アパート経営失敗ブログ12選|体験談・対策とおすすめブロガーを紹介

「アパート経営の失敗例を知りたい。ほんとうに大丈夫なのか?」——

親から相続した土地でアパート経営を考えていますが、扱う金額も大きいですし失敗するのが怖いので、なかなか踏み出せずにいます。同じような失敗をしないために、実際にどこでつまずいた人が多いのか、ブログなど体験談などがあれば知っておきたいです。

by 地方都市在住 58歳 男性(2026年3月)

大切な資産に関わる決断だからこそ、慎重になるのは当然ですよね。先に失敗を把握しておくこと、投資すべきかや、どうしたら防げるかの判断もしやすくなるので安心です。

この記事では、アパート経営に不安を抱える方に向けて、実際の失敗体験談12件をエリア・土地面積別に整理したうえで、それぞれの失敗を防ぐための具体的な対策をお伝えします。

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目次
この記事を監修した人
石川 龍明
監修 石川 龍明(いしかわ りゅうめい)

株式会社横濱快適住環境研究所 代表取締役

土地活用プランナー 宅地建物取引士 公認 不動産コンサルティングマスター
20年以上
業界経験
444件以上
コンサル実績
専門領域
土地活用・不動産コンサルティング 賃貸住宅・戸建て経営 相続税・節税対策 建築プロデュース・差別化戦略 経営者・地主向けセミナー

20年以上にわたり不動産・建築業界で活躍する土地活用のエキスパート。地主や不動産オーナー向けに、長期的に収益を生み出す独自の賃貸経営や節税対策、差別化戦略を提唱。444件以上のコンサルティング実績と分かりやすい解説で、多くのオーナーから絶大な信頼を得ています。

プロと学ぶ!アパート経営失敗ブログ体験談【12選】

アパート経営を成功させるためには、先人の「リアルな失敗経験」から学び、先回りして対策を講じることが最善の近道です。土地の広さや立地環境によって、潜んでいる落とし穴は全く異なります。

ここでは、アパートメントクリエーターの石川龍明監修のもと、実際のブログの声から、よくある失敗を12の体験談にまとめてみました。以下のナビゲーション表とともに詳しく解説します。

▼今回監修してくださった方

この記事を監修した人
石川 龍明
監修 石川 龍明(いしかわ りゅうめい)

株式会社横濱快適住環境研究所 代表取締役

土地活用プランナー 宅地建物取引士 公認 不動産コンサルティングマスター
20年以上
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専門領域
土地活用・不動産コンサルティング 賃貸住宅・戸建て経営 相続税・節税対策 建築プロデュース・差別化戦略 経営者・地主向けセミナー

20年以上にわたり不動産・建築業界で活躍する土地活用のエキスパート。地主や不動産オーナー向けに、長期的に収益を生み出す独自の賃貸経営や節税対策、差別化戦略を提唱。444件以上のコンサルティング実績と分かりやすい解説で、多くのオーナーから絶大な信頼を得ています。

【体験談の作成方法について】
本記事内の体験談は、アパート経営に関する個人ブログ・SNS投稿・相談実績等で公開・共有された複数の事例を基に、よくある失敗パターンを類型化して再構成したものです。個別の発信者を特定できないよう、地名・年齢・職業・金額などの詳細情報は実際の事例から一部変更・合成しており、特定の個人・物件を指すものではありません。各体験談はエリア特性(都市部/郊外/地方)と規模(坪数)の組み合わせごとに典型例として作成し、専門家監修のもとで失敗の構造と対策の妥当性を確認しています。

エリア区分ごとに体験談をまとめています。緑色文字(エリア区分や相談ケース概要)から気になる事例に遷移できますので、ご確認ください。

アパート経営で成功できるか気になる方は、以下のアパート経営シミュレーションツールをご利用ください。簡単な9の質問に答えるだけで、アパート経営にかかる費用や収支シミュレーション、似た条件のリアルな体験談(イエウール土地活用調べ)がわかります。ぜひご活用ください

都市部エリアの小規模土地(〜100坪)の失敗体験談【4選】

本章では、都市部エリアの小規模投資(~100坪)の失敗体験談をまとめています。自分の条件と照らし合わせて、気になる体験談からチェックしてみてください。

【体験談1】千葉県松戸市・54歳会社員 / サブリース賃料が3年で15%下落して収支が崩壊

体験談のプロフィール

【立地・面積】千葉県松戸市(松戸駅から車で10分) / 土地面積:70坪

【状況】木造2階建て・1K×8室。総建築費4,800万円、フルローン(金利2.2%・30年)。月返済額約18万円。

【経緯】

老後資金への不安から「空室ゼロ保証」を謳うサブリース会社に相談。担当者から「8室すべてを月22万円で借り上げる」という提案を受け、ローン返済後に月4万円の手残りが出る試算に安心して契約を結びました。

しかし契約書の細部には「2年ごとに賃料を見直す」という条項が含まれていました。建築後2年目に賃料が5%引き下げられ、4年目にはさらに10%の引き下げ通知が届きます。

開始からわずか3年で、当初22万円だった借り上げ賃料は18.7万円まで下落し、ローン返済額を下回る赤字経営に転落しました。

管理費・固定資産税・修繕積立を合わせると月あたり3〜4万円の持ち出しが続き、年間約40万円の赤字を5年間抱えることになりました。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

サブリースの最大のリスクは、賃料が下がるタイミングと幅をオーナーがコントロールできない点にあります。このケースは借り上げ賃料22万円でローン返済との差額がわずか月4万円という、まったく余裕のない収支設計が根本の問題でした。

サブリース契約を検討する際は、賃料が10〜15%下落してもキャッシュフローがプラスになるかを必ず試算してください。賃料改定条項・免責期間・解約条件の3点は契約前に書面で確認することが必須です。

複数社のプランを比較することで、強引な賃料改定をしない管理会社を見極められます。国土交通省のサブリースガイドラインも合わせて確認しておきましょう。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 賃料が15%下落した最悪シナリオで収支を試算する
    借り上げ賃料からローン返済・管理費・税金・修繕積立を差し引き、それでも赤字にならない水準かを確認する。差額が月5万円未満の設計は危険水域です。
  2. 2 契約前に「賃料改定条項・免責期間・解約条件」の3点を書面で確認する
    「改定なし」「〇年間固定」などの口頭説明は無効です。契約書の該当条項の文言を逐語的に読み、不明な点は書面で回答を求めてください。
  3. 3 複数社にプランを請求して、サブリース条件を比較する
    賃料改定の頻度・幅・条件は会社によって大きく異なります。1社の提案だけで決めず、複数社のプランを比較することで相場感と条件の公正さを判断できます。

→ サブリース・管理会社契約の落とし穴と対策を詳しく読む

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【体験談2】神奈川県相模原市・45歳会社員 / 表面利回り8%の物件を買ったが実質利回りは2%だった

体験談のプロフィール

【立地・面積】神奈川県相模原市(橋本駅から車で20分) / 土地面積:80坪

【状況】軽量鉄骨造2階建て・1LDK×6室。総建築費7,200万円、うち自己資金1,000万円、借入6,200万円(金利2.5%・35年)。月返済額約22万円。

【経緯】

不動産会社から「表面利回り8%、高稼働エリアで空室ゼロが続いています」という営業を受け、年間家賃収入576万円の試算に魅力を感じて購入を決断しました。ところが、この試算には固定資産税・都市計画税・管理委託費・火災保険・修繕積立金が一切含まれていませんでした。

実際に運営を始めると、年間経費の合計は369万円に達しました。固定資産税・都市計画税:約40万円、管理委託費:約29万円、火災保険:約12万円、修繕積立金:約24万円、ローン返済:約264万円です。

その結果、実質的なキャッシュフローは年間207万円、実質利回りは約2.9%にとどまりました。さらに開業から2年目に1室が空室になると、その年の収益はほぼゼロになりました。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

