積率200%の条件で敷地面積80坪に建てられる最大規模を想定した簡易計算(計算式:坪単価×延べ床面積)です。実際の建築費は前面道路の幅員・地盤改良工事の有無・建材グレード等により変動するため、目安としてご参照ください。
上記の金額は本体工事費のみの目安です。実際のアパート建築には本体工事費以外に付帯工事費・諸費用も別途かかるため、総額はこれより高くなる点に注意しましょう。付帯工事費や内訳の詳しい計算方法は、以下の記事で解説しています。

構造別坪単価に差が出る理由
アパートの建築費は、構造ごとに坪単価の相場が異なります。以下は構造別の坪単価相場と、あわせて確認しておきたい法定耐用年数(税務上、建物の価値がゼロになるまでの年数)です。
▼構造別の坪単価相場・法定耐用年数(一覧)
| 構造 | 建築費の坪単価相場 | 法定耐用年数 |
|---|---|---|
| 木造(W造) | 74万円~105万円 | 22年 |
| 軽量鉄骨造(S造) | 80万円~105万円 | 19年~27年 |
| 重量鉄骨造(S造) | 90万円~120万円 | 34年 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 95万円~125万円 | 47年 |
| 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 110万円~140万円 | 47年 |
出典:坪単価はイエウール土地活用の見積もり・建築実例データ(直近2年間・累計1.4万人分)をもとにイエウール編集部が集計。法定耐用年数は国税庁「減価償却資産の耐用年数表」に基づく。エリア・仕様グレードにより実際の坪単価は変動します。
法定耐用年数とは、税務上、建物の価値がゼロになるまでの年数のことです。この年数が長いほど、アパートローンの返済期間も長く組みやすくなるため、月々の返済負担を軽減できます。
「坪単価が高い構造は無駄」と思われがちですが、実態はやや異なります。坪単価が高い鉄骨造・RC造は法定耐用年数が長いぶん融資期間を長く取りやすく、月々の返済額を抑えられるケースがあります。木造でコストを抑えるか、長期運用を見据えて構造のグレードを上げるかは、経営方針によって判断が分かれる部分です。
この坪単価表を、見積もり比較にどう使えばいい?
坪単価表は「これで確定金額がわかる」ためのものではなく、見積もりの妥当性を確認する出発点として使うものです。提示された坪単価が相場から大きく外れていないかを確認する用途には使えますが、土地の形状・地盤・前面道路の条件までは反映できません。
- 見積もりの適正チェックに使う
提示された坪単価が相場から大きくかけ離れていないかを確認する材料にする - 総額の概算に使う
「坪単価×延べ床面積」で、本体工事費のおおまかな規模感をつかむ - 複数社比較の共通軸にする
本体・付帯・諸費用を分けた内訳で見積もりを依頼し、総額ベースで比較する
本体工事費だけで安いと判断すると、付帯工事費・諸費用を含めた総額で数百万円単位で想定より上振れすることがあります。見積もりを受け取る際は、必ず内訳(本体・付帯・諸費用)を分けて提示してもらいましょう。
※宅地建物取引士・早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了・年間30回以上の講演実績
「坪単価の相場は、資材価格や施工会社の受注状況によって半年〜1年単位で変動します。
同じ坪数・同じ構造でも、見積もりを取得するタイミングが違うだけで総額に数百万円の差が出ることは珍しくありません。
相場からの乖離を見抜くには、複数社から同時期にプランを取り寄せて比較することが最も確実な方法です。」

