「アパート経営するな」と言われる11の理由!業者の見抜き方

茨城県つくば市(郊外)在住・50代男性

「父から相続した実家近くの土地を、このままにしておくのも気が引けて、ハウスメーカーからアパート経営を勧められています。ネットで『アパート経営するな』という言葉を見て不安になりましたが、本当にやめたほうがいいのか、業者の説明をどこまで信じていいのか判断できません。」

「アパート経営するな」と検索すると、後悔した人の声や失敗事例ばかりが出てきて、不安になった方も多いはずです。しかし、この言葉の本当の意味は「アパート経営そのものをやめろ」ではありません。

この記事では、「アパート経営するな」と言われる11の具体的なリスク、業者の収支計画書に潜む甘い前提を見抜く方法、そしてリスクを知ったうえで成功しているオーナーに共通する習慣を、実際の数字とともに解説します。

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この記事を監修した人
石川 龍明
監修 石川 龍明(いしかわ りゅうめい)

株式会社横濱快適住環境研究所 代表取締役

土地活用プランナー 宅地建物取引士 公認 不動産コンサルティングマスター
20年以上
業界経験
444件以上
コンサル実績
専門領域
土地活用・不動産コンサルティング 賃貸住宅・戸建て経営 相続税・節税対策 建築プロデュース・差別化戦略 経営者・地主向けセミナー

20年以上にわたり不動産・建築業界で活躍する土地活用のエキスパート。地主や不動産オーナー向けに、長期的に収益を生み出す独自の賃貸経営や節税対策、差別化戦略を提唱。444件以上のコンサルティング実績と分かりやすい解説で、多くのオーナーから絶大な信頼を得ています。

「アパート経営するな」と言われる11のリスクと理由

本章では「アパート経営するな」と言われる11のリスク(=理由)と、その対策について解説しています。アパート経営は大きな意思決定です。投資リスクをより現実的に理解し、判断にお役立てください。

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【空室リスク】入居率が10%下がると年間手残りが約60万円以上消える

アパート経営の収益は、入居率に直接連動します。満室のときに計算した「想定収益」は、現実の数字ではありません。空室が1室でも出ると、翌月からすぐに手残り(= キャッシュフロー、CF)が減ります。

たとえば8室・月額家賃6万円のアパートで考えてみます。

▼入居率の違いによる年間家賃収入の変化(8室・月額6万円の場合)

入居率 稼働室数 年間家賃収入 満室時との差額
100%(満室) 8室 576万円
90% 約7.2室 約518万円 ▼約58万円
80% 6.4室 約461万円 ▼約115万円
70% 5.6室 約403万円 ▼約173万円

※年間家賃収入=月額6万円×8室×12か月×入居率で算出。管理費・修繕費・ローン返済は含まない。

入居率が90%になっただけで、年間の収入が約58万円減ります。月額に換算すると約4.8万円の収入減です。ローン返済額が月10万円の物件なら、キャッシュフローの収支が一気に苦しくなります。

見落とされがちな盲点があります。業者が提示する収支計画書の多くは「入居率95〜100%」を前提にしています。しかし、国土交通省の調査によると、全国の賃貸住宅の空室率は平均20%を超えている地域も多く、特に地方・郊外では実態と業者の想定が大きくかけ離れるケースがあります。

「入居率90%なら十分では?」と思うかもしれないけど、管理費・修繕積立・ローン返済を引いた後の「手残り」で考えると、10%の差が経営の明暗を分けることがあるんだ。

空室リスクを正しく見積もるには、自分の土地があるエリアの直近3年間の空室率を確認することが出発点になります。同じ市内でも駅距離・築年数・間取りによって空室率は大きく変わります。業者に「このエリアの直近の空室率データを見せてください」と一言聞くだけで、提案の信頼性を測れます。

空室リスクへの対策
  1. 1 入居率70%を前提にした収支で採算が合うか確認する
    業者が出す収支計画書の入居率前提を必ず確認する。入居率70%・金利上昇1%の「最悪ケース」でもローン返済を賄えるかどうかが判断の基準です。「95%想定」の計画書しか出せない業者とは交渉して試算させましょう。
  2. 2 地元密着型の管理会社1社を含む3社以上から入居率の実績データを取る
    建築会社系・地元密着型・全国チェーン系の3タイプを比較すると、エリアの空室実態が見えてきます。地元密着型は市区町村単位の直近データを持っていることが多く、大手では見えない実態を教えてもらえるケースがあります。
  3. 3 間取り・設備仕様を「需要のある属性」に合わせて決める
    そのエリアで需要の高い入居者属性(単身者・ファミリー・高齢者など)を先に調べ、間取りと設備を合わせます。「自分が住みたい設備」ではなく「入居希望者が重視する設備」を選ぶことが空室率を下げるポイントです。
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石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

収支計画書の「入居率」欄をまず疑ってください。95%・100%前提の計画書は、現実の市場データとかけ離れていることがほとんどです。

特に注意が必要なのは、業者が出す計画書の「空室率」が全国平均ではなく、その業者の自社管理物件の数字になっているケースです。管理が上手い業者の物件だけのサンプルは、市場全体の平均より有利に見えます。「このエリアの賃貸物件全体の空室率」を別途確認することが重要です。

自分の土地の条件で入居率がどのくらい見込めるかを知るには、複数社に収支計画書を作成させ、それぞれの空室率の「根拠となるデータ」を確認することが最も確実な方法です。」

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【家賃下落リスク】築年数とともに収益が二重に悪化する

アパートの家賃は、築年数が経つにつれて下がっていきます。しかも「家賃が下がる」だけで終わらないのがこのリスクの怖いところです。家賃が下がると同時に空室が増えやすくなるため、収益が二重に悪化する構造になっています。

どのくらい家賃が下がるのか、一般的な目安を確認します。

▼築年数別・家賃の目安下落率(新築時を100%とした場合)

築年数 家賃の目安 新築時との差(月額6万円の場合)
新築〜築5年 95〜100% ―〜▼3,000円
築10年 85〜90% ▼6,000〜▼9,000円
築20年 75〜80% ▼1.2〜▼1.5万円
築30年 65〜75% ▼1.5〜▼2.1万円

※エリア・構造・設備仕様によって異なります。国土交通省「賃貸住宅の修繕・維持に関する調査」等をもとに一般的な目安として記載。

月額6万円で貸せていた部屋が、築20年で4.8万円になるケースがあります。8室全部が同じ割合で下がれば、年間収入は約115万円の減収です。

ここで見落とされがちな「二重悪化」のメカニズムを整理します。家賃を下げることで入居者を確保しようとするとき、実は家賃を下げても埋まらないケースが起きやすくなります。築年数が上がると競合物件(新築・築浅)との差が広がり、家賃を下げてもなお敬遠される状況になりやすいからです。つまり、「家賃下落+空室増加」が同時に起きる状態が長期間続くことがあります。

30年の収支計画を作るとき、「家賃は現状維持」のまま計算している業者の提案は要注意です。家賃を現状維持で試算した計画と、築年数に応じた下落を反映した計画では、30年後の累計収益に数百万〜1,000万円以上の差が生じることがあります。計画書に「家賃下落率の想定」が明記されているかを必ず確認してください。

家賃下落リスクへの対策
  1. 1 収支計画書に「年1〜2%の家賃下落」を反映させて試算する
    家賃下落率を年1〜2%と想定した30年収支を業者に試算させてください。それでも収支がプラスになるかどうかが、計画の堅牢性を測る目安になります。下落率を反映した計画書を出せない業者は、楽観的な前提でしか試算していない可能性があります。
  2. 2 築10年・20年時点でのリフォーム計画と費用を事前に組み込む
    家賃下落を防ぐ最も有効な手段は、設備・内装の早期更新です。築10年で水回り設備・エアコンを更新し、築20年で内装を刷新することで家賃水準を維持しやすくなります。これらのリフォーム費用(目安:1室30〜50万円)を計画書に最初から含めておくことが重要です。
  3. 3 新築時に「10年後も選ばれる設備仕様」で建てる
    宅配ボックス・独立洗面台・高速インターネット無料などの設備は、一度設置すれば10年以上にわたって競争力を維持します。初期費用を数十万円上乗せするだけで、長期間の家賃水準と入居率の維持につながる設備を優先して取り入れましょう。
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石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

家賃下落への最大の防御策は「建てる前」に決まります。築年数が経っても「選ばれ続ける理由」を設計段階で作り込めるかどうかが分かれ目です。

よくある失敗パターンは、初期費用を抑えるために設備グレードを下げて建てることです。入居者が「多少古くても住みたい」と感じさせる差別化ポイント(間取りの工夫・防音性・設備の使い勝手)がない物件は、築5〜10年で家賃を大きく下げざるを得なくなります。

家賃下落率を年1〜2%と仮定して30年収支を試算し、それでも採算が合う計画かどうかを確認することを最初のステップにしてください。」

【金利上昇リスク】2024年以降の利上げで何が起きているか

2024年3月、日本銀行はマイナス金利政策を解除しました。さらに同年7月・2025年1月と追加利上げを実施し、アパートローンの金利環境は10年以上続いた「超低金利時代」から転換しつつあります。変動金利でローンを組んでいるオーナーには、月々の返済額が増えるリスクが現実のものになっています。