表面利回りは「満室で経費ゼロならこれだけ稼げる」という理論上の最大値にすぎません。不動産会社がチラシや説明に使う利回りはほぼ全て表面利回りです。このケースの橋本駅から車20分・1LDK6室という設計は、入居ターゲットが限定されており空室リスクが高い構造でした。

実質利回りを計算するには、年間家賃収入から管理費・税金・保険・修繕積立を引き、ローン返済後の手残りで判断してください。この数字が3〜4%を下回る場合は要注意です。

複数社にプランを出させて収支根拠を比べることで、過剰に甘い試算を見抜けるようになります。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 「実質キャッシュフロー」で投資判断を行う
    (年間家賃収入 − 管理費 − 固定資産税 − 保険料 − 修繕積立 − ローン返済)÷ 総投資額 が「実質利回り」です。この数字が3〜4%を下回る場合は要注意です。
  2. 2 空室率10〜20%のシナリオで収支を試算する
    6室のうち1室が空室になるだけで家賃収入は約17%減少します。「空室1室でも黒字か」を必ず確認してください。
  3. 3 複数社のプランで収支根拠を比較する
    会社によって修繕費の見積もりや管理費率が異なります。複数社の試算を並べて「経費の計上漏れがないか」を確認することが重要です。

→ 実質キャッシュフローで資金計画を立てる方法を詳しく読む

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【体験談3】大阪府堺市・53歳会社員 / サブリース業者が倒産して家賃収入がゼロになった

体験談のプロフィール

【立地・面積】大阪府堺市(なんばから車で35分) / 土地面積:75坪

【状況】軽量鉄骨造2階建て・1K×8室。総建築費5,600万円、借入5,000万円(金利2.0%・35年)。月返済額約16.6万円。月次借り上げ賃料:20万円。

【経緯】

積極的なテレビCMで知名度のあったサブリース会社と契約し、「月20万円保証・35年一括借り上げ」という条件のもとアパートを建築しました。月返済額16.6万円を差し引いた3.4万円が手残りとなる計算でした。

しかし契約から4年目、そのサブリース会社が突然経営破綻を発表します。入居者はいるにもかかわらず、翌月から家賃の振込が停止しました。

破産管財人との協議に数カ月を要し、その間もローン返済は止まらず、約6カ月で約100万円の持ち出しが発生しました。

新たな管理会社への切り替えに成功したものの、安定収益が戻るまでに1年以上かかりました。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

サブリース会社の倒産リスクは、多くのオーナーが見落としている盲点です。知名度や規模があっても、経営状況が悪化している会社は少なくありません。対策として有効なのは、契約前に直近3期分の決算書の開示を求めることです。

このケースはローン返済と借り上げ賃料の差額がわずか月3.4万円しかなく、ひと月の未入金でも家計に影響するギリギリの設計でした。「35年一括借り上げ」という文言は安全性を担保しません。

緊急時の手元資金として最低でもローン返済6カ月分を別口座で確保しておくことが経営継続の条件です。複数社を比較してサブリースに依存しない管理体制も検討してください。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 契約前に管理会社の直近3期分の財務状況を確認する
    上場企業であれば有価証券報告書で確認できます。非上場の場合も決算書の開示を求めることは可能です。応じない会社とは契約しないことが原則です。
  2. 2 ローン返済6カ月分の緊急準備資金を別口座で確保する
    万一の際にも経営を継続するため、家賃収入が止まっても半年間はローンと経費を払い続けられる流動資金が必要です。
  3. 3 複数社を比較してサブリースに依存しない管理体制も検討する
    サブリース以外の管理形態(一般管理委託など)と比較することで、どちらがリスクとリターンのバランスが取れているかを判断できます。

→ サブリース・管理会社契約の落とし穴と対策を詳しく読む

【体験談4】埼玉県さいたま市・49歳会社員 / 金利上昇でローン返済が膨らみ生活費を圧迫

体験談のプロフィール

【立地・面積】埼玉県さいたま市(大宮駅から車で20分) / 土地面積:85坪

【状況】木造2階建て・1K×8室。総建築費5,500万円、借入4,800万円(変動金利0.8%スタート・35年)。当初月返済額約13.2万円。

【経緯】

金融機関から「変動金利0.8%で組めば月返済額が固定より5万円低くなる」と説明を受け、月返済額を抑えることを優先して変動金利を選択。当初は家賃収入32万円からの手残りが月8万円ほどありました。

しかし建築から5年後、日銀の金融政策変更により変動金利は1.8%に引き上げられ、月返済額は約16.5万円に増加しました。同時期に2室が空室になり、月の家賃収入は32万円から24万円に減少。

月返済額16.5万円+管理費・税金・修繕積立7万円の計23.5万円に対し、収入は24万円という綱渡り状態になりました。さらに金利が上昇した場合、即座に赤字に転落するリスクを抱えながら経営を続けています。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「変動金利は当初の月返済額を抑えられますが、アパートローンは返済期間が30〜35年と非常に長い。その間に金利が1〜2%上昇するシナリオは十分にありえます。

このケースで問題だったのは、変動金利を選んだこと以上に、金利が2%になった場合の返済額を事前に試算していなかった点です。変動金利を選ぶ場合は必ず「金利2〜3%でも収支がプラスか」を確認してください。

借入額を圧縮するために自己資金を総建築費の20〜30%以上入れることが、長期経営の安全弁になります。複数の金融機関にローン条件を比較させ、最適な構成を選んでください。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 金利2〜3%で返済額が増加した場合の収支を事前に試算する
    変動金利でローンを組む場合、最低でも金利2%・空室1室のシナリオで黒字になるかを確認してください。黒字にならない場合は自己資金の追加か借入額の圧縮が必要です。
  2. 2 自己資金を総建築費の20〜30%以上確保してから着工する
    借入額を抑えることが、金利変動リスクへの最も確実な対策です。自己資金が少ない場合は、着工を1〜2年延期して資金を貯める判断も有効です。
  3. 3 複数の金融機関にローン条件を比較させる
    固定金利・変動金利の選択肢と金利水準は金融機関によって異なります。複数社にプランを請求することで、最適なローン構成を選ぶ材料が揃います。

→ 実質キャッシュフローで資金計画を立てる方法を詳しく読む

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【体験談5】埼玉県熊谷市・48歳サラリーマン / フルローンで始めたアパート経営が修繕費で資金ショート

体験談のプロフィール

【立地・面積】埼玉県熊谷市(熊谷駅から車で15分) / 土地面積:90坪

【状況】木造2階建て・1K×8室。総建築費4,200万円、フルローン(金利2.0%・35年)。月返済額約13.9万円。

【経緯】

「自己資金ゼロで始められる」という広告を見て相談。手持ち資金をほぼ使わずに全額融資でアパートを建築しました。開始当初は8室満室・月収入30万円でローン返済後の手残りが月16万円あり、順調に見えました。

しかし建築から6年目、給湯器の一斉故障が発生。8室のうち6室の給湯器を同時に交換する必要が生じ、費用は総額約120万円に上りました。修繕積立を行っていなかったため、カードローンで対応するしかありませんでした。

カードローンの返済が加わると毎月の収支が赤字に転落。その後も外壁補修(約80万円)・屋根防水工事(約60万円)と大規模修繕が続き、5年間で累計400万円超の修繕費を借り入れで賄う負の連鎖に陥りました。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「フルローンで始めること自体が絶対的なNGではありません。問題は修繕積立金を設けないフルローンです。木造アパートは建築後10〜15年で給湯器・エアコン・外壁・屋根に一斉に修繕費がかかります。

