アパート経営が儲からない理由|13のリスクと対策

「アパート経営は儲からない」という声を聞いて、検討を迷っている方は多いのではないでしょうか。

実際には、儲からないと言われる背景には4系統13項目のリスクがあり、その大半は事前の対策で回避可能です。何が原因で、自分の場合はどう備えればよいのかを知ることが、後悔しない経営の第一歩になります。

この記事では、収入が減る・コストが増える・契約やパートナー選定で失敗する・見落としがちという4つの角度から13のリスクを整理し、それぞれの対策を解説します。読み終える頃には、自分の土地・資金状況でどのリスクが特に重要かが判断できる状態を目指します。

アパート経営が「儲からない」と言われる理由【結論】
  1. 収入が減る4つのリスク
    空室・家賃下落・家賃滞納・立地選定の失敗が主な要因です
  2. コストが増える4つのリスク
    ローン返済・修繕費・金利上昇・税負担の増加が経営を圧迫します
  3. 契約・パートナー選定の失敗(3項目)
    サブリース・管理会社・建築会社の選び方で結果が大きく変わります
  4. 見落としがちな要因(2項目)
    節税目的だけの参入や災害リスクへの備え不足が後から響きます

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目次
この記事を監修した人
石川 龍明
監修 石川 龍明(いしかわ りゅうめい)

株式会社横濱快適住環境研究所 代表取締役

土地活用プランナー 宅地建物取引士 公認 不動産コンサルティングマスター
20年以上
業界経験
444件以上
コンサル実績
専門領域
土地活用・不動産コンサルティング 賃貸住宅・戸建て経営 相続税・節税対策 建築プロデュース・差別化戦略 経営者・地主向けセミナー

20年以上にわたり不動産・建築業界で活躍する土地活用のエキスパート。地主や不動産オーナー向けに、長期的に収益を生み出す独自の賃貸経営や節税対策、差別化戦略を提唱。444件以上のコンサルティング実績と分かりやすい解説で、多くのオーナーから絶大な信頼を得ています。

アパート経営が儲からない【13リスク】と対策一覧

アパート経営で「儲からない」と言われる要因は、大きく収入が減る・コストが増える・契約やパートナー選定で失敗する・見落としがちな要因4系統13項目に整理できます。

まずは全体像を一覧表で確認し、自分に当てはまりそうな項目を把握してから、以降の章で詳しく見ていきましょう。

▼アパート経営が儲からなくなる13のリスクと対策一覧)

カテゴリ リスク名 発生タイミング(目安) 対策一言
収入が減る 空室リスク・入居率低下 築5〜15年頃から顕在化しやすい 需要調査と差別化設計で防ぐ
収入が減る 家賃下落 築10年目以降、継続的に発生 下落を前提に収支を設計する
収入が減る 家賃滞納 入居後、いつでも発生しうる 保証会社・入居審査で防ぐ
収入が減る 立地選定の失敗 着工前の選定時点で影響が確定 3軸調査で事前に把握する
コストが増える 多額のローン返済負担 融資契約時に条件が固定される 自己資金比率を上げて備える
コストが増える 想定外の修繕費 築10〜15年目以降で本格化 早期から積立を始める
コストが増える 金利上昇 変動金利利用時、契約後いつでも 固定・変動を比較して選ぶ
コストが増える 税負担が経年で増える 築6〜10年目以降で増加傾向 長期の納税シミュレーションを組む
契約・パートナー選定 サブリース契約の落とし穴 契約更新時(2〜10年ごと)に発生 減額・解約条項を事前確認する
契約・パートナー選定 管理会社選定の失敗 運用開始直後から影響が出る 複数社比較で実績を確認する
契約・パートナー選定 建築会社選定の失敗 着工前の選定時点で影響が確定 前提条件を揃えて比較する
見落としがちな要因 節税目的だけでの参入 運用開始後、数年で表面化 事業性を主軸に判断する
見落としがちな要因 災害リスク いつでも発生しうる(低頻度・高損失) 保険と耐震性能で備える

※本表は監修者(石川龍明|業界経験20年以上・コンサル実績444件以上)の実務知見にもとづき、イエウール編集部が一般的な傾向として整理したものです。発生タイミングは目安であり、実際の物件・エリア・契約条件により異なります。

13項目のうち、最も件数が多いのは「収入が減る」系と「コストが増える」系で、それぞれ4項目ずつです。契約・パートナー選定の失敗は3項目、見落としがちな要因は2項目に整理できます。
次の章では、まず「収入が減る4つのリスク」から詳しく見ていきましょう。

アパート経営は儲からない「収入が減る」4リスクと対策

「儲からない」と感じる最大の要因は、想定していた家賃収入がそのまま入ってこないことです。ここでは空室・家賃下落・家賃滞納・立地選定の失敗という収入減少の4つの要因と、それぞれの対策を解説します。

駅距離・競合・人口動態、3要因で決まる空室率の仕組みと対策

空室リスクは、アパート経営で最も頻繁に指摘される課題です。空室が発生する背景には駅距離・周辺の競合物件数・エリアの人口動態という3つの要因が関係しており、これらが重なるほど入居率は下がりやすくなります。

なぜこの3要因が空室に直結するのでしょうか。駅から遠い・周辺に同条件の新築物件が増えている・人口が減少傾向にあるエリアでは、そもそもの入居需要の総量が縮小しているため、賃料を下げても入居者が決まりにくくなります。単に「築年数が古いから」ではなく、需要と供給のバランスが崩れていることが根本の原因です。

自分の土地のエリアが空室リスクの高いエリアかどうか、どうやって確認すればいいの?