金利が変わると返済額がどう変わるか、具体的な数字で確認します。

▼借入5,000万円・返済期間30年での金利別月々返済額の比較

金利(年) 月々返済額 金利1.5%時との差額
1.5%(従来の低金利水準) 約17.2万円
2.5%(+1%上昇) 約19.7万円 +約2.5万円/月
3.5%(+2%上昇) 約22.5万円 +約5.3万円/月

※元利均等返済方式で試算。実際の返済額は金融機関・返済条件によって異なります。

金利が2%上がると、月々の返済額が約5.3万円増えます。年間に換算すると約64万円の負担増です。家賃収入が変わらなくても、返済額が増えるだけで手残りが大きく削られます。

見落とされがちな盲点があります。変動金利は「毎月の返済額を5年間固定する」という慣行があるため、金利が上がっても返済額が増えないように見えることがあります。しかし実際には未払い利息が積み上がっており、5年後・10年後に返済額が急増する「残高ショック」が起きるリスクがあります。

金利上昇リスクへの対策
  1. 1 金利3〜3.5%を前提にした収支シミュレーションを業者に出させる
    金利が今より2%上がっても手残りがプラスになるかどうかを確認することが最低ラインです。変動金利でのみ試算を出してくる業者には、固定金利・変動金利それぞれのシナリオを並べて提示するよう求めましょう。
  2. 2 固定期間選択型ローンで10年間の金利を確定させることを検討する
    完全変動金利は金利が低い間は有利ですが、上昇局面では毎期の返済額が読めなくなります。当初10年固定などの固定期間選択型を使えば、事業計画の前半を安定させることができます。固定金利の上乗せ分をキャッシュフローの「保険料」と考えるかどうかが判断の基準です。
  3. 3 繰り上げ返済のための余剰資金を年間収益の20〜30%を目安に確保する
    金利が上昇してキャッシュフローが圧迫されたとき、繰り上げ返済で元本を減らすと利払いの絶対額を下げられます。手残りをすべて使わずに積み立てる習慣が、金利上昇局面での経営の安定につながります。
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石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

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金利リスクの本質は「毎月の返済額が増える」ことより、「計画と現実のズレが長期間続く」ことです。月2〜3万円の返済増でも、20〜30年にわたると総返済額に数百万円の差が生まれます。

変動金利を選ぶ場合に見落とされがちなのが、返済額が一定に見える「5年ルール」の裏側で未払い利息が蓄積するリスクです。5年・10年後に返済額が急増する可能性を計画に織り込んでいるかどうかが、長期経営の安定度を分けます。

建築前の段階で「金利が2%上がったときの収支」を試算し、それでも採算が合う計画かどうかを確認してください。この1点を確かめるだけで、見えていなかったリスクの輪郭がはっきりします。」

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【サブリースの罠】「家賃保証」は永続しない

「30年一括借り上げ」「家賃保証」という言葉で紹介されるサブリース契約。「入居者が入らなくても毎月家賃が入る」という安心感から選ぶオーナーは多くいます。しかし、この「保証」は仕組み上、永続することが前提になっていません。

サブリース契約の仕組みと、実際に起きるリスクを整理します。

▼サブリース契約で起きやすいトラブルのパターン

リスク項目 内容
賃料減額の申し入れ 2〜5年ごとの更新時に「市場の下落を理由に賃料を下げてほしい」と申し入れてくる。借地借家法上、サブリース会社側に賃料減額請求権があるため断れない。
免責期間の空白 新築後の数か月間・入退去のたびに発生する「免責期間」中は家賃が支払われない。契約書で確認が必要。
修繕費の負担 大規模修繕費はオーナー負担になるケースが多い。サブリース会社が「修繕しないと契約継続できない」と迫るケースもある。
解約困難 オーナー側から解約しようとすると違約金が発生したり、正当事由が必要になったりする。途中解約は実質難しい設計になっている。

※消費者庁・国土交通省「サブリースに関するトラブル事例と対策」等を参考に作成。

特に問題になるのが賃料減額の条項です。「30年保証」という言葉は「30年間同じ金額が入る」という意味ではありません。「30年間、借り上げる契約が存在する」という意味であり、金額は2〜5年ごとに見直されます。

契約前に「賃料改定条項」「免責期間」「解約条件」の3点を必ず書面で確認することが最低限の自衛策です。これを確認させてくれない業者との契約は見送るべきです。

サブリースの罠への対策
  1. 1 サブリース契約書の「賃料改定条項・免責期間・解約条件」を締結前に書面で確認する
    契約書に「賃料は2年ごとに協議の上改定する」と書いてあれば、金額は下げられる可能性があります。「改定の幅に上限はあるか」「何回まで改定できるか」も合わせて聞いてください。答えを口頭のみで濁す業者との契約は避けましょう。
  2. 2 サブリース賃料とローン返済の差額が月5万円以上あるかを確認する
    賃料が一度改定されたとき、差額が月5万円未満しかない設計では赤字に転落しやすくなります。「サブリース賃料からローン返済・管理費・修繕積立を引いて、月いくら残るか」を自分で計算することが大切です。この差額が薄い計画はリスクが高いと判断してください。
  3. 3 サブリースなしの自主管理・一般管理との収支比較を複数社で取る
    サブリースの手数料は家賃収入の10〜15%が一般的です。空室リスクが低いエリアでは、一般管理(管理手数料5〜7%)のほうが長期収益が高くなるケースがあります。サブリースを勧める会社だけに相談していると、この比較ができません。複数社の見積もりを取ることが正しい判断に必要です。
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石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

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サブリース最大の問題は、オーナーが「経営の主導権」を持てなくなることです。賃料・修繕・解約のすべてで業者側が主導権を持つ構造になっており、オーナーは受け身になりやすい。

サブリース会社が利益を出すためには、オーナーに払う借り上げ賃料を実際の入居者家賃より低く設定する必要があります。つまり、業者の利益とオーナーの収益は構造的に相反しています。この前提を理解したうえで契約するかどうかを判断してください。

契約前に「賃料改定条項・免責期間・解約条件」の3点を書面で確認し、それを複数社で比較することで条件の公正さが見えてきます。」

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【大規模修繕リスク】10〜15年後に突然やってくる大出費

アパートを建てて10〜15年が経つと、外壁・屋根・共用部の設備などに大規模な修繕が必要になります。この修繕費は数百万〜1,000万円を超えることもあり、計画していないオーナーにとっては突然の大出費になります。

どのような修繕がいつ頃・どのくらいの費用で発生するか、目安を確認します。

▼木造アパート(8室・延べ床面積200㎡目安)の主要修繕スケジュールと費用目安

修繕項目 目安の時期 費用目安
外壁塗装・防水工事 築10〜15年 150〜300万円
屋根工事(葺き替え・防水) 築15〜20年 80〜150万円
給排水管更新 築20〜25年 100〜200万円
共用部設備更新(照明・インターホン等) 築15〜20年 30〜80万円
各室水回り・内装更新(1室あたり) 入退去のたびに発生 30〜60万円/室

※構造・規模・仕様によって異なります。大規模修繕の費用は建築会社・管理会社による見積もりで確認してください。

外壁塗装・屋根工事・給排水管更新が重なる築15〜20年のタイミングでは、合計400〜700万円規模の出費になることがあります。ローン返済の残高がまだ多い時期に、この費用が重なると資金繰りが苦しくなります。

ここで見落とされがちなのは、修繕費積立の不足です。月々の手残りをすべて生活費・他の投資に回していると、修繕費が必要になった時点で手元資金がない状態になります。多くの業者の収支計画書には修繕積立金が含まれておらず、オーナーが自分で積み立て計画を作る必要があります。

大規模修繕リスクへの対策
  1. 1 建築前に30年分の長期修繕計画書を業者に作成させ、修繕費を収支に組み込む
    長期修繕計画書を出せる業者に依頼することが、修繕費を見通せる計画の第一歩です。計画書を持っていない・出せないと言われた場合は、修繕費を過小評価している可能性があります。30年の収支には最低限、外壁塗装・屋根・設備更新の費用を含めてください。
  2. 2 月々の手残りから修繕積立として1室あたり3,000〜5,000円を積み立てる
    8室のアパートであれば月2.4〜4万円の積立で、10年で約290〜480万円の修繕資金になります。大規模修繕が重なる15〜20年目に一定の資金が手元にある状態を作ることが目標です。積立が難しい場合は、修繕費をカバーできるローン返済余力があるかどうかを確認してください。
  3. 3 耐久性の高い外壁・屋根素材を建築時に選んで修繕サイクルを延ばす
    外壁塗料のグレードを一般塗料から無機塗料・フッ素塗料に変えると、塗り替えサイクルが10年から15〜20年に延びます。初期費用が数十万円増えても、30年で見ると修繕費総額が100〜200万円減るケースがあります。建築時の仕様選定が長期の修繕費を大きく左右します。
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修繕費を収支計画に含めていない業者の提案は、表面上の利回りが高く見えます。その差が後になって手痛い出費として現れます。