このケースで見ると、月収入30万円の中から最低でも月2〜3万円を修繕積立に回す設計が必要でした。6年目の120万円は計算の範囲内です。

フルローンで始める場合は、月手残りの3割を修繕積立・緊急備蓄に充てるルールを最初から設けてください。複数のハウスメーカーにプランを出させると、修繕周期の見通しや積立額の目安も提示してもらえます。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 月手残りの3割以上を修繕積立・緊急備蓄に回すルールを設ける
    木造アパートの修繕費は建築費の約1〜1.5%/年が目安です(4,000万円の建築費なら年40〜60万円)。これを月割りした金額を毎月確保してください。
  2. 2 建築前に「10〜15年後の修繕スケジュールと費用」を施工会社に確認する
    大規模修繕の時期と費用目安を事前に把握することで、自己資金の残し方やローン設計が変わります。修繕スケジュールを開示しない会社は要注意です。
  3. 3 複数社のプランで修繕費の想定額を比較する
    修繕費の見積もりは施工会社によって大きく異なります。複数社にプランを出させると、長期収支の現実的な姿が見えてきます。

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【体験談6】群馬県前橋市・51歳自営業 / 管理費の安さだけで選んだ管理会社が空室を半年放置

体験談のプロフィール

【立地・面積】群馬県前橋市(前橋駅から車で20分) / 土地面積:85坪

【状況】木造2階建て・1K×8室。総建築費4,000万円。管理委託費:賃料の3.5%(他社比較:5〜8%)。

【経緯】

複数社から管理費の見積もりを取り、最も安い3.5%を提示した会社を選択。年間の管理費が約17万円削減できる計算でした。

しかし建築から2年目に1室が退去。3カ月経っても動きがなく、現地確認に行くとエントランスが清掃されておらず、共用廊下の電球も切れたままでした。

さらに調査すると、その会社は賃貸専門の営業部門を持たず、空室が出ても積極的な入居者募集を行っていませんでした。空室は結局6カ月続き、家賃損失は約24万円。浮かせた管理費よりも大きな損失になりました。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「管理費が安い会社ほど収益が上がると思っている方は多いですが、これは大きな誤解です。管理費を年17万円浮かせても、空室1室・6カ月で24万円の損失が出ます。

管理会社を選ぶ基準は管理費率ではなく、「空室をどれだけ早く埋める力があるか」です。確認すべきは、賃貸専門部門の有無・保有する仲介店舗数・平均空室期間の実績の3点です。

半年に一度は現地に足を運び、共用部の清掃状態と電球切れをチェックしてください。これだけで入居者の定着率が大きく変わります。

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 管理会社の「賃貸専門部門の有無・仲介店舗数・平均空室期間」を確認する
    管理費率よりも、空室を埋める力の方が収益に直結します。これら3点を複数社に確認して比較してください。
  2. 2 半年に一度は現地で共用部の清掃状態と設備を確認する
    電球切れ・清掃不足は退去率の増加に直結します。管理会社任せにせず、定期的なオーナー自身の確認が予防策になります。
  3. 3 複数社のプランを比較して管理会社の実力と費用のバランスを判断する
    管理費が多少高くても、空室期間が短い会社の方が年間収益は大きくなるケースが多いです。複数社に管理プランを請求して比較してください。

→ サブリース・管理会社契約の落とし穴と対策を詳しく読む

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【体験談7】福岡県久留米市・44歳兼業大家 / 格安施工会社に頼んだら雨漏りと騒音クレームで入居者が次々退去

体験談のプロフィール

【立地・面積】福岡県久留米市(久留米駅から車で15分) / 土地面積:95坪

【状況】木造2階建て・1K×8室。施工費:他社比較で約15%安い格安業者に依頼。総建築費3,400万円(大手ハウスメーカー見積もり比:約600万円安)。

【経緯】

複数社から見積もりを取ったところ、大手ハウスメーカーとの差額が600万円あった地元の施工業者に発注しました。担当者の感じが良く、完成後の外観も問題ないように見えました。

しかし入居から1年後、台風を機に2室で雨漏りが発生。修理依頼をすると施工業者から「保証期間外」と言われ、別業者に修繕を依頼。費用は計80万円でした。さらに入居者から「隣室の話し声が筒抜けで眠れない」というクレームが相次ぎ、1年以内に3室が退去しました。

当初浮かせた600万円に対し、修繕費と空室損失で3年間に約350万円を費やし、評判の悪さから入居者が決まりにくい物件になりました。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「このケースは、建築費の初期コストを削って長期収益を大きく損なった典型例です。遮音性能と防水施工は、後から改修しようとすると新築時の数倍以上のコストがかかります。

施工会社を選ぶ際に確認すべきは、遮音等級(D-45以上)・雨漏り保証の年数と対応範囲・アパートの施工実績件数の3点です。大手ハウスメーカーは確かに高いですが、部材の大量生産コストや保証体制を加味すると、長期収益で見れば割安になるケースも少なくありません。

複数社にプランと保証内容を出させて、初期費用だけでなく30年間の総コストで比較してください。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 遮音等級(D-45以上)と雨漏り保証の年数・対応範囲を施工会社に書面で確認する
    口頭での「大丈夫」は保証になりません。遮音等級と防水保証を仕様書に明記させることが後のトラブル防止になります。
  2. 2 初期費用だけでなく「30年間の総コスト」で施工会社を比較する
    建築費の差額と修繕周期・保証範囲を合算した総コストで判断してください。格安業者は初期費用が安くても、修繕費と空室損失で逆転するケースがあります。
  3. 3 複数社に仕様・保証・建築費の一括比較プランを依頼する
    1社だけと話を進めると価格の妥当性を判断できません。複数社のプランを並べることで、適正な品質水準と費用感を見極められます。

→ 施工会社は初期費用でなく30年総コストで選ぶ方法を詳しく読む

【体験談8】宮城県仙台市郊外・46歳兼業大家 / 問題入居者のトラブルを放置して優良入居者3人が退去

体験談のプロフィール

【立地・面積】宮城県仙台市郊外(仙台駅から車で25分) / 土地面積:80坪

【状況】木造2階建て・1K×6室。月家賃3.5万円×6室=月収入21万円。

【経緯】

建築から3年間、6室満室で安定経営が続いていました。しかし4年目に入った入居者が毎晩深夜まで大音量で音楽を流し、隣室・上階の入居者から管理会社へのクレームが相次ぎました。

管理会社は書面で1度注意しましたが改善されず、「法的手続きは費用がかかるのでオーナー判断で」と対応を止めてしまいました。オーナー自身が対応に迷っているうちに、半年間で長期入居の優良入居者3人が退去。月収入は21万円から10.5万円へ半減しました。

問題入居者の退去交渉は弁護士費用を含め約30万円の費用がかかり、退去完了まで8カ月を要しました。入居者トラブルへの対応の遅れが、年間約125万円の収益損失につながりました。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

問題入居者へのアクションを遅らせることは、他の入居者を犠牲にすることと同義です。最初のクレームから8カ月後に退去が完了しましたが、その間に3人の優良入居者が退去しています。

クレーム発生から2週間以内に書面警告・1カ月以内に内容証明郵便という初動の基準を管理会社との契約に明記しておくことが有効です。入居審査を厳格にすることで、問題入居者の流入リスク自体を下げられます。

弁護士費用込みの入居者トラブル対応サービスを持つ管理会社を選ぶことも、長期経営の安全策として検討してください。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 管理委託契約にトラブル対応の初動期限を明記する
    クレーム発生から2週間以内に書面警告、1カ月以内に内容証明郵便を送付する、という基準を契約書に明記してください。「対応する」だけでは不十分です。
  2. 2 入居審査の基準を管理会社と事前に合わせておく
    収入証明の基準・保証会社の利用要件・審査の確認項目を管理会社と共有しておくことで、問題入居者の流入リスクを下げられます。
  3. 3 弁護士費用込みの入居者トラブル対応サービスを提供する管理会社を選ぶ
    法的対応まで含めたサービスを持つ管理会社と契約することで、問題発生時の初動コストと遅延リスクを大幅に下げられます。複数社を比較して確認してください。

→ 入居者管理とメンテナンスを仕組み化する方法を詳しく読む

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アパート経営はなぜ「地獄」に?対策や地獄を見やすい人の特徴を紹介します アパート経営について検討している方のなかには、「アパート経営初めても地獄になる可能性も高いのでは?」とお考えの方も多くいらっしゃるかと思います。そこで本記事では、アパート経営にあるメリットに隠された罠や多額の借金を抱えた人の体験談、アパート経営が黒字化するまでの平均年数、などについて詳しく解説しています。