確認する方法は、エリアの世帯数の推移・周辺の同条件物件の数・想定ターゲット層(単身者・ファミリーなど)の需要の厚みを調べることです。入居率が10%下がると、10戸のアパートでは年間で数十万円単位の収入減につながるケースが多く、放置すると数年でローン返済への影響が無視できないレベルになります。

空室リスクへの対策
  1. 1 商圏の世帯数・世帯動向を確認する
    町丁単位の世帯数の増減を市区町村の統計や国立社会保障・人口問題研究所の推計データで確認し、需要が今後も見込めるエリアかを把握します。
  2. 2 競合物件の設備・賃料を調べて差別化ポイントを作る
    周辺の同条件物件がどんな設備(無料インターネット・宅配ボックスなど)を備えているかを調べ、後から追加しにくい設備を新築時に組み込みます。
  3. 3 需要が厚いターゲット層を明確にして設計する
    単身者・ファミリー・高齢者などエリアで需要が厚い層を先に特定し、その層に合わせた間取り・設備を選ぶことで、供給過多の競争を避けられます。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

空室対策は入居者が減ってから動くのでは遅く、設計段階での差別化がすべてです。

同じ商圏に似た設備・似た賃料の物件が並ぶと、最後は賃料の削り合いになり収益性が落ちます。募集開始後に設備を追加するのはコストが割高になりやすく、選択肢も限られます。

着工前に競合物件を最低3件は実際に見て回り、自分の物件に足りない要素を洗い出してください。

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新築100→築30年で70まで下がる、家賃下落の実態と対策

空室が埋まっていても、家賃そのものが下がり続けることで収入が減っていくのが、もう一つの落とし穴です。新築時の家賃を前提に収支計画を立てたまま更新していないケースは少なくありません。

▼築年数別の家賃下落傾向(新築時を100とした場合の目安)

築年数家賃水準の目安
新築100
築10年90前後
築20年80前後
築30年70前後

※本表は公的な統計データではなく、賃貸市場における一般的な傾向を、監修者(石川龍明|業界経験20年以上・コンサル実績444件以上)の実務経験をもとに整理したものです。実際の下落幅はエリア・設備・競合状況により異なります。

家賃が下がる理由は、築年数の経過そのものよりも周辺に新築物件が供給され続けることにあります。設備・デザインで見劣りする物件は、賃料を下げなければ入居者から選ばれなくなるため、じわじわと家賃水準が下がっていきます。この下落を前提に置かずに新築時の家賃でローン返済計画を組んでしまうと、築10〜15年目あたりで手残りが想定より大きく減っていることに気づくケースが目立ちます。

家賃下落への対策
  1. 1 10年ごとの下落率を収支計画に組み込む
    新築時の家賃をそのまま30年間続く前提で計算せず、10年ごとに5〜10%程度下がるシナリオを収支シミュレーションに反映させます。
  2. 2 下落しても返済できる借入額に抑える
    満室・新築時の家賃で計算した返済額ではなく、家賃が下がった後の想定収入でも無理なく返済できる借入額に設定します。
  3. 3 設備更新のタイミングを事前に計画する
    下落幅を抑えるには、築10〜15年目を目安に水回りや通信環境などの設備更新を計画的に行うことが有効です。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「相談を受ける際に一番多いのは、新築時の家賃のまま30年間の収支計画が作られているケースです。

家賃は下がるものだという前提を持たずに借入額を決めてしまうと、築10年を過ぎたあたりで返済に無理が出てきます。下落は避けられない要素として計算に組み込むべきです。

収支シミュレーションを依頼する際は、必ず「家賃が10%下がった場合」の数字も一緒に出してもらってください。

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家賃滞納から明け渡しまで数か月無収入になる仕組みと対策

家賃滞納は空室や家賃下落と比べて発生頻度は低いものの、一度発生すると収入ゼロの期間が数か月単位で続くという点で影響が大きいリスクです。

滞納が長期化しやすい理由は、賃貸借契約の解除・明け渡しには法的な手続きが必要で、督促から契約解除、退去までに一定の時間がかかることにあります。保証会社への加入がない、または入居審査の基準が緩いと、滞納が発生した際にオーナー側の対応が後手に回りやすくなります。