よくある失敗パターンは「修繕はそのときにローンを組めばいい」という考え方です。しかし、建物の評価が下がった築後の物件に対しては、銀行が追加融資に応じにくくなるケースがあります。修繕費は「貯める」か「初めから計画に含める」かのどちらかしか、実質的な選択肢がありません。

建築前の段階で30年分の長期修繕計画を出せる業者かどうかを確認することを、業者選びの条件の1つにしてください。」

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【流動性リスク】「売りたいときに売れない」負動産化のメカニズム

アパートに限らず不動産は「流動性が低い資産」です。株や債券のように「売りたいと思ったその日に売れる」ものではありません。売却には数か月〜1年以上かかることがあり、価格も買い手がつかなければ希望額で売れません。

特にアパートが「売りたくても売れない」状態、いわゆる負動産(ふどうさん)になりやすい条件を整理します。

▼アパートが売却困難になりやすい条件

条件 なぜ売れにくくなるか
空室率が高い(30%以上) 投資物件としての利回りが低く見え、買い手がつかない。値段を大幅に下げないと売れない。
人口減少エリア・駅遠物件 将来の入居需要が読めず、買い手が長期保有リスクを嫌う。
築年数が古く修繕が多い 買い手が修繕費を織り込んで値下げを求めてくる。帳簿上の残債より売却価格が低くなる「オーバーローン」になりやすい。
サブリース契約付き サブリース付き物件は買い手が限られ、解約できない状態のまま引き継ぐことを嫌がられる。

※国土交通省「不動産投資物件に関する調査」等をもとに作成。

見落とされがちな盲点は、「売れたとしても残債を上回る価格がつかない」ケースです。たとえば残債3,000万円の物件が2,000万円でしか売れない場合、差額の1,000万円を手出しで補填しないと売却できません。これをオーバーローンと呼び、出口をふさがれた状態になります。

「出口戦略」を考えるなら、建てる前に「15〜20年後にいくらで売れそうか」の試算も業者に求めるべきです。収益物件の売却価格は「年間収益÷利回り」で概算できます。入居率が下がれば年間収益が落ち、売却価格も連動して下がる。この関係を最初から頭に入れておくことが重要です。

流動性リスクへの対策
  1. 1 建築前に「15〜20年後の売却価格の試算」を業者に依頼する
    「入居率80%・家賃下落年1%を想定した15年後の収益」をもとに売却価格を概算させてください。その価格がローン残高を上回るかどうかが、出口戦略の成否を左右します。試算を出せない業者は出口を考えていない提案をしている可能性があります。
  2. 2 総事業費に占める自己資金比率を20〜30%以上に設定して残債リスクを下げる
    自己資金を多く入れるほど、ローン残債が減り「売却価格が残債を下回るリスク」が小さくなります。自己資金比率が10%以下の計画は、オーバーローンになるリスクが高くなります。少なくとも総事業費の20%を自己資金で賄う設計が目安です。
  3. 3 サブリース契約なしで運営できる計画にする
    サブリース付き物件は買い手が限られるため、売却の選択肢を狭めます。サブリースなしでも収支が成り立つかどうかを確認したうえで、サブリースを「オプション」として検討することが重要です。サブリースが前提でないと収支が合わない計画は、リスク許容度を超えた設計かもしれません。
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アパート経営は「入口」より「出口」を先に考えるべきです。売れない物件は、持ち続けるしかない「義務」になってしまいます。

特に人口が減少しているエリアでは、10〜15年後に買い手を見つけること自体が難しくなるケースがあります。「今の入居率が高いから大丈夫」という判断は、将来の人口動態と市場の変化を考慮していない可能性があります。

建てる前の段階で「もし手放したくなったとき、いくらで売れるか」を試算した業者だけを最終候補に残すことをおすすめします。この視点を持っている業者は、長期の経営リスクを一緒に考えてくれる姿勢があります。」

【減価償却切れリスク】節税効果が消えた後に税負担が急増する

アパート経営を始める理由のひとつに「節税」を挙げる方は多くいます。建物の取得費用を毎年の経費として計上できる「減価償却(げんかしょうきゃく)」という仕組みを使うと、帳簿上の赤字をつくって所得税・住民税を抑えられるからです。しかし、この節税効果には「有効期間」があります。

減価償却費は、建物の「法定耐用年数(ほうていたいようねんすう)」が終わるとゼロになります。法定耐用年数とは、税務上、建物の価値がゼロになるまでの年数のことです。

▼構造別・法定耐用年数と減価償却費の目安(建物取得費5,000万円の場合)

構造 法定耐用年数 年間減価償却費(目安) 節税効果が消えるタイミング
木造 22年 約227万円/年 築22年以降
軽量鉄骨造 27〜34年 約147〜185万円/年 築27〜34年以降
RC造(鉄筋コンクリート) 47年 約106万円/年 築47年以降

※定額法で試算。建物・附属設備の耐用年数は国税庁の法定耐用年数表に基づきます。取得費から土地代を除いた建物部分のみで計算。

木造アパートなら築22年で減価償却が終わります。それまで年間200万円以上の経費が計上できていたものが、翌年からゼロになります。つまり、同じ家賃収入でも課税所得が200万円以上増え、所得税・住民税の負担が急増します。

見落とされがちな盲点があります。減価償却が切れるタイミングは、ちょうどローン返済の中盤〜後半に重なるケースが多いです。元金返済が進んでローン利息(経費計上できる)が減る時期と、減価償却費ゼロが重なると、課税所得が一気に増えます。

減価償却切れリスクへの対策
  1. 1 減価償却が終わった後の「税引き後キャッシュフロー」を30年収支に含めて試算する
    業者が出す収支計画書に「税引き後」の手残りが記載されているか確認してください。税引き前の手残りしか示していない計画書は、減価償却切れ後の実質的な手取りが見えない状態です。木造なら築22年以降・軽量鉄骨なら築27〜34年以降の税負担を含めた収支を確認しましょう。
  2. 2 減価償却切れのタイミングを「建て替え・売却」の検討時期として計画に組み込む
    木造なら築20〜22年、軽量鉄骨なら築27〜30年が「収益性の節目」です。このタイミングで建て替え・売却・リノベーションのどの選択肢が最も有利かを事前に検討しておくことが、長期的な資産管理の視点につながります。売却なら出口価格の試算も忘れずに行ってください。
  3. 3 不動産専門の税理士に「築後20〜25年のシミュレーション」を依頼する
    減価償却・ローン利息・固定資産税・所得税がどう変化するかは、個人の年収・物件規模によって変わります。建築前の段階で不動産専門の税理士に相談し、20〜25年後の実質的な税負担を試算しておくことが最も確実な対策です。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「節税になるからアパートを建てる」という動機だけで始めると、節税効果が切れた後の収支に驚くケースがあります。節税効果はあくまで事業期間の一部に限られ、30年・40年の事業全体で見れば課税期間のほうが長いです。

特に見落とされがちなのが、減価償却費の減少とローン元金返済の進行が重なる時期です。経費として計上できる金額が毎年減っていく一方で、家賃収入はほぼ一定のままだと、課税所得が確実に増えていきます。「税引き前の収支」だけ示す計画書で意思決定している場合、税負担が増加する局面を見ていない可能性があります。

必ず「税引き後の手残り」で30年収支を確認してください。」

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【相続・出口リスク】次世代に負債を残すケース

「相続税対策になる」という理由でアパートを建てる方は多くいます。更地より建物・賃貸物件のほうが相続税評価額が下がるため、確かに節税効果はあります。しかし、アパートを相続した子どもが「管理・ローン・修繕」の負担を引き継ぐケースがあり、節税以上のコストを次世代に負わせることがあります。

▼相続時に問題になりやすいケースと内容

ケース 具体的な問題
ローン残債が残っている 相続人がローンを引き継ぐか、売却するかの判断を迫られる。売却しても残債を下回る場合は手出しが必要。
相続人が不動産経営に関心がない 管理・修繕・入居者対応を引き受ける意欲がなく、放置・売却でさらなる損失が生じることがある。
共有名義で複数人が相続 兄弟で共有すると、売却・リフォームに全員の合意が必要になり、意思決定が難しくなる。
築年数が古く資産価値が低い 相続税評価は下がっていても、実際の市場売却価格が残債を下回るオーバーローン状態になっていることがある。

※国土交通省「不動産の相続に関する調査」等を参考に作成。

特に見落とされがちなのは、「相続税の評価額を下げた」≠「資産として価値がある」ではない、という点です。評価額が低いということは、市場でも安い価格にしか売れないことを意味します。節税できた金額より売却損が大きくなるケースもあります。