80坪で建てられるアパートの実例3選
建築費を抑えたい方向けの木造2階建て実例
- 立場・地域・年代
相続で土地を取得した、岐阜県内在住の30代・女性オーナー - 建築費・構造・部屋数
約4,800万円/木造2階建て/8部屋 - こだわりのポイント
コストを抑えるためバルコニーを設置しなかった
できるだけ費用を抑えてアパートを建てたいという方針から、坪単価が最も低い木造を採用し、さらにバルコニーの設置を見送った実例です。バルコニーがない分の工事費・防水工事費が発生しないため、初期費用だけでなく将来の修繕コストも抑えられます。
※宅地建物取引士・早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了・年間30回以上の講演実績
「バルコニーを設置しない判断は、初期費用だけでなく退去後の原状回復コストを抑える効果もあります。
ただし単身者向け物件では、エリアによってバルコニーの設置率に差があり、周辺物件と比べて見劣りすると空室期間が延びるリスクもあります。
近隣の競合物件の設備水準を確認したうえで判断することをおすすめします。」
賃貸併用で自宅も確保した鉄骨造4階建て実例
- 立場・地域・年代
自己所有地で会社員をしながら経営する、宮城県内在住の40代・男性オーナー - 建築費・構造・部屋数
約6,400万円/鉄骨造4階建て/11部屋 - こだわりのポイント
最上階は親族が利用するため、部屋数を減らし広めの間取りにした
新築アパートの一部を賃貸併用住宅として利用することで、賃貸部分の家賃収入をローン返済に充てられます。マイホームを持ちたい方にとっては、返済負担を抑えながら住まいを確保できるという選択肢になります。
※宅地建物取引士・早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了・年間30回以上の講演実績
「賃貸併用住宅は、住宅ローン控除や融資条件で有利になるケースがある点も見逃せません。
ただし優遇の適用可否は、居住部分と賃貸部分の床面積比率によって変わります。
面積比率の条件を、着工前に金融機関へ必ず確認しておきましょう。」

入居者の快適性を重視したRC造アパート実例
- 立場・地域・年代
空き地を活用した、法人名義の経営者(大阪府内・50代) - 建築費・構造・部屋数
約7,000万円/RC造2階建て/6部屋 - こだわりのポイント
コスト削減より快適性を重視し、防音性の高い素材を採用した
入居者が快適に暮らせる環境をつくることで、長期入居につながり空室リスクを抑えられます。防音性の高さは他物件との差別化にもなり、入居者から選ばれやすい物件になります。
※宅地建物取引士・早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了・年間30回以上の講演実績
「防音性能への投資は、空室率を左右する要因として市場データでも重要度が高い項目です。
単身・ファミリーどちらの層でも「音の問題」は退去理由の上位に挙がりやすく、初期投資を惜しむとかえって収益が下がることがあります。
コストと入居率のバランスを、複数プランを比較しながら見極めてください。」
80坪アパート経営の収益性をどう判断する?利回り・キャッシュフローの考え方
利回り5%が目安になる理由
アパート経営における利回りとは、建築費に対してどのくらいの家賃収入が得られるかを表す割合です。以下の計算式で求められます。
- 利回り=年間家賃収入 ÷ 建築費 × 100(%)
ここでの利回りは表面利回り(経費を引く前の、年間家賃収入÷建築費で出す割合)です。管理費・税金・空室分などを差し引いた実際の手取り収益率は実質利回りと呼ばれ、表面利回りより1〜2ポイント低くなるのが一般的です。
アパート建築費を検討する際は、表面利回り5%を超えるように心がけましょう。5%あれば、空室や修繕費の変動があっても収支が崩れにくい水準です。最低でも3〜3.5%は確保しないと、投資額を回収しきれない可能性が高まります。
※宅地建物取引士・早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了・年間30回以上の講演実績
「利回り5%という水準は、全国的な相場から見ても標準的なラインです。
好立地・高稼働が見込めるエリアでは4%台でも成立する一方、空室リスクの高いエリアでは6%以上を確保しないと安全域に入らないこともあります。
周辺エリアの平均的な利回り水準と、自分の試算値を必ず比較してください。」

キャッシュフローを黒字にする収支計画の立て方
キャッシュフローとは手元に残るお金のことです。家賃収入からアパートローンの返済額を差し引いても黒字になる収支プランを、建築が始まる前の段階で作成しておく必要があります。
満室想定だけで収支を組むと、実態より安全に見えてしまいます。空室率10〜20%を織り込んでも黒字になるかを確認しないと、入居率が落ち込んだ際に資金繰りが行き詰まるおそれがあります。建築前に空室率を変えた複数パターンで収支をシミュレーションしておきましょう。
※宅地建物取引士・早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了・年間30回以上の講演実績
「修繕費は建築後10年目以降にまとまって発生しやすく、この時期の資金繰りを見落とすと一時的にキャッシュフローが赤字化する物件が少なくありません。
特に外壁・屋上防水・給排水設備は10〜15年周期で大きな修繕が必要になります。
10年目・20年目時点の修繕費を織り込んだ長期の収支表を作成しておきましょう。」