滞納が発生してから明け渡しに至るまでには、督促・契約解除通知・法的手続きなどの段階を踏む必要があり、その間は家賃収入がないままローン返済だけが発生する状態になります。保証会社の利用契約と入居審査基準の見直しを、契約前に必ず確認することが対処法になります。

滞納は個別の入居者の事情に左右されるため完全にゼロにはできませんが、仕組みで防ぐ余地が大きいリスクです。管理会社選定(後の章で解説)とあわせて、審査体制を確認しておくことが実質的な対策になります。

家賃滞納への対策
  1. 1 家賃保証会社の利用を契約条件にする
    管理会社経由で家賃保証会社と契約することで、滞納時も一定期間は保証会社から家賃相当額が支払われる仕組みを確保します。
  2. 2 入居審査基準を管理会社と事前に確認する
    勤続年数・収入と家賃の比率など、審査で見ている項目を管理会社に確認し、基準が緩すぎないかをチェックします。
  3. 3 滞納発生時の対応フローを契約前に確認する
    滞納発生から督促・契約解除までの対応を管理会社がどのスピードで進めるか、契約前に確認しておきます。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

滞納は『起きた後にどう対応するか』ではなく『起きにくい仕組みを契約前に作る』ことが重要です。

保証会社を使っていない物件や、審査基準を管理会社に一任したまま把握していないオーナーは、滞納が起きたときの対応が遅れがちです。

管理委託契約を結ぶ前に、保証会社の利用有無と審査基準の2点は必ず確認してください。

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駅距離・周辺施設・将来人口、3軸で見る立地選定の失敗と対策

土地をお持ちの方は、立地は基本的に変更できないため、着工前の調査不足が経営期間全体に影響するという特徴があります。その土地の条件をどこまで正確に把握できているかが、以降の空室・家賃下落リスクの大きさを左右します。

立地条件で見落とされやすいのは、駅距離・周辺施設だけでなく将来の人口動態です。現在は需要があっても、将来的に人口減少が進むエリアでは、数年後に想定していた入居率を維持できなくなる可能性があります。駅距離・周辺施設・将来の人口動態という3つの軸で条件を確認することが、着工前にできる最大の対策です。

立地条件を確認する3つの軸
  1. 駅距離
    徒歩10分圏内かどうかで、単身者向け需要の厚みが大きく変わります
  2. 周辺施設
    スーパー・コンビニ・学校など生活利便施設の有無を確認します
  3. 将来の人口動態
    10年後・20年後も需要が続くエリアかどうかを、統計データで確認します
立地条件の失敗への対策
  1. 1 自分の土地の駅距離・周辺施設を客観的に整理する
    地図サービスで実際の徒歩時間を計測し、周辺施設を一覧化することで、需要の強さ・弱さを客観的に把握します。
  2. 2 将来の人口動態を公的統計で確認する
    国立社会保障・人口問題研究所や自治体の将来人口推計を確認し、エリアの需要が10年後も維持されそうかを把握します。
  3. 3 条件に合わせた間取り・想定ターゲットを設計に反映する
    駅距離が遠い場合はファミリー向け、需要が単身層に厚い場合は単身向けなど、土地の条件に合わせて設計方針を決めます。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「土地をすでにお持ちの方から多い相談は、『この土地でどこまでの経営が現実的か』を着工前に把握できていないケースです。

立地は変えられませんが、条件を正確に把握しておけば、間取りやターゲット設定で対応できる範囲は意外と広くあります。

建築会社に相談する前に、駅距離・周辺施設・将来人口の3点だけは自分でも一度整理しておいてください。

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アパート経営は儲からない「コストが増える」4リスクと対策

収入面のリスクを抑えられても、コスト面の見通しが甘いと結局手残りが減るという結果になりやすいのがアパート経営です。ここではローン返済・修繕費・金利上昇・税負担というコストが増える4つの要因と、それぞれの対策を解説します。

自己資金0%・20%・30%で返済額はどう変わるか

アパート経営では、建築費の多くを融資でまかなうのが一般的です。ただし自己資金をほとんど入れずにフルローンで組むと、月々の返済額が大きくなり、家賃収入に対する返済の負担が重くなります。

負担が重くなる理由は、借入額が大きいほど総返済額に占める金利部分が増えるためです。同じ建築費でも、自己資金をどれだけ入れるかによって、借入額・月々の返済額・総支払利息が大きく変わります。

▼自己資金比率別の返済負担イメージ(建築費5,000万円・返済期間25年の場合)

自己資金比率借入額月々の返済額の目安
0%(フルローン)5,000万円最も高くなる
20%4,000万円0%と比べて2割程度軽くなる
30%3,500万円0%と比べて3割程度軽くなる