【体験談9】広島県福山市・64歳地主 / メンテナンスを10年サボったら売却査定が購入価格の3分の1になった

体験談のプロフィール

【立地・面積】広島県福山市(福山駅から車で15分) / 土地面積:100坪

【状況】木造2階建て・1K×8室。建築費3,800万円・築15年。「10年後に売却して老後資金に充てる」という出口戦略を当初は描いていました。

【経緯】

建築後10年間、月収入があることに安心して外壁・屋根・共用部の定期メンテナンスを一切行いませんでした。「老朽化が進んでから一括で修繕すれば効率的」という考えでいましたが、売却を検討して不動産会社に査定を依頼すると予想外の結果が出ました。

査定額は建築費3,800万円に対して1,200万円。査定担当者から「外壁のひび割れ・雨漏り跡・共用階段の腐食が著しく、購入希望者がいても現地確認後に辞退するケースが続いています」と説明を受けました。

試算では、定期メンテナンスを続けていた場合は売却価格が2,000万円前後になったと考えられ、放置による損失は約800万円に上りました。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

外壁・屋根・防水の劣化は、放置するほど修繕コストが指数関数的に増大します。軽度の汚れや小さなひび割れを早期に補修すれば数万円で済むものが、5〜10年放置すると張り替え・全面塗装が必要になり数百万円の工事になります。

このケースで800万円の損失が出た背景には、「一括修繕の方が効率的」という誤った先送りの発想があります。正しいメンテナンス計画は、建築時に施工会社から「5年・10年・15年の定期点検スケジュール」を取り付けることで作れます。

売却を将来の出口にするなら、建物の状態を「収益物件として見られる水準」に保ち続けることが必須です。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 建築時に「5年・10年・15年の定期点検スケジュール」を施工会社から取り付ける
    修繕のタイミングと費用目安を書面で受け取ることで、修繕積立の計画が立てやすくなります。スケジュールを出せない会社は長期サポート体制が弱い可能性があります。
  2. 2 月収入の1〜1.5%を修繕積立として別口座に積み立てる
    月収入21万円なら月2,100〜3,150円が目安です。小額でも10年続けると250〜380万円になり、大規模修繕の大半をカバーできます。
  3. 3 複数社にプランを請求して長期メンテナンス体制を比較する
    建築後の定期点検・修繕対応が充実している会社を選ぶことで、建物の価値を長期間維持しやすくなります。

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準郊外・地方エリア(県庁所在地まで車で25〜30分・100〜120坪)の失敗体験談【3選】

本章では、準郊外・地方エリアの小規模投資(県庁所在地まで25〜30分・100〜120坪)の失敗体験談をまとめています。自分の条件と照らし合わせて、気になる体験談からチェックしてみてください。

【体験談10】茨城県水戸市郊外・62歳地主 / 相続した土地に需要を無視してアパートを建て空室率50%が続く

体験談のプロフィール

【立地・面積】茨城県水戸市郊外(水戸駅から車で25分) / 土地面積:120坪

【状況】木造2階建て・1LDK×8室。建築費6,000万円。相続税対策として建築。開始から2年後の稼働率:4室(空室率50%)。

【経緯】

父から相続した120坪の土地に、相続税対策と老後収入確保を目的にアパートを建築することを決断しました。建築会社の担当者から「1LDKは近年人気が高い」と説明を受け、周辺の賃貸需要調査は行わないまま1LDK×8室で建築しました。

しかし水戸駅から車で25分というエリアは、ファミリー世帯が中心です。ファミリー世帯は賃貸よりも持ち家を選ぶ傾向が強く、1LDKの需要は極めて限定的でした。建築から6カ月で4室しか埋まらず、2年経っても空室4室の状態が続きました。

月次ローン返済22万円に対して家賃収入は4室×6.5万円=26万円。経費を差し引くと毎月赤字に近い状態が続き、相続税対策のために組んだローンが生活を圧迫しています。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「相続した土地でアパートを建てる場合、まず確認すべきは「誰がそのエリアに住みたいと思っているか」という入居者像です。このケースで重要だったのは、車社会・ファミリー世帯中心というエリア特性でした。

こうした場所では、単身者向け1Kよりもファミリー向け2DK、または駐車場付き2LDKの方が稼働率は高まります。エリアの需要調査は難しくありません。賃貸情報サイトで周辺の空室数を確認するだけでも傾向は掴めます。

複数社にプランを請求すると、エリア別の需要調査を前提にした間取り提案を受けられます。施工会社の「人気がある」という説明を鵜呑みにしないことが最重要です。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 地元の賃貸仲介会社に「どの間取りが最も埋まりやすいか」を事前に確認する
    建築会社の担当者は施工者の視点で提案します。入居者を直接扱う賃貸仲介会社への需要確認が、エリアに合った間取り選定の最も確実な方法です。
  2. 2 空室率30〜50%のシナリオで収支が成立するか事前に確認する
    郊外エリアでは需要変動が大きいため、半分空室になっても黒字になる設計かどうかを必ず確認してください。
  3. 3 複数社にプランを請求してエリア需要を踏まえた間取り提案を比較する
    需要調査を前提にした間取り提案ができる会社とそうでない会社の差は大きいです。複数社の提案を並べることで、エリアに適した設計の判断基準が見えてきます。

→ 建築前の需要調査で空室リスクを8割減らす方法を詳しく読む

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【体験談11】栃木県宇都宮市郊外・58歳地主 / 大学撤退を知らず学生向け1Kで建てて8室中6室が空室に

体験談のプロフィール

【立地・面積】栃木県宇都宮市郊外(宇都宮駅から車で30分) / 土地面積:100坪

【状況】木造2階建て・1K×8室。建築費4,500万円。建築時の想定ターゲット:周辺大学の学生。建築から3年後の稼働:2室(空室率75%)。

【経緯】

建築当時、土地から車で5分の場所に私立大学のキャンパスがあり、毎年1,800人の学生が在籍していました。「学生需要があるから長期安定できる」と判断し、1K単身者向けの8室で建築。入居開始から2年間は7室が埋まり、順調な稼働率でした。

しかし建築翌年に、その大学が都心の別キャンパスへの集約を発表。3年後には学部ごと移転が完了し、地域の学生人口が一気に減少しました。学生以外の入居者を想定した間取りでなかったため、社会人や高齢者への転換も難しく、空室が6室に達して月収入は8万円(2室分)に激減しました。

月ローン返済15万円を大幅に下回る収支となり、毎月の持ち出しが約10万円に上る状態が続いています。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「学生需要は安定しているように見えて、大学の定員変更・学部移転・廃校という大きなリスクを抱えています。このケースは、単一の需要源(大学)だけに依存した間取り設計が問題でした。

入居ターゲットが学生のみに限定される間取りではなく、社会人・高齢者にも対応できる1K〜1DK(18〜25㎡)で設計しておけば、需要の転換がより容易だったはずです。

建築前に大学の長期計画(学部移転・統合・閉鎖の予定)を自治体の都市計画情報などで確認することも有効な事前調査です。複数社にプランを請求することで、エリアの長期需要見通しも比較できます。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 学生需要に依存する場合、大学の長期計画(移転・統合・閉鎖予定)を事前に確認する
    自治体の都市計画審議会の議事録や、大学の公式発表(IR情報・設置計画)で移転・縮小計画を確認できます。「今学生が多い」だけでなく「10年後も学生が来るか」を確認してください。
  2. 2 単一の需要源に依存しない間取り設計にする
    学生・単身社会人・高齢者のいずれにも対応できる18〜25㎡・1K〜1DKの間取りにすることで、需要変動に対応しやすくなります。
  3. 3 複数社にプランを請求してエリアの長期需要見通しを比較する
    エリアの人口動態・雇用環境・施設状況を踏まえた需要見通しを持つ会社のプランを複数集めることで、より信頼性の高い判断ができます。