アパート建築を依頼できる施工会社の選び方
アパート建築を依頼できる施工会社は主に3種類あります。それぞれの特徴と、どんな人に向いているかを整理しました。
▼施工会社タイプ別の特徴・向いている人
| 種別 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ハウスメーカー | 設計・施工が規格化され、工期が短く建築費も抑えやすい | できるだけ早く・安く建てたい人 |
| 工務店 | 施主と相談しながら間取り・外観を柔軟に決められる | 間取りや仕様にこだわりたい人 |
| 建設会社(ゼネコン) | 大規模開発が中心だが、ハウスメーカーと同水準のサービスを受けられる | 短工期・低コストを重視する人 |
ハウスメーカー
ハウスメーカーは自社で生産設備を持ち、全国規模で注文住宅を展開する会社です。設計・施工方法があらかじめ統一されているため建築期間を短縮しやすく、部材も自社工場で量産されているため建築費を抑えられる傾向があります。

工務店
工務店は地域に密着した建築会社です。施主とコミュニケーションを取りながら間取りや外観を決めていくため、柔軟な対応でこだわりを反映しやすいのが特徴です。建てたいアパート像が明確に決まっている人に向いています。
建設会社(ゼネコン)
建設会社(ゼネコン)は高層ビルや大規模開発を中心に手掛ける会社ですが、アパート建築を依頼することも可能です。ハウスメーカーと同水準のサービスを受けられるため、短工期・低コストを重視する人に向いています。
※宅地建物取引士・早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了・年間30回以上の講演実績
「施工会社は「安さ」だけでなくアフターサービスの体制まで含めて比較することが重要です。
建築後10年、20年と長く付き合う相手になるため、保証期間・定期点検の頻度・修繕対応のスピードは会社によって大きく差が出ます。
保証内容と点検頻度を、契約前に必ず書面で確認してください。」
よくある質問
Q1. 80坪の土地でのアパート建築費はいくらですか?
集計データによる平均は約6,760万円ですが、構造・階数によって7,000万円台〜2億円超まで幅があります。詳しくは80坪・2階建て/3階建てのアパート建築費の目安をご覧ください。
Q2. 80坪ではどんな規模のアパートを建てられますか?
建ぺい率60%・容積率200%の条件では、2階建てなら延べ床面積約96坪、3階建てなら約144坪まで建築できる計算になります(実際の上限は用途地域・条件により異なります)。木造2階建てで8部屋、鉄骨造4階建てで11部屋の実例があります。
Q3. アパート経営の利回りはどのくらいを目安にすればいいですか?
最低でも3〜3.5%、安定運用を目指すなら表面利回り5%以上を目安にしてください。エリアの空室リスクが高いほど、より高い利回りを確保しておく必要があります。
Q4. 施工会社はどう選べばいいですか?
短工期・低コストを重視するならハウスメーカー、間取りや仕様にこだわりたいなら工務店が向いています。詳しくはアパート建築を依頼できる施工会社の選び方をご覧ください。
まとめ|80坪アパート建築は複数プランの比較から
80坪の土地でのアパート建築費は、構造・階数によって数千万円単位の差が出ます。相場感をつかんだうえで、自分の土地で実際にいくらになるかを確認することが、失敗しないアパート経営の第一歩です。
- 複数社に坪単価・総額の見積もりを取り寄せる
本体・付帯・諸費用を分けた内訳で比較する - 周辺エリアの利回り相場と自分の試算を照合する
空室率を織り込んだ収支表で黒字を確認する - 保証・点検体制を含めて施工会社を比較する
建築後10年・20年先まで見据えて選ぶ
複数社のプランを比較しながら検討を進めたい方は、「イエウール土地活用」の一括見積もりをご利用ください。