相続・出口リスクへの対策
  1. 1 建てる前に相続人と「誰が引き継ぐか・売るか・どう管理するか」を話し合っておく
    「相続税対策で建てた」という理由だけでは、相続人にとって負担になるケースがあります。相続の意思・運営の意欲・資金力を確認してから建てることが、次世代への「財産」と「負債」の分かれ目になります。
  2. 2 相続時の売却価格とローン残債の関係を20〜30年後のシミュレーションで確認する
    「今は節税になる」だけで判断せず、20〜30年後に相続が発生した時点での残債・売却価格・修繕費を試算することが必要です。残債より売却価格が低いオーバーローン状態で相続が発生すると、相続人に手出しを求めることになります。
  3. 3 相続対策・土地活用の両方を扱う専門家(公認不動産コンサルティングマスター等)に相談する
    「節税対策としてのアパート建築」は、税務・不動産・相続の3つの視点が交差するテーマです。建築会社だけでなく、相続・不動産の両方に精通した専門家に同席してもらうことで、見落としを減らせます。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

相続税対策でアパートを建てる場合、最も重要なのは「次の世代にとって価値ある資産になるかどうか」です。節税効果が出るのは親の代だけで、子どもの代には管理・修繕・ローンという義務だけが残ることがあります。

共有名義で複数の相続人に引き継ぐ場合は特に注意が必要です。売却・建て替え・大規模修繕の意思決定に全員の合意が必要になるため、一人が「手放したい」と思っても動けない状態が続くことがあります。

相続の対象・管理の承継者を明確にしたうえで、不動産専門の税理士・公認不動産コンサルティングマスターと一緒に計画を立てることをおすすめします。」

【建築コスト上昇リスク】計画時より建築費が膨らむ

2020年以降、アパートの建築費は大幅に上昇しています。木材・鉄鋼・コンクリートなどの資材高騰と人件費の上昇が重なり、2020年比で建築費が20〜30%程度高くなっているケースがあります。「3年前の相場で試算していた」という方は、現在の実勢価格で改めて確認が必要です。

▼建築費が上昇すると利回りにどう影響するか(8室・月額家賃6万円の場合)

総建築費 年間家賃収入(満室) 表面利回り
4,000万円(従来水準) 576万円 約14.4%
5,000万円(+25%上昇) 576万円 約11.5%
6,000万円(+50%上昇) 576万円 約9.6%

※表面利回り=年間家賃収入÷総建築費×100で算出。家賃・経費・空室率は考慮していません。

家賃が変わらなくても、建築費が25%上がれば表面利回りは約3ポイント低下します。利回りが下がると同じ物件でも投資効率が悪くなり、ローン返済後の手残りが薄くなります。

見落とされがちなのは、「着工前に価格が変わるリスク」です。見積もりを取ってから実際に建てるまでに半年〜1年かかる場合、その間に資材価格がさらに上昇して当初の見積もり額では建てられなくなるケースがあります。

建築コスト上昇リスクへの対策
  1. 1 見積もりを取った時点で「価格の有効期限」を業者に確認する
    見積もりには有効期限があります。「この見積もりは何か月有効ですか?」と必ず確認してください。有効期限を過ぎた見積もりをもとに判断すると、実際の建築費が大幅に増えていることがあります。3社以上から同時期に見積もりを取り、価格の水準感を確かめることも有効です。
  2. 2 建築費が10〜20%増えた場合でも収支が成り立つかを確認する
    現在の建築費水準で採算が取れる計画であっても、「建築費がさらに10〜20%増えたら利回りはいくらになるか」を業者に試算させてください。この条件でも収支がプラスになるかどうかが、計画の安全マージンを測る基準になります。
  3. 3 仕様のグレードを「収益に影響しない部分」で調整して建築費を適正化する
    建築費を抑えるとき、入居者が直接使う「室内設備・防音性・収納」のグレードを下げると入居率・家賃に直結します。一方、共用廊下の仕上げ材・外観の細部デザインなど、入居者の生活に影響しない部分を見直すことで、住環境を落とさずに費用を調整できます。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

建築費の上昇は、収益性の計算をすべて最初からやり直す必要があることを意味します。2〜3年前に取った見積もりや坪単価の相場感をそのまま使って計画している場合、今の実勢価格と大きくかけ離れている可能性があります。

建築費が上がった分を「家賃を上げることで補う」という判断も難しい状況です。家賃は市場相場で決まり、建築費が増えたからといって一方的に上げられるものではありません。建築費上昇の影響をそのまま受け止めたうえで、収支が成り立つ計画かどうかを改めて確認することが必要です。

複数社から同時期に見積もりを取り、現在の価格水準を把握することが最初のステップです。」

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【管理会社リスク】管理を任せた会社の質で収益が大きく変わる

アパートを建てた後、日常の管理業務(入居者募集・家賃回収・クレーム対応・退去手続き)は管理会社に委託するケースがほとんどです。しかし、管理会社の質によって入居率・空室の長さ・修繕のタイミングが変わり、結果的に年間収益に百万円単位の差が出ることがあります。

▼管理会社の質の差が収益に影響する主なポイント

管理業務 質が低い管理会社 質が高い管理会社
入居者募集 自社サイトのみで募集。空室期間が長くなりがち。 SUUMO・at home等の複数媒体に掲載。空室を早く埋められる。
入居審査 審査が甘く、問題のある入居者が入るリスクがある。 保証会社と連携した審査で、家賃滞納リスクを低減する。
小修繕への対応 対応が遅く、入居者が不満を持ち退去につながる。 24時間対応窓口があり、入居者満足度が高い。
定期巡回・報告 巡回なし・報告なしで物件の状況が見えない。 月次・四半期の報告書があり、空室・修繕状況が把握できる。

※国土交通省「賃貸住宅管理業者登録制度」等を参考に作成。

見落とされがちな盲点は、「建築会社が指定する管理会社」に自動的に決まるケースが多い点です。建築会社と管理会社が同系列であると、管理費・修繕費が割高に設定されているケースがあります。管理会社は建築会社とは別に選べることを知っておくだけで、選択肢が広がります。

管理会社リスクへの対策
  1. 1 管理会社を建築会社とは別に2〜3社比較してから選ぶ
    建築会社の系列管理会社に決める前に、独立系の管理会社2社以上から管理費・条件・実績を比較してください。管理手数料は5〜10%の幅があり、同じサービスで手数料が2〜3%違えば年間収益に大きな差が出ます。
  2. 2 「入居者募集媒体の数」「空室平均日数の実績」「24時間対応窓口の有無」を確認する
    管理会社に「このエリアの管理物件の平均空室期間を教えてください」と質問してみましょう。具体的な数字を答えられない会社は、実績を把握していない可能性があります。また、24時間対応窓口がない管理会社は、入居者のクレーム対応が遅れて退去につながるリスクがあります。
  3. 3 管理委託契約の解約条件を事前に確認し、乗り換えできる体制を保持する
    管理会社は後から変更できますが、解約に3〜6か月前の通知が必要なケースがあります。契約書の解約条件を事前に把握し、パフォーマンスが低下したときに早く動ける準備をしておくことが大切です。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

管理会社の選定は、建築会社選びと同じくらい重要な意思決定です。建物がどれだけ良くても、管理が粗雑だと入居率が落ち、収益が下がります。

よく見られるのが「建築会社の系列管理会社に自動的に決まる」ケースです。系列管理会社が悪いわけではありませんが、他社と比較せずに決めると、管理費・修繕費・サービスの水準を客観的に評価できません。管理会社は建築会社とは別に選べることを前提に、最低2〜3社を比較することをおすすめします。

「このエリアでの管理実績・平均空室日数・入居率」の3点を各社に聞き、数字で答えられる会社を優先して選んでください。」

【土地活用選択リスク】アパートが最適とは限らない

「土地を持っているならアパートを建てる」という選択が当然のように語られることがあります。しかし、土地の条件・オーナーの資金力・相続の状況によっては、アパート以外の活用方法のほうが収益性・リスクの低さで有利になるケースがあります。

▼アパート以外の土地活用と、向いている土地の条件

活用方法 向いている条件
駐車場経営 駅近・商業エリア・建築費をかけられない場合。初期投資が少なく、リスクも低い。
戸建て賃貸 ファミリー需要が高いエリア・人口が安定している地方都市。アパートより解体・売却が容易。
医療・介護施設への土地賃貸 高齢化が進んでいるエリア・幹線道路沿い。30〜50年の長期安定収益が期待できる。
売却・等価交換 相続人が不動産経営を希望しない場合・資産を現金化したい場合。

※各活用方法の詳細条件はエリア・土地規模・法規制によって異なります。

たとえば土地が小さい(50〜100㎡以下)場合、アパートを建てても室数が少なく収益が出にくいことがあります。そのような土地では駐車場や戸建て賃貸のほうが初期費用・リスクともに低く、収益率が高くなるケースがあります。

見落とされがちな盲点は、「アパートを勧めてくる業者はアパート建築が得意な業者であって、他の活用方法を積極的に提案しない」という構造的な問題があることです。土地活用の最適解を見つけるためには、複数の活用方法を扱う会社・プランナーに相談することが有効です。