→ 建築前の需要調査で空室リスクを8割減らす方法を詳しく読む

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【体験談12】愛知県豊橋市・67歳地主 / 出口戦略を考えずに20年経営して老朽化アパートを売れなくなった

体験談のプロフィール

【立地・面積】愛知県豊橋市(豊橋駅から車で20分) / 土地面積:110坪

【状況】木造2階建て・1K×8室。建築費4,800万円・築22年。建築当時は全室満室。現在:稼働4室・月収入16万円。ローン残債:約500万円。

【経緯】

建築から22年間、「収入があるうちは経営を続ければいい」という考えで、具体的な売却・相続・建替えのタイミングを考えてきませんでした。経年と共に稼働率は低下し、20年目には8室中4室が空室に。設備の老朽化も進み、管理会社から「大規模リノベーションか建替えが必要」と告げられました。

売却を検討して不動産会社に査定を依頼すると、建物価値はほぼゼロで土地価格のみの査定が返ってきました。更地にして売却しようにも解体費用は約200万円かかり、ローン残債500万円と合わせると700万円の支出が発生することがわかりました。

「いつでも売れる」と思っていたが、実際には「売るに売れない・壊すにも金がかかる」状態になっており、毎月の持ち出しを抱えながら対応策を検討しています。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「出口戦略は、アパートを建てた初日から考えるべきものです。木造アパートは築20年を超えると建物の帳簿価値がほぼゼロになり、買い手の融資が付きにくくなります。

このケースで最善の選択肢があったとすれば、築15年前後の「まだ収益が出ていて建物価値が残っている段階」での売却でした。「いつでも売れる」は築10〜15年までの話です。

出口の選択肢は売却・建替え・相続の3つです。どれにするかはローン残債・建物の状態・相続税評価・家族の意向を整理してから判断してください。複数の専門家(不動産会社・税理士・FP)に相談することで、最適な出口のタイミングが見えてきます。」

この失敗を防ぐ対策
  1. 1 建築時に「売却・建替え・相続」の3つの出口シナリオを描いておく
    「いつ・どのような条件になったら売却するか」の基準を最初に決めておくことで、最適なタイミングを逃さずに判断できます。
  2. 2 築15年前後を「出口の検討開始タイミング」として設定しておく
    木造アパートは築20年を超えると建物価値がほぼゼロになります。収益が出ていて建物価値が残っている築15年前後が、売却を検討する最適な時期です。
  3. 3 出口戦略を含めた長期収支プランを複数社に請求して比較する
    30年間の収支シミュレーションと出口タイミングまで提案できる会社のプランを複数集めることで、建築時から出口を見据えた判断ができます。

→ 築15年が売却タイムリミット:出口戦略を建築時に設計する方法を詳しく読む

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ブログの体験談から学ぶ!アパート経営の失敗を防ぐ6つの対策

第1章の12事例には、共通する失敗パターンがあります。資金計画の甘さ、需要調査の省略、業者選びの誤り、そして出口を考えない経営。これらは「知らなかった」だけで起きた失敗です。

ここでは体験談と紐づけながら、事前に打てる具体的な対策を6つ解説します。

実質キャッシュフローで資金計画を立てる

(体験談 #5 熊谷市・フルローン資金ショート#2 相模原市・表面利回り誤認#4 さいたま市・金利上昇 に対応)

アパート経営の収支計算で最も多い誤りは、「表面利回り」だけで判断することです。表面利回りとは、年間家賃収入を建築費で割った数値で、経費も空室も一切考慮していない理論上の最大値です。不動産会社の資料に記載される利回りの多くがこの表面利回りです。

表面利回り8%と書いてあったのに、実際は全然手元に残らなかったってどういうこと?

相模原市の事例(体験談#2)では、表面利回り8%の物件を購入したものの、固定資産税・管理費・保険・修繕積立・ローン返済を差し引いた実質キャッシュフローは年間207万円、実質利回りは約2.9%でした。さらに1室が空室になると、その年の収益はほぼゼロになっています。

正しい収支計算の基準は「実質キャッシュフロー」です。計算式と確認すべき3ステップは以下の通りです。

実質キャッシュフローの確認3ステップ
  1. 年間家賃収入を「稼働率80〜90%」で計算する
    満室想定ではなく、空室率10〜20%を見込んだ現実的な収入でスタートする。満室前提の試算はリスクを過小評価している
  2. 全経費を必ず差し引く
    ローン返済・管理委託費(家賃の5〜8%)・固定資産税・火災保険・修繕積立金(建築費の1〜1.5%/年)の5項目が必須。この中で最も見落とされやすいのが修繕積立金
  3. 手残り額がゼロ以上になる設計かを確認する
    この手残りがプラスになる設計でなければ計画を見直す。プラスにならない場合は自己資金の追加かローン額の圧縮が必要

熊谷市の事例(体験談#5)が示すように、フルローンで始めること自体が問題ではありません。問題は、修繕積立を一切行わなかったことです。木造アパートは建築後10〜15年で給湯器・外壁・屋根に修繕費が集中します。月手残りの3割を修繕積立・緊急備蓄に充てるルールを最初から設けておくことが長期経営の安全弁になります。

さいたま市の事例(体験談#4)では、変動金利0.8%でスタートしたローンが5年後に1.8%へ上昇し、月返済額が約3.3万円増加しています。アパートローンは返済期間が30〜35年と長く、その間に金利が1〜2%動くことは十分想定できます。変動金利を選ぶ場合は、金利2〜3%になっても収支がプラスかを事前に試算することが必須です。

「月収入が返済額を上回っているから大丈夫」という判断は危険です。管理費・税金・修繕積立を加えると毎月の支出は家賃収入の30〜40%に達するケースが多く、この経費を見落としたまま計画を進めると、建築後数年で赤字経営に転落します。収支計算には必ず全経費を含めてください。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

資金計画で最も見落とされているのは、修繕費と金利変動の同時発生リスクです。築10年で外壁修繕が必要になるタイミングと、金利上昇が重なると一気に経営が苦しくなります。

対策としては、建築費の1〜1.5%を年間修繕積立の目安とし、変動金利を選ぶ場合は金利2.5%での返済額を上限として収支設計してください。

複数社にプランを請求することで、修繕費の見込みや金利シナリオ別の収支シミュレーションを比較できます。1社の提案だけで計画を確定させないことが、長期経営を守る第一歩です。」

資金計画の判断基準【まとめ】
  1. 実質キャッシュフローで試算する
    全経費差し引き後の手残りがプラスになる設計かどうかを確認する
  2. 空室率10〜20%・金利2〜3%の最悪シナリオでも黒字か確認する
    満室・低金利前提の試算はリスクを過小評価している
  3. 月手残りの3割を修繕積立・緊急備蓄に充てるルールを設ける
    建築後10〜15年の大規模修繕に備えた積立が長期経営の安全弁になる
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建築前の需要調査で空室リスクを8割減らす

(体験談 #10 水戸市・需要無視で空室率50%#11 宇都宮市・大学撤退で空室率75% に対応)

アパート経営で回収不能に近い失敗の多くは、立地・需要調査を省略したことが起点になっています。土地を所有しているからといって、すべての土地でアパートが成立するわけではありません。「建てられる土地かどうか」ではなく、「入居者が集まる土地かどうか」が判断の基準です。

水戸市の事例(体験談#10)では、ファミリー世帯中心のエリアに単身者向け1LDK×8室を建築し、空室率50%が2年間続きました。宇都宮市の事例(体験談#11)は、単一の需要源(大学)への依存が崩れた途端に稼働が2室まで落ち込むという、より深刻な結果になっています。

需要調査って、専門家に頼まないとできないの?