※借入額・返済期間・金利条件を一定と仮定した簡易計算です。実際の返済額は金利タイプ・金融機関の条件により異なるため、目安としてご参照ください。

自己資金比率を10〜20%上げるだけでも、総支払利息と月々の返済額の両方を軽くできることがわかります。着工前にどこまで自己資金を用意できるかを確認しておくことが、コスト面のリスクを抑える最初の一手です。

ローン返済負担への対策
  1. 1 自己資金比率を総事業費の20〜30%以上に設定する
    着工の1〜2年前から自己資金の準備計画を立て、総事業費の2割以上を目安に確保することで、返済負担を大きく軽減できます。
  2. 2 複数の金融機関で融資条件を比較する
    金利・融資期間・団体信用生命保険の条件は金融機関によって差があるため、最低2〜3社の条件を比較してから選びます。
  3. 3 返済比率を実質収入の40%以内に抑える
    満室想定の家賃収入ではなく、空室率を見込んだ実質収入をもとに、返済額が収入の40%を超えない借入額に設定します。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

自己資金をどこまで入れるかは、経営の安全度を決める最も基本的な判断です。

フルローンは初期の負担が軽く見えますが、空室や家賃下落が重なったときに返済の余裕がなく、資金繰りに苦しむケースが目立ちます。

建築会社の提案を受ける際は、自己資金0%・20%・30%の3パターンで返済額を出してもらい、比較してから判断してください。

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築10〜15年目に数百万円、想定外の修繕費が来る理由と対策

建物は年数が経つほど、外壁・屋根・給排水設備などの大規模修繕が必要になります。新築時の見積もりには含まれていないことが多く、想定していなかった出費として経営を圧迫する要因になります。

修繕費が「想定外」になりやすい理由は、新築時の建築費見積もりが竣工までのコストのみを対象にしており、竣工後10年・20年先の修繕費が計算に含まれていないことにあります。さらに、外壁・屋根・給排水などは劣化のタイミングが重なりやすく、同時期にまとめて費用が発生することも珍しくありません。

修繕費って、結局いつ・いくら準備しておけばいいの?

目安としては、築10〜15年目を境に大規模修繕の必要性が高まり、1回あたり数百万円規模の費用がかかるケースが多いとされています。修繕積立をせずにこの時期を迎えると、ローン返済と修繕費が同時に重なり、一時的に資金が不足する事態につながります。

※本記述は公的な統計データではなく、監修者(石川龍明|業界経験20年以上・コンサル実績444件以上)の実務経験にもとづく傾向の整理です。実際の修繕時期・費用は建物の構造・規模・使用状況により異なります。

想定外の修繕費への対策
  1. 1 築10年目までに長期修繕計画を作成する
    外壁・屋根・給排水など主要箇所の劣化タイミングを整理した長期修繕計画を、遅くとも築10年目までに作成しておきます。
  2. 2 家賃収入の一定割合を修繕積立に回す
    毎月の家賃収入から一定割合を自動的に修繕積立用の口座へ回す仕組みを作り、大規模修繕のタイミングで資金不足にならないようにします。
  3. 3 大規模修繕は複数社から見積もりを取る
    修繕工事は金額の差が大きくなりやすいため、実施前に最低2〜3社から見積もりを取り、工事範囲と金額を比較します。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「修繕費で相談が増えるのは、積立をしていなかったオーナーが、大規模修繕のタイミングで初めて金額の大きさに気づくケースです。

新築時の建築費見積もりには長期の修繕費が含まれていないことがほとんどで、それを知らずに経営を始めると、10年後に資金計画そのものが崩れてしまいます。

竣工時に、築30年までの修繕スケジュールと概算費用を建築会社や管理会社に必ず出してもらってください。

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金利+0.5〜1.5%で返済額はどこまで増えるか

変動金利でローンを組んでいる場合、契約後に金利が上昇すると、月々の返済額がそのまま増えるという特徴があります。金利が低い時期に契約すると当初の負担は軽く見えますが、その分このリスクを抱えることになります。

変動金利は、市場全体の金利動向(政策金利など)に連動して見直されるしくみになっているため、契約者側で金利の上昇・下降をコントロールすることはできません。固定金利より当初の金利が低い分だけ、将来の上昇リスクを負っているという関係にあります。

▼金利上昇シナリオ別の返済額イメージ(借入額4,000万円・返済期間25年の場合)

金利の変化月々の返済額への影響
変化なし基準額のまま
+0.5%上昇基準額よりやや増加
+1.0%上昇基準額より明確に増加
+1.5%上昇基準額より大きく増加

※借入額・返済期間を一定と仮定した簡易計算による目安です。実際の返済額は金融機関の金利見直し方式・返済方法により異なるため、目安としてご参照ください。

金利が1%上昇するだけでも、返済額への影響は経営年数が長いほど累積で大きくなります。契約時点で「もし金利が上がったら」というシナリオまで確認しておくことが、後悔しないための対策です。