土地活用選択リスクへの対策
  1. 1 アパート以外の活用方法も含めた比較プランを3社以上から取り寄せる
    「アパートを建てる前提」で相談すると、アパート以外の選択肢が出てこないことがあります。「この土地に最適な活用方法を提案してください」という形で依頼することで、駐車場・戸建て賃貸・施設賃貸など複数の選択肢が比較できます。
  2. 2 「10年後の人口動態」をもとに、エリアの賃貸需要が続くかを確認する
    総務省の住民基本台帳人口移動報告・国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計を使うと、10〜20年後のエリアの人口変化が確認できます。人口減少が見込まれるエリアでアパートを建てる場合は、将来の空室リスクが高いことを前提にした計画が必要です。
  3. 3 「アパートが最適かどうか」を土地活用プランナーや公認不動産コンサルティングマスターに判断してもらう
    建築会社はアパートを建てることに利益があるため、中立的な立場から「建てない選択肢」を勧めることはほぼありません。公認不動産コンサルティングマスターや独立系のファイナンシャルプランナーは、建築とは利害関係がないため中立的なアドバイスを受けやすいです。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「土地があるからアパートを建てる」という思考は、選択肢をあらかじめ狭めています。土地の条件・立地・エリアの将来性によっては、アパートより低リスク・高収益の活用方法が存在することがあります。

アパート建築を勧める業者は、当然アパートが最も収益が出るという前提で提案します。しかしその前提が自分の土地に当てはまるかどうかは、複数の選択肢を比較してみないと判断できません。最初の相談先を「アパート専門の建築会社」に限定しないことが、最適な土地活用を選ぶための第一歩です。

まずは複数の会社・プランナーに「この土地で何が向いているか」を尋ねることから始めることをおすすめします。」

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「アパート経営するな」という言葉が生まれた背景

「するな」は「業者任せにするな」という意味

「アパート経営するな」という言葉をネットで見かけると、「やはりアパート経営は危険なのか」と感じるかもしれません。しかし、この言葉の本来の意味は「アパート経営そのものをするな」ではありません。

「業者の言いなりになったままアパート経営するな」——これが正確な意味です。アパート経営は適切に計画すれば収益を生む資産運用ですが、「業者任せ」という入り方をすると、構造的に失敗しやすい状態に置かれます。

なぜ「業者任せ」が危ないのか。その理由は、オーナーと業者の「情報の非対称性」にあります。

▼オーナーと業者の間に存在する情報格差

情報の種類 業者側が持っている情報 初めてのオーナーが持っていない情報
エリアの需給実態 周辺の空室率・築年別の入居率推移・競合物件の動向 「需要が高い」という業者説明の根拠が正しいか判断できない
建築費の原価構造 工事原価と請負金額の差(利益率)・値引きできる上限 提示された建築費が「高い・安い」を比較する基準がない
収支計画の前提 空室率・修繕費・金利をどの水準に設定すると計画が「よく見えるか」 計画書の数字が楽観的かどうかを見抜く目線がない
サブリース契約の実態 何年後にどのくらいの頻度で賃料改定交渉が入るか 「30年保証」が実質的に何を意味するか理解していない

※イエウール土地活用編集部が過去の相談事例をもとに整理。

この情報格差がある状態で「業者の提案をそのまま受け入れる」と、オーナーは「業者にとって都合のよいシナリオ」をそのまま自分の計画として採用することになります。

業者を信じたら、それだけでダメってこと?

業者のすべてが悪意を持っているわけではありません。担当者個人は誠実に仕事をしているケースも多い。問題なのは「構造」です。

業者は「建てさせること」で収益を最大化する仕組みの中で動いています。その構造上、「オーナーの20年後の収益」より「今月の着工契約」が優先されやすいのは避けられません。悪意ではなく、インセンティブ設計の問題です。

「するな」という言葉が生まれた背景には、この構造への警告があります。言い換えると「情報格差を埋めてからアパート経営せよ」というメッセージです。

「情報格差」を埋めるための最初の3ステップ
  1. 1 業者の説明に出てくる数字は必ず「根拠」を聞く
    「入居率95%」「利回り8%」など、計画書に登場する数字はすべて前提があります。「その数字はどこから来ていますか?」の一言を習慣にするだけで、楽観シナリオかどうかを判別できます。
  2. 2 同じ条件で複数社に計画書を依頼し、数字の「差」を比較する
    1社の計画書だけでは「高いか安いか」を判断できません。3社以上の計画書が揃うと、空室率・建築費・収益試算の「相場」が自然に見えてきます。この差こそが情報格差を埋める材料です。
  3. 3 「急かされたら止まる」をルールにする
    「今月中に決めれば値引きします」という言葉は、比較検討の時間を奪うための常套句です。情報格差がある状態で急いで決断するほど、業者にとって有利な条件が通りやすくなります。
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石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

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「業者任せ」になりやすいのは、知識がないからではなく「何を確認すればいいかわからない」という状態が続くからです。初めてアパート経営を検討するオーナーは、業者から提示される情報量に圧倒されて「この人たちに任せるしかない」という心理になりやすい。

後悔しているオーナーに共通しているのは、「最初の1社の言うことを信じて、他社と比較しなかった」という点です。急かされた、比較する方法を知らなかった、断るのが申し訳なかった——いずれも、情報格差がある状態に置かれた結果として生まれた判断です。

「するな」という言葉が伝えたいのは、この情報格差を放置したまま着工を決めるな、ということです。複数社に同じ質問をして答えを比べるだけで十分。格差を埋める方法は難しくありません。」

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なぜ業者はアパート経営を勧めてくるのか

業者がアパート経営を積極的に提案してくる理由は、「土地オーナーにとってよい選択肢だから」だけではありません。業者の報酬体系が「建てさせること」に最適化されているという構造的な背景があります。

この構造を理解しておくと、「なぜあの提案が出てきたのか」が後から腑に落ちる場面が必ず来ます。知っているかどうかで、業者との向き合い方がまったく変わります。

▼アパート建築に関わる業者の報酬構造(一般的な目安)

業者の種類 収益が発生するタイミング 金額規模の目安 オーナーへの影響
ハウスメーカー・建設会社 着工・引き渡し時 建築費の15〜25%程度が粗利として計上されるケースが多い(2,000万円の工事なら300〜500万円規模) 建築費を高く設定するほど業者の利益が増える
サブリース会社 契約締結後・毎月継続 賃料収入の10〜15%を管理手数料として継続受領(月収50万円なら毎月5〜7.5万円) 賃料が下がっても手数料率は変わらない場合が多い
金融機関 融資実行後・返済期間中 融資額×金利×返済年数(3,000万円・金利2%・30年なら利息総額約1,000万円超) 融資額が大きいほど金融機関の収益も増える
管理会社 管理委託後・毎月継続 賃料収入の5〜10%(月収50万円なら毎月2.5〜5万円・年間30〜60万円) 空室が増えても基本契約が続く場合がある

※各業者の報酬率は契約内容・物件規模・地域によって異なります。上記は一般的な目安としてイエウール土地活用編集部が整理したものです。

この表を見てわかることが1つあります。業者の収益は「オーナーの建築後の収益」とは連動していないという事実です。

ハウスメーカーは建てた瞬間に収益が確定します。入居率が下がっても、修繕費が想定を上回っても、業者の収益には影響しません。オーナーの損益が悪化し始めるのは、業者が収益を確定させた「後」です。

「仕様アップの提案」には特に注意が必要です。「耐火性能をワンランク上げましょう」という提案はオーナーへの配慮に見えますが、建築費が上がるほど業者の粗利も比例して増えます。建築費を500万円アップすると、業者の粗利が75〜125万円増える計算になります。「入居率への効果」と「コスト増」を定量的に比較しないまま仕様アップを承認すると、借入額が膨らんで返済負担が長期化するリスクがあります。仕様追加を提案された際は「この仕様で入居率は何%改善する想定ですか?」と数字で確認してください。

また、業者が「早期決断」を促してくる場面も、この構造から説明できます。

「今月着工すれば値引きします」「他にも検討されている方がいます」という言葉は、オーナーが複数社を比較する時間を短縮させるための働きかけです。比較検討されると、建築費・収支計画・サブリース条件の「甘さ」が露呈するリスクがあるためです。

業者の提案を否定する必要はありません。ただ、「この提案は業者にとっても利益があるか」を念頭に置きながら聞く姿勢が、適切な判断につながります。

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「業者の報酬構造を知っているオーナーと知らないオーナーとでは、交渉の出発点がまったく違います。「この業者はどこで収益を得るのか」を把握しているだけで、提案の背景にある意図を冷静に読めるようになります。

特に注意してほしいのは「仕様アップの提案」です。設備・仕様の追加提案は、オーナーの利益になる場合もありますが、「この仕様アップで入居率は何%改善する想定ですか? 根拠となるデータはありますか?」と一度聞いてみてください。答えられない場合、その提案は感覚論にすぎない可能性があります。

「急かされたら止まる」は鉄則です。焦って決断してオーナーが得をしたケースをほとんど見たことがありません。比較検討の時間を十分に取ることが、最もコストのかからないリスクヘッジです。」

業者任せにしないために、収支計画書を見抜く

業者から渡される収支計画書は、多くの場合「最もよく見えるシナリオ」で設計されています。しかし、計画書のどこを見ればいいかを知っていれば、専門知識がなくても「この計画は現実的か」を判別できます。

ポイントは3つです。「空室率の根拠」「修繕費の計上」「30年後の収支」——この3点を確認するだけで、計画書の信頼性は大きく絞り込めます。

▼収支計画書の「楽観シナリオ」と「現実的シナリオ」の典型的な差

確認項目 楽観シナリオ(要注意) 現実的シナリオ(信頼できる) 差が出る金額の目安
①空室率 入居率95〜100%を根拠なく設定 周辺エリアの直近3年空室率データに基づき入居率80〜85%で設定 入居率が10%違うと年間収入が50〜100万円変わる(月収50万円の物件の場合)
②修繕費・諸経費 家賃収入−返済額だけの「粗収支」のみ記載 修繕積立・管理手数料・保険料・固定資産税が年間経費として計上済み 未計上の場合、実際の手残りが年間100〜200万円減る可能性がある
③長期(30年)収支 10〜15年分のみ・金利固定・家賃下落なし 金利上昇・家賃下落・大規模修繕を織り込んだ30年試算が存在する 大規模修繕1回で500万〜1,500万円。未計上だと20年後に資金ショートのリスク

※イエウール土地活用編集部が相談事例をもとに整理。金額は物件規模・構造・地域によって大きく異なります。

修繕費が計上されていない計画書って、そんなに多いの?