需要調査は専門的な調査会社に依頼しなくても、以下の3ステップで概ねの需要感は把握できます。重要なのは、建築会社の担当者に聞くのではなく、入居者を直接扱う第三者に確認することです。

建築前にできる需要調査の3ステップ
  1. STEP1:賃貸情報サイトで周辺の空室数を確認する
    SUUMO・HOME’Sで土地の最寄り駅・徒歩圏の賃貸物件を検索し、「掲載から3カ月以上経過している物件」の数を確認する。多い場合はエリアの需要が弱いサインです
  2. STEP2:地元の賃貸仲介会社に「どの間取りが埋まりやすいか」を聞く
    建築会社ではなく、入居者を直接扱う仲介会社の意見が最も信頼できます。2〜3社に聞くことで需要の実態が見えてきます
  3. STEP3:単一需要源への依存リスクを確認する
    大学・工場・大型商業施設など特定施設の学生・従業員を主な入居者と想定する場合、その施設の長期計画(移転・拡張・閉鎖予定)を自治体の都市計画情報で確認する

ここで多くの方が見落とすのが「今の需要」と「10年後の需要」のギャップです。総務省の住宅・土地統計調査や国土交通省の地価公示データは公開情報として誰でも確認できます。郊外エリアでは既に人口減少が始まっているエリアも多く、新築でも入居者が集まりにくい立地条件があることを事前に把握しておくことが重要です。

施工会社・ハウスメーカーの担当者が提示する「需要があります」という説明は、施工者の視点での見解です。竣工後の空室リスクはオーナーが全て負います。間取り・戸数の最終判断は、必ず建築会社とは独立した需要調査の結果を根拠にしてください。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「需要調査で最も重要なのは「今の空室数」ではなく「今後10年の人口・世帯動向」です。水戸市・宇都宮市のような地方郊外では、既に人口減少が始まっているエリアも多く、新築でも入居者が集まりにくい立地条件があります。

また、郊外エリアでは空室率30〜50%でも収支がプラスになる設計にしておくことが現実的なリスク管理です。「満室前提の収支計画」は楽観的すぎます。

複数社にプランを請求すると、エリア需要を踏まえた間取り・戸数の提案を比較でき、1社の提案だけでは見えなかった選択肢が見えてきます。」

立地・需要調査の判断基準【まとめ】
  1. 建築会社とは別に、地元の賃貸仲介会社2〜3社に需要を確認する
    施工会社の「需要あり」は参考程度にとどめ、入居者を扱う仲介会社の声を優先する
  2. 単一需要源(大学・工場・施設)への依存を避けた間取り設計にする
    学生・社会人・高齢者のいずれにも対応できる18〜25㎡・1K〜1DKが転換リスクを下げる
  3. 郊外エリアでは空室率30〜50%でも黒字になる収支設計にする
    需要変動が大きい立地では、満室前提の収支計画は過大評価になる

サブリース・管理会社を「空室を埋める力」で選ぶ

(体験談 #1 松戸市・サブリース賃料下落#6 前橋市・管理会社が空室放置#3 堺市・サブリース業者倒産 に対応)

管理形態の選択ミスは、収益に直接かつ長期的な影響を与えます。特にサブリース契約は「空室ゼロ保証」という安心感から選ばれやすい一方で、3つの構造的リスクを抱えています。

サブリース契約の3つの構造的リスク
  1. 賃料改定リスク
    契約書に「2年ごとに賃料を見直す」条項が含まれることが多く、開始から3〜5年で10〜15%下落するケースがあります(松戸市の事例)。当初の収支計算が崩れる最大の原因です
  2. 倒産リスク
    サブリース会社が破綻すると、入居者がいるにもかかわらず家賃の振込が停止します。新管理会社への引き継ぎ期間中もローン返済は止まらず、数カ月の持ち出しが発生します(堺市の事例)
  3. 解約・免責リスク
    免責期間(入居者募集中は保証が止まる期間)や、オーナー側からの解約が難しい条件が含まれているケースがあります。「35年一括借り上げ」という文言だけでは安全性は担保されません

サブリースを選ばず一般管理委託にした場合も、管理会社の選び方を誤ると損失が出ます。前橋市の事例(体験談#6)では、管理費3.5%という最安値の会社を選んだ結果、退去後の空室が6カ月放置されました。年間で浮かせた管理費約17万円に対し、空室損失は約24万円。コスト削減が逆効果になっています。

管理費が高い会社の方が必ずいいの?

管理費の高さではなく、「空室をどれだけ早く埋める力があるか」が管理会社選びの唯一の基準です。実際に確認すべき3点は以下の通りです。

管理会社を選ぶ3つの確認ポイント
  1. 賃貸専門部門・仲介店舗を持っているか
    賃貸専門の営業部門や店舗を持つ会社は、入居者集客の動線が整っており空室期間が短い傾向があります
  2. 平均空室期間の実績を数値で答えられるか
    管理物件の平均空室期間を具体的な数字で答えられる会社は空室リスクへの意識が高いです。答えられない・答えない会社は要注意です
  3. 入居者トラブル対応の体制があるか
    弁護士費用込みのトラブル対応サービスを持つ会社を選ぶことで、問題入居者への対処が迅速になり、優良入居者の退去を防ぎやすくなります

サブリース契約を検討する際は、賃料が15%下落したシナリオでもキャッシュフローがプラスになるか必ず試算してください。ローン返済と借り上げ賃料の差額が月5万円未満の設計は、賃料改定1回で赤字に転落するリスクがあります。国土交通省の「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」も事前に確認することをお勧めします。

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「サブリースか一般管理かの選択よりも、どの会社と組むかの方が収益への影響は大きいです。管理会社の実力差は、空室期間の長短として直接収益に現れます。1室が1カ月余計に空いていると、家賃4〜6万円の損失です。

管理費が1〜2%高くても、空室を素早く埋める会社の方が年間収益は上回るケースがほとんどです。サブリース契約を結ぶ前には必ず相手会社の直近3期分の決算書の開示を求めてください。応じない会社とは契約しないことが原則です。

複数社のプランを比較することで、管理体制の実力と費用のバランスを客観的に判断できます。」

サブリース・管理会社選びの判断基準【まとめ】
  1. サブリースは「賃料15%下落」シナリオで収支を試算してから判断する
    差額が月5万円未満の設計は賃料改定1回で赤字になるリスクがある
  2. 管理会社は管理費率ではなく「空室を埋める力」で選ぶ
    賃貸専門部門・仲介店舗・平均空室期間の3点を複数社で比較する
  3. サブリース会社の直近3期分の財務状況を契約前に確認する
    開示を拒む会社とは契約しないことが倒産リスク回避の基本原則
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施工会社は初期費用でなく30年総コストで選ぶ

(体験談 #7 久留米市・格安施工で雨漏り・騒音退去 に対応)

施工会社選びで「初期費用の安さ」だけを基準にすることは、最も取り返しのつかない失敗につながります。建物の品質は完成後に変えられません。久留米市の事例(体験談#7)では、大手ハウスメーカーより600万円安い格安業者を選んだ結果、修繕費と空室損失の合計が3年で350万円に達しました。

施工品質が収益に直結する理由は、入居者の定着率にあります。雨漏りや騒音は入居者が退去する最大の理由のひとつです。1室退去すると、原状回復費・空室期間・次の入居者募集費を合わせた実質損失は50〜100万円規模になります。

ここで多くの方が気づかない盲点があります。「大手ハウスメーカーは高い」というイメージは、初期費用だけを見た場合の話です。部材の大量生産・品質管理体制・長期保証を加味した30年間の総コストで比較すると、格安業者と同等かそれ以下になるケースも少なくありません。

施工会社を選ぶ前に確認すべき3点
  1. 遮音等級(D-45以上)を仕様書で確認する
    口頭での「問題ありません」は保証になりません。遮音等級を仕様書に明記できない会社は対象外にすることを推奨します
  2. 雨漏り・防水保証の年数と対応範囲を書面で確認する
    「10年保証」でも免責事項の範囲が広ければ実質的な保護は限定的です。保証書の内容を契約前に読み込んでください
  3. 建築費ではなく「30年間の総コスト」で比較する
    修繕周期・修繕費の見込み・保証期間を合算した総コストで判断してください。格安業者は初期費用が安くても、修繕費と空室損失で逆転するケースが多いです