金利上昇リスクへの対策
  1. 1 固定金利への切替オプションがある商品を検討する
    当初は変動金利で組みつつ、将来固定金利へ切り替えられる商品を選んでおくことで、金利上昇時の選択肢を確保できます。
  2. 2 金利が2%上昇した場合の返済額も事前に計算する
    契約前に、現在の金利だけでなく2%程度上昇した場合の返済額も金融機関に出してもらい、その額でも経営が成立するか確認します。
  3. 3 返済比率にゆとりを持たせた借入額にする
    返済比率を上限ギリギリまで使わず、金利上昇分を吸収できるゆとりを持たせた借入額に設定します。
専門家のアドバイス
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「変動金利を選ぶ方の多くは、『今の金利が低いから』という理由だけで判断してしまいがちです。

25年・30年という長期のローンでは、金利が一度も変わらない前提で計画を立てるのはリスクが高すぎます。上昇した場合の返済額を知らずに契約するのは避けてください。

金融機関との面談では、必ず『金利が2%上がったら返済額はいくらになるか』を質問してください。

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元利均等返済と減価償却終了が重なると税金が増える仕組み

ローンの返済額自体が一定でも、経営を続けるほど税金の負担が重くなっていくという見落としがちな仕組みがあります。これは家賃収入が変わらなくても発生する、構造的な変化です。

元利均等返済では毎月の返済額は一定ですが、その内訳は年数が経つごとに金利部分が減り、本体(元金)部分の割合が増えるという変化をしています。ローンの金利部分は経費として計上できますが、元金部分は経費になりません。つまり同じ返済額でも、年数が経つほど経費として計上できる金額が減っていくのです。

減価償却費とは、建物の購入・建築にかかった費用を、法定耐用年数にわたって毎年経費として計上できる制度のことです。法定耐用年数を過ぎると減価償却費を計上できなくなるため、この時期にも経費が減り課税所得が増えます。

金利部分の減少と減価償却費の終了という2つの要因が重なるタイミングでは、家賃収入が変わらなくても納税額が増えていきます。特に減価償却期間が短い木造・軽量鉄骨造では、この変化が早い時期に訪れる点に注意が必要です。

税負担の増加への対策
  1. 1 減価償却スケジュールを着工前に把握する
    構造ごとの法定耐用年数から、減価償却費がいつ終了するかを着工前に確認し、その後の税負担増加を見込んでおきます。
  2. 2 金利減少と減価償却終了のタイミングを重ねてシミュレーションする
    ローンの金利部分の減少カーブと減価償却費の終了時期を重ねた長期の納税シミュレーションを作成し、負担が増える時期を事前に把握します。
  3. 3 税理士に長期の納税額推移を確認する
    不動産経営に詳しい税理士に、10年後・20年後の想定納税額を確認し、資金計画に反映させます。
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税負担が増えることに気づくのは、たいてい減価償却が終わった後です。

家賃収入が同じなのに手残りが減っていく理由が分からず相談に来る方が多いのですが、多くは金利部分の減少と減価償却の終了が重なったタイミングで起きています。

竣工時に、減価償却が終了する年を必ず確認し、その年以降の納税額を税理士に試算してもらってください。

アパート経営は儲からない「契約・パートナー選定で失敗する」3リスクと対策

収入・コストの見通しが正しくても、契約内容やパートナー選定を誤ると経営の結果は大きく変わります。ここではサブリース契約・管理会社選定・建築会社選定という3つのリスクと対策を解説します。

2〜10年ごとの更新で保証賃料が下がる、サブリースの仕組みと対策

サブリースは、管理会社がオーナーから物件を一括で借り上げ、空室の有無にかかわらず一定の家賃を保証する契約です。ただし「保証」という言葉のイメージと、実際の契約内容には差があるケースが少なくありません。

トラブルが起きやすい理由は、多くのサブリース契約に賃料改定条項が含まれていることです。契約更新のタイミング(2〜10年ごとが一般的)で、周辺相場や空室状況を理由に保証賃料が見直され、当初の想定より賃料が下がることがあります。「一生同じ賃料が保証される」という理解のまま契約すると、更新時に想定外の減額に直面することになります。

契約書に賃料改定条項がある場合、更新時に保証賃料が引き下げられる可能性があることを前提に収支計画を立てる必要があります。契約前に「どのタイミングで」「どういう条件で」賃料が見直されるのかを、契約書の条文で確認することが対処法です。

サブリース契約の落とし穴への対策
  1. 1 賃料改定条項を契約前に確認する
    更新のタイミング・改定の判断基準・過去の改定実績を管理会社に確認し、将来の減額リスクをあらかじめ把握します。
  2. 2 解約条項・違約金の有無を確認する
    オーナー側から解約したい場合の条件・違約金の有無を確認し、将来的に契約を見直す余地を残しておきます。
  3. 3 複数社のサブリース条件を比較する
    保証賃料の水準だけでなく、改定条項・解約条項まで含めて複数社を比較し、総合的な条件で判断します。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「サブリースのトラブルで多いのは、『保証』という言葉だけを見て、改定条項を読んでいなかったケースです。