多いのは「未計上」より「過少計上」です。業者が計画書に記載する修繕費の積立額は月額5,000〜1万円程度の設定にとどまるケースがあります。しかし木造アパート(8戸・築15年)の大規模修繕では、実態として500万〜1,000万円超の費用が発生するケースが多く報告されています。月1万円の積立を15年続けても総額180万円。不足分は追加借入で補うことになり、「黒字のはずだった計画」が大規模修繕のタイミングで大きく崩れます。

表面利回り(ひょうめんりまわり)とは、経費を引く前の年間家賃収入÷建築費で出した収益の割合のことです。業者が提示する「利回り8%」はほぼ全ての場合この数値です。

管理費・修繕積立・税金・空室損失を差し引いた「実質利回り」は、一般的に表面利回りより2〜3%低くなります。「表面8%」が「実質5〜6%」になるケースは珍しくなく、この差がローン返済への影響を長期にわたって左右します。

3つのポイントを確認するだけでも、業者の計画書が「現実的な試算」かどうかを判別できます。特に見落とされやすいのが家賃の「下落前提」です。新築時に設定した家賃は築5〜10年で5〜10%程度下落するのが一般的ですが、この下落が計画書に織り込まれていない場合、10年後の実際の収支は計画を大きく下回ります。

収支計画書を見抜くための具体的な確認手順
  1. 1 「入居率は何%で計算していますか? その根拠となるエリアデータを見せてもらえますか?」と聞く
    口頭でデータを提示できない業者は、「よく見える数字」を感覚で設定している可能性があります。直近3年の周辺空室率に基づいた入居率設定かどうかが、第一の判断基準になります。
  2. 2 年間経費の内訳に「修繕積立費」が含まれているか、含まれている場合は月額いくらかを確認する
    木造8戸程度で月2〜3万円以上の積立が計上されていない計画書は、大規模修繕のコストを過少に見積もっている可能性があります。「築15年時点の大規模修繕費の試算はいくらですか?」もあわせて確認してください。
  3. 3 「金利が1%上がった場合」と「入居率が80%に落ちた場合」の収支シミュレーションを別途依頼する
    誠実な業者であれば悲観シナリオの試算も提示します。金利1%上昇で3,000万円の借入なら年間返済額が20〜30万円増えるため、この感覚値を持っておくと業者への質問精度が上がります。
  4. 4 同じ土地条件で最低3社に計画書を依頼し、空室率・修繕費・建築費を横並びで比較する
    各社の数字を並べると「どの業者が楽観的すぎるか」が一目でわかります。最も現実的な想定をしている業者の計画書が、長期収支で最も信頼できる出発点になります。
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「収支計画書の「甘さ」を見抜くうえで、最初に確認するのは修繕費の扱いです。修繕費を適切に計上している業者は、長期収支を本当に考えている業者だと判断できます。逆に言うと、修繕費が一行も書かれていない、または月1万円以下の積立になっている計画書は、10年後の収支から目を逸らして作られている可能性があります。

もうひとつ見てほしいのが、家賃の「下落前提」が入っているかどうかです。新築時に設定した家賃は築5〜10年で5〜10%程度下落するのが一般的です。「家賃は10年後も同じ金額で設定されていますか?」と聞くだけで、計画書の精度が測れます。

「最悪のシナリオでも手残りがあるか」を確認できた計画書だけを、判断の土台にしてください。悲観シナリオでも収支が成立する計画かどうかを、着工前に必ず確認してほしいと思います。」

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業者の収支計画書を見抜く|ここが甘いと失敗する

「業者任せにアパート経営をするな」と言われても、何に注意したらよいのでしょうか。本章では、健全な投資判断のサポートとなるように、業者による提案の妥当性を見抜く具体的なポイントを解説しています。

空室率の前提を確認する

収支計画書に書かれた数字をそのまま信じる前に、「入居率の前提が、どのデータをもとにしているか」を確認することが先です。多くの計画書は入居率の数値そのものは記載していても、その根拠データの出典までは書いていません。

▼収支計画書に書かれる空室率の表記パターンと、信頼度の見分け方

表記パターン具体例信頼度と確認のポイント
入居率の記載なし(年間家賃収入のみ)「想定年間収入576万円」のみ記載低:満室想定かどうかをまず確認する
入居率を数値で記載(根拠データなし)「入居率95%で算定」中:その95%の根拠データを確認する
入居率+根拠データの出典を記載「直近3年の周辺空室データに基づき入居率82%」高:出典データの調査年・対象エリアを確認する
入居率の数字が書いてあれば、もう安心していいんじゃないの?

数字が書いてあるだけでは、安心はできません。多くの業者は「自社で管理している物件の入居率」を根拠にしています。自社管理物件は業者自身が選んだ条件のよい物件が多く、エリア全体の実態より高くなりやすい傾向があります。

つまり「入居率95%」という数字自体は正しくても、それがエリア全体ではなく自社物件だけのデータであれば、自分の土地に当てはまる数字とは限りません。国土交通省の住宅・土地統計調査など、公的データと照らし合わせて初めて、提示された数字の現実性が見えてきます。

空室率の前提を確認する3つの質問
  1. 1 その入居率は、何のデータが根拠ですか?
    自社管理物件の実績か、エリア全体のデータかで信頼度が変わります。口頭で根拠を答えられない業者は要注意です。
  2. 2 データの調査年・対象エリアはどこまで近いですか?
    数年前のデータや、隣の市区町村のデータでは実態とズレが生じます。自分の土地に近いエリア・直近のデータかを確認しましょう。
  3. 3 公的データの数値と照らし合わせましたか?
    国土交通省の統計などエリア全体の数字と比較すると、提示された入居率が現実的な範囲かどうかが判断できます。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「入居率の数字を見るときは、まず「誰のデータか」を確認してください。

業者が提示する入居率は、多くの場合その業者が管理する物件だけの実績です。自社で管理が行き届いている物件は、エリア全体の平均より高い入居率になりやすい傾向があります。「全国平均」や「市区町村のデータ」と言われたら、出典の調査名まで聞いてみてください。

同じ質問を複数社にぶつけて、根拠データの出典が違う場合は、その違いこそが提案の信頼度を測る材料になります。」

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修繕費・諸経費が計上されているか確認する

収支計画書の多くは、家賃収入からローン返済額を引いただけの「粗い収支」で作られています。修繕費・税金・保険料などの諸経費が計上されていない、または実態より少なく見積もられているケースが多いため、何が含まれているかを項目単位で確認する必要があります。

▼収支計画書に含まれているべき諸経費の項目と、計上漏れが多い項目(8室規模の目安)

表記パターン 具体例 信頼度と確認のポイント
入居率の記載なし(年間家賃収入のみ) 「想定年間収入576万円」のみ記載 :満室想定かどうかをまず確認する
入居率を数値で記載(根拠データなし) 「入居率95%で算定」 中:その95%の根拠データを確認する
入居率+根拠データの出典を記載 「直近3年の周辺空室データに基づき入居率82%」 高:出典データの調査年・対象エリアを確認する

※管理委託費は家賃収入に対する一般的な相場、火災保険・固定資産税は8室・延べ床面積200㎡程度の木造アパートを想定した目安です。修繕積立は1室あたり月3,000〜5,000円の目安をもとに8室分で算出。実際の金額は物件規模・構造・地域・契約内容によって異なります。

固定資産税まで自分で確認しないといけないの?