施工会社が倒産すると、保証期間内でも修繕対応を受けられなくなります。小規模施工会社は大手に比べて経営リスクが高く、建築後5〜10年以内に廃業するケースもあります。施工会社の財務状況・設立年数・施工実績件数を事前に確認することが長期経営の安全策です。

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「施工品質の選択ミスは、経営期間中ずっと尾を引きます。雨漏りや遮音不足は修繕できても、それが起きた物件というイメージは口コミや入居者評判に残ります。入居希望者が内覧に来て決めない、という状況が続くと空室損失は想定外の規模に膨らみます。

施工会社を比較する際、見積もりの安さではなく「10年後・20年後に同じ会社がアフターフォローをしてくれるか」という視点で選んでください。

複数社のプランを請求して仕様書・保証書を並べて読み比べることで、価格差の根拠と品質の差が見えてきます。

施工会社選びの判断基準【まとめ】
  1. 遮音等級D-45以上・雨漏り保証の年数と範囲を書面で確認する
    仕様書・保証書に明記できない会社は選定対象から外すことを推奨する
  2. 建築費ではなく30年間の総コストで比較する
    修繕費・空室損失を含めた総コストで格安業者が割高になるケースは多い
  3. 複数社に仕様・保証・建築費の一括比較プランを請求する
    1社の見積もりだけでは価格の妥当性も品質水準も判断できない
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築15年が売却タイムリミット:出口戦略を建築時に設計する

(体験談 #12 豊橋市・出口戦略なしで売却不能#9 福山市・メンテナンス放置で売却査定3分の1 に対応)

「いつでも売れる」という思い込みは、アパート経営で最も危険な誤解のひとつです。木造アパートは築20年を超えると建物の帳簿価値が税務上ゼロに近づき、買い手が融資を受けにくくなります。その結果、売却価格は土地値のみに近くなり、解体費用とローン残債を加えると実質的な手出しが発生するケースもあります。

出口戦略って、建てる前から考えるものなの?

出口戦略は建築時に設計するものです。主な選択肢は「売却」「建替え」「相続(生前贈与)」の3つで、どれを選ぶかによって、建築時のローン設計・修繕計画・建物の維持水準が変わります。

出口戦略の3選択肢と建築時の準備
  1. 売却を出口にする場合
    築15〜18年を「売却検討開始のタイムリミット」に設定する。建物の資産価値を維持するため定期メンテナンスを継続し、売却価格が解体費用+ローン残債を上回る状態を保つことが条件です
  2. 建替えを出口にする場合
    建替え費用の積立計画を建築時から組み込む。毎年の修繕積立とは別に建替え資金の準備が必要です
  3. 相続・生前贈与を出口にする場合
    相続税評価額の低減効果と、引き継ぐ家族のローン負担・管理能力を事前に整合させる。引き継ぎ手が管理できない物件は、相続後に「負動産」になるリスクがあります

福山市の事例(体験談#9)では、10年間メンテナンスを放置した結果、売却査定が建築費3,800万円に対して1,200万円になりました。定期メンテナンスを続けていた場合は2,000万円前後になったと考えられ、放置による損失は約800万円です。出口を売却に設定するなら、建物を「収益物件として買い手に評価される水準」に保ち続けることが必須です。

出口戦略を考えずに「とりあえず経営を続ける」選択は、最終的に最も損失が大きくなる判断です。築20年以降は建物の価値よりも解体費用・修繕費の方が大きくなることがあり、売ることも壊すことも難しい「塩漬け物件」になるリスクがあります。築10〜15年のうちに不動産会社・税理士に相談して出口の選択肢を整理しておくことを強くお勧めします。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「出口戦略を建築時に考える方は、残念ながらまだ少数派です。しかし出口を意識するかどうかで、建築後10年・20年の経営判断がまったく変わります。

売却を想定するなら、築10年ごろに一度不動産会社に価格査定を依頼してみてください。市場がどう評価しているかを定点確認することで、売り時を逃さず判断できます。建替えや相続を想定する場合は税理士・FPとの連携が必要です。

複数のプランを請求する際に、30年間の収支シミュレーションと出口戦略の提案まで込みで比較できる会社を選ぶことで、建築から出口までの全体像が見えてきます。」

出口戦略の判断基準【まとめ】
  1. 建築時に「売却・建替え・相続」の3シナリオのうちどれを出口にするか決める
    出口の設定によって修繕計画・ローン設計・建物維持の基準が変わる
  2. 売却を出口にする場合、築15〜18年を「検討開始のタイムリミット」に設定する
    築20年超は建物価値が土地値のみになり、売却価格が解体費用+ローン残債を下回るリスクがある
  3. 築10〜15年のうちに不動産会社・税理士に相談して選択肢を整理する
    出口の選択は早く動くほど選択肢が広い
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入居者管理とメンテナンスを「仕組み」にする

(体験談 #8 仙台市・問題入居者で優良入居者3人退去#9 福山市・メンテナンス放置 に対応)

入居者管理とメンテナンスは、どちらも「対応を先送りするほど損失が膨らむ」という共通の構造を持っています。問題が起きてから動くのではなく、問題が起きないよう仕組みを整えておくことが長期経営の核心です。

仙台市の事例(体験談#8)では、問題入居者へのアクションが遅れた8カ月間に、優良入居者3人が退去し月収入が半減。年間約125万円の収益損失が発生しました。トラブル対応を「管理会社に任せている」という姿勢が、優良入居者を失う最大の原因です。

入居者トラブルを仕組みで防ぐ3つの対策
  1. 入居審査基準を管理会社と事前に文書化して共有する
    収入証明の基準・保証会社の利用要件・審査確認項目を文書化して共有することで、問題入居者の流入リスクを入口で防ぐことができます
  2. トラブル対応の初動期限を管理委託契約に明記する
    クレーム発生から2週間以内に書面警告、1カ月以内に内容証明郵便という基準を契約書に入れておくと、管理会社の対応が遅延しにくくなります
  3. 弁護士費用込みのトラブル対応サービスを持つ管理会社を選ぶ
    法的手続きまで対応できる管理会社と契約することで、問題発生時の初動コストと遅延リスクを大幅に低減できます

メンテナンスについては、「後でまとめてやれば効率的」という発想が最も損失を生みます。外壁の軽度なひび割れは数万円で補修できますが、5〜10年放置すると全面塗装で数百万円の工事になります。小さなうちに直すほど修繕費は安くなるという原則を、経営の基本として徹底してください。

メンテナンスを仕組み化する3つのポイント
  1. 建築時に「5年・10年・15年の定期点検スケジュール」を施工会社から取り付ける
    修繕のタイミングと費用目安を書面で受け取ることで、修繕積立の計画が立てやすくなります
  2. 半年に一度は現地で共用部を自分の目で確認する
    電球切れ・清掃不足・外壁の汚れは入居者の更新判断に直接影響します。管理会社任せにせず定期確認をルーティン化してください
  3. 月収入の1〜1.5%を修繕積立として自動振替で別口座に積み立てる
    仕組み化することで意識しなくても積み上がります。月収入20万円なら10年で240〜360万円になり、大規模修繕に備えられます

共用部の清掃・電球切れ・外壁の汚れは、入居者の「更新するかどうか」の判断に直接影響します。「管理が行き届いていない物件」という印象は口コミや内覧時の第一印象に残り、空室率の長期悪化につながります。月1〜2回の簡易点検ルーティンを管理会社との契約に明記しておくことを推奨します。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「入居者管理もメンテナンスも、オーナーが「管理会社に任せているから大丈夫」と思った瞬間から品質が下がり始めます。管理会社は複数の物件を担当しており、声を上げないオーナーの物件は後回しになりがちです。