保証賃料はあくまで契約時点の条件であり、将来にわたって固定されるものではありません。契約書を読み込まずに契約すると、更新時に驚くことになります。

契約書のうち、賃料改定条項と解約条項の2箇所は、署名前に必ず自分の目で確認してください。

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客付け力・クレーム対応スピードで差が出る、管理会社選びの基準

物件の管理を委託する管理会社は、日々の入居者対応から入居者募集まで幅広く関わるため、選び方次第で空室率や入居者満足度に差が出ます。建物のスペックが同じでも、管理会社が違うだけで結果が変わることがあります。

差が生まれる理由は、管理会社ごとに入居者ネットワークの広さ・クレーム対応のスピード・広告のかけ方が異なるためです。客付け力が弱い管理会社では、同じ条件の物件でも空室期間が長引きやすくなります。

管理会社選定で確認すべき基準
  1. 客付け実績・現在の入居率
    管理している他物件の入居率を確認し、実際の客付け力を把握します
  2. クレーム対応のスピード
    対応が遅い管理会社は入居者満足度が下がり、退去に直結しやすくなります
  3. 管理委託料と対応範囲
    委託料の安さだけで選ぶと、対応範囲が狭く追加費用が発生するケースがあります
管理会社選定の失敗への対策
  1. 1 管理している他物件の入居率を確認する
    検討中の管理会社が管理する既存物件の入居率を具体的に確認し、客付け力を数字で判断します。
  2. 2 クレーム対応のフローと対応時間を確認する
    入居者からの連絡を受けてから対応までの標準的な時間・休日対応の有無を事前に確認します。
  3. 3 複数社の委託料と対応範囲を比較する
    委託料の金額だけでなく、その料金にどこまでの対応が含まれるかを比較したうえで選びます。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

管理会社は建築会社に紹介されたところに、そのまま決めてしまう方が多い印象です。

建築とその後の管理はまったく別の専門性であり、建築が得意な会社が必ずしも客付けに強いとは限りません。

建築会社の提案に管理会社が含まれている場合でも、他社の管理実績と比較する時間を必ず取ってください。

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想定空室率を揃えないと比較にならない、相見積もりの落とし穴

建築会社の選定は着工前の一度きりの判断ですが、提案力とアフターサポートの差が、その後何十年もの経営に影響します。建築費の見積もりだけを見て決めてしまうと、後になって差が表面化することがあります。

複数社を比較する際に多いのが、各社の提案の前提条件(想定空室率・設備仕様など)がそろっていないまま金額だけを比較してしまうケースです。前提が違えば見積もりの金額も当然変わるため、条件をそろえずに「安いから」で決めるのは危険です。

建築会社選定の失敗への対策
  1. 1 想定空室率など前提条件を揃えて相見積もりを取る
    各社に同じ想定空室率・同じ設備仕様を条件として伝え、揃った前提のもとで見積もりを比較します。
  2. 2 アフターサポートの範囲・期間を確認する
    保証期間・定期点検の有無・修繕対応の範囲を確認し、竣工後何十年にわたって支援を受けられるかを見極めます。
  3. 3 過去の建築実績・オーナーの評判を確認する
    同じエリア・同規模での建築実績や、既存オーナーの評判を確認し、提案内容だけでなく実行力も判断します。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「建築会社選びで後悔する方の多くは、『提案内容が良かったから』という理由だけで、アフターサポートの確認を後回しにしています。

建築時の提案力と、竣工後何十年の対応力は別の評価軸です。竣工後のトラブル対応が遅い会社を選んでしまうと、経営全体に影響します。

契約前に、過去の顧客に直接連絡が取れるか、または紹介してもらえるかを確認することをお勧めします。

アパート経営は儲からない「見落としがち」な2リスクと対策

ここまでの10項目は比較的よく語られるリスクですが、節税目的だけでの参入・災害リスクの2つは見落とされやすい要因です。事前に意識しておくだけで対応の余地が大きく変わります。

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節税になるなら赤字でもいい?その考え方が危険な理由

相続税対策などを理由に、節税目的だけでアパート経営を始めるケースがあります。土地の評価額を下げられる・所得税と相殺できるといった仕組みは事実ですが、それだけを目的に始めると本来の事業性を見落としがちです。

赤字経営に陥りやすい理由は、「節税になるなら赤字でもよい」という考え方そのものにあります。節税効果はあくまで税負担を軽減する範囲内の話であり、事業自体の赤字額がそれを上回れば、トータルでは損失が拡大します。

節税になるなら、多少赤字でもいいってこと?