はい、特に固定資産税は見落とされがちな項目です。新築アパートには一定期間、固定資産税の軽減措置(新築から数年間、税額が抑えられる制度)が適用されます。

収支計画書がこの軽減期間の金額のまま30年分を計算している場合、軽減が終わった年から税負担が増え、計画書より手残りが少なくなります。同じように、大規模修繕費が「年度ごとの想定」として組み込まれているかどうかも、計画書の信頼性を左右する重要な確認ポイントです。

諸経費の計上漏れを確認する3つのポイント
  1. 1 固定資産税は「軽減措置適用後」の金額になっていないか確認する
    軽減期間が終わる年から税負担が増えるため、その後の金額で試算されているかが重要です。
  2. 2 大規模修繕費が年度ごとの想定として組み込まれているか確認する
    積立額・実施予定年が明記された長期修繕計画書があるかを聞いてみましょう。
  3. 3 保険料が更新後も継続する金額で計上されているか確認する
    初年度の特典価格だけで試算されていないかを確認することが大切です。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「収支計画書を見るときは、「何が引かれているか」より「何が引かれていないか」を確認してください。

特に多いのが、新築時の固定資産税の軽減措置がそのまま続くという前提で作られた計画書です。軽減期間が終わると税負担が増えるため、5年目以降の数字が急に厳しくなることがあります。

固定資産税・修繕積立・保険料の3項目が、何年目まで・どの金額で計上されているかを年度別に確認することをおすすめします。」

30年後の収支まで計算されているか確認する

多くの収支計画書は、10〜15年分の試算で止まっています。しかしローン返済期間が30年であれば、30年分の収支を見ないと本当の採算性は判断できません。さらに、1つのシナリオだけでなく、複数の前提条件で試算されているかも重要な確認ポイントです。

「楽観・現実・悲観」3パターンで見える、30年後の手残りの差

同じ物件でも、空室率・家賃下落・金利・修繕費の前提を変えるだけで、30年後の手残りは大きく変わります。8室・月額家賃6万円・建築費5,000万円のケースで、3つのパターンを比較してみます。

▼楽観・現実・悲観シナリオ別の30年収支比較(8室・月額家賃6万円・建築費5,000万円のケース)

楽観シナリオ 現実シナリオ 悲観シナリオ
入居率の前提 95% 85% 75%
家賃下落(30年間) 想定なし 30年で約20%下落 30年で約35%下落
金利の前提 1.5%(変動なし) 2.5%(段階的に上昇) 3.5%(さらに上昇)
大規模修繕の計上 計上なし 600万円(15年目に1回) 1,200万円(15・25年目に各1回)
30年累計家賃収入(目安) 約1億6,400万円 約1億3,200万円 約1億700万円
30年累計費用(目安) 約7,400万円 約8,300万円 約9,300万円
30年累計の手残り(目安) 約8,980万円 約4,950万円 約1,420万円
月あたりの手残り(平均・目安) 約25.0万円 約13.7万円 約4.0万円

※8室・月額家賃6万円(満室時年間576万円)・建築費5,000万円(自己資金1,000万円・借入4,000万円・返済期間30年)を前提に、イエウール土地活用編集部が簡易モデルで算出した概算値です。諸経費は家賃収入の15%、家賃下落は30年間で段階的に進行するものとして平均値で計算しています。実際の数値は土地条件・建物規模・契約内容によって異なります。

楽観と悲観では、30年累計の手残りに約7,500万円の差が生まれます。月あたりの手残りで見ても、約25万円と約4万円では経営の安定度がまったく違います。

業者の計画書って、どのパターンで出してくるのが普通なの?

多くの業者は、楽観シナリオに近い条件だけで作った計画書を提示します。入居率が高く、家賃も金利も変わらない前提であれば、利回りが高く見えるからです。

30年通しで複数シナリオを試算できる業者は、自社の実績データや専用の収支シミュレーションソフトを持っていることが多く、相談時にその場で試算を出してもらえるかも判断材料になります。「悲観シナリオは作っていない」と言われた場合、その業者自身が長期のリスクを想定していない可能性があります。

30年収支を確認する3つのポイント
  1. 1 提示された収支表が「何年分」の試算か確認する
    10〜15年で終わっている場合は、ローン完済年までの延長を依頼しましょう。
  2. 2 楽観だけでなく、現実・悲観のシナリオも試算してもらう
    最低限、入居率を10%下げた場合の試算を依頼すると、計画の余裕度が見えてきます。
  3. 3 大規模修繕・金利上昇・家賃下落の3つが反映されているか確認する
    この3つが抜けていると、30年試算自体の信頼性が大きく下がります。
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専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「30年収支を確認するときに大切なのは、「良いシナリオ」と「悪いシナリオ」の差がどれくらいあるかを知ることです。

差が小さい計画は、前提が崩れても収支が大きく変わらない「堅牢な計画」と言えます。楽観シナリオでしか利益が出ない計画は、前提が少しズレた瞬間に赤字に転落するリスクを抱えています。

複数シナリオの試算を嫌がる業者には、なぜ出せないのかを率直に聞いてみることをおすすめします。」

いきなり業者に相談するのが不安な方は、まずは簡単な診断でアパート経営をシミュレーションしてみませんか?以下のツールでは、あなたの条件での建築費や収益プラン、類似体験談(イエウール土地活用調べ)を調べられます。

アパート経営のリスクを知ったうえで、成功しているオーナーの共通点

これまで、「アパート経営するな」と言われるリスクと対策について解説してきました。本章では、それでも成功しているオーナーの共通点をまとめています。どうすればリスクを軽減できるかに、お役立てください。

実質利回りで計画を立てている

成功しているオーナーに共通するのは、業者が提示する「表面利回り」ではなく、実質利回り(管理費・税金・空室分などの経費を引いた後の、実際の手取り収益率)で判断している点です。

▼表面利回りと実質利回りの違い(8室・月額家賃6万円・建築費5,000万円のケース)

項目表面利回り実質利回り
年間家賃収入の基準満室時の家賃収入(576万円)入居率85%時の収入(約490万円)
差し引く経費なし管理費・保険・税金・修繕積立(年間約107万円)
利回り約11.5%約7.7%

※8室・月額家賃6万円・建築費5,000万円、入居率85%、管理費7%・火災保険年7万円・固定資産税年30万円・修繕積立月3万円を前提に、イエウール土地活用編集部が算出した概算値です。実際の利回りは物件規模・地域・契約条件によって異なります。

利回り11%って書いてあったのに、実際は7%台になるの?

そのとおりです。業者の広告・提案書に書かれた利回りは、ほぼすべて表面利回りです。空室・経費を引いていない数字なので、見た目はどうしても高くなります。

成功しているオーナーは、提示された利回りを見た瞬間に「これは表面か、実質か」を確認する習慣があります。実質利回りに直すと、提案ごとの本当の優劣が初めて見えてきます。

実質利回りで判断するための3つの行動
  1. 1 提示された利回りが「表面」か「実質」かを必ず確認する
    表記がない場合は表面利回りである可能性が高いと考えてください。
  2. 2 実質利回りの計算に使われている前提を確認する
    空室率・修繕積立の前提が現実的かどうかも合わせて見ましょう。
  3. 3 複数社の提案を「同じ実質利回りの計算方法」で並べて比較する
    計算方法が会社ごとに違うと、正しい比較ができません。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「成功しているオーナーほど、利回りという1つの数字に飛びつきません。

表面利回りが高い物件は、その分入居率や経費の前提が甘く設定されているケースが少なくありません。「なぜこの利回りになるのか」を分解して確認する姿勢が、後悔しない計画につながります。

提案を受けたら、まず実質利回りに直してから他の物件・他社の提案と比較する習慣をつけてください。」

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建築前に長期修繕計画を組んでいる

成功しているオーナーは、建築前の段階で「30年間、いつ・いくら修繕費がかかるか」を業者に提示させています。修繕費が発生してから慌てて対応するのではなく、最初から資金計画に組み込んでいる点が共通しています。

▼長期修繕計画書に入っているべき3つの要素

要素内容これがないとどうなるか
時期外壁・屋根・給排水管など、項目別の実施予定年何にいつ備えるべきかがわからない
金額各修繕項目の概算費用資金準備の目標額が立てられない
資金計画月々の積立額、または修繕時の借り換え方針修繕のタイミングで資金が足りなくなる
長期修繕計画って、業者が自動的に作ってくれるものなの?

自動的には出てこないケースが多いです。長期修繕計画書は、オーナー側が「作ってください」と求めて初めて出てくる業者がほとんどです。成功しているオーナーは、これを契約前の必須条件として扱っています。

見落とされがちな利点があります。長期修繕計画書を持っていると、将来の追加融資や借り換えの際、金融機関からの評価が高くなる傾向があります。「計画的に物件を管理している」ことが、数字以外の信用material(材料)にもなるためです。

長期修繕計画を組むための3つの行動
  1. 1 契約前に「30年分の長期修繕計画書」の提出を条件にする
    出せない・出したがらない業者は、長期の視点を持っていない可能性があります。
  2. 2 5年に1度、計画と物件の実際の状態を見比べて更新する
    建築時に決めた計画のままにせず、定期的に見直すことが大切です。
  3. 3 修繕費用の積立口座を生活費・他の資金と分けて管理する
    口座を分けておくことで、使い込みを防ぎやすくなります。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「長期修繕計画書は、「修繕費を見える化する」だけの書類ではありません。

計画的に管理されている物件は、将来リフォーム資金や次の投資のための融資を受ける際にも、金融機関からの評価が安定しやすい傾向があります。修繕計画は「守り」だけでなく「次の一手」のための土台にもなります。

建築前に計画書を作り、数年ごとに見直す習慣を持つことをおすすめします。」

1社で決めず複数社の収支計画を比較している

成功しているオーナーの最大の共通点は、1社の提案だけで決めていないことです。複数社に同じ条件で依頼し、数字の「差」そのものを判断材料にしています。

▼1社のみと複数社比較、それぞれで分かること

比較対象1社のみに依頼した場合3社以上に依頼した場合
わかることその1社の提案が高いか安いか判断できない建築費・空室率前提・利回りの相場が見える
リスク業者の言い値や前提をそのまま受け入れやすい各社の前提の違いから、楽観的な提案を見分けやすい
かかる手間少ないヒアリング・比較に一定の時間がかかる
3社も比較するのは、正直手間がかかりすぎない?