半年に1回の現地確認と、四半期に1回の管理報告確認を習慣にするだけで、管理会社の対応は変わります。

修繕積立は毎月の収入から自動的に別口座に振り替えるルールを設けてください。意識せずに積み上がる仕組みにすることが、10年後の大規模修繕への最善の備えです。」

入居者管理・メンテナンスの判断基準【まとめ】
  1. トラブル対応の初動期限を管理委託契約に明記する
    クレーム発生から2週間以内書面警告・1カ月以内内容証明という基準を文書化しておく
  2. 半年に一度は現地で共用部を自分の目で確認する
    管理会社任せにせず、オーナー自身が定期確認することで品質と対応を維持する
  3. 月収入の1〜1.5%を修繕積立として自動振替で別口座に積み立てる
    仕組み化することで意識しなくても10年後の大規模修繕に備えられる
対策はわかった。自分の土地でどれが一番リスクになるか知りたいな
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アパート経営のデメリット15選!メリットの効果を最大化する方法も紹介します アパート経営のデメリットは、初期費用が高額になることや金利が上昇するリスクがあることです。この記事では、アパート経営のメリット・デメリットやアパート経営はするなと言われている理由、アパート経営は何年で黒字化するのか、昨今のアパート経営事情、デメリットに応じた対策方法も解説しています。

6つの対策を読んで、「自分の土地では何が一番リスクになるか」が気になった方もいるかもしれません。立地条件・土地面積・周辺需要によって、優先すべき対策の順番は変わります。

1社の提案だけで判断することが、最も避けるべきリスクです。複数のプランを並べることで、見えていなかったリスクと選択肢が見えてきます。

まずは無料のプラン一括請求ツールを使い、あなたの土地に合ったオーダーメイドのプランと収支シミュレーションを複数のプロから集めてみましょう

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リアルな体験談を発信!アパート経営の2人のブロガーを紹介

アパート経営を検討していると、実際に運営している大家が何を考え、何で悩んでいるのか知りたくなるはずです。

そこでおススメしたいのが、健美家の人気コラムニストの「極東の船長さんと「ふんどし王子さん」です。規模も経歴もまったく異なる立場から、新築・賃貸経営のリアルな判断軸が発信されています。(2026年時点の更新を確認)

本章ではお2人の経歴・実績・発信内容を整理し、どんな目的で読むと役立つのかをまとめます。

資産39棟836室、家賃収入9.5億円を築いた「極東の船長」

極東の船長さんは、北海道東部の漁師の家に生まれました。高校卒業後は家業の漁業を継ぎ、24歳で船長になっています。1993年、船の転覆事故をきっかけに陸の仕事へ転じました。収入が激減したことが、不動産投資を学び始めるきっかけになっています。現在は札幌在住の専業大家で、運営会社「ハーモニーエステート」を構えながら、楽天ブログやXでも発信を続けています。

1995年、札幌市内の中古アパート購入を皮切りに、新築・中古・区分マンションなど幅広い物件の売買を重ねてきました。2010年代に法人化し、個人所有物件をほぼ売却して法人として規模を拡大しています。2022年時点の所有物件は、木造アパート10棟・低層RCマンション22棟・高層RCマンション4棟の合計39棟836室です。

極東の船長さんの主な実績(2023年9月時点)
  1. 総投資額
    130億円超
  2. 借入残高
    100億円
  3. 家賃収入
    年9.5億円・税引前キャッシュフロー年3億円
  4. 売却実績
    21棟352室を売却し、売却益10億円
規模が大きすぎて、自分には関係ない話に見えるけど…?

規模の大きさだけが特徴ではありません。新築RC物件の構造選定の理由や、コロナ禍で抱えた民泊事業の損失とその回復過程など、判断の根拠まで具体的に書かれている点が特徴です。家賃インフレや金利上昇局面での値上げ判断も取り上げています。高層物件の地震リスクへの考え方など、新築・建て替えを検討している人に役立つ視点も多く含まれます。

コラムでは、新築RC物件の構造選定や大規模修繕のタイミングといった実務的なテーマを取り上げています。インフレ・金利動向を踏まえた長期の資産形成戦略や、海外の不動産事情から得た知見も発信しています。直近では、金利上昇や中東情勢が不動産投資に与える影響、築古物件の長寿命化など、市況の変化を見据えた内容が中心です。

すでに土地を所有し、新築アパート・マンションでの本格的な事業化を検討している人に役立ちます。長期的な金利・インフレ動向を踏まえて判断したい人にも、規模拡大の過程で直面した課題や判断基準が参考になります。

高卒・製造業から家賃年収1750万円を実現した「ふんどし王子」

ふんどし王子さんは、富山県在住のサラリーマン大家です。高卒で大手自動車メーカー系列の工場に勤務しながら、24歳から不動産投資を始めています。お酒の席でふんどし姿で踊ることから、この名がついたとされています。楽天ブログ「高卒・製造業が不動産投資でお金持ちになる方法!」やXで発信し、著書も出版しています。

2003年に就職後、月10万円の貯金から不動産投資の元手をつくりました。2009年の二世帯住宅購入を最初の一歩に、中古アパート・新築アパート・戸建て・廃墟物件まで幅広く手がけています。

ふんどし王子さんの投資の歩み(一部)
  1. 2011年
    6部屋の中古アパートを1,200万円(利回り21%)で購入
  2. 2016年
    50万円台の廃墟2件を仲間の投資家と共同で再生
  3. 2020〜2022年
    毎年4,000万〜7,200万円規模の新築アパートを建築(利回り約10%)
  4. 2024年
    7,200万円のアパートを建築中(想定利回り9.5%)
高卒・製造業のままで、本当にこんな規模まで増やせるの?

学歴や初期資金に恵まれていたわけではありません。給与からの貯蓄と、中古・新築・戸建てを組み合わせた段階的な拡大によって、この規模を実現しています。融資交渉の実例や、廃墟を安価に取得して収益化した手法など、限られた予算からどう一歩目を踏み出すかが具体的にわかります。

コラムでは、新築アパートのプラン確定までの過程や、金利上昇期の融資動向を取り上げています。火災保険・建築費上昇への対応といった実務的なテーマに加え、自主管理物件での入居者対応や家族との時間など、大家としての日常も発信しています。直近では、金融教育の必要性やインフレ下でも勝ち目のある投資手法についても取り上げています。

限られた予算から土地活用やアパート経営を始めたい人にとって、身近な目線で参考にしやすい内容です。融資交渉や建築コストの上昇にどう向き合うか、具体的な実例を知りたい人にも役立ちます。

規模も経歴も異なる2人だからこそ、自分の状況に合わせて読み分けると得られる学びも変わります。

2人のコラムから読み解く、情報源の選び方【まとめ】
  1. 長期の市況・金利動向や大規模化の判断軸を学びたい方
    極東の船長さんのコラムが参考になります
  2. 限られた予算からの一歩目や、身近な実例を知りたい方
    ふんどし王子さんのコラムが参考になります
  3. 新築アパートの構造や利回りの考え方を多角的に知りたい方
    両方を読み比べるのがおすすめです

失敗を防いで一歩を踏み出すために、今できること

ここまで、12件の失敗体験談と、それぞれを防ぐための6つの対策を紹介してきました。

共通しているのは、資金計画や需要調査を甘く見積もったまま、契約や建築を進めてしまった点です。逆に言えば、事前に正しい情報を集めて判断すれば、同じ失敗は十分に避けられます。

次にとるべき3つのアクション
  1. 自分の土地の条件を整理する
    エリア・面積・予算・相続の有無など、判断の前提となる情報をまとめておく
  2. 複数社にプランを請求して比較する
    実質キャッシュフローや需要調査の有無を確認できる会社を選ぶ
  3. 出口戦略まで含めて長期的に相談する
    売却・建替え・相続のどれを想定するかを早い段階で整理する
せっかく土地を活かすなら、後悔したくないですよね。

自分の土地で健全な賃貸経営ができるのか、まずは簡単にでも知りたい方は、次のシミュレーションツールをお試しください。簡単な9の質問から、土地の条件を入力するだけで、想定収支や似た条件の事例を確認でき、判断の材料を具体的に揃えられます

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\ この記事の編集者 /

イエウール土地活用編集部

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