節税効果には上限があり、赤字額がその上限を超えると、節税で得た分より経営の損失のほうが大きくなります。「税金が減る」ことと「経営として成立している」ことは、必ずセットで確認する必要があります。

節税目的だけでの参入への対策
  1. 1 節税効果の上限を税理士に確認する
    所得税・相続税それぞれについて、どこまで節税効果が見込めるかを具体的な金額で確認し、経営判断の材料にします。
  2. 2 事業単体の収支をまず確認する
    節税効果を除いた「経営そのものの収支」がプラスになるかを先に確認し、それを前提に節税効果を上乗せで考えます。
  3. 3 相続税対策の場合は出口戦略も相談する
    相続後に売却・保有継続のどちらを想定するかによって適切な規模・構造が変わるため、税理士に出口までを含めて相談します。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

節税だけを目的に始めた経営ほど、数年後に見直しが必要になっているケースが多い印象です。

税金が減ることと、経営として成立していることは別の話です。事業性を軽視した結果、赤字が節税効果を上回ってしまう相談を何度も見てきました。

節税シミュレーションを受ける際は、必ず『節税効果を除いた収支』も一緒に出してもらってください。

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低頻度・高損失、火災保険と耐震等級で備える災害リスク

地震・火災などで建物が損壊すると、修復費用の負担とローン返済が同時に発生し、経営そのものが続けられなくなる可能性があります。発生頻度は低いものの、一度起きたときの影響が大きいという特徴があります。

災害リスクが見落とされやすい理由は、発生確率が低いため、日常の収支計算に組み込みにくいことにあります。空室・家賃下落のように毎月の収支に影響が見えるリスクとは異なり、備えの必要性を実感しにくいのです。

火災保険・地震保険に十分に加入していない場合、建物が損壊してもローンだけが残り、修復費用は自己負担になります。保険の加入内容と、建物の耐震性能を着工前・契約前に確認しておくことが対処法です。

災害リスクへの対策
  1. 1 火災保険・地震保険の加入内容を確認する
    保険の補償範囲・補償額が実際の再建築費用に見合っているかを確認し、不足があれば見直します。
  2. 2 耐震等級・新耐震基準への対応を確認する
    建築会社に耐震等級を確認し、法律上の最低基準だけでなく、より高い耐震性能を選択肢として検討します。
  3. 3 ハザードマップでエリアの災害リスクを確認する
    自治体が公開しているハザードマップで、所有する土地の洪水・地震・土砂災害リスクを事前に確認します。
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「災害リスクは『確率が低いから』と後回しにされがちですが、経営が止まるほどの影響を持つ唯一のリスクとも言えます。

保険や耐震性能は着工前・契約前にしか選べない要素が多く、後から追加するのが難しい対策です。

ハザードマップの確認と保険内容の見直しは、着工前の早い段階で済ませておくことをお勧めします。

アパート経営で儲かる/儲からないを分ける選択肢の比較

ここまでの13のリスクは、いずれも「どの選択肢を選ぶか」で結果が大きく変わるという共通点があります。ここでは自己資金比率・サブリースと自主管理・新築と中古という3つの選択軸を比較し、判断の基準を整理します。

頭金0円〜3,000万円、返済負担はどこまで軽くなるか

H2④で解説したとおり、自己資金をどれだけ用意できるかで月々の返済負担は大きく変わります。ここでは頭金の金額別に、返済負担がどう変化するかを整理します。

▼頭金別の返済負担イメージ(建築費5,000万円・返済期間25年の場合)

頭金借入額月々の返済負担の目安
0円5,000万円最も重くなる
1,000万円4,000万円0円と比べてやや軽くなる
2,000万円3,000万円0円と比べて明確に軽くなる
3,000万円2,000万円0円と比べて大幅に軽くなる

※金利条件を一定と仮定した簡易計算による目安です。実際の返済額は金融機関の金利タイプ・条件により異なるため、目安としてご参照ください。

頭金を増やすほど返済負担は軽くなりますが、手元資金をすべて頭金に回すと、修繕費や空室時の備えが薄くなるというトレードオフもあります。「返済を軽くする」ことと「手元資金を残す」ことのバランスで判断する必要があります。

自己資金比率の選択基準【まとめ】
  1. 手元資金にゆとりがある方
    頭金を2〜3割程度入れ、返済負担を軽くしつつ修繕費用の備えも確保します
  2. 手元資金を残しておきたい方
    頭金は最低限にとどめ、その分の資金を空室・修繕時の備えに回す判断もあります
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

頭金は『多いほど良い』というものではなく、手元に残す資金とのバランスで決めるべきです。

頭金を増やしすぎて修繕費の備えがなくなり、結果的に資金繰りに困る方も見てきました。

頭金を決める前に、着工後3年分の修繕・空室対応資金は別で確保できているかを確認してください。

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アパート経営を始めるのに必要な自己資金は?アパートローンについても解説 アパート経営を始める際に必要な資金は、建築費用の1割~3割が目安です。この記事では、アパート経営を始めるのに必要な資金、アパート経営を維持するために必要な資金、資金を用意する方法などについて解説しています。
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サブリースvs自主管理、向いている人の違い