たしかに手間はかかります。ただ、比較する項目をあらかじめ決めておくと、その手間は大きく減らせます。すべてを白紙で聞くのではなく、確認すべき項目を絞って同じ質問を各社にぶつければ十分です。

具体的には、「空室率の根拠」「修繕費の計上」「30年シナリオ」の3項目を、全社に同じ条件で出してもらうだけで構いません。この3項目さえ揃えば、各社の前提の違いがはっきり見えてきます。

複数社比較を効率化する3つのコツ
  1. 1 「空室率・修繕費・30年シナリオ」を全社に同じ条件で依頼する
    条件をそろえることで、提案そのものの差が比較しやすくなります。
  2. 2 比較表を自分で作り、項目ごとに横並びで書き出す
    並べて見るだけで、極端に甘い前提の提案が一目でわかります。
  3. 3 最も現実的な前提を出した1社を比較の基準にする
    基準が1つ決まると、他社の提案を評価しやすくなります。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「複数社を比較するオーナーと、1社で決めるオーナーとでは、そもそも持っている情報量が違います。

1社だけの説明では、その提案が業界の中でどの位置にあるのか判断できません。3社の数字を並べた瞬間に、極端に楽観的な提案・極端に悲観的な提案がどちらも見えてきます。

比較に使う時間は、後悔を避けるための最も確実な投資だと考えてください。」

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まとめ:「するな」は「業者任せにするな」という意味だった

11のリスクの整理と優先度

ここまで紹介した11のリスクを、すべて同じ重みで覚える必要はありません。「いつ確認すべきか」で4つのグループに分けると、何から手をつければいいかが整理できます。

▼11のリスクの優先度別整理

優先度当てはまるリスク確認のタイミング
①最優先(契約前に必ず確認)空室リスク・大規模修繕リスク・サブリースの罠収支計画書を見るときに最優先で確認する
②次に確認(複数シナリオで備える)金利上昇リスク・建築コスト上昇リスク・家賃下落リスク楽観・現実・悲観の試算に反映されているか確認する
③契約・パートナー選びで防ぐ管理会社リスク・相続・出口リスク業者・管理会社を選ぶ段階で確認する
④中長期で意識する減価償却切れリスク・流動性リスク・土地活用選択リスク建築後、数年おきに見直す
11個も覚えるなんて無理…結局どれが一番大事なの?

最優先は、「業者の収支計画書を正しく読めば防げるリスク」です。空室リスク・大規模修繕リスク・サブリースの罠の3つは、契約前に計画書を確認するだけで多くを回避できます。

金利や建築費のように自分でコントロールできない外部要因は、複数シナリオで備えることが現実的な対策です。管理会社・相続のように契約や人選びにかかわるリスクは、業者を決める段階で確認しておくと後から動きやすくなります。

リスクに優先順位をつけて確認する3つのステップ
  1. 1 「計画書を見れば防げるリスク」を最優先で確認する
    空室率・修繕費・30年収支の3点を真っ先にチェックしましょう。
  2. 2 「外部要因リスク」は複数シナリオで試算してもらう
    金利・建築費が上昇した場合の収支も合わせて確認してください。
  3. 3 「契約・パートナー選びのリスク」は契約前に確認する
    管理会社・サブリース条件は、着工後だと選び直しが難しくなります。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「11のリスクを前にすると、身構えてしまう方が多いです。

ですが実際には、最初の3つ(空室・修繕費・サブリース)を計画書で確認するだけで、避けられる失敗の大部分はカバーできます。残りは「複数シナリオで備える」「契約前に確認する」というように、確認するタイミングを分けて考えれば十分です。

一度に全部を完璧にする必要はありません。今日できる確認を1つずつ進めていく姿勢が、結果的に一番の対策になります。

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「自分の土地・資金が合うか」を知りたい方へ

ここまで読んで「結局、自分の場合はどうなのか」が気になった方も多いはずです。アパート経営との相性は、3つの条件を確認するだけで大まかに見えてきます。

▼アパート経営との相性を確認する3つの条件

条件確認すること当てはまらない場合
土地の条件最寄り駅・人口動態・周辺の競合物件の状況駐車場・戸建て賃貸など他の活用法も検討する
資金の条件自己資金が総事業費の20%以上用意できるか無理に借入を増やすと出口リスクが高まる
時間軸の条件30年単位で資産を持ち続ける意思があるか短期での売却を想定するなら別の活用法も検討する
うちの土地、そもそもアパート向きなのかどうかもわからない…

それで構いません。3つの条件をすべて自分1人で判断する必要はないからです。土地の人口動態や競合状況は、複数の土地活用プランナーに相談すれば数字で示してもらえます。

大切なのは、「アパートを建てる前提」だけで相談しないことです。アパート以外の選択肢も含めてプランを依頼すると、自分の土地・資金に本当に合う活用法が見えてきます。

自分の土地・資金が合うかを判断する3つの行動
  1. 1 土地の条件(駅距離・人口動態)をプランナーに確認する
    自分で統計を調べるのが難しければ、相談時に聞くだけで十分です。
  2. 2 自己資金が総事業費の何%まで用意できるかを先に決める
    借入額の上限が見えると、その後の比較がスムーズになります。
  3. 3 アパート以外の活用法も含めたプランを取り寄せる
    比較対象が増えるほど、自分の土地に合う選択肢が見えやすくなります。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

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「「自分の土地に合うかどうか」は、考え込むより数字で確認したほうが早く答えが出ます。

同じ土地でも、アパート・駐車場・戸建て賃貸では必要な資金も収益の出方もまったく違います。複数の活用法を並べて初めて、自分の土地の本当の可能性が見えてきます。

「向いているかわからない」という段階こそ、複数社に相談するタイミングです。」

次のステップ:複数社プランで数字を確認する

「アパート経営するな」という言葉の本当の意味は、ここまで読んでいただいたとおり「業者任せにするな」です。次にすべきことは、自分の土地・資金の条件で実際に数字を確認することです。

▼この記事で確認した3つのステップ

確認したこと次にすべきこと
①リスクを知る11のリスクの内容と、優先して確認すべき順番自分の土地に当てはまるリスクを絞り込む
業者の収支計画書を見抜く空室率・修繕費・30年収支の3つの確認ポイント業者から渡された計画書を実際にチェックする
成功オーナーの共通点を知る実質利回り・長期修繕計画・複数社比較の習慣同じ視点で自分のプランを作ってもらう
結局、最初の一歩は何から始めればいいの?

最初の一歩は、複数社に同じ条件でプランを依頼することです。このとき、この記事で紹介した確認ポイントをそのまま伝えるだけで十分です。

「空室率の根拠」「修繕費を含めた30年収支」「楽観・現実・悲観の3パターン」この3つを伝えるだけで、業者がどこまで誠実に向き合ってくれるかも見えてきます。まずは無料のプラン請求から、自分の土地で実際にどんな数字になるかを確認してみてください。

プラン請求時に伝えると役立つ3つのリクエスト
  1. 1 「空室率の根拠データを見せてください」と伝える
    根拠を即答できる業者は、エリアの実態を把握している可能性が高いです。
  2. 2 「修繕費を含めた30年収支で試算してください」と伝える
    これだけで、粗い収支しか出せない業者かどうかがわかります。
  3. 3 「楽観・現実・悲観の3パターンで出してください」と伝える
    複数シナリオを快く出してくれる業者ほど、長期の視点を持っています。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

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「「アパート経営するな」という言葉に出会って不安になった方も、ここまで読んでいただければ、何を確認すればいいかは見えているはずです。

空室率・修繕費・30年収支の3点を確認し、複数社の数字を比較する。これだけで、業者任せの状態からは大きく前進できます。

あとは、実際に自分の土地でどんな数字になるかを確認する一歩を踏み出すだけです。」

この記事のまとめ【まとめ】
  1. 「するな」の本当の意味
    「アパート経営そのものをするな」ではなく、「業者任せにするな」という意味です。
  2. 11のリスクは見抜けば防げる
    多くのリスクは、業者の収支計画書を正しく読むことで、契約前に発見できます。
  3. 成功オーナーの共通点
    実質利回り・長期修繕計画・複数社比較を徹底している点が共通しています。
  4. 次の一歩
    複数社に同じ条件でプランを依頼し、自分の土地で実際の数字を確認することです。
土地活用を案内する女性

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\ この記事の編集者 /

イエウール土地活用編集部

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