H2⑤で解説したサブリースには落とし穴がある一方、自主管理(管理会社に業務委託しつつオーナー自身が判断する形式)にもリスクがあります。どちらが向くかは、時間の使い方とリスクの取り方次第で変わります。

【図解】サブリースと自主管理、向いている人の違い

サブリースが向く人
管理の手間を減らし、収入を安定させたい方

賃料改定・解約条項を理解したうえで契約すれば、空室リスクの一部を管理会社に移せます。本業が忙しく、経営に時間をかけられない方に向いています。

自主管理が向く人
収益を最大化したい・経営に時間をかけられる方

サブリースの保証マージンを払わない分、収益性は高くなりますが、空室・滞納などのリスクをすべて自身で判断・対応する必要があります。

30秒診断でタイプB(自己資金薄め×供給過多エリア)と出た方は、空室リスクの一部を管理会社に移せるサブリースとの相性が良い傾向があります。逆にタイプA(好立地×自己資金厚め)は、自主管理で収益性を高める選択肢も検討しやすい状況です。

専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「どちらが優れているという話ではなく、『経営にどれだけ時間を使えるか』で選ぶべき選択です。

本業がある方が無理に自主管理を選ぶと、対応が後手に回りやすくなります。

まずは自分が経営にどのくらいの時間をかけられるかを、契約前に正直に見積もってみてください。

新築vs中古、初期費用と修繕費のトレードオフ

アパート経営を検討する際、新築か中古かという選択も、初期費用と修繕費のバランスに直結します。新築は初期費用が重い一方で修繕費が読みやすく、中古はその逆の関係にあります。

▼新築と中古の初期費用・修繕費の比較

比較項目新築中古
初期費用重い(建築費全額が必要)新築より軽い傾向
修繕費の見通し当面は読みやすい購入直後から発生しうるため読みにくい
融資期間法定耐用年数を長く確保しやすい残存耐用年数により短くなりやすい

中古は初期費用を抑えられる一方、購入時点で既に経過した築年数分だけ、大規模修繕のタイミングが早く訪れる傾向があります。初期費用の低さだけで判断せず、購入後の修繕費まで含めた総コストで比較することが重要です。

新築・中古の選択基準【まとめ】
  1. 初期費用を抑えたい方
    中古を検討しますが、購入前に直近の修繕履歴と今後の修繕計画を必ず確認します
  2. 長期の安定運用を重視する方
    新築で法定耐用年数を長く確保し、融資条件を有利にする選択も検討できます
専門家のアドバイス
石川 龍明(アパートメントクリエーター・賃貸経営リスクコンサルタント)

※RC系建築・経営コンサルティング歴20年以上・累計440件以上の案件支援

「中古物件は初期費用の安さだけで判断されがちですが、直近の修繕履歴を確認しないまま購入すると、想定より早く大規模修繕が必要になります。

新築か中古かは優劣の問題ではなく、初期費用と修繕費のどちらに重きを置くかという配分の問題です。

中古を検討する場合は、直近10年の修繕履歴を必ず開示してもらってください。

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アパート経営は本当に儲けるために ー あなたのタイプ別ネクストアクション

アパート経営が「儲からない」と言われる背景には、収入が減る・コストが増える・契約やパートナー選定で失敗する・見落としがちな要因という4系統13項目のリスクがあり、そのほとんどは事前の対策で回避できます。最後に、記事冒頭の診断結果タイプ別に、今すぐ取るべき行動を整理します。

30秒診断

私の「儲からないリスク」危険度は?

Q1. 検討中のエリアについて、当てはまるものを選んでください
Q2. 自己資金は、総建築費の何割くらい用意できる見込みですか?
Q3. 将来、この土地・アパートをどうしたいですか?
タイプ別・今日からできるネクストアクション
  1. 1 「好立地×自己資金厚め」の方
    サブリースと自主管理の収益性の差が判断材料になります。まずは建築費シミュレーターで、自主管理を前提にした収支の目安を確認してください。
  2. 2 「自己資金薄め×供給過多エリア」の方
    空室・返済負担の2つのリスクが重なりやすい状況です。まずはリスク診断ツールで、自分の状況に近いリスクの優先順位を確認してください。
  3. 3 「エリア需要が未調査」の方
    立地条件の把握が最優先です。まずはエリア別の土地活用資料を取り寄せ、自分の土地の需要動向を確認してください。

どのタイプに当てはまっても、自分の土地・資金状況で具体的な数字を見てみないと判断がつかないという点は共通しています。複数社のプランを比較することで、初めて自分にとっての「儲かる経営」が具体的に見えてきます。

\ この記事の編集者 /

イエウール土地活用編集部

月間3.3万人以上が利.用する国内最大級の不動産情報サイト「イエウール」が運営する、土地活用専用サイトです。ユーザーの声を参考に、土地活用をお考えの方の悩みや知りたいに答える情報を、初心者にも分かりやすくお届けします。

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